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週刊誌スクープ大賞

フジテレビと中居正広問題「日枝久とその一派」の追放で変わることができるのか

フジテレビと中居正広問題「日枝久とその一派」の追放で変わることができるのかの画像1
Fuji Television Building(写真:Getty Imagesより)

今週の注目記事・1「フジテレビ『調査報告書』の全貌『第二の日枝久』に懸念」(『週刊新潮』4/10日号)「グラビア 問題発覚から3カ月 中居正広を初撮影」(『週刊新潮』4/10日号)「中居正広&フジ日枝帝国 小誌が掴んだ全真相」(『週刊文春』4/10日号)
同・2「スライディングを志願の再撮20回 CM現場でもSHOW TIME!」(『FLASH』4/15日号)
同・3「解散命令でも4.12合同結婚式強行 統一教会が始めた新霊感商法」(『週刊文春』4/10日号)
同・4「国立循環器病研究センター理事長のパパ活写真」(『週刊文春』4/10日号)
同・5「銭湯で男性客に性的暴行 歌手『中孝介』の“優しい歌声”が胡散臭い」(『週刊新潮』4/10日号)
同・6「今井絵理子内閣府政務官 非道パワハラ『浮気トラブルで警察出動』女性秘書2人が消えた!」(『週刊文春』4/10日号)
同・7「国内最大規模 違法スカウト集団『ナチュラル』現役メンバーが明かす『恐怖支配』と『トップの正体』」(『FRIDAY』4/18日号)
同・8「悪魔のトランプ25%関税 5つの急所」(『週刊新潮』4/10日号)
同・9「歴代2位『350勝』投手 米田哲也(87)が陥った極貧生活」(『週刊新潮』4/10日号)
同・10「女性暴行で起訴 ジャンポケ斉藤が示談しなかった理由」(『週刊文春』4/10日号)

中居正広の「性暴力」認定

 驚くほどの速さでニュースが消費されていく。

 3月31日にフジテレビ女性アナと中居正広の性的トラブルの真相と、フジのトップたちの人権意識のなさを調査する第三者委員会が報告書を公表し、会見を開いた。

 そこには衝撃的な事実が書かれていて、翌日の新聞では大きく取りあげられた。

 だが、それから1週間。早くもその話題は過去に押し込められようとしている。

 この問題でフジの“三悪人”の一人、当時専務だった大多亮が辞任した。

「関西テレビは4日、大多亮(とおる)社長(66)が同日付で辞任した、と発表した。フジテレビの一連の問題をめぐり、大多氏は性被害が発生した当時のフジ専務だった。関テレはフジ系列の準キー局。6月に開催予定の同局の株主総会までは、福井澄郎会長(77)が社長を兼任するという。
大多氏は、この日開かれた臨時取締役会の後に取材に応じ、自ら辞任したことを報告。3月31日に公表された第三者委員会の調査報告書で自身の責任について厳しい指摘を受けたとし、『これ以上、関西テレビの社長の職を続けることは不適切と考えた』と述べた」
(朝日新聞Digital4月5日 5時00分)

 サントリーのように、「CM出稿を考えてもいいのではないか」という企業も出てきたらしい。

 日枝久がいなくなり、日枝の“寵愛”を受けていた者たちが辞めていくが、残されたフジテレビが社内風土をガラリと変え、再生できるのかはまだ未知数である。

 ジャニー喜多川事件のように、事件隠蔽に加担したテレビや雑誌は、おざなりの「反省」をしただけで、二度とこのようなことが起きないようにするには、という重要な点が置き去りにされた。

