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高市政権の危うさ、習近平の闇、芸能界の不祥事連鎖 週刊誌が暴く“混迷のニッポン”

 さてお次はFRIDAYから。

 女優やモデルとして活動する長谷川京子(47)が、7歳年下の男性Aと密会を続けていると報じている。

 FRIDAYによると、長谷川は12月上旬の夜、半年先まで予約が埋まっている超人気イタリアンにAと訪れ、セレブな夜を過ごしたという。

「20代の頃からモデル業で一世を風靡し、その人気ぶりから”ハセキョー現象”を巻き起こした長谷川さん。女優やタレントと活動の幅を広げながら、2021年にはランジェリーやナイトウェアに特化したブランド『ESS BY(エス バイ)』 をローンチしています」(芸能関係者)

 プライベートでは、2008年にロックバンド「ポルノグラフィティ」のギタリスト・新藤晴一(51)と結婚して翌年に長男、2012年には長女を授かったが、2021年に離婚。以来、2児のシングルマザーである。

「長谷川さんは離婚前から、『妻だって母だって”女”だよね』 と口にしたりと、インタビューなどでも”女”としての自分に目を向けるようになっていったように思います。

 そんな彼女はバストサロンに通い、美バストをキープするためにケアを続けていたそうです。ますますその胸元には磨きがかかり、子育てが落ち着いてからは、露出度の高い服を着る機会も増えていきました。

『ESS BY』も、”自愛”をコンセプトとしており、女性が自分らしく生きることを応援するブランド。憧れる同世代の女性は多く、離婚後にはそのライフスタイルを取り入れる女性たちによって”ハセキョー現象2.0″なる再ブームが起きたほど」(同前)

 そんな熟女・長谷川の新恋人とされる男性はどんな人物なのか? Aをよく知るアパレル関係者がこう語る。

「慶應幼稚舎から大学に進んだ生粋の”慶應ボーイ”。大学は体育会に所属して、ムードメーカーとして活躍。新卒で入社した外資系証券に勤務しながらNPO法人をたちあげ、退職後にアパレル会社を設立。

 同窓の櫻井翔(43)も、彼が手掛けるアパレルを身につけることがよくありますね。彼は人懐っこさがあるので先輩からも好かれるし、後輩の面倒見もよい。多くの”ファン”がいます。

 NPO法人では海外の貧困や食糧不足に向き合い、現地にも足を運んでいる。日本国内でもメディア出演や講演などを通じて発信を行うなど、エネルギッシュに活動されている方ですね」

 広末涼子のような泥沼にならないことを祈ろう。

 お次はポストから。

 一世を風靡したダンス&ボーカルグループの「AAA」でラップ・ボーカルとして活躍。現在は多数の有名アイドルが所属する芸能プロダクション「BMSG」の代表を務めるのが、実業家でもあるSKY-HIこと日高光啓(39)。その日高が、アイドル活動を行なう未成年の少女・A(17)を深夜に複数回自宅に呼び出していたことが、ポストの取材でわかったというのである。

「BMSG」は「BE:FIRST」が所属するほか、主催するオーディション番組から年末のNHK紅白歌合戦にも出演が内定している「HANA」を送り出すなど、国内随一の人気グループを生み出していることで知られるそうである。

 ポストによれば、夜の東京・港区。煌々と光るビル群をすり抜けて、見通しの悪い細い路地に1人で入っていく少女の姿があったという。まだあどけない顔つきだ。A子は軽い足取りで駅から徒歩10分以上かけて超高級マンションに到着すると、慣れた様子でエントランスを通過し姿を消した。

「Aちゃんは周囲にしきりに『日高さんと会えるの嬉しい』『よく呼んでもらうんだ』と自慢していました。心から日高さんを尊敬していて、恋心のようなものを抱いてもいると思います。

 でもAちゃんはまだ高校生ですし、実年齢よりずっと幼く見えるので夜に繁華街を歩くだけでも危険です。何度も港区にある日高さんの自宅に深夜に呼ばれるなんて言うので心配で……」(A子の知人・X子)

