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週刊誌スクープ大賞

フジテレビと中居正広問題「日枝久とその一派」の追放で変わることができるのか

 私は、中孝介(あたり・44)という歌手を知らない。焼酎のCM曲として使われていた「花」や、フジ系の『ザ・ノンフィクション』のテーマだった「サンサーラ」は聞いたことはあるが。

 その中をあっという間に有名にしたのが、3月28日の午前2時頃、東京品川区にある公衆浴場の休憩スペースで寝ていた面識のない20代男性のイチモツを咥えて、男性に取り押さえられ、逮捕されてしまった事件である。

 中と数年前に知り合った男性はこう語っている。

「きっかけはマッチングアプリです。都内のホテルで私と二人で会うはずだったのに、彼の強引な提案に押し切られる格好で男性をもう一人呼んで、結局3人でしました。もともとそういうプレーが好きなのだと思います。ちなみに彼は“挿入するほう”。性に貪欲で、悪く言えば、だらしないタイプです」

 中は、地上でもっとも優しい歌声と評されているそうである。優しいおじさんにいきなりあそこを咥えられた若者は、さぞ驚いたことだろう。

 ところで、国立循環器病研究所センター(大阪府・吹田市)という病床550床、職員数は約1300人という心臓外科の権威である大病院の理事長が、こともあろうに「パパ活」していたと文春が報じている。

 その名を大津欣也(66)という。こんなとんでもない話が出てきたのには裏があった。

 大津が責任者を務めた7本の論文に、画像の不適切使用が指摘されたり、大津のパワハラが第三者委員会で認定されるなど「不祥事」が続いた。

 こうしたことに対して大津は、自身を追い落とそうとする「反大津派」の策謀だと反発しているというのである。

 スーツ姿の男性が清楚な女性とラブホへ入る写真や、茶髪女性と喫茶店で談笑する男性の写真を文春は手に入れたそうだが、それは、病院の関係者によって、大津の行動確認が行われた際のものだという。

 だが、大津も反撃に出た。4月1日付で、大津の政敵といわれるナンバー3の病院長を降格する人事を行ったというのである。

 ナンバー2も3月末で定年退職し、目の上のたん瘤を追い払ったというのだ。

 事実はどうあろうと、患者たちを置き去りにして、権力争いを繰り広げている大病院の醜態こそ、批判されるべきであろう。

 お次は、ついに解散命令が出された統一教会だが、反省するどころか、韓鶴子総裁は、まだ金集めをしようと号令をかけ、壺に代えて新たな霊感商法を考え、信者たちに売りつけているというのである。

 3月25日、東京地裁は統一教会に対して解散を命じた。教団が抗告すれば、東京高裁へと移るが、解散が高裁でも支持された場合は、即座に清算手続きが始まる。

 だが、韓鶴子は「日本政府と戦え」と檄を飛ばしているそうである。

 ではどのように戦うのか? アメリカ政治に詳しいという統一教会関係者はこう話している。

「米国の共和党の有力者を動員して、日本政府にもっと圧力をかけろということです」

 確かに、バンス副大統領は2月に統一教会の関連団体が首都ワシントンで開いた「国際宗教自由サミット」で講演し、「宗教の自由擁護はトランプ政権の重要課題だ」と述べたという。

 さらにトランプが新設を決めた信仰局の局長には、福音派のポーラ・ホワイト牧師。統一教会系のイベントに出席するなど、シンパであることを隠さない人物だという。

 今月の10日から13日まで、ソウルの蚕室ロッテホテルワールドで「ワールドサミット2025」が行われる。

 一期目の任期を終えたトランプや安倍元首相が、ビデオメッセージを送ったのが、3年前のこのイベントだったそうだ。

 さらに、しんぶん赤旗日曜版(4月6日付)では、石破茂首相と統一教会との不都合な仲という記事が一面に出ている。

《石破茂首相がこれまで国民に隠してきた統一協会との“不都合な関係”が編集部の取材で判明。石破氏は安倍政権下の2014年9月に地方創生担当相に就任。大臣室に「世界日報」の社長(当時)らを招き入れて座談会を行い、「世界日報」(15年1月)に掲載していました》

 トランプから石破までが、統一教会と“親交”があるとすれば、まだまだ統一教会側は、徹底抗戦できるのかも知れない。

 さらに協会側は、資金集めのために「新霊感商法」を生み出したという。昨年以降盛んに行われている「中心霊分立摂理」がそれだというのだ。

「人の体のあちこちに、あらゆる病気と苦難を誘発する中心霊が取り憑いている。これを見つけて、取り祓うという儀式です」(現役信者)

 中心霊一体につき2万円だが、誰でも最低13体あるといわれるので、それだけで26万円。それも一度祓っても別の場所に現れたりするというから、際限なく金を払うようになるというのだ。

 オレオレ詐欺同様、このような呆れ果てた教団は、次々に信者から金を巻き上げる手段を考え付くのだ。

 早く解散させないと、被害を受ける信者たちが増えるばかりである。
お次は日米が「オータニサーン」と叫んでいる大谷翔平の球場以外、CM現場での“素顔”を探ったFLASHの記事。

