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週刊誌スクープ大賞

ドジャース・大谷翔平は水原一平の賭博を本当に知らなかったのか 胴元が衝撃の告白

 小泉進次郎を農相に据えて、少なくても、米の値段は一時的にせよ下がり、味はよくないにせよ、2000円で備蓄米が手に入ったのだ。

 だが、ここへきて、新米の値段がバカ高いため、新潮、文春ともに、「小泉の大罪」「石破どうする?」と批判記事を掲載している。

 JAのいいなりになってきた農水省に問題の核心があると思うが、石破と小泉は硬い岩盤にメスで傷をつけたことは間違いないと、私などは考えるのだが。

 新潮によれば、高知県産米の「よさ恋美人」の新米が店頭価格で5㌔7800円だそうだ。私はこんな不当に高い新米は絶対買わないし、買えないが、そうなったのには訳がある。

 一番の理由は、国産米の約4割を扱うJAが収穫前に農家に支払う「概算金」が高いからだ。

「日本一の収穫高を誇るコメどころのJA全農新潟県本部は、コシヒカリ60キロあたりの概算金を3万円にしたと発表した。昨年の1万7000円と比べても実に76%の引き上げ。北海道の「ななつぼし」と福井のコシヒカリは2万9000円、青森の「まっしぐら」も2万6000円と軒並み高額となっている。概算金は1万円上がると、5キロあたりの小売価格が約1000円前後高くなるとの試算もある。農家はえびす顔でも、消費者には手痛い出費と化すのだ」(新潮)

 さらに、今年の猛暑と水不足では、多くの国民が米の生育に深刻な影響があると考えるのは当然であろう。

 またもコメ不足、米の値段高騰は農水省の不手際と相まって、避けられないのだろう。

 農水省は、コメ不足だと認識していたはずなのに、新米が供給されると価格は下がる、流通の目詰まりがあるなどとたわけた嘘をつき続けてきたのである。

 石破と小泉は減反政策をやめるなどといっているが、農水省や農水議員、JAの責任を明らかにし、責任を追及しない限り、そんなことができるはずがないのだ。

 かくして、庶民の口から銀シャリは遠くに、新米はさらに遠くになってしまうのである。

 今週はポストが面白い。その中の1本。このままいけば、衆議院選で石破自民党は大勝するというのである。

 石破茂首相は周囲に「オレは後ろから鉄砲撃たれるのには慣れているんだよ」と嘯いているという。

 9月2日に、大敗した参院選を総括する報告書が出るといわれている。それを受けて石破を支えてきた森山裕幹事長が辞任すると囁かれているが、石破には秘策があるというのだ。

 後任幹事長に小泉進次郎を充て、森山を幹事長代行にするというのである。そうすれば森山が実質幹事長のままでいられる。

 だが、ポストによると、石破はむしろ反石破勢力の暴発を狙って挑発しているのではないかという見方があるというのだ。

「反対派が総裁リコールの動きを本格化させれば、石破総理はそれを口実に解散・総選挙を仕掛けるつもりではないか。進次郎氏の父である小泉純一郎・元首相が20年前(05年)にやった郵政解散の手法だ。党内の内紛を理由に解散を打つのは本来筋が通らないが、純一郎氏は郵政民営化法案が自民党内の造反により参院で否決されると、参院は解散できないから衆院を解散して国民の信を問い、勝利することで自民党内を制圧した。石破総理は小泉内閣で防衛庁長官に抜擢され、大臣を3期務めたから純一郎氏の政治手法を学んでいる」(旧安倍派のOB議員)

 そういえば、8月下旬に、石破は小泉純一郎と会食している。そこで「秘策」が話し合われたのか?

 もし、小泉元総理がその手法を石破に伝授したしたとすれば、密約は「次は小泉進次郎に譲る」ということではないか。

 そして先の話を漏らした旧安倍派のOBというのは、山崎拓であろう。

 もし、石破が不意打ち解散に踏み切ったらどうなるか?

