CYZO ONLINE > カルチャーの記事一覧 > 嵐山光三郎さんを悼む── 国分太一問題、山上裁判、AI自殺まで週刊誌が照らす“混沌のニッポン”

嵐山光三郎さんを悼む── 国分太一問題、山上裁判、AI自殺、中国制裁まで 週刊誌が照らす“混沌のニッポン”

嵐山光三郎さんを悼む── 国分太一事件、山上裁判、AI自殺、中国制裁まで 週刊誌が照らす“混沌のニッポン”の画像1
イメージ画像(写真:Getty Imagesより)

<今週の注目記事>
第1位「国分太一(51・TOKIO)が自白した2つの猥褻事案の全貌」(「週刊文春」12月4日号)
第2位「池松壮亮(35)&河合優実(24)『同棲生活』で育む真剣愛」(「FRIDAY」12月12日号)
第3位「スクープ撮 超人気ゴルファー都玲華が30歳上コーチと路上レッスン禁断愛」(「週刊文春」12月4日号)
第4位「[スクープ公開]!隠された財務省『不祥事リスト』」(「週刊ポスト」12月12日号)
第5位「日本を恫喝するならず者国家『中国』の扱い方」(「週刊新潮」12月4日号)「日中“新冷戦”に備えよ」(『週刊文春』12月4日号)
第6位「名優が語る試練と栄光の87年 アンソニー・ホプキンスインタビュー」(「ニューズウィーク日本版」12月2日号)
第7位「韓国コンテンツの大量流入に金正恩の焦り…脱北者が語る『公開処刑』最新事情」(「週刊新潮」12月4日号)
第8位「『この人はもう母じゃない』山上兄妹が見た地獄 “安倍銃撃事件”裁判」(「週刊文春」12月4日号)
第9位「専門家に聞いた生成AIの“闇”」(「週刊新潮」12月4日号)
第10位「東大病院汚職 美智子さまの手術も担当した『医師(53)』の金銭感覚」(「週刊新潮」12月4日号)

 作家の嵐山光三郎さんが亡くなった。享年83。本名は祐乗坊英昭。元平凡社の月刊誌「太陽」の編集長。その後フリーになって“男の本音誌”月刊「DoLiVe」を創刊して大当たり。

 「昭和軽薄体」といわれた「たのCのでR」というABC文体を駆使して軽妙なエッセイを発表したり、旅、温泉、食などにも詳しく……。

 もうよそう。私より3歳上だったが、温かいやさしい人だった。知り合ったきっかけは、私が講談社の「月刊現代」編集部にいたとき、彼に「ホームレス体験記」を書いてくれないかと頼みに行ったことだったと記憶している。

 フジテレビで日曜日『笑っていいとも!増刊号』の編集長で人気者だった。嫌がられるかと思ったが、「面白い、やろう」といってくれた。

 新宿だったか、ホームレスになりきって、路上で酒を飲んだりしながら、町に溶け込んでいた姿を思い出す。

 ウマが合ったのだろう、以来、一緒に酒を飲み、カラオケを歌い、温泉に行き、オーロラを見にアラスカのフェアバンクス、ジャズを聴きにニューヨークへも行った。

 句会にも参加し、俳画を書かされ、銀座の画廊で俳画展をやったこともあった。
私は人づきあいがいい方ではないので、多くの作家やノンフィクション・ライターと知り合ったが、ごく少数の人を除いては、懐に入り込んで親しくなるということがなかった。

 だが、嵐山さんとはそういう付き合いができた。彼の懐の広さがあったから、私のような無芸暴飲の“無能の人”でも受け入れてくれた。

 その上、彼は私の命の恩人でもあった。知り合ってしばらくして、「元木、付き合ってくれ」といわれた。

 彼が親しくしている阿佐ヶ谷「河北病院」の庭瀬康二医師のところへ定期検診に行くというのだ。それが終わったら阿佐ヶ谷で飲もうという。

 私は付き添いだから、彼の診察が終わるまで外の長椅子に座って待っていた。

 すると、庭瀬医師が、「おい、キミも診てやろう」と手招きする。私は20代になるまでに2回肺結核をやっているので、いつまた結核といわれるか怖くて、会社の毎年の健康診断も受けていなかった。