 昨今、国内で若いアーティストによるグループが増えているが、国外の事務所に所属するグループともしのぎを削る群雄割拠の時代に、日高は日本で実力あるグループをプロデュースする“業界の希望”としても評価されているそうだ。

 今年はBMSGが主催したオーディション番組『No No Girls』から誕生したガールズグループ『HANA』がブレイクした。

 そんな業界の星が、深夜、未成年を自宅に呼んでいたというのでは、どういい訳しても批判は免れまい。

 2024年9月某日のLINE。日高はA子に対し、〈次のチャンス明日だったよね??〉などと送信し、会う約束をしている。その後日、22時52分に日高からA子に〈あと二十分で家つくー!〉と送信。その後、22時58︎分に〈この時間に歩いてくるの気をつけてね〉、23時2分に〈誘拐されちゃう〉と気遣うメッセージも送っている。用向きを終えたのだろうか、25時8分までにはA子を自宅から帰宅させ、A子からの感謝のメッセージに対し〈こちらこそだよ がんばるね〉と返信していたというのである。

「Aちゃんが日高さんの家に呼び出されるのは、ほとんどが夜中だったそうです。ただAさんは日高さんの家に泊まることはなく、ほぼいつも夜のうちに家に帰されていたようです」(X子)

 日高はA子に対して〈かわいすぎる死ぬ〉〈タイプすぎて辛いまである〉〈だぁいすき〉などと褒めるメッセージを送ってもいたという。

 元テレビ朝日法務部の西脇亨輔弁護士がこう話している。

「保護者の同意や正当な理由なく、深夜に18歳未満の青少年を連れ出したり留めたりする行為は、多くの自治体の青少年保護育成条例に違反します。東京都の条例が適用される場合、“深夜連れ出し”に緊急事態などの『正当な理由』がないなら、条例違反となる可能性があります」

 どう考えても社会性に欠ける行動であることは間違いない。

 さて、日高はどう答えるのか。

「適切とは言えません。大切なアーティストが成長していく上では、技術的な面と精神的な面の双方から支えることが重要ですが、その支援のプロセスにも誤解を招く点がないかどうかにも最大限の配慮が必要です。

 さらに未成年の方と夜中に会って話をするといったこと自体がやってはならないことであり、改めて猛省しております」

 平謝りだが、反省すれば許されるというものではないだろう。ケジメのつけ方を所属タレントたちに教える意味でも、日高がやることはもっとあるはずだ。

 そう思っていると、やはり今度はBE:FIRSTのスキャンダルが発覚。

 でもこっちは「お目出たい」話のようではあるが。

 BE:FIRSTは2021年にラッパーのSKY-HIが主催したオーディション「THE FIRST」から誕生した6人組ダンス&ボーカルグループだそうだ。

 同年11月にシングル「Gifted.」でデビューすると圧倒的なパフォーマンス力と楽曲性で瞬く間にスターダムへのし上がり、2022年リリースのファーストアルバム『BE:1』は主要チャートで1位を獲得。50万枚超のヒットを記録した。今年で4年連続4度目のNHK紅白歌合戦出場が決定するなど、まさに今、トップアーティストとしての地位を確立しつつあるグループだという。

 そんなグループの中心人物であるLEOは1998年9月8日、東京都生まれ。 幼少期から野球に打ち込み、そこで培った体幹の強さに、179cmの高身長と恵まれたスタイルを掛け合わせた安定感のあるパフォーマンスに定評がある。また気負わない自然体のキャラクターがバラエティ番組でも好評で、TBS系『ラヴィット!』には不定期ながら出演を重ねているそうである。

 そんなLEOがいま「夢中」になっている女性がいるという。

「女優でタレントの横田真悠(26)さんです。二人は約二年前から交際している。当時はLEOさんが横田さんの自宅に通っていたそうです。どちらかというと横田さんがLEOさんにぞっこんで、交際を始めてから私服から衣装にいたるまでガラッとLEOさん好みの服装に変えたそうです」(事務所関係者)

