高市政権のほころび、国分太一の沈黙、激震のWBC 週刊誌が暴く日本の“バラマキと混沌”

<今週の注目記事>
第1位「麻生が怒りの官邸突撃 高市“引きこもり宰相”の急所」( 「週刊文春」12月11日号)
第2位「国分太一セクハラ問題に新展開 松岡昌宏(48)激白『日テレから何の説明もない』」(「週刊文春」12月11日号)
第3位「爆弾スクープ 維新の会遠藤敬・首相補佐官『秘書給与ピンハネ』して税金800万円還流疑惑」(「週刊ポスト」12月19日号)
第4位「物価高騰対策に異論噴出 高市首相が大盤振る舞い」(「週刊新潮」12月11日号)
第5位「日本から世界へ『イクサガミ』に込めた野心と革新」(「ニューズウィーク日本版」12月9日号)
第6位「『秋篠宮さま』還暦会見 政府への“諦め”を口にされた」(「週刊新潮」12月11日号)
第7位「佐藤浩市よりも態度が…妻夫木聡のロイヤルじゃない評判」(「週刊文春」12月11日号)
第8位「『大谷翔平』WBC参戦の陰で代表候補『6人』の複雑心境」(「週刊新潮」12月11日号)
第9位「最新『ディープフェイク・ポルノ』おぞましき実態」(「FRIDAY」12月19・26日号)
第10位「100歳『母親』を殺害 近隣住民が見た『79歳長男』の介護20年」(「週刊新潮」12月11日号)
第11位「2025年ミステリーベスト10」(「週刊文春」12月11日号)
高市早苗という人は何を考えているのか、私にはまったく分からない。
薄笑いを浮かべて、徹夜で覚えてきたのだろう、野党の質問に答える姿は、何かゾッとする薄気味悪さを感じるのは、私だけだろうか。
保守的な週刊誌も、そんな高市総理のやり方に「違和感」を覚えてきたのだろう。
一時の「高市万歳」ではなく、論調が変わりつつある。
「台湾有事」発言で、中国の習近平国家主席を怒らせたのは計算違いだったろうが、習近平が怒って、日本への報復措置をとればとるほど、高市の支持率は高止まりしていた。
そこに、「中国軍機が自衛隊機に対しレーダー照射を行った」と報じられた。習近平もバカなことをやると思った。
この時期に、危機を煽るようなことをすれば、喜ぶのは高市に決まっている。
「それみなさい。中国という国はこういうことをやる危険な国なんですよ。日本も防衛予算を早急に増やして、自分の国は自分で守るという気概を持たなくては、中国になめられるだけですよ」という、高市の高笑いが聞こえてくる気がした。
しかし、朝日新聞デジタル(12月7日 21時25分)によれば、
《政権内には、レーダー照射は中国軍機に自衛隊機が緊急発進(スクランブル)で対応するというせめぎあいの中で行われたとの見方もある。ある政府関係者は「普通に飛んでいた自衛隊機に突然レーダーが照射されたという事案ではない」と語り、冷静な対応が必要だと語った。》
なにやら自衛隊のほうにも問題行動があったかのようなニュアンスである。
警察や自衛隊は「国家の暴力装置」である。トップが中国と敵対すれば、親分のために何かしてやろうと思ったのかもしれない。推測に過ぎないが。
隣の大国と角突き合わせても仕方ない。台湾問題はひとまず置いておいて、日中友好関係を早く取り戻さないと、取り返しのつかない事態になるかもしれない。
米中は「新しい冷戦状態」に入ったといわれる。トランプのアメリカにばかり頼っていても、台湾有事、日本有事の時に米軍が動いてくれる保証などない。
安倍元総理と同様、外遊の好きな高市総理は年初早々中国へ飛び、習近平と胸襟を開いて話をすべきだと思う。
今週は、文春の「国内国外ミステリーベスト10」からいこう。私はミステリーが好きだが、ここ10年ぐらい、心底面白いと思った本がない。
さて、今年はどうだろう。
まずは国内の1位から。
『失われた貌』櫻田智也(新潮社)
『神の光』北山猛邦(東京創元社)
『百年の時効』伏尾美紀(幻冬舎)
『殺し屋の営業術』野宮有(講談社)
『ブレイクショットの軌跡』逢坂冬馬(早川書房)
『夜と霧の誘拐』笠井潔(講談社)
『さようならジャバウオック』伊坂幸太郎(双葉社)
『探偵小石は恋しない』森バジル(小学館)
『目には目を』新川帆立(KADOKAWA)
『熟柿』佐藤正午(KADOKAWA)
次は海外のベスト10。
『マーブル館殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ(創元推理文庫)
『夜明けまでに誰かが』ホリー・ジャクソン(創元推理文庫)
『ハウスメイド』フリーダ・マクファデン(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『デスチェアの殺人』M・W・クレイヴン(ハヤカワ・ミステリ文庫)
『私立探偵マニー・ムーン』リチャード・デミング(新潮文庫)
『世界の終りの最後の殺人』スチュアート・タートン(文藝春秋)
『罪の水際』ウィリアム・ショー(新潮文庫)
『9人はなぜ殺される』ピーター・スワンソン(創元推理文庫)
『真犯人はこの列車のなかにいる』ベンジャミン・スティーヴンソン(ハーパーBOOKS)