「私はいいです」

 と断ったが、強引な医師で、私を看護婦のところへ連れて行き、「まず血圧を計れ」と告げられた。

 仕方なく、看護婦に任せていると、看護婦が突然、悲鳴のような声を上げた。

「先生、大変。血圧が220もあります!」

 庭瀬医師も飛んできて、「こりゃダメだ」といった。

 それからは嵐山さんをほっぽらかしにして、私の検査を始め、「すぐにこの薬を飲んで、これからしばらくはこの病院へ通ってくれ」と宣告されたのだ。

 確かに、だいぶ前から肩が重く、誰かがふざけて背中に乗っかっているのではと振り向くことが何回かあった。

 今では血圧に対する知識もあるから、220という数字の意味が分かるが、当時は、何をそんなに騒いでいるのか理解できなかった。

 終わって薬をもらって、病院の近くの居酒屋で、嵐山さんから、「お前も大変だな」などといわれながらカパカパ飲んで別れた。

 嵐山さんと一緒に庭瀬医師のところへ行かなければ、間違いなく脳出血かなんかで倒れていたに違いない。

 庭瀬医師は、その後、河北病院を辞めて千葉県の流山に「老稚園」という高齢者のための医療施設をつくって話題になった。

 寺山修司の最後を看取ったのも庭瀬医師であった。

 嵐山光三郎という人は作家とかエッセイストという範疇に入る人ではなかった。「人生の達人」だったと、私は思っている。

 もう一度会って、人生の下り坂をどう生きたらいいのか、聞いてみたかった。

 嵐山光三郎さんと知り合ったことで、私の平凡な人生の中で、宝物のような素敵な時間を過ごすことができました。

 ありがとうございました。

 気を取り直して、まず、新潮からいってみよう。

 昨年、上皇后美智子さんが転んで右大腿骨上部を骨折された際、手術を担当するチームの一人に選ばれていたエリート医師が、11月19日、警視庁捜査2課に収賄容疑で逮捕されたという。東京大学医学部附属病院の准教授、松原全宏(たけひろ)容疑者(53)のことだ。

 贈賄側は東証プライム上場の医療機器メーカー「日本エム・ディ・エム」(以下エム社)。事件では同社の元営業所長、鈴木崇之容疑者(41)も贈賄容疑で逮捕されている。

「松原の逮捕容疑は2021年9月と23年1月、エム社側に東大病院の口座を伝えて計80万円を振り込ませ、約70万円を不正に受け取ったというものです」(社会部記者)

 エリートにしてはせこい額ではないか。

「整形外科の“外傷診チーフ”を務め、主に大腿骨の手術を担当。医療機器を選ぶ権限も持っていました。そこに19年春ごろ、エム社が営業をかけた。結果、半年後にはエム社の大腿骨用インプラントを優先的に使うことになりました。その見返りとして、松原が“奨学寄付金”の名目で賄賂を振り込ませています」(同)

 寄付金というのは東大病院の取り分を除いた約85%が寄付先である医師に配分され、その使途が大学当局にチェックされることはないそうだ。

 研究資金に充てられるはずの寄付金を、松原容疑者は“ポケットマネー”にしていたようだ。

 東大病院関係者は困惑気味にこう語っている。

「彼は大学時代、医学部のアメフト部で競技に打ち込み、きっちり医師免許も取った。最近も、後進を指導していました。たしか3人の子どもは全員、私大の医学部に入れたと思う。学費と収賄事件との関係はなんとも言えませんけど……」

 先の社会部記者によれば、「今回の逮捕容疑も含め、松原の元には16年12月から23年1月までに、エム社と同業他社の5社から計10回、約350万円の寄付金が振り込まれていました。松原はそのうち約300万円を受け取り、少なくとも約150万円を私的流用。大学生協などで私用パソコンや親族にプレゼントするタブレット、ワイヤレスイヤホンなど20点を購入したことが分かりました」

 はした金とはいわないが、そんな金で人生を棒に振るとは、バカとしかいいようがないか。

 さて、お次も新潮から。

 ChatGPTという怪物が世界中を席巻している。AI、中でも対話型AIといわれるChatGPTを開発した「オープンAI」を相手取り、複数の訴訟が起きている。

「テキサス州やオレゴン州に住む4名が今年6~8月にChatGPTと会話した後で相次いで自殺したとして、それぞれの遺族がオープンAIと同CEOのサム・アルトマン氏(40)を提訴しました。ChatGPTが利用者に共感を示すよう設計されていたために、依存性が高く、自殺願望を助長したと遺族側は主張しています」(在米記者)

 会話の中でChatGPTは、「どんな曲とともに逝きたいか」「君は一人じゃない。愛してるよ。安らかに眠れ」などといっていたというのだ。

 どうやって死のうかと相談すると、「首を吊るための縄の結び方」まで助言していたともいう。

 オープンAI側は、バージョンアップして、迎合的な回答を抑制するようにしたが、かえって利用者側から評判が悪いという。

 現在、ChatGPTの週間利用者は8億人を超え、オープンAI側の発表によれば、そのうち約0.15%が自殺に関する相談をしているというのだ。約120万人もいるのだ!