 横田は、『ミスセブンティーン2014』のグランプリに選ばれて芸能界入りした。『non-no』の専属モデルとして活躍しながらドラマや映画へと活動を広げている。飾らない天真爛漫な物言いがバラエティ番組にハマり『世界の果てまでイッテQ!』の「出川ガール」として全国的な知名度を獲得すると、横田もまた、現在TBS『ラヴィット!』の木曜レギュラーとして出演しているそうである。

 LEOはバンドのメンバーにも、『実は今、好きな人がいる』と横田とのことをみんなに明かしているという。

 婚約指輪も渡し、結婚間近だと周囲も思っていたところに、4月に文春が、「BE:FIRST」の三山凌輝が「“結婚詐欺”1億円を貢がせていた!」と報じたのだ。

「2人で話し合い、三山さんの問題が落ち着くまで結婚は様子を見よう。ということになったそうです」(バンド関係者)

 可哀そうに。文春も罪作りなことをするものだ。まあ、この報道を読む限り、2人は幸せいっぱいのようだから、来年あたりゴールインかな。

 ところでTOKIOの松岡昌宏の国分太一問題に対する発言は、日テレに相当な衝撃を与えたようだ。

 慌てて、与しやすしと考えたのだろう、城島茂のところへ詫びに行ったが、門前払いを食らったと新潮が報じている。

 新潮によれば、コンプライアンス違反を理由に、全てを失ったタレントの国分太一(51)に対し、日本テレビは今も突き放した態度を取り続けているが、その裏で元TOKIOリーダーの城島茂(55)には謝罪しようと試みるも拒絶されるという“失態”を演じていたというのだ。

 新潮(12月11日号)で、元「TOKIO」メンバーの松岡昌宏が、長らく共に歩んできた国分太一を巡る騒動について、初めて胸の内を明かした。

 その際、「国分さんの降板について、われわれには何の説明もない。(中略)何も説明しない、という日本テレビさんのやり方はコンプライアンス違反にはならないのでしょうか」と不信を強くにじませたものだったことから、日テレ関係者を大いに慌てさせているというのだ。

 国分太一は11月26日に記者会見を開き、改めて違反事案の「答え合わせ」を訴えたが、日テレの福田博之社長(64)は今月12月1日の会見で「答え合わせするまでもない」と一蹴した。

 その一方で松岡と城島については「番組には引き続き出演していただきたい」と関係維持をアピールしたのである。

 その直後、日テレは12月10日になって“心からおわびするとともに、(中略)お二人(松岡・城島)のお気持ちを真摯に受け止めたい”とのコメントを突然発表した。

 実はその前日の9日に起きていた“ある事件”について、日テレ関係者がこう明かすのだ。

「12月9日に『ザ!鉄腕!DASH!!』のロケが神奈川県横浜市内で行われました。正月明けに放送される回の撮影で、元TOKIOメンバーは城島さんのみとなる、松岡さん不在の現場でした。ロケが行われる前に、日テレ側からは城島さんサイドに“(松岡発言を踏まえ)説明と謝罪に伺いたい”旨を打診していました。しかしその申し出は“撮影に集中したい”との理由で断られたといいます」

 わざわざ単独ロケの現場を狙って、城島への謝罪を試みた理由については、

「週刊誌上での発言から、松岡さんに局の対応について納得してもらうのは難しいと判断したようです。他方、城島さんはこれまで国分問題で表立った発言は控えており、唯一、女性誌から直撃を受けた際も“今後どうなるかは見守っていくしかない”と慎重な言い回しに終始していました。城島さんなら、直接会っておわびと説明をすれば、日テレの対応について理解いただけると思ったのではないでしょうか」(同)

 ところが、一度は断られたにもかかわらず、日テレの制作局幹部が「鉄腕!DASH!!」の担当プロデューサーを従えてロケ現場に現われたという。

「その場で直接、謝罪などの意向を伝えようとするも、城島さん側は“撮影に集中したいと伝えたはず。それに、こんなところでする話でもない”と、再び応じない姿勢を見せたため、二人は困惑したそうです」(前出の日テレ関係者)

 城島との関係を悪化させかねないリスクを冒してまで、日テレが強引な手法を取ったのはなぜなのか?

