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週刊誌スクープ大賞

大阪万博は「絶対に間に合わない」現場作業員も苦笑いする“開幕1カ月前”の現状

 お次も殺人事件だが、こちらのほうはわかりやすい。

 3月11日、新宿区高田馬場の路上で、動画を配信中だった最上あい(22・本名は佐藤愛里)が、栃木県在住の高野健一容疑者(42)に襲われ、刺殺された。

 この惨劇は、ライブで配信され、ピーク時には6000人が視聴したという。

 最上は動画の生配信ができるサービス「ふわっち」の“ライバー”で、フォロワー数は2600人ほどだが、「グレードは10段階のうち最高位でした」(ふわっち配信者のまさやん)

 これは「投げ銭」システムのことで、数十円から購入できるが、最高額だと1万5000円をライバーに贈ることができるという。つまり、彼女は多くのカネを稼いでいたということのようである。

 多いときは月に100万円くらい稼いでいたというが、この最上に、時には月10万円ほど「投げ銭」していたのが高野だった。

 高野が最上を知ったのは2021年12月で、連絡を取り合うようになり、翌年の8月に、最上が「あいり」という源氏名で勤める山形市内のキャバクラで会ったそうだ。

 その後、彼女から高野に、こんなLINEが届いたという。

「申し訳ないんだけどさ、昨日日雇いバイトに行った先に財布を忘れちゃってまじ手持ちない状態だからちょいとお金かしてほしいんよね」

 高野はすぐに応じて、指定された口座に振り込んだ。だが、次第に金額も大きくなってくる。高野はサラ金に借金して金を渡していて、借金は250万円になったそうだ。

 だが、そうして“稼いだ金”を彼女は、ボーイズバーで浪費していたという。

 高野は彼女に対して「貸金等返還請求訴訟」を起こしているのだが、返済がないのに配信を続けていることに腹を立て、殺害を計画したようだ。

 最上はシングルマザーだった。子供を託児所に預けたまま飲みに行ってしまい、託児所から店に電話が入ることもあったそうだ。

 残された子どもが不憫だ。

 ところで、高嶋ちさ子(56)というヴァイオリニストが人気だそうだ。歯に衣着せぬものいいで、テレビで見ない日はないくらいの売れっ子だという。

 その高嶋が、暗号資産詐欺の広告塔になっていたと、文春が報じている。

 高嶋は単なるタレントではない。テレビで彼女の威勢のいい舌鋒を見ていれば、あの人もこの話に投資しているのなら、安心だと思ってしまっても無理はないとまではいわないが、出資する動機付けにはなるだろう。

 その上、その儲け話をやっているのが、元ラグビー日本代表の富岡剛が手掛けている会社となれば、なおさらである。

 この会社は「ビットサンズグロ-バル(BG)」という、暗号資産と会員権を組み合わせて利益を上げるそうだが、オンラインカジノに投資する、元本保証というのだから、私ならこういう話には乗らないな。

 40代の男性も「怪しいと思いつつも」、高嶋も投資しているのならと、なけなしのカネをつぎ込んでしまったというのだ。

 そうしたケースはいくつもあるらしい。だが、現在は、元金保証どころか、1円も出金できなくなっているという。

 富岡と高嶋は、青山学院初等部からの幼馴染で、一説に高嶋は2000万円を投資したといわれているそうだ。

 高嶋の事務所の代理人からは、富岡とは幼馴染というのは事実で投資したことも事実。だが、富岡から投資した全額が返金されたという事実はない。富岡が勧誘の際、高嶋の名前を用いていたことは、今年2月下旬、被害者という人物からの通報を受けて認識したが、高嶋が勧誘に氏名や肖像を用いることを許諾したことは一切ない、という回答があったという。

 現在、「被害者の会」を立ち上げ、富岡に対して損害賠償を求める準備を進めているそうだが、総勢60人以上、把握している被害額は1億円を超えるという。

 文春が富岡に事実確認を求めると、代理人から、「富岡氏はBGの経営者でも社員でもないので、返金を行う立場にございません」という回答があったという。

 この不可解な詐欺疑惑。やはり高嶋ちさ子が表に出て、富岡との関係を含めて説明する責任があるのではないか。

 しかし、石破茂首相ほど期待を裏切った首相も珍しいだろう。麻生太郎や安倍晋三、菅義偉、岸田文雄という歴代首相は、なる前となってからも、そうイメージが変わることはなかった。

 だが、石破は違った。党内野党の頃は、体制に与しない反体制的正義感の持ち主のように思われ、石破に代われば、これまでの自民党とは少し違う党になるのではないかと期待された。