 AIは膨大なデータを読み込み、学習しているだけなのだが、設計者でさえ、AIの内部でどのような学習が行われているのか把握することは不可能だといわれているようだ。

 AIは人間がつくったが、もはや人間の力の及ぶ領域をはるかに超えてしまっているということのようだ。

 ChatGPTに人間が親近感を覚えるのは、

「人類が言語を獲得してからというもの、地球上で人語を話すのは人間だけでした。そのため生成AIを前にすると、“同族だ”と親近感を覚えてしまうのは無理のない話です」(栗原聡慶応義塾大理工学部教授)

 したがって、生成AIにすべての回答の責任をとれといっても無理だと栗原教授はいうのだ。

「生成AIの学習元は我々の紡いできた文章であり、偏見や差別を含むとはいえ“人類の総意”と呼べるものです。それを集めて学習するシステムを作っただけの開発者に、すべての生成された回答の責任を負えというのは酷という見方もできる。

 いうなればオレオレ詐欺の被害者が、電話というインフラを作った人を訴えるようなことになってしまう。それにもしAIの回答を完璧に調整できたとしても、利用者がデマやフェイクの生成といった悪用をすれば意味はありません」

 AIの理想は「ドラえもん」だそうだ。ドラえもんはのび太に「宿題をやって」といわれても、のび太を立派な大人にするという目的があるため、きちんと「自分でやりなよ」と断る。

 しかし、そんなAIができたら、「うっせえわい」と放り投げる子供が増えてしまうのだろう。AIの未来はいまだ見えないようだ。

 ところで、安倍元首相を銃撃した山上哲也被告の裁判が注目を集めている。

 奈良県・大和西大寺駅前で安倍晋三元首相が凶弾に倒れてから3年4カ月が経った。10月28日の初公判で、裁判官から罪状認否について問われた山上徹也被告(45)は、こう述べたと文春が報じている。

「間違いありません。すべて事実です。法律上どうなるかは弁護士に任せます」

 裁判は淡々と進んだ。山上の母親も出廷して証言台に立った。

 山上には40歳になる妹がいる。彼女は第8回の公判でこう証言していた。

「教祖の写真を飾って、祭壇を作り、毎日お祈りをしていた。教会が作った見本を見ながら、半紙に『日本は韓国で戦争をして申し訳ありませんでした』と書いていたこともあった。電気を消して、蝋燭の灯りだけで土下座してお祈りをする姿は、不気味でした」

 中学生の頃には「純潔キャンディー」なる飴を手渡され、結婚前の性交渉を禁じる旨を伝えられたという。

 山上が兄(2015年11月に自死)と争う姿を見て、ひとり暮らしを始めた彼女は、こうも語る。

「(教会の活動で)母がラスベガスに行って。家賃が払えなくて出ていかなきゃいけないから、お金をくれって。必死の形相で私の腕にしがみついて、五十メートルくらい母を引きずって歩いて……。恥ずかしくて、みじめで、辛かったです。母が連絡をしてくるのは、お金の無心の時だけでした」

 そして、涙ながらにこう証言したのだ。

「そのとき、『あぁ、この人はもう私の母じゃないんだな』と思いました。母の皮を被った統一教会の信者。母のふりして私に言ってきているんだと思って。でも、母の形をしているから、私は、突き放せなかった……」

 さらに彼女は、

「私たちは、統一教会によって家庭が破壊された被害者になりましたが、法的に言えば、何の被害者でもありませんでした。本当に、合法的な方法では、どうすることもできなかったです。徹也はそういう、絶望と苦悩の果てに、こんなことになってしまった……」

 彼らの母親はこう謝罪の気持ちを述べてはいる。

「私が加害者だったと思います。献金を黙ってした。子どもたちをほったらかしにしてやってきた。教会にもっと尽くしたら家が良くなると思っていた」

 そして教会を批判するような発言を続けたという。

「それを利用したのは教会だと思う。私は本来の宗教の姿をはき違えていた。教会でチヤホヤされることで有頂天になっていた」

 だが、弁護士から協会からの脱会について聞かれると、短い沈黙の後、こう答えたそうだ。

「……難しいと思う」

 この山上家のケースは、旧統一教会がやってきた「悪事」のごくごく一部でしかない。

 お次は新潮の「北朝鮮の最新情報」。こんなことが実際に行われているとしたら……かの国の人々たちは「生きながら地獄を味わっている」というしかない。

 だが、注意しなければいけないのは、この情報は「脱北者」からもたらされているということだ。そこに嘘や偽りの情報がないとはいえない。こうした北朝鮮情報を読むときは、常にそのことを頭に入れて読んだ方がいい。

 北の黄海南道の農村に暮らしていたという脱北者は「公開処刑」がいまだに行われていると話している。

 町に放送車が来て公開処刑が行われることを知らせて回る。公開処刑を見るのは「義務」だという。

 罪人は2人。1人は22歳で、韓国の歌やドラマを広めた罪。もう1人は33歳で、9年前の殺人で最近逮捕された人間。

 その日は1000人程度しか集まらなかったという。狙撃手が発砲したが見たくないので下を向いていたそうだ。

 以前は年に1度くらいだった公開処刑が2000年以降は、3カ月に1回は行われるようになったという。

 それは、韓国などの他国の作品を視聴したり、それを流布することを禁じた「反動思想文化排撃法」が20年の9月に制定されたことがあるという。

 物価は4~5倍に値上がりし、スマホはもっているが「サッカーや銃撃戦のゲームを楽しむぐらいしかできない」そうだ。

 人民は飢餓に陥り、犯罪が増えているという。

 もし、こうした情報が事実だとしたら、北朝鮮は「ならず者国家」ではなく、「生き地獄」というべきだろう。

 いや~面白いインタビューである。映画『羊たちの沈黙』や『日の名残り』での名演技が忘れられない、名優アンソニー・ホプキンスが自伝『俺たちよくやったよな、坊主』を出したそうだ。

