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統一教会内部文書、高市首相の影、米倉涼子疑惑まで 週刊誌が暴く“混迷ニッポン”

 次は現代の「もうすぐ暴落する街」。

 不動産評論家で「オラガ総研」代表取締役の牧野知弘がこう警鐘を鳴らす。

「実は、東京・湾岸エリアの価値は下り坂に突入しています。’25年秋頃から完全にマーケットが変わりました。中古マンション市場を見てみると、売り在庫が増えて、需給バランスも崩れている。まだ相場に影響は出ていませんが、2030年を目途に、湾岸だけではなく各地で不動産価格が下落していくと思います」

 都内の中古マンションの価格は19カ月連続で上がり続けている。平均は1億円に迫ろうというところまで来ていて、庶民には高根の花になってしまっている。

 その価格が下がるというのである。下落する最大の理由は「深刻な人口減少」だという。

 京都大学経済研究所の森知也教授がこう解説する。

「今後、人口減少の勢いは増していきます。私の研修グループの予測では、東京の人口は’30年がピークです。

 この人口減少には、東京といえども抗えません。人口がピークを過ぎれば、早い段階で不動産相場は下がり、タワマンの需要も一気に抜けていくと思います」

 現代によると、首都圏の65歳以上の高齢者は900万人以上いて、その半数は75歳以上。

 これまでは配偶者間の「一次相続」だったが、これから10年は、高齢の親から子への「二次相続」が増える。相続人の多くは持ち家があるので、実家を相続しても貸すか売るしかない。

「大相続時代」に突入し、家が余り過ぎて不動産価格が下がるというのである。
 冒頭の湾岸エリアは当然価格は下り坂。たとえば月島、勝どき、晴海、東雲などは異常に高騰したが、これは「投資で遊ばれた街」だから、下がる一方?

 さらにここいら辺は、人の住むエリアではなかったのに埋められたため、地盤も軟弱で災害にも弱いから、元々「ブランド価値がない」のだそうだ。

 さらに、人の出入りの少ない街はゴーストタウン化してしまいやすいというのである。

 都区部でいうと、江戸川区、足立区、葛飾区、練馬区、世田谷区、大田区などがそうだというのだ。可哀そう!

 さらに駅からアクセスの悪い街は、たとえ世田谷でも危ういそうだ。

 大蔵、鎌田、江東区だと北砂、練馬区だと大泉学園町などがそうだという。

 また、人の出入りが少ないため、駅前商店街などの地権者たちが共同してタワマンなどを建てた町も危ないそうだ。北区の十条、葛飾区の立石、江戸川区の小岩などがそれにあたるという。

 立石の駅前は私の好きな飲み屋街だった。戦後の闇市のような飲み屋が軒を連ね、一晩で何件もはしご酒。それをみんなぶっ壊しやがった。ざまーみろといいたいな。

 反対に人口が増えていて、子育て支援を手厚くしている街は地価が上がっていくそうだ。

 都下では、三鷹市や武蔵野市、狛江市、稲毛市。郊外でいえば、千葉県の流山市、印西市。埼玉県だと川口市や戸田市がいいという。

 私が住んでいる中野区は中央区や新宿区、千代田区など、地価が下がりにくい街の第6位か。ここにしかいられないのだから、どっちでもいいけどね。

 ところで、中森明菜ももう還暦か。長い休養の末に2022年に活動を再開するが、なかなか姿を現さなかったが、昨年、野外音楽フェスに出演し、年末には8年ぶりになる1席9万円のディナーショーを開催したという。

 あの松田聖子でも5万円だから、すごい値付けである。

 東京と大阪でやったそうだが、東京では1公演に400人が詰めかけたそうだ。それだけで3000万円以上か。明菜すごいね!