 ポストの読みでは、自公で249議席、野党・無所属で216議席。逆転するとでたというのである。

 選挙分析に定評のある政治ジャーナリストの野上忠興も、

「参院選の野党の比例得票を見ると国民、参政、立憲が横一線で並び、野党第一党がどこかわからに状態になってきた。れいわや日本保守党も伸びている。次の総選挙でも、各党は比例の票を稼ぐために小選挙区にも積極的に候補を立てることが予想され、野党の候補者調整は難しいでしょう。そうなると共倒れが増える。次の総選挙では、自公は野党候補乱立による“漁夫の利”で議席を増やすという可能性は十分考えられます」

 野村克也曰く。「勝ちに不思議の勝ちあり」となるのだろうか。私もそんな気がしてきた。

 ところで、猥褻エロ教師が止まらない。これでは小さな子を抱える親は心配で夜も眠れない。

 いったい、変態たちが生息しているSNSの中では、何が起こっているのかが知りたい。

 文春の20代の女性記者は果敢にそれにチャレンジしたという。

「スマホを弄ることたった数時間。驚くほど簡単に、盗撮動画に辿り着いてしまった。

 同様の文句を掲げた別のアカウントに『有名ですよ』と紹介されたのが、メッセージアプリ『テレグラム』内のとあるグループだ。招待を受けて参加すると、そこには更に唖然とする光景が広がっていた。

 参加者は七月下旬の時点で千九百八十人。約二千人が巨大な盗撮コミュニティを作り上げていたのだ。

 内部は『逆さ』『太もも』『胸&姿』などとカテゴリ分けされ、多いところでは1日数十件の投稿がある。

 電車内や駅の階段、エスカレーター、商業施設、通学路、学校内や教室など、あらゆる場所で参加者が撮影したスカート内の映像や太もも、胸の谷間の映像が次々共有され、瞬時に百を超える「いいね」と賞賛のコメントがつく。盗撮犯同士が互いを褒め合い、承認欲求を満たし合う様子が浮かんでくる。

 投稿を分析したところ、コミュニティでは投稿の約六割が中学高校の女子生徒を写したもの。場所は駅や商業施設が多いが、教室や廊下、体育館など、明らかに学校内で撮られた映像も三割弱ほどあった」(文春)

 取材を進めるうちに二次性徴を迎える前の男児や女児にしか性欲を抱くことができない小児性愛症という男性2人に話を聞くことができたという。

 その一人、匿名を条件に取材に応じたAは大学を卒業後、勤務先の教育機関で指導中の小学生を盗撮して逮捕起訴。執行猶予判決を受けた過去があるという。

「学生のとき、ネットで同じ嗜好の人と初めて知り合った。その人がある動画をくれました。ニュースにもなった女児への連続強制わいせつ事件の犯行そのものの動画です。小児性愛者の間では名作として出回っていた。はじめて実在の児童ポルノを見て、衝撃を受けました。ネット上で知り合いを増やしながら、児ポを集めるようになった」

 そのAがこういう。

「児童に手を出した教師が『ストレスで』と供述するニュースを見ると、嘘つけと思う。小児性愛者が教師になるって、わいせつしたい以外にあるんですか。僕は学生のころ塾でバイトしていたけど完全に児童目当てでした。正直、小学生と性行為をすることは死刑になってでもやりたい。やらずに死ぬくらいなら、やって死刑になった方がまし」

 こいう“覚悟”でやっている人間を「改心」させることなどできるのだろうか。

 さて、日本でもスマホに対して時間制限をしようという動きが出てきたようだ。

「余暇の時間にスマートフォンを使うのは1日2時間までを目安に――。愛知県豊明市が25日、スマホの『過剰使用』を防ぐ独自の対策を盛り込んだ条例案を市議会に提出した。市は『目安』と強調するが、行政が個人の自由時間に口出しする動きを懸念する声もあり、賛否は割れている。

 条例案は、スマホやタブレット端末による過度な動画視聴などが、睡眠時間や家族間の対話の時間の減少につながるなど『特に子どもの健全育成を阻害するおそれがある』として、対策を講じるとする。次のように定めている。

・『余暇時間』でのスマホ使用について、1日2時間以内を目安とする

・子どもの睡眠時間の確保は心身の成長に不可欠。小学生以下のスマホ使用は午後9時まで、中学生以上18歳未満は同10時までを目安とする

・保護者は子どもをスマホの過剰使用から守る第一義的責任を有することを自覚し、家族全体で適正使用への理解を深めるよう努める

 公共の利益のため自治体が目標を定めるいわゆる『理念条例』の案だが、市がホームページで公表して以降、市役所には25日昼までに電話やメールで120件ほどの意見が寄せられた」(朝日新聞Digital 8月25日 20時25分)