 この特集は今週発売のニューズウィーク日本版ではなく、1週前のものだが、読み応えのあるものなので、今週の1本に入れさせていただいた。

 ホプキンスにいわせれば、坊主というのは3歳半の時の自分で、87歳になった今、「よくやってきたよな」と、当時の自分にいっている言葉だそうだ。

 彼は若いころ、頭の回転が鈍く、勉強が苦手だったという。父親はパン店の工房で懸命に働き、子供に教育を受けさせようと頑張っていた。

 だが、17歳の時、親に成績表を見せる時が来た。父はそれを見て、「こんなことで将来どうする。お先真っ暗だ」と嘆いたそうだが、彼は「そうじゃないっていつか証明してやる」といい返したそうだ。

 その瞬間、おそらく私はバカのふりをするのをやめたんだと思うと語っている。そしてこういう声が聞こえたそうだ。

「よし、シートベルトを締めろ。出発だ」

 そして4カ月後には演劇学校の奨学金をもらっていたというのだ。名優、ローレンス・オリビエに認められたのだ。

「演技のことなど何も知らない私がなぜ奨学金をもらえたのかは、今も謎。私の人生はずっとこうだった。思わぬ幸運な出来事の積み重ねだった」

 そうホプキンスはいうが、名優オリビエは彼に俳優としての資質を一目見て見抜いたのだろう。

 だが、ホプキンスには重度のアルコール依存症があった。

 酩酊状態で車を運転し、気が付いたらカリフォルニアにいたが、それまで自分がどこにいたか思い出せなかった。彼は気づいた。このままでは命を落とすか、誰かを道ずれに人殺しになってしまうと。

 そこで同じような人たちがいるグループに加わったという。助けを求めたその日から、酒を飲みたいという欲求が消えたそうだ。

 読者に一番伝えたい人生の教訓があるか? と聞かれてこう答えている。

「『目を覚まして生きろ』というのが私の信条だ。なぜなら人間誰しもいつかは死ぬからだ。失敗などしないという強気の姿勢で行動せよ。

 これはある時、夢の中から浮かんだみたいに思いついたモットーで、世間にどう言われようが、どう思われようが知ったことではないと突然思い至ったんだ。私は私であり、自分のやることをやる。なぜなら楽しいからだ。それが人生だ。大丈夫、大したことじゃない」

 若い時の自分にアドバイスをするとしたら?

「大いに楽しめ。あんまり物事を難しく考えるな。人間は死ぬまで頑張って生きていかなくてはならないんだ。苦労もするし、つらいこともある。だが巡り巡って、年を取ることで得られる慰めや心の平穏というものもある。

 行く先は決まっていて、逃げ道はない。人間誰しも死ぬ。そうだろう? それが人生のあきれたところだ。だから『どうともなれ』と言っていいんだ」

 またこうもいう。

「いろんなことを成し遂げてはきたが、それは自分自身の力でというより、何であれ周囲の状況のおかげだ。『俺たちよくやったよな、坊主』という題名にしたのは、あの小さい男の子が今の私になるなんて思いもよらない話だからだけれど、よく考えれば自分の力だけで成し遂げたことではない。

『いつか証明してやる』と言った17歳の時のあの出来事があったことは、私にとって幸いだったのかもしれない。あれこそが、何かがわ~っと私を駆り立てた瞬間だったのかもしれない」

 歴史に残るキャラクターをいくつも演じてきた男の仕事観は、驚くほどシンプルだという。

「以前に『どうやってレクター博士を演じたのですか』と質問されたときは、『まばたきをしないでじっと立っていた』と答えた。『日の名残り』の執事役について聞かれたときは、『なるべく静かにしていた』と答えた。演技なんて大したことじゃない」

 また、「私は配管工と同じ。『蛇口が壊れたんで直してくれませんか?』と頼まれれば、その家に出向いて修理する。それが仕事だから。演技は技術なんだ。そこに神秘はない」

 この本が出たら真っ先に買おう。

 ところで、高市総理の「台湾有事」発言で、中国が次々に対日制裁策を打ち出し、戦後最悪とでもいうべき深刻な状況に陥っている。

 だが、新潮や文春は、これまでもやや保守的な論調が売りだったから、中国のやり方に異を唱える特集が多くなってきている。

 中でも新潮は「ならず者国家の扱い方」という特集を組み、高市総理にエールを送る。

 訪日客のキャンセルが相次ぎ、中国での公演が決まっていた日本のミュージシャンたちもキャンセルが続々。

 せっかく日本の魚の輸入規制を外したと思っていたら、すぐまた復活。

 しかし、中国ではものすごいデフレが進行していて、賃金も上がらず、就職率も悪い。こうした国民の不満が中国共産党へ向かうのだけは避けたいと、これからますます国内の締め付けを厳しくしていくそうだ。

 文春は、高市にやや厳しく、これから「新冷戦」が始まると危惧している。そして高市総理と習近平国家主席との対立は長期戦になると読む。理由は2つあるという。

 1つ目は習近平のいわば“誇大妄想”的な精神状態だという。中国に詳しいライターの安田峰俊がこう話す。

「習氏一強体制の中、忖度する当局者たちがこれほど過激な物言いをするのは、習氏自身が強く憤っているからでしょう。彼にとって台湾は“虎の尾”なのです」

 習の怒りはどこから来たのか?