 フジもその道を辿るのだろう。フジの問題はテレビ業界全体の問題である。フジだけの、それも日枝だけの責任に矮小化してはならないこというまでもない。

 その覚悟が、フジを含めてテレビ業界から見えてこない。これでいいはずはないのだが、視聴者たちやスポンサー企業の「忘却」は早すぎると思うのだが。

 さて、今週は新潮のグラビアに掲載された中居正広の近影はスクープなのだが、鮮明さに欠けるのでやや減点した。

 というわけで今週も順位なし。

 最初は、「私はコレで吉本興業を首になりました」芸人・ジャンポケ斉藤(42)の話から。

 ロケバス内で20代女性に性的暴行を加えたなどとして、不同意性交と不同意わいせつの罪で在宅起訴された斎藤は周囲に、「法廷で争う」といっているようだ。

 斉藤は「無理やりではなかった」と主張しているようで、被害女性とは示談していないという。その理由は、

「斉藤は『示談を申し入れたけど、二、三百万で収まると思っていた』とか『でも高額すぎて断念した』とか、もっともらしく言っていた。確かにまだ一億円ほど借金があるそうで……」(芸人仲間)

 示談になれば情状が考慮され、起訴猶予のケースもあるのに、多額の借金のために、それもできず、奥さんは子どもを連れて出ていってしまったという。

 もし有罪になれば、5年以上の禁錮刑の可能性もある。多少売れたことをいいことに、ギャンブルにのめり込み、女性を弄んだ。その代償は大きすぎたようである。

 こちらはさらにみじめな話である。プロ野球界で350勝、19年連続2桁勝利の金字塔を打ち立て、名球会入りしている元阪急ブレーブスの大投手・米田哲也(87)が、尼崎のスーパーから缶酎ハイ2本を盗んで警察沙汰になったのである。

 新潮によれば、1969年の彼の年棒は1500万円だったという。球界最高の年棒は長嶋茂雄の3200万円だが、初任給約3万円の時代である。

「米田さんは朝まで飲み明かしても、その日の登板試合では完封勝利をおさめてしまう。いくら飲んでもまったく酔わず“ガソリンタンク”の異名を持っていました」(元スポーツ記者)

 引退してからも野球解説などをして活動し、2000年には野球殿堂入りも果たした。

 私でも知っている、あの米田がなぜそこまで落ちぶれてしまったのか……。

 新潮は、10年間も家賃滞納して払わず逃げてしまったり、万引きは今年で3回目、名球会のメンバーに金を無心していたりと、困窮の極みだったという。

 貯えもそれなりの仕事もあったのに、そこまで落ちたのは慣れない水商売に手を出したからだというのだ。

 地元の飲食店関係者がこういう。

「バブルの頃、西宮市で自身の記録にちなんだ『セナ350』というスナックを経営していました。が、実際はスナックというよりラウンジに近く、女性が6、7人いるようなお店。米田さん自身がお店にいるわけではない。“店を任せていた女性に騙された”とか“人件費がかさんでしまった”などと言われていますが、つまるところ、米田さんに商売のノウハウがなかったのでしょう」

 1985年に購入した芦屋市の高級マンションを、96年に抵当に入れて5000万円の借金をするも、同年、大阪国税局に差し押さえされていたという。

 米田より3歳年下の張本勲のところにも、カネを貸してくれといいに来たが、断ったという。

「事件を知って、淋しいというか悲しい。これが大投手の成れの果てか、と。輝かしい球歴を残しているから、いくらか老後の貯えぐらい残して真面目にやってくれていると思ったのだけれど、本当に胸が痛みます」(張本)

 江川卓や桑田真澄なども、不動産に投資していたがバブルが弾けて、大借金を負ってしまった。そのため江川は、巨人の監督になれたはずなのに、なれなかった。

 大選手必ずしも人生の成功者ではない。だが、米田の場合はあまりにもみじめで、言葉を失ってしまう。

 お次はトランプ大統領が選挙前の公約通り、各国に関税をかけると公言し、発動したから、日本は自動車産業が壊滅的な打撃を受け、日本経済は沈没するのではないかと大騒ぎである。

