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週刊誌スクープ大賞

360万円を盗んだ宮内庁職員「報道の遅れ」と「刑事告発」の謎に迫る

360万円を盗んだ宮内庁職員「報道の遅れ」と「刑事告発」の謎に迫るの画像1
天皇皇后両陛下(写真:サイゾー)

今週の注目記事・第1位「天皇ご一家の『生活費』を盗んでクビに…祖母が語った『宮内庁職員(25)』の育ち方」(『週刊新潮』5/15日号)
同・第2位「石破茂首相への闇献金3千万円を告白する」(『週刊文春』5/15日号)
同・第3位「ストーカー白井秀征父の初告白と母の隠蔽工作」(『週刊文春』5/15日号)
同・第4位「趣里(34)と1億円貢がせ男三山凌輝(26)結婚! 水谷豊が本誌に意味深回答」(『週刊文春』5/15日号)
同・第5位「永野芽郁&田中圭(40)燃え上がる不倫LINE」(『週刊文春』5/15日号)
同・第6位「首相になりたい『玉木』国民民主党代表が今、考えていること」(『週刊新潮』5/15日号)
同・第7位「『八代目尾上菊五郎』襲名披露舞台の陰で内紛勃発」(『週刊新潮』5/15日号)
同・第8位「スクープ 中国人の日本大学受験『カンニング業者』暗躍の手口掴んだ!」(『週刊ポスト』5/23日号)
同・第9位「危ない水道管全国ランキング」(『週刊文春』5/15日号)
同・第10位「八潮陥没事故 運転手遺体発見なのに実名も顔も報じられない事情」(『週刊新潮』5/15日号)

永野芽郁の不倫はどうでもいい?

 今週は大スクープはないが興味深い記事が多くあった。週刊誌の醍醐味をとくと味わっていただこう。

 埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故で、転落したトラック運転手の男性(74)が、4か月以上たってようやく死亡が確認された。

 だが、遺族側が「個人名や会社名を特定する報道を押さえるように要請があった」ため、亡くなった男性の実名はもちろんのこと、詳細な経歴をメディアは報じていない。

 新潮で、元共同通信で早稲田大学教授の澤康臣はこういっている。

「今回の件は単なる事故に止まらず、国土交通省が下水道点検を見直すなど、社会的な動きに繋がっています。そういったパブリックな側面を持つことを考えれば“ご遺族の意向”という“私”の部分だけから判断し、取材を抑制することの是非は、いま一度立ち止まって考えるべきです」

 確かにそういう側面はあることも理解はできるが、遺族の深い悲しみは、突然の道路の陥没に遭遇し、その後、何カ月も“放置”されてしまった夫の、父の「理不尽な死」に対する県側の対応のまずさや、陥没が当時の何倍にも広がってしまった救出作業への憤りなどがない交ぜになっているのではないだろうか。

 私は、事件が起きて少し経ったときに、日刊ゲンダイの連載(2月15日付)にこう書いた。

《人生、一寸先は闇。埼玉県八潮市の道路陥没に巻き込まれた74歳のトラックドライバーの不運を思うと、つくづくそう感じ項垂(うなだ)れる。

 信号が青に変わり、トラックは左折した。それを見計らったかのように道路が陥没したという。不運は重なる。地底から水が湧き出し蟻地獄に飲み込まれるようにトラックは沈んでいき、その上、第二の大規模陥没が起こった。

 道路の管理者である大野元裕県知事は2月11日、ドライバー救出までに約3カ月かかる見通しだといった。「救出」という文字が虚しい。なぜ、トラックごと引き上げるのではなく、ドライバー救出を最優先にしなかったのか。道路に圧のかかる大型クレーン車ではなく、ヘリでの救出という手はなかったのか。日に日に陥没面積が大きくなる映像を見ながら、怒りとため息が交差した。

 県は捜索の妨げになる下水の流量を減らすため、上流域の住民に排水量自粛を要請し、15日間にも及んだ。だが、このような災害時にテレビが必ずやってくる被害者家族の情報が、今回に限ってなかったのはなぜなのだろう。週刊新潮(2月13日号)によれば、「あそこは古くからある家族経営のところでね。所有するトラックも数台、ドライバーも数人しかいなかったと思う。(中略)道でトラック同士すれ違う時なんかも手を上げてくれる、朗らかな印象の方ですよ」(地元の流通業界関係者)

 勤め先と思しき事務所には、心情を察して欲しい旨の張り紙が貼られていたという。

 女性セブン(2月20・27日号)ではドライバーの孫の男性が、「ただただショックで……一体、何が起こったのか。現場にも行けていないので、心配しています」と話している。

 知人は、「お孫さんに2人の子供が生まれて、Bさん(ドライバーのこと=筆者注)は“ひいおじいちゃん”になったんです。もともとお孫さん思いのかただったので、ひ孫となれば一層かわいかったんじゃないかな。両手で2人のひ孫の手を引いて、近所をしょっちゅう散歩していました。誰が見ても、幸せな大家族でしたよ」と語る。