 市長は小浮(こうき)正典。規制の対象は全市民になる。経歴は、京都大学経済学部を卒業後、朝日放送、朝日新聞、東京MXテレビ、イオンと転身するが、その間にアメリカのピッツバーグ大学や立命館大学の大学院を修了し、2015年に市長選に出馬して当選している。

「現場から上がってくる事例に接するうち、過度なスマホ使用が日常生活に弊害をもたらし、親子間のコミュニケーションを歪ませている――そんな問題意識を抱くようになりました。条例には罰則や努力義務もなければ、“1日2時間”も目安に過ぎず、仕事や勉強などを除いた余暇時間が対象です。スマホが便利で生活に不可欠なツールであることを前提に、改めて各家庭で適切な使用時間を話し合う機会をつくってもらいたいと考えたのが始まりです」

 私ももろ手を挙げて賛成だ。まず手始めに、歩きスマホに罰則を設けるべきだ。あんな迷惑なことはない。

 第一、歩いている間も画面を見なくてはならないことなど、稀にしかありえない。ほとんどは、つまらないゲームなどで遊んでいるだけなのだ。

 それに自転車に乗りながらのスマホには厳罰を! それに食事中のスマホにもうんざりである。

 もはや躊躇することはない。スマホでこの国の人間がこれ以上バカにならないように、法規制すべきではないか。その時期に来ていると私は思う。

 さて、先の幼児性愛者の告白ではないが、今回、神戸市三宮で大手損保会社の支店に勤めていた24歳の片山恵(24)をストーカ―して刃物で殺害した谷本将志(35)も、3年前にストーカー行為の末に首を絞めた犯罪歴があり、警察ならずとも再犯率が高いことは知っていたはずだが、また同じような行為を繰り返し、ついに女性を殺してしまったのである。

 最近は事件ものにはあまり金も誌面も割かない週刊誌だが、これは文春、しかも巻頭である。

 捜査関係者が事件の概要をこう語る。

「勤務先の大手損保支店から、片山さんが退勤し、自宅マンションに帰宅するまで、谷本は約50分にわたって後をつけています。途中、電車を乗り継いでも追跡を続け、彼女のマンションのオートロックも彼女の後に続いて突破。そのままエレベーターに2人きりで同乗した際に、突如として片山さんに襲い掛かったのです」

 その様子をモニター越しに見ていた別の住人が通報。警察官が駆け付けた時には、片山さんは自室がある六階のエレベーターホールで血を流して倒れていた。

「胸付近を刃物で複数回刺されていて、約一時間後に搬送先の病院で死亡が確認されました。司法解剖の結果、死因は失血死と推定されています」(同)

 谷本が逮捕されたのは、事件発生から2日後の22日の夕刻。場所は神戸市から約380キロ離れた東京・奥多摩町であった。

 一部報道によると、最初の事件もこの近くで起きていたという。

 谷本という人間のおかしさは、最初の事件のこういうところに現れている。

「不可解なのは、この女性に暴行を加えた直後に谷本がとった行動である。

『谷本は暴行後、被害女性の部屋に留まり、約一時間にわたっていかに自分が彼女のことを好きか力説し、彼女を口説こうとしたのです。当然、被害女性は恐怖に震えるばかりで、谷本は最後には「警察に言わないで」と言い残して逃走しました。2人は知り合いではありませんでしたが、谷本は以前からこの女性に声をかけるなど、一方的な想いを募らせていた』(社会部記者)」(文春)

 谷本はストーカー規制法違反の容疑で再逮捕される。その後の捜査の結果、殺人未遂ではなく、傷害などの罪で起訴されることとなった。

 そして、神戸地裁での裁判で谷本は有罪判決を受ける。文春は当時の判決文を入手。そこには谷本の犯行について、次のように書かれていたという。

〈路上で見かけて一方的に好意を抱いた女性に対し、約五か月間にわたり、被害者の姿の動画撮影等を伴うつきまとい及び住居付近のうろつきを内容とするストーカー行為に及び、その過程で五回にわたりオートロック式の被害者方マンションに被害者の後に続くなどして侵入した揚げ句、マンション内で被害者を待ち伏せた上、被害者が帰宅した際に被害者方室内に押し入り、暴行を加えて傷害を負わせた〉

