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週刊誌スクープ大賞

中居正広「性暴力」の全貌が明らかに フジテレビ日枝前代表は何を語ったか

フジテレビ
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今週の注目記事・第1位「中居正広“性暴力”の全貌が分かった!」(『週刊文春』8/14・21日号)「日枝久フジサンケイグループ前代表 独占告白10時間」(『文藝春秋』9月号)
同・第2位「高級ホテルで祝宴『悠仁さま』成年式に眞子さん“出席せず”」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第3位「参政党No.2不倫代議士の嘘を暴く! 元妻と愛人2人が怒りの連続告白」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第4位「教員の性犯罪 ワースト自治体はここだ!」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第5位「大阪万博 過去最高2・8億円工事未払いが発覚!」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第6位「忖度し翼賛するメディアの責任を問う」(『サンデー毎日』8/17・24日号)
同・第7位「中山美穂“香典トラブル”勃発」(『週刊文春』8/14・21日号)
同・第8位「若かりし国分一太がカノジョと酔ってパンツを下した夜」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第9位「問題社員が出世するフジのコンプライアンス」(『週刊新潮』8/14・21日号)
同・第10位「福原『伝説のソープ嬢 西ひとみ(50)』が語る“極意と矜持”」(『FRIDAY』8/22・29日号)

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 文春、新潮も合併号である。新潮は560円、文春は590円。

 前のフジテレビグループの代表であった日枝久のインタビューを読みたいと、文藝春秋を買ったら1800円。

 売れないから値段を上げる。だからまた売れなくなる。悪循環である。

 新潮の最終ページにある高山正之のコラム「変見自在」の7月31日号で、「日本名で日本人をあたかも内部告発するような言い方は素直には聞けない。はっきり外国人名で語るべきではないか。

 日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」と書き、作家の深沢潮や女優の実名を挙げたため、深沢が「外国にルーツがある人への差別的な内容だ」として抗議し、新潮社は謝罪のコメントを出した。

 しかし、その内容が通り一遍で誠意がないと批判されている。私もコラムを読んでみたが、論じるに値しない下品な内容である。

 新潮社は新潮45という雑誌で、杉田水脈の「性的少数者(LGBTなど)は生産性がない」という文章を載せ、批判が巻き起こると杉田擁護の論陣を張り、雑誌は休刊に追い込まれた。

 今回どこまで批判が広がるかわからないが、休刊の声が社内からも出ている新潮だから、これを機に社の上層部は休刊してしまえという決断を下さないとも限らない。

 私は、新聞、テレビ、雑誌が、それぞれ切磋琢磨して共存していくのが一番いい形だと思っている。近い将来、これにネットメディアが加わるはずだ。

 だが、そうはなりそうもない。既存のメディアには早くも秋風が吹いている。

 そんな憂さは忘れて、週刊誌を楽しもう。まずはFRIDAYの記事から。

 私はソープという字を見ると、すぐ読みたくなる。私が週刊誌で働き出した時は、ソープではなくトルコといっていたのだが。

 今はNHKの大河『べらぼう』ですっかり有名になったが、東京の吉原は当時、最大のトルコ街だった。

 だが、やはり雰囲気があったのは滋賀県大津市の雄琴温泉だった。暗闇の高速道路をすっ飛ばして行くと、突然、ネオンが煌煌と輝くトルコ街が現れ、町全体が自分を呼んでいるような気がしたものだった。

 女性には怒られるが、色町というのは男をホッとさせる何かがある。今のソープランドは知らないが。

 FRIDAYによると、神戸の色町・福原の「FORTE」という店には“伝説のソープ嬢”といわれる西ひとみ(50)という女性がいて、ソープの極意と矜持を教えてくれているという。

 18歳でこの道へ入り32年。今でも人気と売り上げのトップに君臨しているというのだからすごい。彼女のもとへは客だけではなく、ソープ嬢たちも彼女に「匠の技」を教えてくれと行列をなすそうだ。教え子の数は1万人を超えるというからすごい。

 彼女がこの仕事を始めたのは岐阜県岐阜市の「金津園」だったというが、入店してすぐに「講習」があり、それは厳しかったそうだ。

「当時はお客さんを三つ指ついてお迎えしたのですが、手の置き方が少しでもずれていると先生に指先を踏まれました。覚えが悪い子は、後ろ髪を掴まれて湯船に頭を突っ込まれていました」