 別の知人は、「ただ最近は忙しくしていたようで、夜まで帰ってこない日も増えていました。もともと寡黙な仕事人でしたが、ますます仕事一筋という感じだった。あの年で運転手を続けられるだけでもすごいのに、もしかしたら仕事量を増やしていたのかもしれません。ひ孫たちとも、まだまだ一緒に遊ぶつもりでいるんじゃないかな。一日でも早く、家族のもとに帰してあげてほしい」と話している。

 ひ孫に何か買ってやりたくて仕事を増やしていたのだろうか。哀しい。

 新潮によれば、事故原因は地下10メートルの下水管が壊れたことだったが、国交省によるとこのような陥没は、小さいのを含めると令和4年だけで約2600件も起きているという。中でも、61年前の東京五輪開催のために公共インフラを整えた東京には、耐用年数の50年を超える下水管が多くある。更新工事が行われているが、私の住んでいる中野区の工事着工は4年先だというから不安である。

 新潮で東洋大学大学院経済学研究科の根本祐二教授は、高度成長を成し遂げた日本が真っ先にインフラの老朽化に直面していて、今のインフラを維持するための平均更新投資額は22年時点の推計で年間約13兆にも及ぶという。石破首相よ、トランプなんぞに150兆円もくれてやる余裕は、今の日本にはないのだ!(文中敬称略)》

 文春は今週、日本の水道管も耐用年数が過ぎてしまったものが全国各地にあると報じている。この国は、地上には競って新奇な高層ビルを建てることには熱心だが、地下に眠っている老朽化したインフラにはとんと無関心。そういわざるを得ない。

 南海トラフや首都直下型地震が起きる前に、この国は“沈没”してしまうのではないか。

 さて、次はその文春の水道管の記事である。

 4月30日に京都の中心部で起きた大規模冠水の映像にはビックリしたが、この原因は地下に埋まっている水道管が実に65年前に敷設されていた(法定耐用年数は40年)ため、破裂したというのである。

 だが、国土交通省によると、2022年度に全国で水道管の事故は大小合わせて約2万件も起きているという。

 その理由は、多くの水道管は1950年代後半から70年代の高度成長期にかけて全国に敷設されたが、その後、経済の停滞で、自治体にも金がなく、老朽化するのを手を拱いて見ているだけだからだという。

 ワースト1位に輝いた福井県高浜町は、原発マネーで潤い、当時は良質な菅材を使って敷設した。たしかに今も原発マネーは入り、資金力はあるようだが、92・02%の水道管は老朽化しているという。

 水道管の劣化が起きやすいのは「海沿い」「旧工業地帯や旧工業団地」それに「山あい」だという。

 全国的に老朽化が進み、いつどこで水道管が破裂して道路が冠水し、飲み水が飲めなくなる事態が起きても不思議ではないようだ。

 どこかのバカなトップがお題目のように唱えている「国土強靭化」で真っ先にやらなくてはならないのは、こうした老朽化したインフラの整備であるはずだ。

 だがこれは、強力な政府が全国へ号令をかけてやらせなければ出来るはずはない。どう考えても石破政権ではできるはずはない。

 お次はポストから。

 ポストによれば、中国版インスタグラム(小紅書)にこんな言葉があったという。

「日本語試験や英語試験で高得点を保証します。早稲田や慶応、明治、立教などの大学入学の保証もする」

 近年、アメリカなどは中国人留学生を受け入れない大学が増えてきているといわれる。だが日本はそんなことはない。この国の外国人留学生の約40%、13万人は中国人留学生だという。

 中国の有名大学に入るには1000倍の競争に勝たなくてはいけないところも多くあるという。だが、この国の東大や京大はそれほど倍率は高くない。

 そのため、日本の有名大学を目指す中国人学生が多くいるようだが、日本語もろくにしゃべれない中国人学生が有名大学に入り、それをサポートする「カンニング業者」がいるというのである。

 ポストが接触した業者は、「弊社はMARCHをはじめ、多くの教授たちと契約を結んでいるから、独自の『合格枠』をもっている。しかし、その枠がない京都大学でも成功率は70%もあるというのだ。

 やり方は、「受験生にスマートウオッチかマイクロイヤホンを持ってもらう。費用は2万元(約40万円)で、試験開始後に回答をデバイスに送る」というのだが、見つからないのだろうか。

 だがその担当者は、これまで一度も失敗したことはないと豪語したそうだ。

 大学側は総じて、試験を厳正にやっているため、不正行為はないと回答しているが、中国人ジャーナリストはこう話している。

「不正入学は中国でかねてから問題視されてきましたが、日本国内ではあまり把握されていない。留学生が増えるなか、こうした認識の差を埋めて不正への十全な対策が求められます」