 だが、なった途端、変貌した。やることなすこと、これまでの自民党以上に自民党的で、人間が変わってしまったのかと思うほどである。

 今回の一年生議員に10万円の商品券を配ったのも、石破は、これまでみんながやってきたことだと開き直った。

 政治とカネがこれだけ問題になっているのに、何をとち狂ったのだろうか。

 衆院選の最中に、政治とカネの問題で非公認とした候補者が代表を務める政党支部に2000万円を支給したのも石破であった。

 首相の座というものは、その人間を変えてしまう魔力があるのだろうか。

 今回の件をスクープしたのは朝日新聞だった。だが、文春によれば、石破は、「なんでこれが責められるんだ。皆やってきたことじゃないか」と逆切れしたという。

 さらに納得がいかないのか、周囲に、

「私も一回生の時は商品券をもらったら金券ショップで現金にして、毎日の生活費にしていた。そういう意味のお金だから、法律的には何ら問題ありません」

 と鬱憤をぶちまけていたという。

 この御仁、今何が問題になっているのかを理解できないようだ。

 国民が物価高に青息吐息で、自分も10万円の商品券をもらえれば一息つけると思っているのだ。そうした国民の感情を逆なでしたのが石破である。

 企業団体献金を禁止しようではないかという論議も始まっている。石破なら、「私は賛成だが、自民党の中には反対する者が多くいる」というのではないかと期待したが、石破は、「企業による表現の自由だ」として、禁止することに強い拒否感を示した。

 文春が、企業団体献金の受け皿になっている「自民党鳥取県第一選挙区支部」の収支報告書を精査したところ、2019年から2023年までの5年間の総額は約6900万円になるという。

 こうした金の一部は、名産の梨の購入代になり、近しい議員たちに配っていたのではないかとみられる。

 これほど表裏のある首相でも、党内からは引きずり降ろすという声が出てこないという。なぜなら、今、石破を降ろしても、この難局に立ち向かえる首相候補などいないからである。

 また野党も、参議院選まで石破を置いておけば、自民党大敗は間違いないと読んでいるからだ。

 誰にも期待されない存在になってしまった石破茂首相は、一人になった時、「俺は何のために首相になったのか」と自問しているに違いない。

 お次は、少し前に日本に上陸した「大谷翔平フィーバー」の新潮による総括である。

 ショータイムは来日前から始まっていたという。ドジャース御一行様を乗せたチャーター機は、キャンプ地のアリゾナから大西洋を横断してやってきた。

 航空機の現在位置を地図上で確認できるアプリ「フライトレコーダー24」の閲覧者は、3月13日にチャーター機が羽田に着いた時点で、約4万7000人いたという。

 テレビのワイドショーも、チャーター機が着陸する様子を生放送で伝えていたが、駐機場でタラップが横付けされた途端、中継は終了。大谷らの姿が映像で流れることは全くなかった。

 全国紙の運動部デスクはこう明かしている。

「実はドジャース球団の強い要請で、羽田での選手撮影は完全不可となったのです。到着ロビーには数百人のファンが集まりましたが、出口には目隠し代わりのパーテーションが設けられ、屈強な外国人SPが警備し厳戒態勢でした」

 しかも、こうした「厳戒態勢」という言葉で報じることさえもNGだといわれていたというのである。

「主催者のMLBやドジャース側から取材パスが配布される際、記者などメディア関係者に要請がありましてね。空港や試合会場となる東京ドームの様子を伝える際に、『厳戒』や『警備』などネガティブな印象を与える表現を使ってはダメだと言うのです。肝心の取材では会見など指定された場所以外で選手への声かけ禁止。彼らのドーム外での様子、ましてや宿泊先について報じるなんてもっての外というわけです」

 ちなみに、ドジャースの宿泊先は汐留にあるラグジュアリーホテル「コンラッド東京」で、16日夜には、大谷、山本、佐々木たちがホストになり、ドジャースの選手を一堂に集めたパーティーが開かれた。

 スポーツ紙記者がこう話す。

「今年の豊洲市場における初競りで、青森・大間産クロマグロを2億700万円という歴代2位の高値で落札した仲卸『やま幸』の社長が招かれ、マグロの解体ショーを実演しました。予約の取れない高級店として有名な『鮨さいとう』や『鳥しき』の店主らも立ち会い、握り寿司や焼き鳥などの和食が振る舞われたのです」

 だが、こうした大谷翔平たちのオフショットも、記者たちが直接取材することは叶わなかった。

 パーティーの模様や選手たちの東京滞在中の様子は、彼らに同行している奥さまたちのSNSを逐一ウオッチして、報じていたというのだ。

 大谷がドジャース選手の宿泊するホテルには泊まらないことは、事前に、ロバーツ監督が記者に話していた。なぜなら、「ファンが殺到して混乱を招くから」という理由だった。

 では、大谷はどこに泊まっていたのか。

 女性セブン(4/10日号)は、大谷の宿泊先をこう報じている。

「メジャー1年目の’18年春に、大谷選手が2億5000万円で購入したマンションです。オフシーズンに帰国したときはここで生活しており、ロスの自宅に対して、東京の隠れ家ともいえる場所です。今回もそのタワマンに滞在しました」(スポーツ紙記者)

 東京湾を望む湾岸エリアに建つタワーマンションだそうだ。そこで大谷は、両親と母親・加代子の手料理を食べたのではないかというのである。

 何しろ、開幕戦のバックネット裏の指定券は定価6万円だったのに、オークションサイトでは200万円の値が付いたというほどの過熱ぶりだったから、大谷たちの身辺警護は最重要課題だったのだろう。