 成績が振るわない嬢は、店長や男性店員を相手に個室でサービスを行うことが求められたというが、これは指導ではなくいじめだろう。

 西は家出娘だったから、追い出されたら行くところがないから必死で覚えたという。

 そうやって覚えた秘技の数々が客を喜ばせ、店を繁盛させた。

 福原は1868年に公娼街として始まったそうだが、私は行ったことはない。

 彼女は30代から、他の店のソープ嬢たちに教える講習を始めた。講習は、生徒と彼女が水着になり、生徒のプレイを体験するところから始まる。

「その子が“素人っぽさ”でアピールしているのか、高級店で働くための基本と応用を学びたいのか。身長と体重、指の長さによっても講習メニューは変わります。最近は爪を伸ばしている子が多いので、その対策も伝授しています」

 彼女の教えるのはテクニックだけではない。その日の気分で当日に欠勤をする子がいるが、それがどれくらいお客と店の信用を失うか、考えろと教えるという。

 それに彼女には矜持がある。

「下に見たければ下に見ればいい。私たちは誇りを持って働いていますから。私の役割は、習いに来た子たちにしっかり稼げる技術を身につけさせること」

 彼女は「エステ店」をやっていて、今はそっちのほうが本業のようだ。

 私が心配しても仕方ないが、今の若い子たちはソープへ行くのだろうか。精子の数も少なくなっているというし、性欲もわれわれの若いときのような激しいものはないようだ。それに、噂だが、若い女性のほうが積極的だという話も聞く。

 新宿の歌舞伎町の裏では、若い女性たちが“立ちんぼ”をしているという話が週刊誌に載っている。

 ソープのような“岡場所”がいつまで続くのだろうか? まあ、男と女がいる限りは大丈夫だとは思うが……。

 次は新潮の短い記事だが、フジテレビの“混迷”を表す記事なので紹介しておきたい。

 フジ社員で経費の不正使用が発覚したのに“出世”していた社員がいるというのである。

「その問題社員は、経費の不正使用という脛に傷持つ人物でした。にもかかわらず、7月10日発表の人事で営業推進室長から営業局ナンバー3の次長統括に昇進した。営業局関西支社の営業部長だったとき、新・統括部長にはタクシー代の二重清算が露見しました。タクシーチケットで乗車する一方、領収書での清算もしていたのです」(フジテレビ関係者)

 金額は100万円にも及んだという。

 そのため、営業局関西支社ではタクシーチケットが廃止になったという。

 件の人間はBSフジに飛ばされたが、「今度は“カラ出張”の疑惑が出た。趣味のトライアスロンの大会に出場するのに、カラ出張で得た経費を充てているのではないかと、不審の目を向けられたのです」(同)

 しかし、4年前にフジテレビ本体に舞い戻ってきたというのである。

「中居問題に関し、清水賢治社長が会見する際には、営業関係についての説明は新・次長統括が任されていました。フジテレビは未だコンプライアンスが機能していません」

 私の編集者時代は、出版の全盛期だったから、こんな話はいくらでもあった。某月刊誌編集長は、部下に断りもなく、そいつの名前で仮出張を申請し、そのカネを懐に入れていた。

 発覚したのは、部下が経理から、出張精算を早くしてくれと催促され、「俺、そんな出張に行ってない」といったことで明るみに出た。

 しかし、その人間は子会社に「天下り」して新雑誌を作り、会社のカネを湯水のように使っていたが、本社からのお咎めはなかった。

 タクシー代を含めた「流用」などは、私の若い頃はいくらでもあった。

 中でも私が記憶しているのは、先輩だったが、自分で記者を派遣する会社をつくり、週刊誌に所属する記者を使って、上前をピンハネしていた。

 さすがにそれが発覚したときは、件の先輩は辞めざるを得なくなった。当時のような風潮が、フジテレビにはまだ残っているとしたら、清水社長は、徹底的にそうした社風をやめさせなければならないはずだが。

 ところで、中居正広のフジテレビ女子アナに対する「性加害」問題は、まだ解決からは程遠いようだが、元TOKIOの国分一太の日本テレビでの「不始末」の実態も、まだ不明のままである。

 スタッフを殴ったという話や、スタッフの女性にいやらしい写真を送り付けたなど、噂は飛び交うが真偽のほどはわからない。

 その国分が、某夜、ある場所で、彼女の前で「パンツを下した」と新潮が報じている。またまた大スキャンダル勃発か?