 作家で女優だという一青妙(ひとと・たえ)は、全盛期のようには歌えないのではという不安があったそうだが、いい意味で裏切られたと話している。

 初日に訪れた経営コンサルタントの中西宏一もこう話す。

「まさかほぼ原曲で歌ってくれるとは夢にも思っていませんでした。彼女が『スローモーション』を歌い出すと、声は以前のように出ていないものの、かつての中森明菜が甦ったのです。歌声を聞いていたら、自然と涙が出てきました」

 ファンというのはありがたいものだ。20年、30年経って、還暦の中森でも、歌を聞けばあの頃の彼女が甦るのだから。

 『難破船』という歌の時に異変が起きたという。

「明菜さんのマイクを持つ手が大きく震え、涙を流したのです。彼女は涙声になりながらも、最後まで歌い上げました。熱心でないファンの私も、そのときは涙が止まらなかった。こんなにも心に響く歌声があるんだ……と」

 だが中西は、「ショーでの様子やMCで話す内容などから精神の不安定さを感じました」ともいい、こう続ける。

「“疲れちゃった、やらなきゃいけない?”などと言って何度も座り込むのです。また“本当なら今ごろ結婚して子どももいたはずなのに、どうしてこうなっちゃったのかな”とポツリと零す場面も。かつて恋仲だった近藤真彦さん(61)のことが頭をよぎりました」

 今でもマッチのことが忘れられないのだろうか? 哀れといっては明菜に失礼だろうか。

 次にいこう。今年の皇居の一般参賀には秋篠宮家の長男・悠仁さんがデビューした。

 愛子さんとのそろい踏みといっては失礼だろうが、若い2人を見たさに多くの人が訪れたが、そこでこんな動きがあったと新潮が報じている。

 宮内庁関係者が、当日の様子を振り返る。

「皇居正門が開門した朝9時30分の時点で、1万5000人余りの参賀者が列を作っていました。その後、東庭まで誘導されていったのですが、やはり両陛下の正面にあたる中央に陣取ろうとする人たちが多く、続いて愛子さまがお立ちになる、ベランダに向かって左側にも人が集まってきました」

 今年は、愛子さんのポジションが変更されていたというのである。

 警備の者たちは、安全の面でも、「右が空いています」「右のほうへ行ってください」と声をからしていたのだが、1万5000人の大参拝者は動こうとしなかったという。

 右側には初デビューした悠仁さんたち秋篠宮家の人たちがいた。左側には愛子さん。

「図らずも、天皇家と皇嗣家のコントラストが露になってしまったというのだ」(新潮)
 

 さらに皇室ジャーナリストは、今年の参賀者は合計6万140人だった。天候に恵まれたのに、昨年から500人減ってしまったのは、「悠仁さまの“デビュー”が数字には結びつかなかったと言わざるを得ません」と厳しい。

 今年も、秋篠宮家には逆風が吹き荒れるのだろうか。

 さて、今年の「箱根駅伝」は、青山学院大学の強さに驚いたというより呆れ果てた。

 中でも箱根山の山登りでの黒田朝日(21)の走りは、神がかっていたといってもいいのではないか。

 文春によれば、2度目の3連覇を果たした青山学院は大学箱根駅伝で史上初となるそうだ。その立役者は、「シン・山の神」黒田であったことは間違いない。

 5区の小田原中継所、5位で襷を受け取った黒田だったが、先頭の中央大学からは3分24秒も遅れていた。

 文春によれば、青学の原晋監督はレース序盤から「大エース」の猛追をこう予言していたという。

「僕には黒田朝日がいます。小田原中継所、3分30秒先頭と離れていても、なんとかするだろう」

 なんとかするどころではなかった。素晴らしい走りで中央大学に並び、突き放し、1分55秒も区間新記録を更新して往路優勝をもぎ取ったのである。

 他の監督たちは「バケモンだ」と口をあんぐり。

 岡山県出身の黒田は、小学校はサッカー部、中学はバスケ部に所属し、玉野光南高校入学後に陸上を始めるとすぐに才能を開花させたという。

「3000m障害を主戦場とし、3年時にはU18日本記録に0.47秒差と肉薄する記録を残しています」(スポーツ紙記者)