『スパイたちの遺灰』マシュー・リチャードソン(ハーパーBOOKS)
この中で私が読んだのは『夜と霧の誘拐』『ハウスメイド』『罪の水際』の3冊。
『ハウスメイド』は導入部が長いが、その後はぐいぐい読ませる。
さあ、この中の何冊かを買って年末から正月にかけて読もう。
しかし、もう師走で、もうすぐクリスマスで、すぐに正月か。年を取ると時間が矢のように飛んでいくのがわかる。
お次は79歳の長男が100歳の母親を殺した事件。こういう殺人事件が起こると、身につまされるというか、他人ごとではない。
産經新聞ネット版(11/26 07:25)はこう報じた。
《25日午後2時10分ごろ、東京都町田市小川の住宅で「母を殺した。介護に疲れた」と110番があった。住人の無職、渡部まさこさん(100)が病院に搬送されたが、死亡が確認された。警視庁町田署は殺人の疑いで、同居する長男で無職の真人容疑者(79)を逮捕した。
逮捕容疑は25日午後1時ごろ、自宅で渡部さんの口を押さえるなどの暴行を加え、死亡させた疑い。
署によると、「その通りです」と容疑を認めている。2人暮らしだった。署が経緯を調べる。》
新潮によると、渡部真人容疑者が自分で警察に電話したそうだ。
母親は、1階の介護ベッドで寝たきりで、週に2,3回、入浴などの介護サービスを利用していたが、基本的には長男が身の回りの世話をしていたそうだ。
母親は20年くらい前から寝たきりになり、その前後に夫が亡くなってしまったようだ。
一家が関西方面から越してきたのは45年ほど前だという。当時は渡部容疑者も働いていたようだが、20何年か前、定年を待たずに会社を辞めたという。
その頃は、母親も息子と一緒にいられるのが嬉しかったようだが、その後しばらくして、母親の姿が見えなくなってしまったそうだ。
長男も病院に通っていたという。
近隣住民がこう話す。
「79歳で通院と介護をこなすのは大変だろうと心配でした。しかし、こちらから立ち入った話をするわけにもいきませんし……。孤独な介護を一人で抱え込み、限界を超えてしまったのでしょう」
渡部容疑者には弟と妹がいたようだが、介護の手伝いで訪ねてくることはなかったようだ。
日に日に、こうした悲劇が日本中で増えているはずだ。政治家は、こうした現状を知り、介護の人手を増やすとか対策を打つべきだが、なにもやりはしない。
老々介護の悲劇をこれ以上増やさないために、といっても詮無いことだが、政治の貧困を如実に示しているのが「介護の現場」だということだ。困ったことだが……。
お次はFRIDAYのディープフェイク・ポルノの実態を追ったレポート。
ディープフェイクとは、人工知能(AI)技術を用いて生成された偽の画像や映像、音声を指す。 この言葉は「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせた造語であり、具体的には、ディープラーニングのアルゴリズムを用いて既存の画像や動画を分析し、新たなコンテンツを合成する技術を意味し、それほど高額ではない値段でやってくれるところがネット上にはあるようだ。
FRIDAYによれば、匿名性の高さと規制の緩さで知られ、盗撮画像や児童ポルノの温床になっているといわれるコミュニティアプリ『Discord』のサーバー(招待制コミュニティ)というのがあるという。
このサーバーは、近年世界中で問題になっている「ディープフェイク・ポルノ」の愛好者たちの溜まり場にもなっているというのである。
ここでは膨大な量の画像や動画がやり取りされているそうだ。
Discordでは、著名人の顔を使用したポルノが大量にアップされ、いずれもそうだといわれなければ本物の動画と見分けがつかないほど精巧だという。
別のサーバーから、“術師”と呼ばれるフェイク・ポルノの制作者に女性タレントたちや知人の顔写真を送り、シチュエーションを指定すれば、いくらでも自分好みのポルノ動画ができるそうである。
それも代金は数千円程度。簡単なものなら無料でもやってくれるそうだ。
だが、そうしてつくられたフェイク・ポルノが、相手への嫌がらせや、金銭要求のために使われないとは限らないのである。
しかし、こうした「ビジネス」はこれから減っていくという。
「かつてリアルなディープフェイクを制作するには、それなりの技術やノウハウが必要でした。しかしここ数年、誰でも簡単にフェイクポルノを制作できるアプリが登場しています。1分程度の短い動画なら30秒ほどで制作できてしまう。今後は、各愛好者がそれぞれ精巧なフェイク・ポルノを“自給自足”する時代に入るでしょう」(愛好者のX)
ネットが出てきたころ、ポルノ業界は壊滅的な打撃を受けるかと思われたが、彼らはネット上でそれらを売買することで一時は大儲けした。
だが、そんなものはネットに無数にあるから、やがて衰退していった。ディープフェイク・ポルノの場合は、それより何十倍も早く、誰もがつくれるようになり、そうした商売ができるのは、よほど優れた技能を持った者でないと生き残れないということなのだろう。
喜ぶべきか悲しむべきか?
