大谷翔平と山本由伸が投打でチームを牽引する! 野球評論家・著作家のゴジキが考える2026年WBC日本代表の構想

今年3月から開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。少し気は早いが、野球評論家・著作家であるゴジキが2026年WBC日本代表のベストメンバーを考えていきたい。
今回挙げたメンバーは、2017年WBC、2019年WBSCプレミア12、東京オリンピック、2023年WBC、20234年と2019年WBSCプレミア12という5つの代表チームが積み重ねてきた失敗や成功、経験を同じ時間軸の中で共存させる構造にある。
2026年の日本代表は、史上最強かどうかは分からない。だが間違いなく、史上最も共創した代表になる。5つの国際大会が残した思想が、同時に息をしている。それこそが、このメンバーの最大の強さである。
また、12月26日に8人先行発表された。MLBからは大谷翔平、菊池雄星、松井裕樹の3投手。また、NPBからは大勢、伊藤大海、種市篤暉、平良海馬、石井大智の5投手が選出された。
この記事では、野球評論家・著作家のゴジキが独自の視点でWBCの代表選手を選定する。
投手陣は圧倒さとゲームメイク力の組み合わせ
先発の柱としてまず名前が挙がるのは、ワールドシリーズMVPに輝いた山本由伸である。立ち上がり、修正力、ゲームメイク力。どれを取っても短期決戦も柔軟な対応を見せ、試合の流れを相手に渡さない。エースという言葉が、戦術として成立する稀有な存在だ。
WBC特有の球数制限というルールを踏まえれば、球団側の了承が得られるのであれば、大谷翔平をショートイニングで起用する選択肢も十分に考えられる。前回大会では先発からリリーフまでフル回転だったが、次回は準々決勝などでスポット的に登板させる、という判断も一案だろう。
そこに続くのが、力で押し切りながらも制御を失わない今井達也、そして百戦錬磨の経験と投球術で世界を抑える菅野智之。相手が日本投手に慣れ始めた大会中盤以降、菅野のようなタイプはむしろ効いてくる。
さらに、2017年WBCベストナインの千賀滉大は言うまでもない。軌道が特殊なフォークは、短期決戦では1イニングで流れを断ち切る力を持つ。伊藤大海、東克樹、今永昇太、北山亘基、髙橋宏斗と続く先発から第二先発候補は、「勝つため」ではなく「崩れないため」の布陣だ。
特に伊藤や今永、髙橋は前回大会の経験が活かされ、プレミア12の経験はもちろん、北山はシーズンから先発からリリーフまで経験しているため、うまく対応できる資質を備えている。
この投手陣の中で、先発・中継ぎ・ロングリリーフのすべてを高水準でこなせる存在は、球数制限のあるWBCにおいて、投手運用の柔軟性を飛躍的に高めるはずだ。
リリーフ専任に目を向けると、日本の強みはよりはっきりする。歴史的な活躍を見せた石井大智をはじめとした藤井皓哉、松本裕樹、杉山一樹の日本一トリオ、前回大会経験者の大勢がいる。ここに共通するのは、外国人選手相手も圧倒し、連投が効き、球団を優勝に導いているメンタリティがある。大会運用に最適化されたNPB最強リリーフ陣と言っていい。
さらに、ほかの候補としては松山晋也や齋藤友貴哉といった色の違う腕や前回大会を経験している松井裕樹もいる。
佐々木朗希はポストシーズンのように火消しや流れを一気に引き寄せる切り札として期待されていたが、残念ながら辞退を表明した。佐々木がいれば、リリーフ含め、盤石な体制だったのは間違いない。
すでに選ばれている投手に関しては、大谷や伊藤、大勢、石井は完全に合致しており、シーズン後半を振り返ると種市もいいと感じた。平良も先発・リリーフを兼任できる適性を兼ね備えているが、早いフォームが外国人に合いそうなイメージがあることや、東京五輪の内容を見ると成長した点を発揮できるかがポイントである。松井や菊池に関してはパフォーマンスに波があるため、調子が良ければ非常に頼もしい存在になるだろう。