 文春によれば、黒田家は関係者の間でいわずと知れた「韋駄天一家」なのだという。

「父の将由さんは法政大学時代に箱根駅伝に三度出場し、実業団の中国電力に進んだ名ランナー。弟の然くん(20)は青学陸上部の二年生で、妹の六花さん(17)も仙台育英高校の陸上部に所属。ともに全国トップクラスの実力です。小学生の末妹・詩歌ちゃん(8)も駆けっこが抜群に速いとか(笑)」(芝浦工大駅伝部の徳本一善監督)

 2001年、1年生だった将由は第77回大会で1区を任され区間3位の好走をした。2区で襷を受けた2つ上の先輩、徳本が当時を振り返る。

「黒田(将由)は本当に自由奔放というか、全然練習しない奴でしたよ。常にどうやってサボるか考えていたので、僕が彼の首根っこ捕まえて練習させていましたね。僕は当時ナイキのスポンサーがついていて、彼もナイキが好きだったので『この練習頑張ったらナイキの商品やるよ』と言うと『頑張ります!』って練習するんです(笑)」

 しかし、その才能には心底惚れ込んでいたという。

「初めて見た時、こんなにすごい選手がいるのかと。『将来日の丸をつけて走る選手だ』と確信しました。本当に天才なんです。天性の走りの柔らかさと、誰も真似できない脱力感。その才能には嫉妬しました」

 しかし、卒業後に実業団にすすんだ将由は突如、突発性後天性無汗症を発症し、選手生命を絶たれてしまったというのだ。

「僕もあいつが引退すると聞いて、何とも言えない気持ちでした。天才の百%の姿を見てみたかった。僕らの時代の法政は、ただ自分の能力で好きなように走るだけだったので、もし黒田が今の青学で原監督のプログラムをこなしていたら、朝日よりもっと強い選手になっていただろうなんて、想像しちゃいます」(同)

 息子が父親の無念を晴らす。天晴というしかない。

 次はサンデー毎日から。年初から少し小難しい話で恐縮だが、昨年の11月6日、警視庁は東京・湯島の個室マッサージ店経営者を、タイ国籍の12歳の少女を働かせていたとして、労働基準法違反で逮捕したと発表した。

 少女は約1カ月間、店舗で性的なサービスを強要されていたという。

 この事件を受けて11月11日、衆議院予算委員会で緒方林太郎議員(無所属、有志の会)が、「買う側」に規制がない現状を訴え、高市首相はその場で、「売春の相手方を罰する可能性について検討するよう、法務大臣に指示した」と即答した。

 一見、高市首相は正しいことをしていると思われるが、「買う側の男性」も取り締まりの対象とすることに対して、当然ながら、性風俗業界から困惑や異論が出ているのである。

 日本には売春防止法という法律があり、売春が禁止されている一方で、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律「風営法」があり、性風俗産業は厳しい規制と監視下に置かれながら、合法の産業として営業を行っているからだ。

 そんな中、立憲民主党の原田和広衆院議員がSNSで、「どういうモデルを目指しているのか当事者の意見を聞いて」といって注目を集めているそうだ。

 国会議員としてはなかなかいいにくいことではないかと思うのだが、この原田議員、腹の座った人物だと見える。

 原田議員によると、世界では買春問題に対して4つの類型に分けられるという。

 1つは、売る側、買う側をすべて禁止する「禁止主義」。2、買う側を犯罪とする「北欧モデル」。3、ドイツなどが実施している特定エリアを合法化し徴税する「規制主義」。4,ニュージーランドが03年に施行した「売春改革法」のように売る側も買う側も非犯罪化する。

 日本のような、売春は禁止するが、売春を提供する店は条件付きで認めるというようなダブルスタンダードを認めている国は珍しいようだ。

 原田議員はこういう。

「今のダブルスタンダードな状態を続けても、特に問題はないという気がします。強いて言うならば、より女性を助けやすくするために、ニュージーランドのような非犯罪化に向かってほしい。世界のさまざまな人権団体も非犯罪化すべきだと主張しています。ところが、今の国会は真逆です」

 春を売ることを犯罪ではないとするということは……、男性天国ということにならないのか?

