農林族なのにJAからの献金ゼロ……石破茂首相は「減反廃止」を実現できるか
森山の資産等報告書を(2022年)を見ると、資産として記載されているのは小さな平屋だけだという。
これは明らかに「未登記」状態で、不動産登記法には所有権取得の日から1月以内に登記を申請しなければいけないのに「違反」していることは明らかだ。
こんなケースは聞いたことがないと、元木翼司法書士がいっている。
森山はよほどの金持ちで、豪邸はいくつもあるから忘れているのだろうか?
森山の錬金術の一端が分かった。彼は東証プライムに上場しているITコンサルティング企業「フューチャー」社の大株主だが、同社の創業者が後援者の息子だったこともあり、応援のためにヘソクリから210万円を出して42株を購入していたという。
それが、この会社が1999年に上場すると、約13億円に大化けしたというのだ。
210万円が13億か! 森山にとっては、件の豪邸も8000万円ぐらいで建てたようだから、私の10万円ぐらいの感覚で、失念していたのだろうか。
新潮に対して森山は、
「毎年公租公課も支払っているので、当然、保存登記されていると思っていました」
といい、
「失念していたとはいえ、反省しています。今後は気をつけたいと思います」
と神妙だったというが、ゴメンで済めば警察いらない。つくづく政治家は儲かる商売だと思うな~。
お次は、どこまで続く泥濘ぞの「中居正広問題とフジテレビ」の文春の続々報。
フジテレビの編成幹部Aが、中居にX子を紹介して、その後、中居がX子に直接誘いの電話をかけ、その夜、2人の間で何らかの性的トラブルが起きてしまったといわれている。
そのAは今何をしていて、何を考えているのだろう。文春オンライン(2月26日)から引用してみる。
《昨年末から報じられている元SMAP中居正広(52)と芸能関係者X子さんの性的トラブル。現在、フジが設置した第三者委員会の調査が進められており、3月末に調査結果が公表されると見られている。
調査の最大のテーマは、X子さんが被害を訴えてもなおフジがコンプライアンス部門に報告すらせず、中居を起用し続けたのはなぜなのかという点だ。そのカギとなるのが、事件直前にX子さんを中居の自宅でのバーベキューパーティに誘うなど、X子さんをタレント接待の場に連れ出していた編成幹部のA氏である。
初めて小誌記者が彼に取材を行ったのは、昨年12月20日のことだ。その日、フジ本社から出てきた彼はタクシーを拾うと、番組関連の忘年会に参加。そこでX子さんと中居の性的トラブルについて尋ねたが、「いやいや違う」などと、ほとんど語ろうとしなかった。
それから2カ月――。彼を取り巻く環境は激変している。年を跨ぎ1月中旬にリモートワークを命じられ、同月30日付で「人事局付」の発令を受けた。
「編成の役職を解かれ、第三者調査委員会による調査への対応に専念することになったのです」(フジ関係者)
2月24日、「週刊文春」取材班は都内でA氏を直撃。昨年の取材時と打って変わって、この日のA氏はどこか意気軒昂で、次の質問をした瞬間、小誌記者に向き直った。》
その質問とはこうだ。
――Aさんは中居をはじめ、男性タレントに女性を「上納」してきたのではないか。その認識は?
「いや、『上納』というのは適切な表現ではないです。当てはまらないというふうに思いますね。性的な目的のために誰かを上納したり、献上したことは一度もありませんから」
――タレント側から女性を求められることはある?