 露出が少なかったため、中継できた読売系列のテレビ局の視聴率は30%を超えた。

 中継できなかった他のメディアは、試合結果を報じるだけだったが、その際にも、「MLBなど主催者側からは、選手の姿を記事中の写真や映像で流す際、球場内などに掲げられたスポンサーのロゴが映り込まぬよう配慮すべしとの要請までありました」(全国紙の運動部デスク)

「今回の開幕戦を通じてMLBは100億円は下らない収入を得たと推定しています」と語るのは、スポーツ経営学が専門の小林至桜美林大学教授。

「仮に米国本土で開幕戦を開催しても10億円から15億円ですから、大谷の経済効果は絶大です」

 小林は続けてこう話す。

「MLBは今シーズンにメキシコやフランス、プエルトリコなどで公式戦を行うことを計画しましたが、最終的には成立しませんでした。それだけの市場が各国にはなかったわけですが、大谷に熱狂している日本にはある」

 野球はマイナースポーツ。アメリカを除けば、日本と韓国ぐらいにしか市場はないのだ。

 では、大谷の今シーズンはどうか?

 メジャーリーグ評論家の福島良一はこういう。

「打者としての調子は悪くありませんが、投手としては少し不安があります」

 やはり、2度の肘の手術をしていることがネックになるというのだ。

「彼は18年10月に一度目の手術を経験していますが、投手に復帰できたのは20年になってから。しかも、そのシーズンはコントロールが安定せず思うような結果が出なかった。結局2試合しか投げられませんでした」

 今回は二刀流を封印してから1年半ものブランクがあるから、もっと厳しいということだろう。

 実際に、大谷は年初は投球練習をしていたものの、2月くらいから投球練習をしなくなった。

 メジャーリーグ研究家の友成那智は、

「ブランドン・ゴームスGMが“大谷はシーズン終盤とポストシーズンにピークを持っていく”と明言しています」

 といっている。どちらにしてもシーズン中盤までは、大谷は打撃に専念するということだろう。

 大谷の仕上がりは順調のようだが、心配なのはムーキー・ベッツである。日本にも来たが試合に出ることはなかった。報道によれば、食事ができず、食べても戻してしまうというのだ。検査を受けたが異常はないという。

 大谷以上にドジャースの要の選手だから、もし、彼が出られないとなると、ドジャースも苦しい開幕となるだろう。

 今週の最後は、もう目の前に迫った大阪・関西万博の多くのパビリオンが、間に合わないと報じているFRIDAY。

 6枚の写真が掲載されている。オーストリア館には足場が多数残っている。インドネシア館は外国人作業員の姿がまだある。

 クウェート館はまだ骨組みだけに見える。スペイン館はまだこれからという風情。ブラジル館はまだ外装さえできていない。

 中国館も完成という雰囲気ではない。

 いずれも3月中旬――開幕の約1ヵ月前の大阪・関西万博会場の内部を写したものだという。

 タイプAと呼ばれる各国が独自に建設するパビリオン(ブラジルは当初タイプAだったが、現在は日本が建設を代行するタイプXに移行)で、足場が組まれたままだったり、周囲が未舗装だったりと、完成からは程遠いのが一目で分かるという。

 FRIDAYDigital(13時間前)から引用してみる。

《開幕は約1ヵ月後の4月13日である。万博会場でパビリオン建設に携わっている作業員の一人は、「絶対に間に合わない」と苦笑いする。
「万博協会の慌てぶりは尋常ではない。突然、『大阪府下の全ての地方議員を招待する』と言い始めましたからね。議員に見に来てもらって、地元で宣伝してほしい、ということなんでしょうが、集客以前に交通ルールや搬入物を確保する場所など、先に解決しなければならない問題が山積している。あまりに場当たり的な対応にあきれるばかりですよ」
関西国際空港や大阪ミナミには公式キャラクターの「ミャクミャク」を用いたのぼりや掲示物があちこちにあるが、そこで記念写真を撮る者も、足を止める者もほとんどいない。》

 FRIDAYによれば、街の声を拾ってみても、「万博どころではない」という意見が溢れていたという。コリアンタウンとして有名な鶴橋の飲食店店主がこういう。

「今、大阪では『50円ハイボール』を提供する飲食店があちこちにできて、お客さんを集めています。超格安店が人気を博していることに大阪の経済状況が表れている。“万博で人が集まって潤う”と期待している飲食店はほとんどいませんよ」

 ミナミの商店街の店員は、皮肉たっぷりにこう話したそうだ。

「万博の話題は3000円超えのそばとか、2億円のトイレとか、庶民からしたら浮世離れしたものばかり。開幕してみないと分かりませんけど、とても我々に恩恵があるとは思えない。吉村さんには期待していたけど、結局は与党の予算案に賛成した。前代表の馬場伸幸さん(60)と一体何が違うの? と思ってしまいますわ」

 かつての威信も失われつつあり、万博が不成功に終われば、日本維新の会は終わってしまう。目玉の何もない万国博覧会では、他の地域からも、海外からも、そっぽを向かれるのは当然だろう。(文中敬称略)

(文=元木昌彦)

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元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/03/25 18:00