 原田議員はこう続ける。

「大切なのは、女性の人権と女性の自立支援です。男性を厳しく罰すると言うと、一見正しく聞こえますが、私は、それが女性の自立支援につながるとは思いません。

 世界の人権団体の多くは、男性も女性も『売春は犯罪だ』という概念を取り払わないと、スティグマ(特定の個人や集団に対して社会が貼る烙印や汚名)を発生してしまうと訴えています」

 北欧モデルは男性を厳しく罰していて、買春は悪だ、女性に対する人権侵害だという教育をしているという。しかし、それでは女性の尊厳は守られない。なぜなら、男性を厳しく罰する社会は、女性を罰しないといっておきながら、実質的には女性も罰している。

「法的に男性を処罰し、買春は悪いという教育をすれば、関わっている女性が悪くないなんて、誰も思わないという話です。

 北欧では売春をする女性が最下層になり、DV男性はその上にいる。『ぜんぶ売女よりマシ』は、そう意味なのです。これが北欧モデルの現実ならば、やはり買春側の罰則は阻止しなければいけません」(原田議員)

 原田議員は「愛着資本」という考え方を提唱する。毒親やいじめや性暴力などで「自分」が壊され、人と愛着関係が結べない女性たちには「愛着資本」がないという。女性の尊厳を守るために必要なことは「愛着資本」によって自分が認められることだというのである。

 何やら哲学的な話になってきたが、要は、「人身取引に関しては厳罰化するべきだと思います。未成年の人身売買などは世界標準に合わせるべきです。しかし重要なのは、女性を(大人と子ども)で分けるべきです」(同)

 この後に、元AV俳優で風俗ライターをしているキッコー万太郎が、「性風俗店が強制搾取をしている」と、一部の政治家や女優支援団体が思い込んでいるのは間違いだと話す。

 彼が知る限り、強制的に働かされている女性に出会ったことはないという。シングルマザーで子供を育てるために働く、奨学金を早く返済するために働く、30歳までに起業したいから働くといった女性がほとんどだというのだ。

 難しい問題である。私は男だから、昔のトルコ風呂(今のソープランド)へも何度も通ったことがあった。そうした風俗店がなくなるのは、今は関係ないが、昔は困っただろう。

 また、原田議員のいうように、すべてを悪だと決めつけてしまうと、売春が地下組織化され、被害を受ける女性たちが増えるに違いない。

 ちょうど、朝日新聞(1月11日付)に、人身取引で被害に遭ったタイ人女性らを支援している齋藤百合子大東文化大特任教授が、「人身売買が突きつける課題とは」というタイトルで寄稿している、紹介してみよう。

《――日本人も人身取引の被害に遭うことがあるのですか

東京・歌舞伎町へ行ってみてください。大久保公園の周りや、ときには「トー横」と呼ばれる一帯の近くでも、若い女性に男性が値段交渉をしている場面に出くわします。繁華街でこのようなことが日常茶飯に行われていることを買う側の問題だと思わないのは、感覚がまひしているということではないでしょうか。

彼女らは日本の地方都市にある風俗店へ出張させられたり、「海外案件」と称して国外で働いたりすることもあると聞きます。理由に多く挙がる「ホストのため」というのは、スカウトという女衒(ぜげん)を通した人身取引そのものです。