 デイリー新潮(08月06日)によれば、彼が足繁く通っていたダイニングバーがあったという。20年近く前、都心にほど近い高級住宅街の一角に、その店はあったそうだ。3階建ての余裕のある造りで、2階には10名ほど収容できる個室もあり、深夜まで営業していた。

 国分は親しみやすく、店員思いでもあったという。

「アメカジが好きだった国分さんは、代官山の『ハリウッドランチマーケット』などのショップで洋服を買っていました。気になった商品はちゅうちょなく買っていたそうです。でも、たくさん持っていても仕方がないということで、着ない分を店員にくれるんです。ある時、ご自宅から車で運んできた大量の洋服をみんなで分けたら、新品同様のものばかりだったなんてこともありました」

 しかし、こんな大ハプニングもあったと店の人間が話している。

「ある日、当時の恋人(現在の妻)と店を訪れた国分は、ベロベロになるまで飲み、お互いに唾をかけ合うなどしてじゃれ合っていたという。それだけでもおかしな行動ではあるのだが、その後、国分は突如席から立ち上がり、信じ難い行動を起こした。

『何の前触れもなくズボンとパンツを下ろし、局部を露出したんです。時間にして10秒ほどでした。ガラス越しに外から店内がのぞける1階で起きた、まさかのハプニングです。目を疑いましたよ。彼女はただ笑って見ていましたが』

 彼女とは結婚したのだから、セクハラにはならないのだろうが、そうしたオープンな場所で自分のものを開陳する癖があったのではないか。

 どちらにしても、国分のある一面を思わせるハプニングである。

 次は文春から。中山美穂が自宅の風呂場で亡くなってからだいぶ経つが、美穂の人気は衰えることがないようだ。

 4月に行われた「お別れ会」にはファン1万人が列をなし、美穂の祭壇に献花したという。

 美穂の妹で女優の中山忍(52)は「皆さまを照らす煌めく星としてどうか心に」と挨拶し、式が終わる夜までその様子を見ていたという。

 ところが、この会をめぐって5月頃からあるトラブルが起こっていたと、文春はいうのだ。

「香典として集めたお金が、忍さんら遺族に渡っていない」(芸能事務所関係者)

 今回のお別れ会の主催者は「美穂が所属していた事務所のビッグアップル。所属レコード会社だったキングレコードも運営を手伝っていました」(同前)

 しかし、この会が異例だったのは、香典を受け取っていたというのだ。

「そもそも芸能人のお別れの会で香典を受け取ることは稀。大抵、案内状に香典辞退を明記します。あるいは香典を受け取っても、使途を明確にする。例えば、2008年に亡くなった飯島愛さんの会では、彼女が生前取り組んでいたエイズ撲滅運動に関連した基金に全額寄付することが発表されていました。でも美穂さんの会では、会社によって香典の額は若干異なりますが、テレビ局、レコード会社の一部は1社につき10万円、芸能事務所は5万円出した。ただその後、香典をどうしたのか、参列者に説明がないままです」(同前)

 その上、この会では、ファンからも香典を受け取っていたというのである。何が起きていたのだろう。

 忍は何も答えなかったが、美穂が所属していたビッグアップルは、マネージャー時代から37年間美穂と仕事をしてきたという社長の鈴木伸佳が事務所で取材に応じた。

「会が終わってから、香典を渡していないとか、忍さんとマネージャーさんが散々悪口を言っているというのは聞いていました。だから先日、2人をここに呼んだんです」

 2000万円程度かかった経費を除いて、遺族に渡すといったというが、この取材の時点でも渡っていなかったようだ。それは、相続人が誰かわからないからだという。辻仁成との子どもは相続放棄している。そうなれば美穂の母親ということになるのだろうが、美穂との仲は悪かった。

 美穂が現役中、カネの管理を母親に任せていたが、レストランなどを美穂に無断で開店し、そのほとんどを使ってしまったからだ。

 結局、7月下旬になって忍が香典を受け取ることになったと、鈴木は知らされたという。だが、鈴木は、

「これだけ誠実に会をやったのに、何に文句を言いたいのか。(忍からは)有難うございましたと御礼の一つもないんです」

 文春は忍にも話を聞いている。彼女は「お別れ会」のやり方に不満を抱いているようだ。

「複雑なものは何もないと言ったら、もちろん嘘になりますが。そもそも誰が(相続人になるのか)っていうところがまだ確定ではないんですよね。母も高齢ですし、いろんなことを後悔していると思いますよ。どうしてこんなことになったんだろうなって。今も泣いたりしています。でも済んでしまったことを責めたり、怒ったりすることをお姉ちゃんは望んでない」

