新年の風物詩・箱根駅伝、視聴率が見込めず中継の日テレ大焦りの理由
毎年恒例の『第101回箱根駅伝』が25年も1月2日、3日に行われる。だが長きにわたり中継している日本テレビ局内では“見どころ薄”の展開に頭を抱えているという。
まず選手に目をやると、以前なら“山の神”でおなじみの東洋大学に在籍していた柏原竜二など各区間で実力を見せつけ、ネーミングまでついてくる名選手が次々と登場していた。
「箱根駅伝といえば中継局の日テレのみならず、スポーツ新聞でも一般スポーツ面で事前に注目が集まるようあおって紹介してきましたが、実力はあるものの、今回はとにかくマスコミ映えするような目立つ選手がいないとか」(同局関係者)
ライト層を取り込もうと、かつては日大駅伝部でも活躍した俳優・和田正人をキャスティングした時期もあり25年も検討されたというが……。
「日テレ上層部が視聴率に納得していないそうです。そもそも箱根駅伝は正月休みに早朝から午後まで2日間“ながら見”できる貴重な優良コンテンツ。このおかげで例年、視聴率だけは何とか及第点でした。さらに、アマチュアスポーツのため放映権料がほぼゼロに近く、旨味が大きい。ただ、ここにあぐらをかいていると『来年は大コケするのでは』と危機感を募らせている関係者が多いのも事実ですね」(同前)
選手やタレントではなく……ということで、スポットを当てたのが各大学の監督だった。ところが頼みの綱の大ベテラン指導者が、一昨季限りで引退したのは大きかったという。
「1995年から29年間、指導した駒澤大学の大八木弘明氏(66)が昨年春に勇退しました。大八木監督といえば監督車に乗らず沿道からインパクトの強い声掛けが名物で『箱根だけはごまかしが利かない!』など半ば不適切な数々の名言は、駅伝ファンにはおなじみです。また情報番組のコメンテーターもしている青山学院大学・原晋監督(57)はアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を意識したのかはさだかではありませんが、“◯◯作戦”を毎年のようにメディアに向けて発信しており、これも世間ウケがよかった。ただ近年はマンネリ感が否めずで、原監督の特集を組んでも思ったよりも視聴率が取れなくなってきているそうです」(同局関係者)
毎年同じ日程、時間帯に実施されているゆえ「他局を見渡しても正月から生中継でやれるコンテンツはそうそうない。スポンサーも学生スポーツに対するイメージが良いので景気が悪くても持ちこたえている」(系列局関係者)と、日テレが即撤退というわけではないが、選手ではなく監督にすがるほど追い込まれている……ということは間違いないだろう。
(取材・文=CYZO sports)