――現状を変えるにはどうすればいいのでしょうか

包括的に人身取引を禁止するための法整備が必要です。「包括的」というのは、ここでは(加害者の)摘発、(被害者の)保護・支援、防止の3点をカバーする法律を指します。

日本には、刑法226条の2(人身売買)や売春防止法、児童買春・児童ポルノ禁止法など3点のうち一部をカバーできる法律は既にあります。一方、これらの法律を適用できると思われる事件で、適用されていないケースが多い。今回の事件についても、逮捕された男は労働基準法や風俗営業法、児童福祉法などに違反した疑いが持たれていますが、刑法226条の2は適用されていません。買春者も取り締まられていません。まずは、今ある法律を積極的に使うべきです。

その上で、新法をつくることも選択肢に入ってくると思います。現在の売春防止法では売春した女性は罰せられるのに、買春した男性に罰則はない。売春した側を保護し、買春した側を取り締まる法律が必要です。

人身取引問題は、性売買を容認し続けてきた日本社会に突きつけられた課題です。誰もが買われる危険にさらされずにいられる社会をつくることが、最大の防止策です。》

 高市首相は、この問題の難しさを理解せずに、「買春する男を罰すれば、女性は喜んでくれる。支持票が増える」と考えているような気がする。

 このような難しい問題は、幅広い層の国民が十分な議論を尽くしたうえで、どれを選ぶかを国民投票で決めるべき重大なものであるはずだ。

 「売春は神代の昔からある商売」などと戯言をいわずに、老いも若きも含めて熟議すべきである。

 次は今週の第2位。

 文春の米倉涼子の記事だが、100%この記事を支持するかといえば、私は、この記事に対していささか疑問を抱いてもいる。

 それは後で触れるとして、まずは内容を紹介しよう。

 文春が「米倉の自宅にマトリのガサが入った」と報じてから約2カ月が経った。

 それ以降、沈黙していた米倉が、昨年末の12月26日に沈黙を破り声明を発表したのだ。

 全文は以下の通り。

《関係者及びファンの皆様

日頃より、私の活動をご支援いただき誠にありがとうございます。

これまで、私の状況を皆様にお伝えすることができなかったこともあり、 週刊誌等の報道により憶測が飛び交い、皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

一部報道にありましたように、私の自宅に捜査機関が入りましたことは事実です。

それ以降、弁護士の方々とも相談をし、捜査に全面的に協力する観点から、私からの情報発信を控えておりました。

今後も捜査には協力して参りますが、これまでの協力により、一区切りついたと認識しております。

様々なご見解があるとは存じますが、私は、私を信じてサポートをしてくださっている方々に感謝をしつつ、少しずつ前に進んで参りたいと考えております。

私の心身には問題はありません。今一度初心に立ち返り、一つひとつ真摯に取り組んで参りたいと存じます。

今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。》

 米倉自身が、マトリのガサ入れがあったことを認めたのだ。だが、そうした違法薬物疑惑がどうなったのか、疑惑が晴れたのかどうかには触れず、米倉自身が「一区切りついた」という意味は何なのか?

 文春報道によれば、違法薬物を使用していたのは同棲していたアルゼンチン・ダンサーではないかといわれているようだが、彼のほうの疑惑はどうなったのか?

 ぎりぎりの年末に発表したのはなぜか? など、様々な疑問がわいてくる。

 そうした疑惑について文春は明快にこうぶった切る。

 一区切りというのは、捜査対象者の米倉が決めることではなく、捜査主体であるマトリと検察庁が決めることだ。それに彼女は最も重要な「捜査協力」を行っていないというのである。

 ガサ入れされたのに、捜査協力を行っていないなどということがあるのだろうか?