 今日(4月7日)の東京株式市場は一時2800円も値下がりしている。

 新潮によれば、この関税の目的は、国内産業を保護するためと、関税によって他国の譲歩を引き出すディール(取引)のためだという。

 日本の自動車の最大手であるトヨタは、アメリカで販売している自動車の約50%はアメリカ国内で生産しているから、影響はあるにしてもそれほどではないようだ。

 ホンダや三菱もほとんど日本からアメリカ向けに輸出していないので影響は少ないといわれるが、マツダとスバルはアメリカ国内での生産規模が小さいため、大きな打撃を受けるかもしれないようだ。

 これまでも、日米貿易摩擦や、冷戦後、最も安いところで作って最も儲かるところで売る「グローバリゼーション」。そして現在の、世界で最も大きい資源と市場を持つ米・中・ロが、それぞれ自国ファーストを打ち出し、ブロック経済化が進んできた。

「日本はそのたび順応してきました。現在の日本は北米ブロックについているのだから、米国のルールに合わせながら工夫しながらやっていくしかありません。F1やオートバイのMotoGPでも同じ経験をしました。我々ホンダが強くなると、運営する欧米勢がルールを変えてくる。それでも我々が勝つと、またルールが変わって……。こういう“試練”に日本は慣れているはずです」

 そう元ホンダ副社長の入交昭一郎(85)は話している。

 確かにその通りではあるが、今回のトランプの無茶ぶりは、世界中を混乱させ、アメリカも日本の市場も株価が下落している。

 トランプはロシアには関税をかけない。理由は、経済制裁が続いているため、ほとんど取引がないといっているようだが、昨年の対ロシア輸入額は約32億ドルもあったのである。

 その上、日本は物価高で、庶民の懐は痛み切っているのだ。これを乗り越えるには、優れた政治家の外交交渉と、企業努力が必要だが、今の日本にはそのどれもないように見える。

 私は、この機会に、アメリカ離れをするべきだと考える。これからのアメリカは孤立主義が続くのだろう。

 それに引きずられて右往左往するよりも、隣の中国との関係修復を急ぎ、友好関係を復活させることこそ急ぐべきである。

 アメリカよさようなら、中国よこんにちは。小国は知恵を使わなくては生き抜いてはいけないのだから。

 さて、FRIDAYが先週から「ナチュラル」という犯罪者集団を追いかけている。FRIDAYによれば、

《ナチュラルは2000人近くのメンバーを抱え、東京・歌舞伎町(新宿区)を始め、北海道から九州まで全国ほぼすべての繁華街で風俗店などに女性を紹介するルートを持っているという。その強固な組織性と時に見せる凶暴性から、他のグループとは一線を画す存在だと言われてきた。過去には、メンバーに対する凄惨なリンチが明るみに出たこともある。
警察当局は、構成員が入れ替わりながら反社会的な活動を行っている「匿名・流動型犯罪グループ」通称トクリュウと位置づけて、情報収集や摘発を強化している。しかし、別のスカウト集団『アクセス』は’24年11月にトップ、今年2月にナンバー2と目される男が逮捕されたが、ナチュラルについては摘発されるのは現場のスカウトがほとんどで、上層部の詳しいメンバー構成や組織運営の実態については、明らかになっていない部分も多い。スカウト業界に詳しい人物は、こう解説する。
「構成員の数や得ている収益からみても、ナチュラルが最強のスカウト組織であることは間違いないでしょう。通常、スカウトグループの捜査は警視庁だと生活安全部が担当しますが、ナチュラルについては組織犯罪対策部の暴力団対策課が中心になって捜査しています。それだけ“反社”の色が濃いということ。かつては敵対していた暴力団とも手打ちをして、今はむしろカネの一部が向こうに流れているとみられています。内部統制は、ある意味でヤクザ以上に厳しいと言われ、捜査への対策や情報管理を異常なまでに徹底しているところも大きな特徴です」
 スカウトの仕事は、路上で声をかけたり、SNSで言葉巧みに誘ったりして女性を集め、主に風俗店などに送り込むことである。最近は、「出稼ぎ」と呼ばれる海外での売春の斡旋や、AVへの出演を仲介することも多くなっているという。》(FRIDAYDigital04月02日より)