 大谷ドジャースは開幕以来快進撃を続けているが、大谷は野球以外での実入りも凄いらしい。

《米スポーツビジネスニュース「スポーティコ」は3月20日(日本時間)、大谷がスポンサー収入だけで1億ドル(約149億円)を超える見込みだと報じた。
1億ドル超えは日米の球界にとっても初のことで、スポーツ界全体を見渡してもゴルフのタイガー・ウッズ、テニスのロジャー・フェデラー、NBAのステフィン・カリーら、3人だけという偉業だ。そんなレジェンドと肩を並べた大谷は現在、18社の企業とCM契約を結んでいる。》(SmartFLASH04.04 06:00より、以下も《》内は同じ)

 大谷のCM幹事社は電通だそうだ。

 球場内での大谷のパフォーマスは魅力的だが、CM現場でも同じだという。

《「もの作りに対する姿勢に驚かされました」と語るのは、コーセーのスキンケア商品「雪肌精」の撮影スタッフだ。
「決めカットを撮影中、『今のを見せてもらっていいですか?』と、何度もモニターを確認していたことに驚かされました。
また、スライディングのシーンでは、怪我防止のために特殊なマットを敷いて私服風の衣装でやってもらったのですが、ここでも何度もモニターを確認して、『もう1回やらせてもらえますか?』と、納得がいくまで合計で20回以上も繰り返してくれました。
『どうしても、本当のスライディングじゃないので体が緩んじゃうんですよね』と、最後は何枚も重ねていたマットを1枚だけにして、見事なスライディングを披露してOKとなりました」》

 今年3月17日からオンエアされているのが、伊藤園の「お~いお茶」のCMだが、この時のパフォーマンスもすごかったようだ。。

《「『お茶の常識、すてましょう。』というキャッチコピーと、その世界観を見せるために、大谷選手には野球ではなくサッカーボールをリフティングしてもらう、というコンテで撮影に臨みました。
高校時代によくサッカーをやっていたそうなのですが、最初は『あれっ、なんか下手になっている』『あ~、今のはヒドい!』などと照れていましたが、やっていくうちに思い出したのか、最後はサッカー選手かと勘違いするぐらいの見事なリフティングでした。
じつは、撮影スタッフとしては『悪戦苦闘する大谷翔平』を狙っていたのですが(笑)、うますぎておもしろくないということもあって、CMではNGになったカットも差し込んでいます。
『サッカーをやっていても一流になったでしょうね?』と聞くと、『今からでも間に合いますかね?』と、場を和ませてくれました。》

 大谷にとって「睡眠は不可欠で重要です」というだけあって、nishikawa(西川)の撮影現場では、“素の大谷”が垣間見えたというが、女性スタッフにはやや刺激が強すぎたようだ。

《「『快適な眠りを追求する』をコンセプトに、いろいろな数値を取らせていただきました。そのときTシャツ1枚だったのですが、とにかく筋骨隆々の肉体がすごすぎて。もう、見ているだけでため息が出るというか(笑)。
とにかく寝ることが好きなようで『ほっとくと10時間以上寝られますね』と。さらに『最近、僕いびきかくんですよね』と、小声で恥ずかしそうに囁いていたのがキュートでした。もしかしたら、真美子さんから指摘されたのかなと想像してしまいました(笑)」》

 さらに世界で5億人が遊ぶといわれているバトルロイヤル型のオンライン対戦ゲーム『Fortnite(フォートナイト)』と契約したというのである。同ゲームは基本プレイは無料だが、自分が操作するキャラクターの見た目を変えることができる『スキン』が販売されている。

 そして今回、大谷選手の見た目になれるスキンが発売されたという。用意されたスキンは、ドジャースのホームとビジターのユニホーム姿に加え、甲冑姿の『サムライ翔平』や、愛犬のデコピンを模したアクセサリーまで登場するというのだから、ファンにはこたえられないだろう。

《このスキンは、3月18日午前9時より発売されました。つまり、MLB東京シリーズの開幕戦の日から、ゲーム上で大谷選手になりきることが可能になったのです。
世界的に人気なゲームゆえに『フォートナイト』との契約料は、ほかのCM契約と比べても巨額になると思われます。大谷選手のスキンは1種類で約1500円、全種類セットとなったものが約2800円で販売されています。
そもそも、フォートナイトに課金される金額は月間数百億円、年間で1000億円を超えています。大谷選手のスキンは大人気でしょうから、そのうちの数%が大谷選手に入ると考えると、恐ろしい金額になりますね」》