 いくら大女優といえども、事は「麻薬疑惑」である。私には信じられないのだが。

 文春によれば、米倉が隠す不都合な真実がいくつもあるというのだ。一つ目は、

「小誌が得た証言によれば、ガサ入れでの押収物を鑑定した結果、麻薬取締法で所持が禁じられた違法薬物だと判明。それらを使用する際の器具なども発見されたというのだ」

 二つ目は、アルゼンチン人の恋人、X(42)の存在だ。

「X氏はアルゼンチンタンゴスタジオで講師を務めるジョニー・デップ似のイケメン。米倉は20年1月の交際発覚以来、5年以上にわたって愛を育んできました」(芸能関係者)

 文春は、昨年6月から約4か月間、米倉の行動を何度も確認し、Xの米倉への献身ぶりを目撃してきたという。

 Xが米倉の自宅に出入りしていることも確認し、2人が米倉のマンションで同棲中だったことも確認済みだそうだ。

 Xはタンゴスタジオで教えていたが、家宅捜索の2日後の8月22日を最後にスタジオには行かず、その後、海外に渡航し、ダンススタジオによれば、家庭の事情でアルゼンチンに帰国したという。

 ここで、なぜ、マトリはガサ入れ直後にXから話を聞こうとしなかったのか、という疑問は残るが、話を進めよう。

 その後、捜査は進展し、検察関係者がこう声を潜めて語ったという。

「マトリは昨年十月上旬、麻薬取締法違反容疑で、米倉とX氏の逮捕状を請求していた」

 逮捕状というのは、捜査機関が犯罪の証拠をそろえて、裁判官が嫌疑の相当性や必要性を審査したうえで発布されるものだから、ガサ状(捜査差押許可状)とは重みが全く違うことは、私にでもわかる。

 しかし、捜査関係者は、マトリに対して検察庁からある条件を付けられていたというのである。

「米倉の単独所持ではなく、必ずXとの共同所持の容疑で逮捕すること」

 文春によれば、「共同所持とは文字通り、同一の違法薬物を複数の人間が所持することだ。主たる所持者ではなくても、自宅のどこに違法薬物があるかを把握しているなど、自らも管理できる状態にあれば、共同所持が認められるとされる」そうである。

 その意味を亀井正貴弁護士がこう解説する。

「米倉さんだけ逮捕しても、半同棲状態の自宅から違法薬物が押収されている以上、『違法薬物は全てX氏のもの。私は知らなかった』という弁解を許してしまう。あるいはX氏が『違法薬物は全部私のもの』と供述するかもしれず、その場合、米倉さんの公判を維持することが出来なくなります。一方、共同所持であれば、仮に違法薬物がX氏の所有物だったとしても『米倉さんの自宅から出てきた以上、保管場所を提供し、自宅での保管を許容した』として罪に問い得る。さらに2人の身柄を取れば、各々が持っている証拠品を確保した上で、2人の供述に矛盾がないか確認することもできる。検察が共同所持にこだわるのは、事件の筋立てや公判維持の観点からすれば当然でしょう」

 また、亀井弁護士は、検察が共同所持にこだわった理由として考えられるケースは他にもあるという。

「米倉さんの自宅に違法薬物があったことから彼女に嫌疑がかかるのは当然ですが、他方で、使用したのが米倉さんだというはっきりした証拠が出てこなかった可能性があります。むしろ、家宅捜索でX氏による使用が疑われる器具などが出てきたことで、事件の筋を共同所持に軌道修正したのかもしれません」

 しかし、事件は急展開したというのである。

「X氏は昨年10月6日午後に、渡航先から日本に帰国予定だった。逮捕状を携えたマトリが描いていたのは、空港でX氏の身柄を取り、その後、間を置かず米倉を逮捕するという青写真だった」(検察関係者)

 文春によれば、米倉には東京湾岸署、Xには三田署の留置場が確保されていたという。ところが、当日になって不測の事態が起きた。Xが予定されていた便に搭乗していないことが判明したというのだ。

 しかし、と私は考える。

 ガサ入れが昨年の8月20日。それから約1カ月半。米倉が渡航先のXへ連絡して帰国しないように伝えることは可能だったのではないかと考えるのだが……。

 それにガサ入れ後に米倉も長期の海外旅行に出かけていると、ガサ入れを報じた文春に書いてあった。

 恋人同士なら、ガサが入ったことをXに話さないほうが不思議だし、事実、ガサが入った2日後にはスタジオから姿を消して、海外に“脱出”しているではないか。

 帰国すれば逮捕されるかもしれないのに、知っていて帰国するバカがいるだろうか?