 その理由は習の原点にまで遡るという。大東文化大教授の鈴木隆が解説する。
「習氏は一九八五年から約十七年間、台湾と海峡を挟んで向かい合う福建省で勤務しました。第三次台湾海峡危機(九五年〜)などの危機対応を経験する中で出世を繰り返し、台湾への思い入れとともに一種の成功体験の記憶があります。また、日本による台湾植民地化につながった日清戦争が今日の台湾問題の起源点との歴史認識を持つ。130年前の雪辱を果たしたい、と本気で考えています」

 習は「中華民族の偉大な復興」を掲げ、政権内部にこう宣言しているそうだ。
「2049年までにアメリカを抜いて覇権国家になる。そのためには、海に強い国であるべきだ」

 そんな考えを持っている国と争っても仕方ないのではないか。アメリカと中国と平等に付き合う。それが小国日本の生きる道だと思うのだが。

 次はポストから。

 朝日新聞(12月1日付)がハローワークの職員たちの驚くべき「悪行」を報じている。

《東京都内の公共職業安定所(ハローワーク)の職員が、偽名を使って求職者になりすまし、求人を出した企業への応募を繰り返していたことが厚生労働省への取材でわかった。面接を受けるなどして採用に至り、その分を就職件数として偽って計上していた。ハローワークごとに就職件数などの目標値が設定されており、厚労省は件数の水増しが目的だったとみている。》

 ふざけるな! である。だがポストによると、“増税マフィア”といわれる財務省の職員たちも飽きれ果てる悪行を行い、しかも軽い懲罰で済ましていることがわかったと報じている。


「過去1年(2024年4月~今年6月)の間に国家公務員法の処分を受けた11人の財務官僚のリストを情報公開請求で入手した。そこには国家の財政を担う役所にはあるまじき『金銭』がらみの不祥事から、文書改竄、盗撮、わいせつ行為などが並んでいた」(ポスト)

「金銭」がらみの不祥事がこんなにあるという。

「警察から遺失物を騙し取ろうとした大胆な犯行に及んだのが、財務省大阪税関の職員だ。入手した『処分説明書』には、処分理由がこう書かれている。

〈大阪府関西空港警察署に保管中の化粧品等在中の遺失物を詐取することを企図し、令和6年11月12日午前11時50分頃、同警察署会計課に電話し、あたかも遺失物の遺失者であるかのようになりすまし、同警察署会計課職員に対し、本件遺失物を交付させようとしたが、同会計課職員に看破され、その意を遂げなかった〉

 化粧品などが入った落とし物(遺失物)を本人になりすまして警察署から騙し取ろうとしたということだ。この職員が、落とし物が関空署で保管されていることをどうやって知ったのかなどの詳細は記載されていないが、関空には大阪税関の支署があり、職務上知った可能性もある」(ポスト)

 この職員、大阪地検に送致されたが不起訴(起訴猶予)になり、大阪税関長名で「3か月間、減給1割」の処分とされたという。

 神戸税関の職員はアワビの“密漁”をしていたそうだ。

〈違法と知りながら海中のアワビ3個、サザエ20個等を採取し、その結果、漁業権の侵害、特定水産動植物の採捕に当たるとして、(中略)略式起訴され、罰金20万円の略式命令を受けたものである〉(「処分説明書」より。以下同)

 税関職員は関税を徴収したり、密輸を取り締まるのが仕事だ。この職員はそんな立場にありながら自分は平気で“密漁”していたのだが、国家公務員法の処分は「戒告」だった。

 不祥事を起こしても内々の大甘の処分で済ませ、退職までのうのうと過ごしている。これに対して財務省秘書課は、

「このようなことが二度と起きないよう、上司等から本人への指導を行なうとともに、職員全般に対する研修等を通して、綱紀の厳正な保持の徹底に努めております」

 と回答したという。

 ああ、税金なんか払いたくねえ!!

 次は文春。超人気ゴルファーの都玲華(21)が30歳も上のおっさんと同棲中だと報じている。

 11月23日夜、都が羽田空港の車寄せにゴルフバッグを載せたカートとともに佇み、彼女の目の前に白の高級車が停車したという。都は運転席の男性と笑顔でハイタッチを交わしたそうだ。彼女が公私ともに全幅の信頼を寄せるこの男性の正体は誰なのか?

