『アンダーニンジャ』、映画ファンから“福田雄一のギャグ&アドリブセンス”に不満が出てしまう理由
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1月24日に公開された俳優・山崎賢人主演の『アンダーニンジャ』だが、1月31日から2月2日までの全国映画動員ランキングで初登場3位から7位へと順位を落として早くもその勢いに陰りが見えはじめている。
福田雄一監督・脚本による同映画は、花沢健吾氏の人気漫画が原作で2023年10月にはアニメ化もされた話題作。
それだけに実写映画版への期待も大きかったが、芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。
「映画『キングダム』シリーズや『ゴールデンカムイ』シリーズなど実写化作品を成功に導いている山崎賢人さんを主演に据え、ヒロインには数多くのドラマや映画、CMで活躍する浜辺美波さんを起用。他にも間宮祥太朗さんや元『乃木坂46』の白石麻衣さん、山本千尋さんら魅力的なキャストが集結しています。作中で忍者たちの戦いに巻き込まれていく女子高生の野口彩花役を演じる浜辺さんは、約9年ぶりに金髪にし、制服姿も披露して公開前から話題になりましたね。その浜辺さんは山崎さんとは今作が初共演、“福田組”への本格参加も初めてということで、どういう絡みが見られるのかにも注目が集まっていました」
だが、いざ公開されると大手映画サイトのレビュー欄などでは作品に対する厳しい意見も多く見受けられるが映画ライターは明かす。
「中でも目立つのが福田監督の演出に対する苦言です。かつてはテレビ東京系の『勇者ヨシヒコ』シリーズや『アオイホノオ』、映画『銀魂』、日テレ系ドラマ『今日から俺は‼』などで高評価を得た福田監督ですが、近年の作品では作風のマンネリ化が指摘されています。とくに、映画のテンポを大きく崩す福田作品特有の『寒いギャグ』や『冗長なアドリブ』が映画ファンの間では不評で、今作に関してもそうした声が目立ちます」
福田作品といえば、佐藤二朗やムロツヨシといったおなじみの顔ぶれがアドリブ風の演技をするのが定番となっている。
昨年12月に公開された『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』でも、スクリーンの端にガンマイクが映り込んだのに気づいた佐藤が、「あっ、今、ガンマイク映ったね! マイクさん、名前何て言うの? マイクさんは彼氏いるの?」と延々としゃべり続ける場面が一部の映画ファンの間で物議を醸した。
今作の『アンダーニンジャ』においても、作中で佐藤がまたもやギャグを連発したり、浜辺美波の“鼻くそいじり”を2回も続けたりとナンセンスなネタが繰り広げられている。
「しつこく続けられるとさすがにうんざりしてきますが、福田監督本人はそれを面白いと思っているのでしょうが……。ただ、レビューのみならず、映画YouTuberたちからも『地獄の時間だった』『豪華キャストの無駄遣い』などと散々な言われようです」(前出・映画ライター)
そもそも、『アンダーニンジャ』は現代に忍者が存在し、社会の影で暗躍するという設定のシリアスなスパイアクション作品で、そこには独特のシュールさやダークな雰囲気があり、それが原作ファンを惹きつける魅力の一つとなっている。
「しかし、“福田節”はそうした世界観と大きなズレがあり、原作ファンからも残念がる声が聞こえてきます。ともあれ、福田監督が撮ればこうなるのは予想できたはずで、むしろシリアスな作風の監督を起用しなかったプロデューサー側の責任のようにも思えますけどね」(エンタメ誌編集者)
熱烈なファンを抱える福田作品だが、一部では「『聖☆おにいさん』よりはマシだった」との何とも微妙な評価も聞かれるが、少なくとも映画ファンの“福田監督アレルギー”は増幅してしまったのかもしれない。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)