 今シーズンでホームラン王、打点王、首位打者を獲得して3冠王にでもなれば、世界中のCMが大谷翔平で埋め尽くされるかもしれない。

 今週の最後は、新潮と文春で報じられている第三者委員会についての総括、中居正広の近況、フジテレビの今後について3本まとめてみた。

 まずは、新潮のスクープである中居正広の近影について。

 デイリー新潮(04月04日)から引用してみる。

《中居氏が都心の住宅街に現れたのは3月28日。おりしも日枝久フジ・メディア・ホールディングス取締役相談役(87)の辞任が明らかになった翌日のことだった。
昨年末に女性トラブルが報じられた後、一度は“示談済み”と主張したものの、今年1月23日に芸能界引退を発表。それ以降、「北海道にいるらしい」「海外に逃げた」など出所不明の情報がネット上のみならず、メディア関係者の間でも飛び交っていたが、彼は都内にとどまっていたのである。
 中居氏はニューバランスの白のキャップ、デサントの緑のフード付きパーカーに同じくデサントの黒のスウェットパンツ、足下はソールの分厚い白のスニーカー、手にデサントのベージュのカートバッグというラフな装いである。ちなみに、彼はファンの間ではスポーツウェアのデサント好きで知られている。
その中居氏が人目を忍んで訪れた先は女性トラブルでお世話になっている弁護士の法律事務所、ではなかった。そこは意外にも一級建築士の設計事務所。車とオフィスを往復すること数回、路上でも一級建築士の男性としばし話し込んだ彼は、最終的に茶色の大型封筒を手にしてその場を後にした。》

 新潮は《中居氏はピーク時で、年間10億円は下らない収入を得ていたとみられている。現役時代に築いた巨額の資産を用いた、引退後の新居の建築やリフォームの相談に訪れたとみるのが自然ではないだろうか》とみている。

 その新潮が、「フジに第二の日枝」が出てくると報じている。

 その根拠は、第三者委の報告書が出る前の3月27日に、突然、日枝を辞めさせる「刷新人事」を発表したからだという。

 企業ガバナンスに詳しい青山学院大学の八田進二名誉教授がこう話す。

「数日後に第三者委員会の報告書が出るというのに、なぜ急いで日枝氏の退任を含む新人事を公表せねばならなかったのか、早期の信頼回復につながっていません。そもそも、第三者委員会は問題の原因を究明し、それを踏まえた上での再発防止策を提言するものです。新人事はその策を実現するために、どのような新執行部が望ましいかを考えて行わなければならなかったわけで、これでは筋が違います」

 新潮によれば、日枝はギリギリまで退任しようか逡巡していたという。それを、金光修フジホールディング社長らに押し切られる形で「権力の椅子を手放した」(新潮)というのである。

 フジの元重役は、「これは金光のクーデターですよ」といい、「金光氏は今度の人事で日枝氏と同様に、まわりに子飼いを配しました」と付け加えるのだ。

 日枝は、グループの実権を持っていた鹿内家を追い出すクーデターで権力を掌握し、長年にわたってグループに君臨してきた。

 その“ドン”を追い出すためのクーデターが、この混乱する中で起きたというのである。

 あり得ない話ではないだろうが、今や「ドロ船」と化しつつあるフジテレビを乗っ取ってどうしようというのだろう。

 そんな内部の権力闘争に明け暮れていれば、早々に、視聴者からもスポンサー企業からも、愛想を尽かされるに違いない。

 文春は、日枝の退任を発表したフジテレビには、こんな動きがあったという。

「一月二十八日、清水賢治氏が社長に就任してからHDに外部のプロ経営者を招聘する動きがありました。白羽の矢が立ったのは、楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏。一時期、フジ上層部は真剣に検討したものの、最終的に断念しています」(フジテレビ幹部)

 新潮とは違って、日枝を追い出したが、日枝の盟友で“精神安定剤”と言われる関西テレビ放送の福井澄郎会長を社外取締役として続投させたのは、日枝のシッポが残っているではないかというのだ。

 それに、この状況下でも日枝が手放さない肩書がある。フジサンケイグループの一角でもある日本美術協会の代表理事の座だ。

 ここは常陸宮が総裁を務める公益財団法人で、「高松宮殿下記念世界文化賞」を主宰するなど、皇室との縁が深い。

 日枝は、ここを通じて、世界各国の要人たちとパイプを構築してきたという。いわば、日枝の力の源泉のようなものだというのである。

 どちらにしても、フジテレビを再生させるのは難しい。総務省に認可権を自主返納して、解散するしか道はないのではないかと、私は思っている。

 文春で中居から被害を受けたフジの元アナウンサーがこう語っている。

「テレビ業界には『そういうのを乗り越えてこそアナウンサーだから』みたいな風潮がある。『セクハラをうまくかわせるのが売れる子だから』みたいな。フジはそういう社風だから我慢するしかない。でも、本来そこで戦うべきじゃないじゃないですか。ちゃんと仕事と向き合っているとか、真っ当な理由で評価されない。そういう場にちゃんと来て積極的にコミュニケーションを取って好かれるか好かれないかみたいな感じだから」

 フジを含めて、テレビ業界全体が変わらなければ、また第二第三の中居や編成幹部が出てくるに違いない。

 まだこの問題を忘れてはいけない。まだ始まったばかりなのだから。(文中敬称略)

(文=元木昌彦)

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元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/04/08 18:00