「……それは過去に一度もなかったとは言えません」
そして、Aは少し押し黙った後、絞り出すようにこういったという。
「文春の記事は読みました。もし記事にあるような(参加女性が嫌がる等の)状況があったのであれば、申し訳なく思います。いろいろ振り返ると、総合的に反省しています」
最後に、中居への思いを尋ねると長い沈黙の末、
「めちゃめちゃ難しいですね……。ただただ、私も真実が知りたいです」
第三者委員会の調査は進んでいるようだ。どこまでフジテレビの「腐食の構造」を明らかにできるのか。中居事件はX子のプライバシー問題があるから、そこに触れるのか触れないのか。難しい選択を委員会の弁護士たちは迫られているのだろう。3月末までもうわずかしかなくなってしまったが、どのような報告書が出されるのか。その内容如何によって、フジテレビはさらなる窮地に追い込まれる可能性がある。
次は、新潮の先見力が光った小さな記事である。タイトルは「トランプから恨まれるゼレンスキー大統領の次に控える“鉄の将軍”」。2月28日、トランプとゼレンスキーとの間で激しい口撃の応酬があり、テレビを通じてその姿が世界中に流れた。
このような事態が起こるとは、トランプも予期していなかっただろう。ウクライナのレアな鉱物資源の利権をゼレンスキーから頂き、プーチンと談合してロシアに有利な停戦合意に持ち込めば、トランプの考えている「最高のディール」になるはずだった。
だがゼレンスキーはトランプよりも強かだった。トランプ以上のウルトラ保守主義者のバンス米副大統領の「我々は戦争を止める外交努力をしている。トランプ大統領に感謝すべきだ」とのひと言で、ゼレンスキーの反撃の口火が切られた。
「武力によって領土を奪うなどの行為を禁じた国連憲章の原則を破り、ウクライナに侵攻したのはロシアだ。にもかかわらずトランプ氏は、攻め込まれ、領土も奪われた被害者であるウクライナに対し、戦いの分が悪いから、これまでの被害はあきらめろと言っているようにも聞こえた。あたかも妥協しないウクライナが悪いというような言い分だった」(朝日新聞Digital3月2日 15時00分)
顔を真っ赤にしてゼレンスキーを睨みつけるトランプは、頭の中で「計算が狂った。プーチンにどんな言い訳をしようか」と考えていたのではないか。
大統領就任1か月にして、トランプの“狂気の沙汰”としか思えないやり方に、民主党でもヨーロッパでもなく、小国の、それもアメリカの軍事力に多く依存しているウクライナの大統領がテレビの前で堂々と反論したのである。
私はテレビに向かって拍手した。「よくやったゼレンスキー」「あんたは一人じゃない。世界中があんたを支持し、応援するはずだ」。“赤鬼”トランプが赤っ恥。
トランプはゼレンスキーを「選挙をしない独裁者」だと批判している。ウクライナ国民はお前のことを見限っている、選挙をやれば国民の4%しか支持していないお前なんかすぐ首になると口を極めて罵ってきた。
だが、今回のことで、ウクライナ国民のゼレンスキー支持率は爆上がりした。新潮によれば、昨年2月まで軍の総司令官を務めたヴァレリー・ザルジニー駐英大使(51)がゼレンスキーを上回る支持を集めていたようだが、彼がもし大統領になったとしても、「ゼレンスキー大統領の路線が継承される可能性が高く、トランプが望む結果にならない」(明海大学の小谷哲男教授)という。
アメリカの植民地日本では、政治屋どもは表立ってトランプ批判はできないが、ゼレンスキーの見事な切り返しに、内心で手を叩いていたに違いない。
たしかに、英国やフランス、ドイツはウクライナ支持を鮮明にしたが、アメリカ程の軍事力もなく多額の支援金を出せるわけではない。今のままでは、ウクライナは極めて戦争の続行が厳しくなることは間違いない。
だが、今回のゼレンスキーの“快挙”は、後々まで語り継がれていくことだろう。アメリカ国内でも、ようやく国民が反トランプで動き出した。アメリカ国民の前で、「あんたのところの大統領はバカだぞ」と証明してくれたのだ。2期目のトランプは、国の内外から厳しい目を向けられ、心の休まる日はないだろう。
悔しさのあまり、トランプはウクライナに対する全ての軍事支援を一時停止すると報じられている。
しかし、多くのアメリカ人だってトランプに怒っている。今回のことが、トランプ時代の終わりの始まりになる。私はそう思っている。
