田中将大、巨人入団で“侍ジャパン監督候補”に名前があがる理由
楽天を自由契約になり、移籍先を探していた田中将大が2024年12月25日、東京都内のホテルで巨人入団会見を行った。
会見に出席した在京テレビ局スタッフによると「会場は先日亡くなった球団親会社トップで元オーナーの渡辺恒雄氏がこよなく愛したホテルを引き継いだ施設でした。自由契約選手の獲得にもかかわらず会場には80人近いマスコミが集まる盛況ぶりでした」と語る。
特筆すべきは阿部慎之助監督がわざわざ会見に出席したことだろう。
「本来なら吉村禎章編成本部長が仕切ってもよい案件だったと思います。それをわざわざ1軍監督が登場するのだから、相当な期待をかけているといっていい。しかも獲得前にはさまざまな関係者に相談をしてから決断しているあたり、ネームバリューだけではなく、捕手出身らしく冷静に見極めて決めているのは、さすがの一言に尽きる」(同前)
まさに阿部監督肝いりの獲得したのだが、田中本人はというと「実質的に居場所がなかった」と悲壮感を漂わす楽天退団の会見から一転、「子どものころからジャイアンツファンだった。これまでの経験を若い選手に伝えていきたいと思います」と満面の笑みで話すのだから、願ったりかなったりだろう。
球団OBは次のように語る。
「阿部監督の“推し”がなければおそらく獲得・入団は実現せず、田中は引退していたと思う。それを拾ってもらったのだから、今回の入団は阿部監督、親会社を含めてマー君にも大きな貸しができたといっても過言ではない」
その貸しのひとつが「将来、侍ジャパン監督就任の可能性がある」(前出・球団OB)という。さらに球団OBは、こう続ける。
「歴代監督を振り返ると広島OBの山本浩二さん、日本ハム元監督の栗山英樹さん同じく、日ハム二軍監督の稲葉篤紀さんらを除いて、王貞治さんはじめ、原辰徳さん、井端弘和さん、小久保裕紀さんら、現役時代に全て巨人でプレーした人たちばかりです。WBCやプレミア12は読売新聞が日本ラウンドを共催しており、かかわりはとても深い。マー君に至っては名前も実力も全国区ですから、言い方は悪いが、いざとなれば“客寄せ”として使うことができるということです」
巨人といえばかつて、生え抜きの高橋由伸を選手として見切るや否や、半ば無理やりユニフォームを脱がせて指導経験のないまま1軍監督に担ぎ上げた。だが、3年間で結果が出ないと見ると一転、バッサリ斬って退団させる力技を披露したこともある。
侍ジャパンの監督は名誉なのかそれとも……巨人のユニフォームを着た田中にとって、引退後の野球人生にも大きな影響を与えそうだ。
(取材・文=CYZO sports)