「国分さん以外も巻き込む形でTOKIOとの全面対決になる事態は避けたいとの思いがあったのでしょう。覚悟を決めて発言したように見える松岡さんは後に回し、まずは耳を傾けてくれそうな城島さんに話を聞いてもらう。彼に日テレの対応を理解してもらった上で、松岡さんに働きかければ、わだかまりは解消できると踏んだとみられます。また城島さんが謝罪を受け入れたことを公表できれば、日テレに吹いている逆風もやわらぐ、との計算が働いた可能性もあります」(同)

 そこで日テレは10日に謝罪コメントを発表したのではないかと新潮はいうのである。

 新潮によれば、『ザ!鉄腕!DASH!!』の視聴率がよくないため(松岡発言が世に出た直後の7日も7.8%だった)、日テレの社内では打ち切りの話も出ていたそうだが、スポンサーからは好感を持って受け入れられている彼らと決裂することはよくない、という声も多いそうである。

 追い詰められているのは日テレ側のようだ。

 ところで、川合俊一(62)というバレーボール選手を覚えているだろうか?

 タレント稼業のほかに、今はバレーボール協会の会長をしているそうだ。だが会長様にしてはカネにセコイという話を文春がやっている。

 今や石川祐希、髙橋藍らスーパースターの誕生で大人気、チケットは即日完売。

 そんなバレーボール界を牽引するのが、公益財団法人日本バレーボール協会(以下JVA)である。

「バレーボールの普及・振興を目的とし、代表チームの強化や天皇杯などの国内競技大会の運営などを行う。一九七三年に財団法人設立認可がおり、二〇一一年には公益財団法人に。名誉総裁には高円宮妃殿下が就いています」(スポーツ紙記者)

 そして2022年に川合が会長に就き、今年6月から3期目に入ったという。

 だが、その裏の顔を告発する人物がいるというのだ。

 文春の取材に固い決意で口を開いたのは、JVAと公式代理店契約を結ぶA社の経理担当者Ⅹだった。

「『川合会長は弊社に公式代理店契約の見返りとして、協会を通さず「四百万円」を会長個人に渡すようタカってきたのです」

 川合が会長に就任したのは二二年三月。その後まもなく、川合は周囲に本音を漏らし始めたという。

『収入が減るから本当は会長をやりたくなかったんだ』

 川合は現役引退後、元祖イケメンアスリートとしてタレント業や解説業に勤しんできた。だが、会長就任でそれらの活動が減少。当時の会長の役員報酬は年約八百万円あったが、それではタレント時代の収入には遠く及ばなかったのだろう。

 そんな川合がA社に金銭を求めたのは二三年のことだ。川合はX氏にこう切り出したという。

『君の会社がJVAの公式代理店になれているのは、私が会長として推しているからだ。会長になって私の収入は減っているんだ。私は芸能人としての立場もある。私に講演を依頼したことにして、私が経営する個人会社「ケイ・ブロス」に出演料の名目でいくらか融通できないか』

 Ⅹ氏が説明する。

『つまり、収入が減った分を私たちに補填しろと迫ったわけです。私たちのような小さな代理店というのは取引先と密な関係を築かなければすぐに契約を切られる。川合会長と会うと毎回必ず大手さんと比較され、暗に「俺の言う通りにしないと契約を切るぞ」とプレッシャーをかけられていた。適切なお金のやり取りではないとわかっていても、求められたら応える。それしか私たちに選択肢はなかったのです』」(文春)