お次はポストの闇バイト強盗のリーダー格だった男の『獄中手記』。NEWSポストセブン(2/28(金) 12:57配信)から引用してみよう。
《「闇バイト」による広域強盗が社会的に注目を集める契機となった2023年1月に東京都狛江市で発生した強盗致死事件。ここではSNSの「闇バイト」に応募した実行役らが、秘匿性の高いアプリ「テレグラム」を介し、フィリピンにいる指示役からの命令を受け、強盗を実行、家にいた高齢女性をバールで殴って死亡させた。
この事件でリーダーとして現場を仕切っていたのが永田陸人被告(23)だ。これを含む6事件に関わったとして一審・東京地裁立川支部で昨年11月、求刑通り無期懲役の判決が言い渡された。
相次ぐ「闇バイト」による強盗だが、なかでも世間の大きな注目を集めたのが、フィリピンの指示役たちが遠隔で実行役を動かした連続強盗事件だ。》
その実行役リーダーの永田被告の獄中手記を、ノンフィクションライターの高橋ユキが入手したそうだ。
永田被告は手記の中で、最初に実行した神奈川県の空き巣については、〈当時の私は窃盗に対して全く抵抗がなかったため「楽だ」と思っておりました〉と綴っている。
〈加えて指示役から報酬が支払われるという保障(原文ママ)もなかったので盗品物から個人的に約170万円になる物をくすねました。結果、個人的に170万円を確保した上で報酬という二重で現金等を入手したため、それに気付かない指示役に対しても、「アホやからチョロくて楽だ」と重ねて思いました〉(永田被告の手記)
二件目の東京都中野区での強盗も、同様の心境だったという。
〈プッシャー(※筆者注・麻薬の密売人の意)の叩き(※強盗の意)をした事があり、加えて知人が賭博荒らしをしていた事もあり、強盗に対しても特に抵抗がありませんでした。しかしプッシャーも賭博者も犯罪者であり、私は“悪い事をしていたら何をしても良い”と思っていましたので一般の方に叩きをする事は抵抗がありました。しかし指示役からの情報で悪い人だと聞き「それなら叩いても良い」と考え、ためらう事なく事件を起こしました〉(同)(中略)
〈そしてそれまでの“悪い事をしていたら何をしても良い”というただでさえ誤った倫理観が私の中で崩壊し、次の事件につながりました〉
三件目は広島の事件で、永田被告は家人をモンキーレンチで殴打し、意識不明の重体に陥らせる。にもかかわらず〈当時の私は被害者の方に思いを馳せる事なく、逆に自分の行動の抑制が効かなくなって(原文ママ)いました〉と、思いとどまることなく悪の道を邁進していったのである。
しかし悪銭身に付かずの譬え通り、競艇でカネを失い、再びヤミ金から借金し、犯行を続けていった。
千葉・大網白里では強盗に及ぶも金品を奪えず、そして狛江市の事件では90歳女性が亡くなるという重大な結果をもたらした。だが永田被告はそれでもこのとき、強盗をやめるという選択肢を持ち合わせてはいなかった。
〈当時、お金に対しての執着心が凄く、そのためなら手段を選ばないという私の生涯において1番“頭のネジが外れた”狂った状態でした。そして命を奪ってしまった私は、被害者の方に思いを馳せるのではなく逆に後戻りが出来ないと強く思い、最後の6件目の事件を起こしました。ただ狂っていても命を奪う事は駄目であり、「人として終わった」、「クズ以下だ」と思っておりました。そのため6件目の事件を起こす前に5件目の事件の報道を見ながら考えていました。この考えるとは被害者の方に思いを馳せるのではなくなぜ命を奪ってしまったのかという犯行の内容に対しての脳内反省会にすぎませんでした〉(同)
6件目の時、現場近くで車を止めている時に警察官に職務質問され、逮捕された。
永田被告は一審で求刑通りの無期懲役がいい渡された。現在控訴中だが、いずれ〈控訴は取下げる〉という。
事件から2年が経過したが、闇バイトはなくなるどころか増え続けている。永田被告は闇バイトに手を出さないようにと、こう訴えている。
〈まず犯罪で幸福は得られないという事実です。“幸福は他の誰かの不幸や犠牲によって得られるものじゃない”この考えを念頭におけば犯罪に手を染める事はないと思います。次に人間は行動を重ねていくと抵抗感が減っていくので、正常な心も自覚しない内に異常になります。闇バイトに手を出す時点で正常な心とは言えませんが、それでも私は正常な心の持ち主なのに選択肢が1つしかないと思い、闇バイトに手を出し、結果、苦しんでいる者を知っています。最後に必ず苦しみます。苦しみの基準は人によりますが例として“刑務所に入ること”“大切な人を失うこと”“被害者の方の苦しみを知ったとき”など必ず苦に感じる現実を味わいます。そしてこの苦しみは自分1人で済むものではありません。そのため私としては「お願いだからやらないで下さい」としか言えません。どうか私と違って幸せにする人になってほしいと切に願います〉