さらに、ネームバリューや環境、ルールなどの適応力を考えるとMLB組が優先されがちではある。しかし一方で、球団との兼ね合いで起用法の制約がある中でも、MLBの打者相手に通用する高いレベルのボールを投げているNPB組の存在も軽視すべきではない。特に、MLBの打者にとっては見慣れていないボールの軌道という点を考えれば、NPB組をもう少し重宝してもよいだろう。
投手陣はこれまでの大会を振り返ると、単年ではなく複数年で活躍していることを考慮しつつ、前年の後半戦のパフォーマンスやボールの対応力を含め、高いパフォーマンスを見込める異なるメンバーでここまで揃えられるのは、世界トップクラスの投手陣の層の厚さがわかる。
昔から決め球として、フォークやスプリットを投げることが多い。MLBクラスの球速と落ちるボールを投げられる投手を揃え、強打者を抑える体制にしていきたいところだ。
野手陣の得点力と日本特有の攻撃の再現性
捕手陣は、配球理解と投手管理を最優先にした布陣だ。近年高いパフォーマンスを発揮している坂本誠志郎、若月健矢を軸に、残り1枠を坂倉将吾、郡司裕也と言った打撃型でユーティリティ性がある選手や前回大会を経験した甲斐拓也、中村悠平が状況に応じて組み合わされる。
内野に目を移すと、このチームの思想が最もよく表れる。シカゴ・ホワイトソックスと契約合意した村上宗隆もいいが、岡本和真、佐藤輝明という破壊力を持ちながらも、こちらも内外野のユーティリティ性を兼ね備える長距離砲を置きたい。
さらに、プレミア12で活躍し、2025年に首位打者賞や最高出塁率者賞のを受賞した小園海斗。前回大会はもちろん、経験値がある源田壮亮も選んだうえで、精神的支柱としてのポジションを期待したい。センターラインでアウトを確実に積み上げることが、短期決戦では最大の攻撃になる。
牧原大成、野村勇といった選手たちは、持ち前のユーティリティ性を活かし、スタメン固定ではなく試合を整備する存在として機能する。源田がいるかいないかで泉口友汰の必要性が変わり、源田がいれば現在は二塁手ながらも遊撃手の経験があり、状況判断が優秀なで前回大会にも選ばれた中野拓夢も必要な選手だろう。
外野手は、世界基準の打撃力と機動力を併せ持つ布陣だ。日本人メジャーリーガーとして歴代トップクラスの活躍を見せた鈴木誠也はもちろん、前回大会4番に座った吉田正尚、NPBの野手で最も総合力が高い近藤健介が軸として活躍を期待したい。
また、井端弘和氏が就任後に代表戦で活躍している森下翔太が若さと勢いを注ぎ込む。そして周東佑京は、ただの代走要員ではく、1番打者や適した打順で機能することはもちろん、1点を取りに行く局面そのものを作り出す戦術装置で、守備面でも貢献度が高く期待されている。
こうした選手のほかに打線も中心に立つのは、言うまでもなく大谷だ。もはや、起用法や打順の議論ではない。最大のテーマはどう疲労を管理し、最後まで最大出力を保たせるかである。
岡本のメジャー移籍や選出状況によっては、牧秀吾悟やメジャー移籍で契約合意した村上宗隆といった長打力が期待される国際大会の経験豊富な選手も、主役としてではなく流れを変えるカードとして控えることで、チーム全体の厚みはむしろ増す。
井端政権で選ばれている岸田行倫、村林一輝と言った選手や将来への投資として考えると、宗山塁も選ぶ価値は高い。現場でいいものを体感するためにも宗山を代表キャンプに呼ぶこともいいだろう。
野手陣は、大谷をはじめとした「スピード&&パワー」を体現した選手を中心に、スモールベースボールやビッグベースボールに寄りすぎない選出もされている。軸となる選手が土台となっているため、周東のような一芸に秀でたスペシャリストも選びやすくなったのもある。また、投手と同様に2025年シーズンの単年ではなく2〜3年の活躍ぶりを見たうえで選んだ。
2026年WBCの日本代表は、2023年のような「スターの共演」という側面を持ちつつも、より「再現性」に特化したプロフェッショナルな集団へと進化した。大谷という世界一の野球選手を中心に、メジャー級の先発陣でゲームを制圧し、再現性がある得点力で相手を搔き回す。そして最後は大勢が締める。派手なホームラン合戦だけでなく、1点を争うヒリヒリした国際試合を勝ち切るための「リアリズム」が、このメンバー選考には詰まっている。
(文=ゴジキ)