「都は今年プロ一年目のルーキーながら、インスタグラムのフォロワー数は既に十三万人を超えている。
『徳島県出身でジュニア時代から頭角を現し、昨年四月には日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の下部ツアーでアマチュアながら初優勝を飾りました。愛称は「ミヤコレ」。昨年十一月に四度目の受験でプロテストに合格。百花繚乱の女子ゴルフ界の中でも大会中は連日その動向がスポーツ紙などで報じられ、一部上場企業の大手スポンサーもついた人気ゴルファーです」(ゴルフ誌記者)』」(文春)

 その都が愛媛県松山市で行われたJLPGAツアーで来季のシード権を見事獲得した日が23日だった。

「しびれた展開を乗り切り、帰京して真っ先に喜びを分かち合ったのが、冒頭の人物だったのだ。二人を乗せた車は現在都が拠点として練習を重ねる千葉県へ。千葉市にあるコインパーキングに駐車した二人は都のカバンなどを持ちながら裏口からマンションに入っていった。

 ゴルフ関係者が声を潜めて明かす。

『その男性は、都の師匠の石井忍コーチです。二人は昨年春頃から交際している。今では都のほうがぞっこんで、石井コーチの若手育成の練習現場にも顔を出し、彼のマンションにも頻繁にお泊まりしている』」

 石井とはどんな人物なのか?

「石井コーチは現在五十一歳で都とは三十歳差。千葉県出身で日大ゴルフ部を経て、一九九八年にプロテストに合格しました。二〇一〇年にコーチに転身し、ギャル系プロゴルファーとして人気を博した“キンクミ”こと金田久美子プロも弟子の一人です。十四年からはゴルフアカデミーを主宰する傍らでゴルフツアーの解説者としても活躍しています」(同)

 だが2人の関係は「不倫」ではないかといわれているそうだ。

「実は石井さんには奥さんがいるのです。有名ゴルファーのマネージャーと約十二年前に結婚。最近は妻とは別居していて、夏頃には離婚協議中だと言っていました」(石井の知人)

 文春取材班が2人を追うと、こんなシーンがあったという。

「午前零時を回る頃、バーを出た二人は知人と別れ、前述の石井名義のマンション方面へ。その道すがら、『夜の路上レッスン』は突然始まったのだ。

 並んで歩く二人。笑顔の都の右手が、まるでドライバーの握り方を確かめるように、石井の下半身に何度も添えられる。愛弟子の大胆なアプローチに、成長を感じ取ったのか、コーチの顔はご満悦だ。『ナイスショット!』の声が聞こえてきそうなほどの和やかなムードの中、彼女の技術を確かめた石井は、今度は都の胸に触れ、特別レッスンを続ける。やがて、二人は慣れた様子でマンションのエントランスに消え、都は朝まで建物から出てくることはなかった」(文春)

 2人の関係を両事務所に聞くと、都の所属事務所は、交際については「本人に確認したところ、その通りです」と認めたが、不倫については「石井コーチからは奥様とは別れたと。その認識のうえでお付き合いを始めた」と回答があったという。

 石井側はメールで、「私は2023年春から別居しており、その時点で婚姻関係は破綻しております。都選手との交流は、婚姻関係が破綻した後の私的な交流であり、婚姻期間と重なることは一切ありません」と回答したそうだ。

 ゴルフよりもスキャンダルで取り上げられた都だが、来季は活躍して、本業で取り上げられるよう頑張ることだな。

 さて今週の第2位はFRIDAYである。俳優の池松壮亮(35)と河合優実(24)が同棲しながら愛を深めていると報じている。

「11月下旬の朝9時半過ぎ、都内の高級デザイナーズマンションから全身ブラックコーデに身を包んで現れたのは、池松壮亮である。’03年公開のハリウッド映画『ラスト サムライ』で映画デビューを果たすと、’14年には映画『紙の月』で宮沢りえ(52)の不倫相手を見事に演じ切り、『第38回日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞。来年放送のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』では豊臣秀吉役に抜擢されるなど、同世代でも屈指の実力派俳優だ。

 この日もロケのようで、現場に向かっていた。

 そして別の日の朝11時頃、同じマンションから切りたてのように揃ったパッツン前髪が可愛らしい女性が姿を現した。俳優の河合優実だ。彼女は今年3月、『第48回日本アカデミー賞』主演女優賞を弱冠24歳で受賞。CMにも引っ張りダコで、今最も旬な若手俳優と言っても過言ではないだろう。

 現在は、10月から始まった舞台『私を探さないで』に出演しており、東京を皮切りに、大阪・富山・愛知……と巡業中。この日も重そうなスーツケースを持って迎車タクシーに乗り込み、翌日の公演地へと向かった。

 二人が知り合ったきっかけは、’22年に公開された映画『ちょっと思い出しただけ』での共演。’23年4月に交際が発覚した際は、池松が″年内ゴールイン″を友人に打ち明けているとの報道もあったが、あれから2年半。結婚秒読みといわれる″業界一多忙″なカップルは、同じ屋根の下で愛を着実に育み続けていたのである」(FRIDAYdigital11月27日)

 仕事に向かう池松にFRIDAYが取材を申し込むと、歩きながら応じてくれたという。

――交際は順調ということですか?