 そして10月に川合の個人会社「ケイ・ブロス」からA社に400万円を超える支払いを求めてきたというのである。

 こういうタカリ体質は当時のJVAに蔓延していて、元フジテレビのスポーツ局でバレーボールを担当し、2022年に川合とともにJVAに来た人間も、「タクシー代を払ってくれ」などの要求をしてきたという。

 川合は文春の取材に対してこう答えている。

――1回の講演料で200万円は高いように思えるが。

「講演の後、パーティーの出席。で、なおかつ写真対応、それらを含めての金額ということですから妥当だと思います。僕はそもそもギャラの交渉をしないんですよ。基本的に依頼を受けたときの向こうの言い値がギャラになる」

――そもそもJVA会長として出ているのであれば、JVAに報酬が支払われるべきでは。

「いや、あの講演はJVA会長としてではなく、私個人として請け負ったという認識です。会長がタレント業をやっているというのはバレーボール協会では前例がないらしく、協会に依頼が来たものは全部ギャラの交渉などせずにタダになっちゃうんですよ。その時に僕が今までやってきた仕事、テレビやラジオの依頼が協会に行くと全部タダになってしまう。それじゃまるで協会が搾取してるみたいじゃないかと内部の方からも声が上がりまして、僕の本業であるタレント業と会長としての仕事をすみわけしましょうとなった」

――講演会では肩書が「JVA会長」となっている。

「ケイ・ブロスで受けた仕事については『会長』という肩書を使われないよう徹底しているつもりです。でも、今回の件を踏まえて気を付けたいと思います」

 川合の7月の講演会を主催したスポンサーに質問状を出すと次のように答えた。

「JVA会長として協賛のお礼に無償で講演をやっていただいたものと認識しております。講演の後は主催者側としては『撮影会』等の場は設けていない」

 企業ガバナンスに詳しい青山学院大学名誉教授の八田進二はこう指摘している。

「公益財団法人の会長の権限を使い、弱い立場にある代理店に金銭の支払いを迫ったことが事実であれば、非常に賄賂性が高いと指摘できます。仮に強要した事実はなく、講演を行った対価として金をもらっただけだったとしても、そもそもJVA会長として講演しているのであれば、報酬は個人事務所ではなく本来協会に支払われるべきもの。協会へ損失を与えたとして特別背任罪に問われる可能性があります」

 襟を正すべきは川合会長であり、このようなことがまかり通っていると、バレーボール人気に陰りが出るかもしれないぞ!

 今週最後の読み物は新潮から。小泉進次郎から引き継いだが、評判がすこぶる悪い鈴木憲和農水大臣(43)のお話だ。

 この御仁、なんだか大人になれない幼い男という顔つきで、大臣にはどうしても見えない。

 新米の出荷が始まった後も、コメの価格高騰は収まっていない。平均価格は5キロ当たり4000円を優に超えたまま推移している。

 鈴木農水相は高騰するコメ価格対策として、備蓄米の放出に替わり「おこめ券」の配布を提唱した。しかし、地方自治体からは「事務作業の手間がかかる」などと反発の声が相次ぎ、「JAに利益を誘導するつもりではないか」との批判も起こっている。

 元農水官僚でキャノングローバル戦略研究所の山下一仁は手厳しい。

「鈴木氏は“コメの価格は市場に任せるべき”と言っています。ならば減反政策を今すぐ廃止するべきです。

 関税を下げて輸入米を増やすという方法もあります。そういう価格抑制に効果的な方法は採用せず、逆にJAの過剰在庫を削減するためのおこめ券にこだわるのは、JAの顔色を見ているからだと言わざるをえません。

 鈴木氏の選挙区はコメどころの山形です。JA票が欲しいのでしょう」

「おこめ券」の不評から高市内閣のアキレス腱となりつつある鈴木大臣だが、彼は旧茂木派の出身で、10月の総裁選の決選投票で茂木派が高市早苗支持に回ったことでの「論功行賞枠」で大臣になったといわれる。

