MLB史上6人目の2年連続50本塁打! 大谷翔平は投打の栄冠を同時につかめるか? 前人未到の展望を徹底解説

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平は、フィラデルフィア・フィリーズ戦に“1番・投手兼DH”の二刀流で出場。
2点を追う8回の第4打席で、3試合ぶりとなる50号ソロを放ち、MLB史上6人目となる2年連続50本塁打の快挙を達成した。
さらに初回には三振を奪い、シーズン50奪三振にも到達。史上初の50本塁打&50奪三振の「50-50」を成し遂げた。このまま行くと、大谷は一体どこまで到達するのだろうか。
2年連続50本塁打・150得点超えの歴史的挑戦
大谷翔平の挑戦は、メジャーリーグの長い歴史の中でも、まったく新しいステージに突入している。
打者としてはMVPや本塁打王が視野に入り、投手としても2022年にはサイ・ヤング賞を狙えるパフォーマンスを示した。
これまで「二刀流」と言えばベーブ・ルースの存在が象徴的に語られてきたが、大谷のように投打双方で本格的にタイトルを狙った選手はいなかった。
大谷が見据えるのは、誰も成し遂げたことのない「同一シーズンでの投打タイトル獲得」。それは歴史の延長線ではなく、まったく新しい物語を紡ぐ行為だ。
現状、3年連続MVPへの期待は高く、本塁打王は追い上げ次第。リーグ優勝やワールドシリーズ連覇は投手陣に課題が残るが、野手陣の奮起次第では十分に射程圏内だ。
今年の大谷はOPS1.000前後を安定して記録し、長打率はリーグ1位、出塁率と四球はリーグ2位。単なる本塁打量産型ではなく「選んで打てる打者」としての完成度を見せている。ホームランもシーズン40〜50本ペースを継続中だ。
2年連続50本塁打は現役選手として前人未到の快挙であり、達成者はベーブ・ルース、ケン・グリフィー・ジュニア、マーク・マグワイア、サミー・ソーサ、アレックス・ロドリゲスに次いで史上6人目。さらに史上初の「50-50」も達成した。
加えて今季はすでに135得点を記録し、キャリアハイを更新中。150得点以上となれば2000年のジェフ・バグウェル以来25年ぶりの快挙である。
昨年の「50本塁打・50盗塁」に比肩するかは議論の余地があるが、50本塁打と150得点の達成は、確実に球史に深く刻まれるだろう。
投打同時受賞を狙える黄金期のタイムリミット
トミー・ジョン手術から復帰した投手・大谷もまた、圧倒的な数値を示している。奪三振率は12を超え、速球は160キロ超。スイーパーやシンカー、スプリットはいずれも一流打者から空振りを奪う。2022年のようにバランスよく投げられれば、来季以降サイ・ヤング賞も十分に狙える。
しかし、打者としてのフル稼働もあり、いずれは一本化を迫られる現実もある。投打同時受賞の実現には、1シーズンを通しての安定した成績が不可欠だ。
課題は右肘の負担である。2度のトミー・ジョン手術歴がある以上、体力的にも年齢的にも「投打フルスロットル」で走り続けられる時間は限られている。
つまり、いずれは一本化を迫られる可能性がある中で、「投打同時で個人タイトルの受賞」を現実にできるタイムリミットは、この数年に凝縮されていると言えるだろう。
それでも、投打のタイトルを同時に獲得するその瞬間こそが、二刀流の“最終形”である。肉体的なピークと、MLBで積み重ねてきた経験が交わる今こそが、最大のチャンスだ。
もし実現すれば、ベーブ・ルースの伝説を超え、野球そのものの歴史を根底から塗り替えるだろう。大谷翔平の未来地図は、誰も踏み入れたことのない“前人未到”の領域へ続いている。
(文=ゴジキ)