「初めてできた彼女には、自分以外にも何人も男がいた」――41歳バンドマンの不器用な恋愛 恋愛コンサルタント「45歳を超えてくると、結婚できる確率は壊滅的になる」

「結婚したいのに結婚できない」――。そう考える男性は少なくない。
別に女性を蔑視しているわけでもない。性格がめちゃくちゃ悪いわけでも、見た目が極端に悪いわけでもない。それでも、“普通の人生”を歩めないのはなぜなのか?
この疑問を抱える中年男性たちに、自らの半生を振り返ってもらい、「なぜうまくいかないのか」を自己分析してもらった。
俺がおかしいのか? それとも、社会がおかしいのか? 弱者男性たちのリアルな婚活事情に迫る。
35歳から結婚に本気になっても遅い!
「婚活市場というマーケットで考えたとき、男性は35歳を超えたあたりから、少しずつ厳しくなっていきます」
そう語るのは、恋愛・婚活アドバイザーの菊乃さん。
「結婚を望む男性の多くが35歳以上なので、手遅れになる前に早めの対策が必要になります。というのも、45歳を超えてくると、結婚できる確率はかなり壊滅的になるからです」
見た目が良かったり、コミュニケーション能力が高かったりすれば、おじさんになっても戦える。しかし、結婚を考える年齢は、早ければ早いほうがいい。
「最近になってようやく、結婚を考えられるパートナーが欲しくなってきました」
兵庫県出身の吉本明さん(仮名・41歳)は細身の体型。普段は音楽活動をしており、さまざまなバンドにサポートとして呼ばれてドラムを叩いている。主な収入源は、ごみ収集のアルバイトだ。
かなりモテそうな見た目どころか、イケメンと呼ばれる部類であり、女性に不自由しているようには見えない。
しかし、5年前に上京してから、一度も彼女ができたことがないという。
「今、自分がいる環境が完全な男社会で、なかなか女性との出会いがないんです」
北九州出身の吉本さんは、父親が亡くなったことをきっかけに、小学4年生のとき、母方の実家である兵庫に引っ越してきた。
そんな吉本さんの初恋は幼稚園。好きな子とお遊戯会で踊るのが夢だったそうだ。
「好きになる相手はいつも、クラスのマドンナのように表立ってモテている子ではなく、裏で『実はあの子かわいいよね』と話題になる子でした」
中学と高校では剣道部で真面目に励んでいたが、学生時代は恋愛に苦労したという。というのも、たくさんの女の子にコロコロと目移りしていることが周囲にバレており、告白しても真剣さが伝わらずにフラれてしまうのだ。
「先輩にそそのかされて、好きでもない子に告白させられたことがありました。彼女は真剣に悩んでくれたんですけど、『本当は好きじゃなかったからね』などと、告白したことをみんなの前でネタにしていたら、『私は真剣に悩んでいたのに、ふざけるな!』と怒られてしまいました。今思うと、かなり最低でしたね。彼女のほかにも好きな子がいたんですが、一度も告白できないまま、高校生活が終わってしまいました」
彼女ができても「間男」になってしまう
関西の大学に進学すると、剣道を辞めてバンドにのめり込んでいった。初めて触ったドラム。「こんなに楽しいものがあるのか」と夢中になったそうだ。
当時はバンドのことしか考えられず、ドラムの練習ばかりしていた。彼女を作るという発想にはならなかった。
「大学を卒業して就職しましたが、音楽だけは辞めたくなくて、ライブ活動は続けていました。そして、24歳のときにライブハウスで知り合った年上のシンガーソングライターと付き合うことになりました。俺にとっては初めての彼女。ところが、彼女は俺以外にも何人か男がいたらしく、すぐに別れることになりました。かなりショックを受けましたね」
その後、バンドに専念するために仕事を辞め、フリーター生活を始めたところ、アルバイト先で思わぬ出会いがあった。
「一緒にいてすごく楽な子がいたんです。気づいたら、いつも一緒にいるような感じで、付き合っているのか、付き合っていないのか分からないような。でも、この曖昧な関係を終わらせようと、『付き合ってほしい』と告白して、付き合うことになりました。あとから聞いた話ですが、実はその子にも彼氏がいて、僕は浮気相手だったらしいんです。それでも、彼氏を振って俺のところに来てくれました」
その後、3年付き合ったが、破局してしまう。