 また、暴行の悪質性については、こう評価された。

〈必死に逃げようとする被害者に対し強く首を絞めるなどしたという強度で危険なもので、被害者は死の恐怖に直面しており、被害後も続く不安・恐怖を含めた心身の苦痛は大きく、(中略)このような犯行に酌量の余地は全くない〉

 さらに谷本は犯行の翌日、謝罪名目で再び女性宅を訪れようとしたことについて、こう断罪する。

〈事件の翌日に謝って許してもらいたいと考えて被害者の心情に思いを致すことなく被害者方へ赴こうとした経緯からしても、思考の歪みは顕著である。再犯が強く危惧されると言わざるを得ない〉

 しかし、その一方で、被害者が重傷に至らなかったこと、本人が反省していることなどから、谷本には懲役2年6カ月、執行猶予5年の判決が下ったのである。

 こうした犯罪も再犯率が高い。出所後「保護観察」にはしなったのだろうか。

 谷本は仕事を転々としながら、神戸へ舞い戻り、前の事件のすぐ近くで「好みの女性」を見つけ、ストーカーを続けた後にオートロックのマンションから入り、エレベーターの中で片山さんに迫ったという。

 今回のような事件を二度と起こさないように、警察は本腰を入れて対策を考えるべき時期であること、いうまでもない。

 今週の最後は、あの大谷さんについての話である。

 大谷翔平(31)が稼ぎ出す巨額の「大谷マネー」をめぐって世界を驚かせたのが、2024年3月に発覚した元専属通訳・水原一平受刑者(40)による「違法賭博事件」だった。

 水原一平が大谷翔平の口座から盗んだのは約1700万ドル、日本円にして約26億円にも上り、何と、その負債総額は約1億8293万ドル、日本円にして約284億という目のくらむような額であった。

 しかも水原一平は、そのカネを大谷翔平の口座から無断で引き出していたというのだから、野球ファンだけではなく世界中が驚いた。

 その水原一平の“違法賭博の胴元”がマシュー・ボウヤー被告(50)であった。

 今回、ノンフィクション・ライターの水谷竹秀のインタビューにボウヤーが応じた。

 水原一平スキャンダルが報じられた後、ボウヤー被告は「大谷について、どうしても腑に落ちない“謎”がある」と主張した──8月29日(米・現地時間)に米連邦地裁で判決言い渡しを受けるボウヤー被告がその直前、ノンフィクションライター・水谷竹秀氏の独占インタビューに応じた。

 太い腕にはタトゥーがびっしり入り、引き締まった体で胸板は厚い。それなのに腰は低かった。

 ボウヤーが2023年10月に捜査当局から違法賭博の疑いで家宅捜査を受けた際、ボウヤーは水原について、何も語らなかったという。

 水原一平と会ったのは2021年9月、サンディエゴの海沿いに浮かぶ4つ星ホテルで行われたポーカー大会だったという。

 中央に座る人物は、向かいの人物の“大男”に控えめな笑みを浮かべていた。

「これがイッペイとの出会いだったんだ」

 そうボウヤーはいう。

「このポーカーに参加していたのは、(当時)エンゼルスのデビッド・フレッチャー(内野手)ら関係者と、俺の友人たちだ。エンゼルスからは他に2人ぐらい、中堅どころの選手がいたね」

 ボウヤーはエンゼルスから近い距離にいたのだ。

 試合が終了した後、仲間でポーカーを始めたらしいが、「その時水原一平はスポーツ賭博をやっていたようだ。それを見た友人が、ボウヤーもスポーツ賭博をやっているよと声をかけてくれて、一平を紹介してくれた。

 一平はその日のうちにボウヤーの賭博のウェブサイトにアカウントを作り、翌日には賭け始めていたよ」

 水原一平が賭けるのはもっぱらサッカーだったという。アカウントの資金は8000ドル。

 間もなく負けが重なり、掛け金の上限を上げるようボウヤーに要求してきた。

 最初の入金が水原一平から振り込まれた金額は約4万ドル。日本円にして630万円。

 だがボウヤーは口座の名義人に注意は払っていなかったが、3回目の送金で驚くべきことに気づく。名義人が大谷翔平だったのだ。

 ボウヤーは名義人を見て「信じられない気持ちだった」という。

 だが、彼は、水原が大谷の口座から盗んでいるなどとは考えられずに、大谷がスポーツ賭博をやっていたら危機に瀕するから、一平が代理人なのか、一緒に賭けに興じているのか、色々な可能性が頭を駆け回ったという。