 彼は中・高と開成。同級生はこう話している。

「テニスを一生懸命にやっていて、今より日に焼けていましたね。開成の4分の1は東大に進学しますが、彼は法学部ですから上位層の成績だったはずです」

 東大法学部を卒業して農水省に入省。30歳で退職し、2012年、準公募的手続きにより自民党山形県第2選挙区支部長に就任。

 同年の12月の総選挙で初当選を果たしている。

 後援会幹部がこう語っている。

「親父が来て、“息子が衆院選に立候補するから協力してくれないか”と言ってきてね。物静かな感じの子でさ。めったに入れない農水省を辞めて、何で選挙なんかに出るのかって思ったよ。本当に当選するとは思ってもいなかった」

 鈴木大臣は地元の山形での評判もおおむね悪くないという。

「弁護士の奥さんと二人のお子さんがいてね。ご家族で南陽市に住んでいたのですが、数年前に東京に引っ越されています。以前は地域の道路脇に花を植える作業や川の掃除にも積極的に参加してくれていました。マメな人です。今も頻繁に地元には帰ってきていますよ」(地元住民)

 また地元市議はこういう。

「大臣の口癖は“現場第一”。とにかく歩く人です。大臣になっても2週間に1回はこちらに戻ってきています。南陽市の職員が先月、クマに襲われて全治3ヵ月の大けがを負ったのですが、大臣から電話がかかってきて、“市の職員の方の見舞いに行きたい”と。先日、実際に大臣のSPと県警の警備、あわせて5名ほどを引き連れてお見舞いに来ています。職員のほうが恐縮していましたね」

 だが、後援会の関係者はこう苦言を呈している。

「前から“備蓄米の放出は自分だったらやらない。おこめ券でなんとかしたい”と言っていたよね。でも、このあたりだとコメに不自由している人はいない。おこめ券は必要ないかな」

 新潮は、鈴木の父親は、福島県の磐梯リゾート開発にからんでいたと報じている。

「調べてみると、確かに鈴木氏の父親はかつて新聞や週刊誌をにぎわせたいわく付きの会社に役員や社長として名を連ねていた。役員を務めていたのが『磐梯リゾート開発』。同社の筆頭株主である『テクノ・グリーン』や二つの関連ゴルフ場の社長にも就いていた。

『磐梯リゾートは宮崎の「シーガイア」と共に、リゾート法の第1号として地方自治体と民間企業の共同出資で設立された第三セクターです』

 とは、さる経済ジャーナリスト。

『旧大蔵省OBらの後押しを得て、総事業費約1000億円を投じて、開発したのが総合リゾート施設の「アルツ磐梯」でした。しかし、バブル崩壊後、開発が滞った。最終的に02年、総額946億円に上る巨額の負債を抱えて、民事再生法の適用を申請。現在は星野リゾートが事業を継承しています」

 当時の新聞や週刊誌は、磐梯リゾートが巨額の負債を抱えるようになったのは、一部の大蔵省OBが開発事業を私物化したからだと報じていた。

 テクノ社やゴルフ場の社長を務めていた鈴木の父親が、こうした乱脈経営の責任を負う立場にあったことは間違いないようだと、新潮は報じている。

 その後、テクノ社は、別の傘下ゴルフ場の開発が中止になったのは福島県信用農業協同組合連合会(JA福島信連)の融資が止まったからだと、1999年にJA福島信連を相手取って、損害賠償の裁判を起こしたという。

 新潮は、過去に親族の会社が農水省監督下の金融機関との間で問題を抱えていたなら、公平・公正な立場から農水相の職務を遂行できるのかと、疑問を呈しているが、私にはこの問題をからめて、鈴木農相を難じる気にはならない。

 彼が今やるべきは、おこめ券配布などではなく、減反政策を廃止し、滞っているコメの流通を促進し、我々にコメを安く届けることである。

 それができない農相では役に立たない。即刻、辞任すべきである。(文中敬称略)
(文=元木昌彦)

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/12/23 17:14