「倦怠期というか、お互いにどうでもいいような関係性になってきて、なあなあになってしまったので、『別れよう』という結論にたどり着きました。何か特別な出来事があったわけではないのですが、お互いに倦怠期を乗り越えられなかったという感じですね」
ちょうどその頃、バンド活動の対バン相手のお客さんにSMの女王様がいた。彼女と打ち上げで飲んでいるとき、その場のノリで縛られて鞭で叩かれたそうだ。
「すると、それまで感じたことのないエクスタシーを覚えたんです……! 『もっと叩いてほしい』という欲求があふれ出すだけでなく、『これが恋なのか』と感じました。そこで彼女と意気投合し、『イベントにM男役として出てよ』と言われたことをきっかけに、女王様とM男という関係性が始まりました。プライベートでも一緒にプレイしたり、飲んだりしたあと、帰り際にはいつもキスしてくれました。どんどん彼女に夢中になっていきましたね」
年齢が高くて年収が低いと出会いにくい
倒錯した関係ではあるが、相手は「プロの女王様」である。誰かひとりをパートナーとして受け入れるようなことはしない。自分は、大勢いるSMパートナーのひとりにすぎないのかもしれない……。恋愛のような純粋な形では付き合えないが、それでも吉本さんにとっては、彼女は大きな存在であり、変わった愛情のようなものを感じていたという。
「でも、女王様以外に、きちんとした恋愛もしようと頑張っていました。34歳のときに飲み屋で偶然出会った女性がいて、『セフレ以上恋人未満』のような関係性になりました。きちんとは付き合っていないのにもかかわらず、彼女は結婚を意識しているというか……。『子どもが欲しい、子どもが欲しい』とねだられたんです。きっと、俺と結婚する気満々だったと思いますが、そこまで真剣になれなくて……」
当時、吉本さんは借金をして飲食店を経営していたが、事業がうまくいかず、最終的に店をたたんでしまった。再びイチからのやり直しとなる中、収入が不安定だったため、結婚には踏み切れなかったという。
結果、彼女とは喧嘩の末に破局。その頃、東京への上京を考え始めていたが、気づけばもう36歳になっていた。
「飲食店経営を辞めて借金を清算したあと、水を販売する営業の会社に就職したんです。ただ、その仕事が好きではありませんでした。そこで、職場の先輩と飲んでいたとき、酔った勢いで『上京して音楽をやりたいです』と言ったんです。先輩は『もういい年なんだから無理だろ。現実を見ろ』と諭してくれたのですが、俺は酔って歯止めがきかなくなってしまい、『もう仕事を辞めて上京します』と啖呵を切りました」
すると先輩は、「にっちもさっちも行かなくなったら、これで帰ってこい」と3万円を渡してくれた。
「ありがたかったです。お世話になった女王様にもお別れのあいさつをして、長かった神戸生活とお別れしました。正直、寂しかったですが、今でもたまに帰ると歓迎してくれます……。そういえば、上京直前はめちゃくちゃ女の子と遊べました。最後だからという理由で、一夜限りの遊びを受け入れてくれる子が多くて、あのときが人生で一番モテたかもしれません(笑)」
上京の際、バンド仲間に相談したところ、東京で世話をしてくれるミュージシャンを紹介してもらえたおかげで、すんなりと音楽活動を始めることができた。
そして現在は、ミュージシャン仲間に紹介してもらったごみ収集の仕事をしながら、結婚を考えられるパートナーを探している。
「でも、マッチングアプリとかは全然興味がなくて……。何度か試してみたことはあるんですが、簡単にマッチした相手には、いつもマルチ商法の勧誘を受けるんです。ちゃんとした人と出会いたくても、年齢のせいなのかなかなかマッチしない……。なので、街中での偶然の出会いを待っている状況です」
そんな彼について、前出の菊乃さんはこう語る。
「年収が低い人は、地に足ついた将来設計といった意識も低いのでマッチングアプリに潜む業者からしたら騙せそうに見えていいカモです。そういう人たちは、総じて気配りや人を見る目が足りない場合が多いです。結婚相手を探すのであれば、自分が相手に何を提供できるのかを客観視し、高望みしないレベルの相手を見つけるしかほかありません」
吉本さんが東京でも良きパートナーに出会えることを願っている。
婚活アドバイザー菊乃さんのオフィシャルブログ
https://ameblo.jp/koakuma-mt/
(取材・文=山崎尚哉)
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