 だが彼は、水原にカネの出所を聞くことはなかった。「負け分がきちんと送金されさえすれば、カネの出所は問題じゃないから、詮索はしなかった」という。

 水原は21年から24年1月まで、約1万9000回も賭け続けた。一日平均25回になる。

 負け続けた水原一平は、「もう一度、上限を引き上げてくれないか? 分かっていると思うが、支払いについて心配する必要はないよ」といっていた。

 だが、ボウヤーへの送金はたびたび滞った。そのたびにボウヤーは、「俺はいまニューポートビーチにいて、翔平が犬を連れて歩いている姿を見ているよ。彼のところまで行って、支払いについて聞いてみてもいいんだぜ」という脅しをかけたという。

 2023年10月に捜査当局から違法賭博の疑いでボウヤーは家宅捜索を受けた。だが、水原一平については何も語らなかったという。 

 翌年1月、米スポーツ局「ESPN」の女性記者がボウヤーの家を訪れ、「大谷が違法賭博に関わっている可能性がある」と知らされた。ボウヤーはその後捜査当局へ出向き、大谷の口座から振り込まれていた事実を打ち明けた。同月を最後に、水原はボウヤーへの送金をやめている。

 3月に韓国ソウルでドジャースとパドレスの開幕戦が行われる直前、水原はESPNの記者から約90分間の直撃インタビューを受け、事件は一気に明るみに出た。当時、水原はボウヤーに「報道を見たか?」と尋ねるメッセージを送ったという。ボウヤーはこう送信した。

〈見たよ。すべてデタラメだ。明らかにキミは彼(大谷)から盗んではいない。彼の肩代わりをしたと理解しているよ〉

 水原からの返信は、次のとおりだった。

〈厳密に言えば(technically)、私は彼から盗んだ。すべては終わったんだ〉

 ボウヤーは未だに、この水原の言葉を信じていないという。

「“テクニカリー”という言い方には、別のストーリーがあるような気がする。そもそも、あれだけ時間を共有してきた相棒(大谷)が、一平の賭博を全く知らなかったことなんてあり得るのだろうか」

 事件発覚から5日後、大谷はドジャースの本拠地で記者会見を開き、険しい表情でこう語った。

「本当に数日前まで、彼(水原)がそういうことをしていたというのも全く知りませんでした」

 自身の関与については完全に否定し、それは裁判でも証明された。ボウヤーも「翔平は一切、ギャンブルには手を出していない」と断言した上で、それでも大谷が会見で「(水原が)ギャンブル依存症だと知らなかった」と発言したことだけは、未だに腑に落ちていないようだ。2年半で1万9000回も賭けたことに、気づかないわけがないという。

「1回賭けるのに要する時間はおそらく2~3分。ウェブページを開き、自身のアカウントにログインし、チームを探して賭ける。ただスポーツ賭博は、そこからが醍醐味なんだ。お金だけ賭けて試合中継を見ないことは、同じギャンブル依存症者として考えられない。

 そんな状態が2年半も続いたのに、一平のギャンブルを知らないわけがないだろう。家族に隠れて1本タバコを吸うのはできるだろうけど、1日に3箱は無理なのと一緒だよ。

 翔平が一平の賭博癖を知っていたからといって、彼には何の罪もない。本当は知っていたけど、事態が複雑化するのを避けるために、知らなかったことにしたのではないか」

 大谷はこれまで、2件の訴訟を受けた。1件は仮想通貨の広告塔になったこと、もう一つは今年8月、ハワイに購入した別荘をめぐって、ディベロッパーから代理人と大谷本人が訴えられた件だ。

 大谷は常に「何も知らなかった」、「代理人に任せている」といった説明に終始している。グラウンドに集中するからこそ前人未到の“二刀流”を続けられるのだが、今後も大谷マネーを狙う者は現れるだろうと、ボウヤーはいう。

 私もボウヤー説に同感だ。全く大谷が知らかったというのは無理がある。だが大谷は自分の安全のために水原一平を切った。真相は「藪の中」にこそあるはずだ。(文中敬称略)

(文=元木昌彦)

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元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/09/02 18:00