 中には5000万円以上を稼ぐ者もいるという。

《スカウト側は、女性を店に紹介すると店側からスカウトバックという報酬を受け取ることができる。報酬は女性の稼ぎのおよそ15%で、女性がそこで働いている限り続く。ヤリ手のスカウトの場合だと月収が数百万円以上にのぼり、なかには年収5000万円以上を稼いでいる者もいる。ただ、条例で路上などの公共の場所で声をかけることが禁止されている場合はもちろん、そうでなくても風俗店などに紹介すること自体が、職業安定法違反(有害業務紹介)として摘発対象になる。ホストへの借金を返すためだとして女性を半ば無理やり店に送り込むという悪質なケースもあり、全国の警察に取り締まり強化の指示が出されている。》(同)

 今週はその後編で、ナチュラルのメンバーの一人を直撃している。

 ナチュラルは、「本社」と呼ばれる執行部とプレイヤーと呼ばれる現場のメンバーの間で、秘匿性の高い専用のアプリを使ってやり取りされ、昨年の収益は50億円にものぼるとされる。

 FRIDAYはナチュラルの現役メンバーにインタビューしている。

 組織内には、現役の早慶の学生もいて、中には大学のサークルのメンバーの多くが加入しているケースもあるという。

「自分もそうでしたけど、最初は割のいいバイトだという感じで、あまり深く考えずに入ってくる人がほとんどじゃないですかね。学生で羽振りがいいとモテますし、稼いでいるという優越感みたいなものもありますので。でも組織に入ってある程度時間が経つと、抜けられなくなるんです」

 まるで秘密結社のように内部統制が厳しいという。当然、破った者にはリンチのような制裁をすることもあるようだ。

 ナチュラルの創設者である「会長」の居場所は、特定されないように頻繁に居場所を変えているようで、知っている人間はほとんどいないそうだ。話をしてくれた当人は、

「本当はきちんとした会社に入って親も安心させたいと思っていましたが、普通の仕事より稼げることや人間関係もあって、ズルズルときてしまいました。
 自分の責任は自覚しています。後悔していて、だからこそ怖いですがこうして話そうと思ったんです」

 匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の代表的な存在のナチュラルも、警察の捜査の遅れで被害者が増え続けている。名前を騙っても何でもいいから、この組織の内部に入り込んで一網打尽にしてもらいたいと切に思う。

 次は文春から。今井絵理子(41)という参議院議員がいる。もとSPEEDのメンバーで、同じ芸能界の大先輩である山東昭子の誘いを受け、麻生派に所属し二期目になる。

 アイドル好きの石破から、沖縄問題などを所管する内閣府政務官に抜擢された。

 今井は、以前新潮が、神戸市議だった橋本健(45)と不倫の末、略奪婚したと報じた。

 離婚した橋本は今井のところに転がり込み、一緒に生活しているそうだ。しかし、この2人、何かにつけて喧嘩が多く、警察を呼ぶ事態になったこともあったそうだ。

 その度に、今井の秘書たちがその後始末に駆り出され、仕事以外のことで消耗していったと文春が報じている。

 今井に振り回された2人の女性秘書は、心身の疲労で帯状疱疹ができたり、重度のヘルペスに悩まされ、ついに2人とも辞めてしまったというのである。

 元秘書は今井のことをこう話している。

「議員は人の痛みが全然わからない。弱い立場に寄り添うことができない」

 こんな人間が沖縄問題で、沖縄の人たちの痛みを感じ、彼らのために働くことなど考えられはしないだろう。

 石破茂首相の人を見る目は全く当てにならないということである。

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/04/08 18:00