 AI先進国の中国だから、われわれ日本人が思いもつかない方法で、「不正入学」をさせているという可能性はあるのではないか。

 中国畏るべしである。

 新潮は歌舞伎界の「不当労働行為」について報じている。

 江戸時代から300年続く歌舞伎の大名跡「尾上菊五郎」の八代目を襲名した披露公演が5月2日から東京の歌舞伎座で始まった。

 長男の六代目菊之助襲名披露も行われ、七代目の人間国宝である先代も舞台に立ち、彼の妻である富司純子と娘の寺島しのぶも花を添えるという、華やかな舞台とは別に、長唄や三味線の演奏家たちが、興行主の松竹と深刻な対立状態にあるというのである。

「きっかけは、菊五郎劇団音楽部の部長(杵屋巳太郎=筆者注)が、部員への報酬の搾取やパワハラを行ったことに始まります」(歌舞伎の内情に詳しい関係者)

 音楽部には松竹から1回の公演当たり数百万円の報酬が音楽部に支払われていたそうだ。だが、演者には月30万~60万円が払われていたというが、杵屋部長は数百万円の報酬を手にしていたというのだ。

 音楽部というのはそれぞれの歌舞伎役者に専属する形になっているという。音楽部員の労働条件はブラックで、共働きしなければやっていけないという。

「公演が始まれば、休演日は月2日しかないので満足に休めません。それで病欠になれば、部員が自ら代役を探し、自腹で出演料を支払うハメになります」(別の歌舞伎関係者)

 そこで部員たちはお金を出し合い、専門の弁護士に相談し、今年1月に「音楽部」の法人化に動き出したという。

 だがこうした動きに松竹が反発。法人化したとたんに、それを承認しないという意向を示したというのである。

 古きよきものを伝えていくことは大事だが、労働条件や報酬は時代に合わせていくべきであろう。

 これも時代の流れである。歌舞伎界にも遅ればせながら、近代化の波が押し寄せたのである。

 悪しき旧習は改革すべきであるこというまでもない。その上で、思う存分、舞台では素晴らしい演奏を聞かせてもらいたいものである。

 さて、次は次期首相とも噂される玉木雄一郎国民民主党代表についてのお噂。

 夏の参院選では自公で過半数割れになる可能性が高いといわれている。それを横目に、自民党に支持率でも肉薄している国民民主党は、4倍増の16議席獲得も視野に入ってきたといわれる。

 そうなれば、石破は辞任せざるを得なくなり、少数与党の自公が玉木を首相に担いで……という見方が出ていると、新潮だけではなく、文春も少し前にやっていた。

 本当だろうか? 私は懐疑的だが、玉木は自身の不倫問題をうやむやにして、やる気満々だそうだ。

 だが新潮によれば、候補者選びが杜撰で、これで大丈夫なのかという声があちこちで噴出しているというのである。

 その象徴が、民進党時代に弁護士との不倫が発覚し、弁護士の妻が自殺するという悲劇を招いた菅野志桜里(50)、旧姓・山尾志桜里の擁立である。

 折しも、同党の平岩征樹衆院議員が偽名を使って不倫していたことが明らかになり、玉木自身の不倫も含めて、「不倫まみれの国民民主党」と揶揄される始末。

 労働組合批判を繰り返していた元衆院議員の足立康史。NHKの『日曜討論』に出ていたが、何の説明もしないまま立候補した牛田茉友元アナなどなど、人選に異議あり! という人物が多くいる。

 新潮は、かつて一時的なブームを巻き起こした『みんなの党』の渡辺喜美の例を挙げ、わずか5年で空中分解したが、国民民主党も「その轍を踏まない保証はない」と危惧している。

 この党の危うさは、やはり玉木という人間の危うさなのだろう。

 さて、年上のヨッパライ男と不倫を重ねていたと文春に報じられた永野芽郁だが、文春の怒り? 否、田中の奥さん(?)の怒りは収まらないようである。

 今週の文春では、永野と田中の「不倫LINE」が公開されてしまった。

 二人はもちろんのこと、事務所も「不倫関係」を認めてはいないが、文春の報道以降、永野や田中を起用しているCMスポンサーは引いてきているようだ。

 さすがに、清純派という虚飾が剥がされた永野は、女優最大のピンチだといわざるを得ない。だが、情け容赦なく、文春はこんな二人のLINEを通じた「睦言」を公開してしまったのである。

 1月末、田中は永野と半同棲状態だったという。そんな2人のLINEでのやりとり。

永野「あなたが家にいるならそのまま帰ろうと思っていたし、でるなら、お昼ご飯食べてからかえろうと思ってたくらい」

田中「帰ってきて、一緒に食べよー」

永野「(昼食の好みを聞くために=筆者注)何の気分?」

田中「めいの気分!!」

 それから約2か月後。

永野「ずっと好きだよね 相思相愛すぎだよね」

田中「ほんとそうなの」「(交際始めてから7ヶ月。まだそれだけだけど/毎日濃すぎ)「ずー―っと好きやねん」

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/05/13 18:00