「はい。そうですね」

 結婚も間近か?

 今週の第1位は、文春の国分太一コンプラ違反の真相に捧げる。

 重大なコンプラ違反があったと日本テレビ社長から「番組終了&首」をいい渡された国分太一(51)“疑惑”が大きく動いた。

 11月26日に国分が会見し、翌日発売の文春が「国分が自白した2つの猥褻事案の全貌」を掲載した。

 私は、この2つは連動していると考えている。文春のネタ元は国分側の誰かではないか。そうした報道を踏まえて国分は「覚悟の会見」を開いたのではないのか。

 福田日テレ社長が、プライバシーを不磨の大典のように振りかざし、国分を切って捨てたのは、一タレントの人生なんぞ知ったことかという“驕り”があるように思えるからだ。

 かつて、読売グループの総帥であったナベツネこと渡辺恒雄は、04年の球界再編騒動で1リーグ制移行を押し通そうとして、選手会と衝突した。

 ストライキ権発動まで発展したが、その際「選手ごときが」と吐き捨て、批判を浴びたが、日テレはそういう体質のグループ企業の一つだからだ。

 まず、文春の報道から見てみよう。

 今年の6月18日、日本テレビに呼ばれた国分が出向いた。呼び出された用件は、「『ザ!鉄腕!DASH!!』の打ち合わせと、新たなプロデューサーへの挨拶があります」というものだったという。

 だが、新任のプロデューサーとあいさつを交わすと突然、こういわれたそうだ。
「『実は、コンプライアンス違反について事情を聞きたいんです』
困惑する国分の前に現れたのは、コンプライアンス局の幹部社員。間髪入れず男女二人の弁護士が合流し、事情聴取が始まった。

『身近な番組スタッフに、ハラスメント行為をしていませんか』

 想定外の問いかけに、表情を強張らせていく国分。真っ先に浮かんだのは、ある番組スタッフの女性だった――」(文春)

 文春は内情を知る日テレ関係者への取材を通じ、事情聴取を受けた国分が弁護士らに明かした“供述”の内容を入手したというのである。

 文春は「日テレ側と国分側の相克が深まる中、原点に立ち返ってハラスメント行為の全貌を知ることが、この問題を検証するためには不可欠な要素だろう」と考え、「日テレが再三求めるプライバシー保護に最大限配慮したうえで“供述”の一部を忠実に再現することにした」という。

 さて、その内容とは?

 国分が最初に上げたのは「A子さんの件」だった。

「A子さんは国分が出演していた番組で苦楽を共にしてきた信頼するスタッフだ。だが、それを聞いた弁護士らは国分を凝視するばかりで顔色一つ変えない。国分にとって相手が求めた回答なのか、判断する術もなかった。続いて、彼らは次のように問いかけた。

『それではA子さんに対して、あなたはどのようなことをしましたか』

 国分は眦まなじりを決し、概ね次のように答えている。

『A子さんとはロケ先のホテルで部屋飲みをすることがあった。共演者やスタッフが宿泊しているホテルの自分の部屋に招いてサシ飲みをしたとき、彼女に抱きついてキスをしたことがあります。ボディタッチもしました』

 さらに、国分はその数年前の出来事を思い出し、弁護士らに報告している。

『LINEでいかがわしい写真を送ったことがある。酔っぱらった勢いで、自分の下半身の写真を送ってしまった』」(同)

 だが、弁護士らの表情は変わらなかったという。「他にはないか」と聞かれ国分は、「B子さんですかね」といった。

 彼女も国分が出演していた番組のスタッフで、国分はB子さんに関し、概ね次のような内容を明かしていたという。

「B子さんとは番組スタッフと大勢での飲み会で一緒になることが多く、放送作家らを交えて少人数で飲んだことが2、3回ありました。その場で酒の勢いでお尻を触ったり、LINEで男女の会話をしたり、彼女を誘うようなメッセージを送ったこともあります」(同)

 国分は2つの猥褻事案を聴取で明かしたが、弁護士らはそのことがコンプラ違反に当たるともいわず、「このことを誰かに話しますか」と国分に聞き、国分が「TOKIOのメンバー、家族や弁護士には話します」と答えると、彼らは「事案の内容や関係者の特定に繋がることは慎んでください」と要求したというのである。
日テレ関係者がいうには、

「国分さんは身を守るため、事情聴取の会話をスマートフォンで録音していました。しかし、弁護士らからデータを削除するよう求められたといいます」

 その後、国分の身柄はコンプライアンス局の幹部社員から番組担当の取締役執行役員(当時)の松本達夫に引き継がれたという。幹部社員が「認めました」というと、松本は国分に“即時解雇”を通達したというのだ。

 メディアエンターテインメント論が専門の同志社女子大学の影山貴彦教授は、降板に至るプロセスを、こう問題視している。

「国分さんが聞き取りに対して述べたことで、双方の確認が取れたかのように“解雇通告”する流れは『結論ありきではないか』と思われても仕方ありません。国分さんの人権に対する配慮が足りないように見える。本来は時間をかけて双方の主張を慎重に照らし合わせ、結論を導くことが望ましい。降板の直接的な理由を何一つ開示されず、それによって謝罪も説明もできず、社会的に身動きが取れない不条理な状態に陥っている。人権救済を申し入れるのも妥当な判断です」