最近もミャンマーを拠点とした巨大な犯罪組織があることが判明した。闇バイトは暴力団の資金稼ぎというのばかりではなく、世界を相手にした大きな犯罪グループが存在し、日本人などを誘拐して「特殊詐欺」を手広くやっていることがわかってきた。
日本の警察が手を出せない広がりを見せているのだ。困ったものだが、犯罪者たちの手口のほうが警察などより上をいっているのだからな……。
ところで、秋篠宮悠仁さんが3月3日に「成人会見」をした。何かと天皇の長女・愛子さんと比較される悠仁さんだから、今回も大きな注目を集めた。
第一印象は、まだ青年というよりあどけなさの残る男の子。それが猛者ぞろいの宮内庁担当記者の前で、しかもテレビで流されるというのでは、緊張するなというほうが無理だろう。
少し緊張しているのはテレビからも見て取れたが、意外といっては失礼だが、口調に震えはなく、メモも何も見ずに、目線は常にすべての記者たちに流しながら、はっきりと答える姿にはある種の感動を禁じ得なかった。
はじめは現在、岩手県などで起きた山林火災について触れ、「被害が生じていることを案じており、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます」と話した。
背筋を伸ばし、大きく口を開け、一言一言をハッキリ話すのは、相当練習を積んできたと感じさせた。
成年を迎えた気持ちと今後の抱負を聞かせてくれという質問には、成年になったことはあまり感じたことはないが、「これから様々なことを通じて実感していくのだと思う」と述べた。
「(公務については)周りの方々からご助言をいただきながら一つ一つ丁寧に取り組み、成年皇族としての自覚を持ち、皇室の一員としての役割をしっかり果たしていきたいと思っています」
時には笑みを浮かべて話す所作は、やはり、天皇になることが約束された人だと、私のような年寄りは、愛おしい孫を見るような気持になってしまうのである。
新時代の幕開けをチョッピリだが、感じさせてくれた爽やかな成年会見であった。
今週の最後の記事は、コメについての話である。コメが高い。昨年に比べて倍近くも値上がりしている。それなのに政府や農水省の動きは鈍かった。どこぞの流通業者が儲けるために倉庫に眠らせているのではないかというデマ情報まで流して、国民のさらなる怒りを買った。
もはや、いつ「令和一揆」が起きてもおかしくない。庶民の怒りが爆発寸前なのに恐れをなし、政府の備蓄米21万トンを放出すると、ようやくいい出した。
だが、初回は15万トンで、様子を見て、更なる備蓄米を放出するというのである。
そのため、3月末頃にはコメが出回り、米価が下がるというが、識者や流通業者たちは、それほど下がらないのではないかと懐疑的である。
なぜ、これほど政府の対応が遅いのか? 文春によれば、JA関連団体からのパーティー券収入が約1億4000万円ほど農水族議員たちにばら撒かれているという。
中でも「農水族のドン」といわれるのが先にも出た森山裕自民党幹事長で、森山は減反推進派。
ここ3年間でJA関連団体からのパー券収入が840万円になるというのだ。
では、石破茂首相はどうなのか。石破にはJA団体からの献金は見当たらず、自身も、農林族でありながら、以前から、減反政策の廃止が持論だという。
今回も、「米の価格高騰は日本の農業政策を転換するチャンスかもしれない」と語っているそうだ。だが、所詮少数与党の中でもごくごく少数の支持者しかいない石破では、できるはずはないのである。
3月末時点で、コメの値段が半値とはいわないが、3分の1程度は下がらなければ、庶民の怒りは参院選で爆発する。
米は日本人の主食である。早急に減反政策をストップして、コメ作りを魅力のある、それで十分生活していける収入のある仕事にしていかなければ、コメ作りに従事しようという若い人はいなくなる。
そのうち、中国産米はもちろんのこと、北朝鮮米もどんどん輸入するようになるかもしれない。
(文中一部敬称略)
(文=元木昌彦)