 母親とはしこりを残したままで美穂は旅立ってしまったようだ。

 ところで、ジャーナリストの青木理が久しぶりに日曜日(8月10日)の『サンデーモーニング』(TBS系)に出ていた。

 昨秋、YouTubeの番組で、「劣等民族」発言をしたため批判され、『サンモニ』からも消えていた。

 出演は10カ月ぶりだという。青木は改めて、「インターネット上の番組で特定の政党や支持者の方々を誹謗(ひぼう)中傷したと受け取られても仕方ない発言をしてしまった。ネット上で強い批判をいただいた。私自身も不適切だと考えたので、その直後に謝罪をして撤回もしてきましたが、あらためてその発言は不適切だったというふうに考えています」と述べた上で『(自身の発言で)傷つかれた方、ご迷惑をかけた方々に本当におわびを申し上げたいと思います。本当にすいませんでした』と頭を下げ、あらためて謝罪した」(日刊スポーツより)

 私は、青木が望んだのではなく、『サンモニ』側が頼んだのだと思う。なぜなら、今のジャーナリズムで、はっきりものがいえる得難い人材だからである。かつては筑紫哲也がいた、本田靖春がいた、立花隆がいた。今は、青木しかいないと思うのは、私だけではないはずだ。だが「舌禍」はいかん。

 私はだいぶ前に、青木が『噂の真相』の岡留安則のことを書きたいといっていると聞いていた。一向に書く気配がないのでどうしたのかと思っていたら、今発売のサンデー毎日で、岡留のことを書いていたので紹介してみたい。

『噂の真相』は月刊誌で、1979年に創刊され、2004年に休刊している。やめたのは経営難ではなく、部数も雑誌への評価も最高の時に、岡留はスッパリ休刊してしまった。

 休刊した本当の理由は、名誉棄損の賠償額が年々高額化してきたためである。何しろ、今の文春などが大人しくみえるぐらい、毎号、スキャンダルのてんこ盛りで、しかも、裏取りをほとんどしないで載せてしまう記事も多かった。

 それだけではなかった。読者などから寄せられる真偽不確かな情報を、見開きページの左右に一行で載せていたのである。

 私は何度か岡留に、「あの一行情報は止めた方がいい」といったが、岡留はニヤリと笑って去っていくだけだった。

 今だったら山のような名誉棄損裁判を抱え、賠償金で潰れるだろう。

 確かに、青木のいうように、ジャニー喜多川の性加害問題やバーニングの周防郁雄などの大手芸能プロの闇を突いたり、現役総理の大学時代の不始末を暴いたりと、「反権力スキャンダル雑誌」を標榜して、書きたい放題だったが、自分のいる新聞、テレビ、雑誌ではできないことをやってくれる雑誌だという評価は、メディアの中では高かった。

 青木がまだ共同通信社にいた頃、岡留からこういわれたという。

「青木クンのような大手メディアの記者が書くべきことを書かないから『ウワシン』は成立しているんだ。もしキミたちが書くべきことを全部きちんと書けば『ウワシン』なんてお役御免、たちまち消えてなくなるさ。むしろその方が嬉しいんだけどね、オレは」

 私は、岡留からこのような言葉を聞いたことはない。元々、岡留というのはジャーナリズムはこうだ、ジャーナリストはこうあらねばならないという男ではなかった。

 彼の凄さは、たとえ暴力団が書かれたことに怒って編集部に殴り込んできても、動ずることがなかったことだった。岡留の最大の強味は「人たらし」だったと思っている。どんな相手でも、「岡留のファン」にしてしまうのだ。これは誰にもできない岡留の能力だった。

 青木は、メディアがやるべきことをやらずにいたために、オウム真理教のような事件が起き、極右政党が跋扈する事態を招いたとして、

「ならば、再び岡留の台詞が脳裏に浮かぶ。もちろん岡留が現状を見通していたはずはないし、メディア環境は一層悪化して困難さも増しているが、それらを承知で記せば、岡留の台詞にはいまに通じる部分があるように思う。『陰謀論や排外主義が蔓延ってしまっているのも、キミたち大手メディアの連中が書くべきことを書かず、愚劣な陰謀論者や排外主義者を増長させてきたからじゃないのか。もう『ウワシン』のような媒体はないんだから、キミたちが歯を食いしばって書くしかないんじゃないか』と」

 私には『ウワシン』が現在まで存在し得たとは思わない。文春が朝日新聞化して、週刊誌としての活力が失われてしまった今、「所詮噂なんだからそう目くじら立てないで」というやり方が罷り通るわけはないからだ。

 いま『ウワシン』があれば、岡留なら、今の時代に一石を投じてくれるのではないか。そう思うのは幻想だと私は思う。

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/08/12 18:00