 米倉と会うのなら、国内ではなく海外のどこかで会えばいいのだから、帰ってくると考えるほうが「無理筋」だと思うが。

 しかし、マトリはそうは考えていないようである。

「一般的に逮捕状の効力は7日間。失効するたびにマトリは再度逮捕状を請求し直しており、11月下旬にも、有効期間を7日間とせず幅を持たせる形で逮捕状を取り直していた。したがって、X氏さえ帰国すれば、いつでも2人を逮捕できる状態だったのです」(検察関係者)

 しかし、今のところXが恋人・米倉の待つ日本に再び戻って来ることはないようだ。

 マトリ側が動いたのは年の瀬が迫る昨年12月18日のことだという。米倉の自宅マンションに、マトリの取締官数人に加え、警視庁の鑑識課員が忙しなく出入りしていたというのである。

「この日は実況見分と共に任意の捜索が行われた。X氏の帰国を待っているだけでは埒があかないので、新たな端緒を求めたのでしょう」(検察関係者)

 しかし、マトリ側の切歯扼腕ぶりをあざ笑うかのように、米倉は“復帰”へ向けて動き出している。

 今年2月 “13日の金曜日”には、Amazonプライムで彼女の主演映画『エンジェルフライト THE MOVIE』の続編の配信が控えている。

 製作はNHKエンタープライズだそうで、延期になっていた舞台挨拶を制作側から打診したところ、米倉から「やりましょう」という返事があり、準備を進めているというのだ。

 文春は、今、米倉のやるべきことは、捜査に協力してXに帰国を促すことだという。だが、米倉はそうはしないだろう。

 何らかのマトリ側との“手打ち”があったのではないかと、私は邪推するのだ。

 米倉側にも弁護士がついているはずだから、声明を出したのは何らかの勝算があってのことだろう。そうでなければ、違法薬物疑惑を忘れかけていた人を起こしてしまうことにもなることを、米倉がやるはずがない……そう思うのだが。

 こうした警察側のリークで、一人の女性を追い詰めていくことに、私は違和感を禁じ得ない。麻薬を含めた違法薬物の使用に問題がないといっているのではない。しかし、米倉は文春の「自宅ガサ入れ報道」によって活動を自粛せざるを得なくなった。

 それだけの代償を彼女は払ったのである。だが、彼女を“逮捕する”有力な手掛かりは得られていない、あくまで“疑惑”でしかないため、マトリ側は切歯扼腕しているに違いない。

 その憤懣ゆえに文春にリークし、米倉に対する疑惑は消えたわけではないんだよ、我々はこれだけ一生懸命やっているんだという“アリバイ証明”欲しさに、ここまでの捜査経過を書かせたのならば、文春には悪いが、権力側に利用されているといわなくてはならないのではないか。

 文春砲と恐れられた文春の情報収集力や取材力は、“弱者”のために使われるべきではないのか。

 文春の報じているように、米倉への疑いが晴れたわけではないのだろう。そうならば、どこでマトリはしくじったのか、米倉自身の麻薬使用疑惑はなぜ立証されていないのかを、権力側ではなく、読者レベルで疑問を解明する、その“視点”こそが週刊誌には求められるはずだと思うのだが。

 今週の第1位は、さすが文春というべきスクープである。統一教会が作成していた「TM報告書」という極秘文書を入手したというのである。

 TMとは「トゥルーマザー」という意味で、統一教会の韓鶴子総裁を指し、彼女への報告書という意味だ。

 この文書は、韓国統一教会の政界工作の捜査の中で見つかったという。その中には、日本の自民党議員たちとの“親密”さが事細かく書かれているというのである。

 たとえばこうだ。

《二〇一九年七月二日、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の会長だった徳野英治氏は、当時の安倍晋三首相に会った日のことを、こう報告している。