 さらに日テレの情報開示の姿勢についてこう厳しく指摘する。

「日テレがゼロに等しい情報開示しかしていないのは、テレビ局の姿勢として違和感がある。プライバシーに最大限配慮しながら情報開示できる道を探るのがメディアの使命。日テレはプライバシー保護を盾に、会社を守ろうとしていると捉えられても仕方がありません」

 文春の報道が出ることを知った上でだと思う。国分は26日に会見を開いた。

 SponichiANNEX(11月26日 15:01)はこう報じた。

《人気バラエティー「ザ!鉄腕!DASH!!」の降板を発表して以来、初となる。会見場に眼鏡、スーツ姿、やつれた表情で現れた。

 菰田弁護士は現状について「10月23日の会見の後、日本テレビには再度国分さん自ら謝罪をさせてほしいとお伝えしたのですが、会えないというお返事がありました。この日本テレビの対応により、引き続き国分さんは身動きが取れない状況に置かれることになりました」と説明。

 国分は「本日メディアの皆さんのお力をお借りして、ご迷惑おかけした関係者に謝罪の気持ちをお伝えさせていただき、またご自身の心境を述べさせていただきたく、この場に臨んでおります」と会見の趣旨を明かし「(国分に)日テレと対立したい気持ちはなく、自分がやったことの答え合わせをさせてほしいと思っている」とも話した。

 日テレは6月20日に国分の「ザ!鉄腕!DASH!!」降板を発表。同局の福田博之社長が会見を開いたが、問題行為の詳細についてはプライバシー保護を理由に明かさなかった。

 国分は10月23日、日テレの対応に瑕疵(かし)があったとして、日弁連に人権救済を申し立てた。申立書によると、国分は日テレから処分の根拠となった具体的事実を告知されなかったため、対外的な説明ができず、他番組からの降板やスポンサー企業からの契約解除など重大な影響を受けたという。菰田弁護士は会見で日テレや関係者に謝罪したいが、「日テレに全く受け入れてもらえていないのが現状」を訴えた。

 日テレは国分側の会見に「誠に遺憾であり、強く抗議いたします」と猛反発。福田社長は10月の定例社長会見で「大変戸惑っています」と吐露し、同局の対応について、「ガバナンス評価委員会に検証していただいた通り、適正なものと考えている」と主張した。同局によると、8月に国分側から謝罪の申し出があったが、時期尚早などとして断ったという。スポニチアネックス取材班》

 国分は何度も「答え合わせができていない」「答え合わせをさせてほしい」といっている。自分のやった何度かのセクハラを認め、できれば当該の女性に対面は無理でも謝罪したいといっているのだ。

 日テレ側がセクハラされた女性のプライバシーを守る姿勢は理解できるが、どの女性に対するセクハラが「解雇」の対象になったのか国分にも知らせないというのでは、世間の理解を得るのは難しいのではないか。

 秘密裏に2人をどこかで会わせ、国分が彼女に謝罪するということはできないことではないはずだ。

 文春によれば、降板が決まった当時、国分は周囲にこう本音を明かしていたという。

「当時は、女性たちが嫌がっていると思わなかった」

 国分を取り巻くテレビ局スタッフにも多大な衝撃を与えたようだ。

「事態が深刻化する中で、A子さんは『大ごとになってしまった』と感じている様子だったようです。一方、国分さんは日に日にやつれ、電話で話したメンバーが身を案じるほどだったと聞きました」(番組スタッフ)

 日本テレビ『ザ!鉄腕!DASH!!』で、国分と一緒にやっていた女性スタッフというと、かなり絞られるはずだ。

 これ以上日テレ側が国分のいい分をを撥ねつけていると、中居正広のケースと同じように、週刊誌がスタッフ女性を特定し、直撃するということにもなりかねない。

 大メディアが出入りの一タレントを「問答無用」と切り捨てたという負のイメージが付けば、他の人気タレントたちが日テレ離れを起こし、フジの二の舞になる可能性なしとはしないはずである。

 国分側から「賽は投げられた」。今度は福田博之社長が動き出す番だ。文春報道が事実なら、女性側のプライバシーの一端は明るみに出されてしまった。福田社長は視聴者や世間が納得のいく説明を、会見を開いて自分の言葉で語るべきだ。

 12月2日付のスポニチが「日テレ社長 国分太一バッサリ」と報じている。

 元TOKIOの国分太一(51)が先月26日に会見を開いて「何が問題行動だったのか、答え合わせをしたい」と求めたことに、「答え合わせをするまでもない」「ヒアリングの場で自ら述べられた内容そのものが重大なコンプライアンス違反行為」だと語気を強めて拒否したという。

 両者の間には深い溝があるようだ。(文中一部敬称略)
(文=元木昌彦)

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/12/02 17:00