〈本日七月二日、午前十一時二十分に自民党本部総裁室の隣にある応接室で、安倍首相と萩生田光一自民党幹事長代行の二名と面談いたしました。

 私は二〇一二年十二月二十六日に安倍首相が二度目の首相に選出されて以来、現役首相と家庭連合会長という立場で会ったのは、これで四回目です。安倍首相が一度目の首相と二度目の首相の間に何の役職もなかった時に二回会ったことがあります。したがって、今回が合わせて六回目の面談となります〉

 この会合に同席した天宙平和連合(UPF)ジャパンの議長だった梶栗正義氏は、七月六日にこう本音を綴っていた。

〈国会議員はそれぞれ数十万票の有権者の信任を背景に議席を持ちます。私たちが日本に天一国を安着させるには、安倍首相や天皇陛下個人が私たちを受け入れるからといって国が動くのではなく、彼らがそうできるように国民世論を背景に議員たちを動かさなければならないことを改めて考えさせられたのです〉

〈安倍首相が北村経夫議員をどうしても当選させたいと、我々に応援要請をしてきました。(略)必ず勝利して、安倍首相がお母様にひれ伏して拝するように、長子権復帰を成し遂げます〉

〈我々が応援した国会議員の総数は、自民党だけで290人に達する〉

 そう記された統一教会の内部文書が公になったのは、昨年十二月末のこと。出所は韓国だった。》

 全文は約3200ページにも及ぶという。

 しかもこの中には、高市首相の名前もたびたび登場するというのである。

 岸田文雄元首相は「統一教会との関係を断つ」といったが、そんなことは実現できていないことがはっきりわかるという。

「実は高市首相も決して無関係ではなく、文書の中に32回も登場している。何より、
〈高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願いである〉(二一年九月一八日・徳野)
とまで持ち上げられているのだ」(文春)

 文春によれば、統一教会は遅くとも1960〜70年代から、自民党と関係を築いてきたそうである。

「梶栗氏は自民党議員との結びつきをこう強調する。

〈会いたい時に会える国会議員は三十名程度です。(略)私が十年以上近くにいた年齢の近い同世代の国会議員たちがその間に当選を重ねて五選・六選議員へと成長しました〉(一九年七月二日)」

 当然ながら、報告書内で最も言及回数が多い(547回)のが安倍だ。

 意外なのは石破内閣で首相補佐官を務めた長島昭久の名前があり、合同結婚式に出て妻と出会ったというのだ。

 長島はこう文春に答えている。

「三十年以上前、霊感商法などの被害が知られ始めて看過し得ない矛盾と疑問を感じ、二人で脱会しました。それ以降は一切の関係を絶って今日に至っております。選挙応援を依頼したこともありません」

 この報告書で目立つのはやはり安倍の一の子分、萩生田光一である。

「萩生田氏は地元八王子の教団施設をたびたび訪れていたことでも知られ、報告書でも〈常に連絡を取り合う関係です〉(二十年六月十二日・徳野)〈我々と安倍首相との面談を一貫して主導してくれた人物〉(同年九月十一日・徳野)と紹介されていた。一九年七月の面会時には、安倍氏と共にエルメスのネクタイを受領したと明記されている。

 そして二十年の菅義偉内閣発足時には、〈もし萩生田大臣が菅新首相の後任の官房長官になれば、これは本当に天の摂理と言うほかありません〉(九月六日・徳野)とまで絶賛している」(文春)

 高市首相の登場回数は12回と少ないが、文春によれば、報告書が2023年で終わっているからだという。

 だが、安倍が高市を熱心に応援していたことは詳細に書かれているし、安倍亡き後、統一教会が高市に接近したことはあったのではないか。

 萩生田の処遇を含めて、自身の関わりを国会で明らかにする必要があること、言を俟たない。

 こうした大疑惑が報じられているのに、解散するなど許されていいわけはない。(文中一部敬称略)
(文=元木昌彦)

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2026/01/13 18:16