アニメ映画『ヒプノシスマイク』、リピーター続出! 「作品に深みが出た」「唯一無二の声」の男性声優とは?
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2月21日に公開されたアニメ映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』が、声優ファン、アニメファンの間で話題を呼んでいる。多数の人気男性声優が出演している同作だが、メインキャストたちの評判はいかがなものなのか――業界関係者に話を聞いた。
アニメ映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』、リピーター続出中
同映画は、2017年に始動した男性声優による音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(以下、『ヒプマイ』)の劇場版で、武力による戦争が根絶されたH歴が舞台。男性を完全に排除した「中王区」と呼ばれる区画で女性による政治が行われ、男性は中王区外の6つの区画で暮らすようになった世界で、各ディビジョンを代表するMCグループが、人の精神に干渉する特殊な“ヒプノシスマイク”を使ってラップバトルで衝突。勝った地区は決められた分の他の領土を獲得できるというルールのもと、男たちがテリトリーバトルを繰り広げる――というストーリーだ。
これまで、マンガ、アニメ、ゲーム、舞台とさまざまなメディアミックス展開を実施し、このたび初の映画化。全48ルートのストーリー、7パターンのエンディングが用意されており、観客がスマホアプリを操作し、ラップバトルの勝敗をリアルタイム投票で決定するという、劇場用映画としては日本初となる観客参加型の「インタラクティブ映画」となっている。
ネット上では、映画を観賞した人から、「大画面で観る大迫力のバトル最高」「本物のライブを観てるみたいで臨場感があった」「投票の度にどこが勝つのかドキドキするし、すごく映画の中に引き込まれた」などと好意的な意見が多数寄せられており、「推しチームを勝たせたい」「推しが勝つところはもちろん見たいけど、ほかのディビジョンの曲も聞きたい」「全チームのエンディングを見るまで通う」と、リピーターも続出しているようだ。
『ヒプマイ』唯一のベテラン声優・速水奨の「何よりの強み」とは?
なお、そんな同作に登場するメインキャラクターを演じているのが、木村昴をはじめ、石谷春貴、天崎滉平、浅沼晋太郎、駒田航、神尾晋一郎、白井悠介、斉藤壮馬、野津山幸宏、速水奨、木島隆一、伊東健人、岩崎諒太、河西健吾、黒田崇矢、葉山翔太、榊原優希、竹内栄治の声優陣18名。
「イケブクロ・ディビジョン/Buster Bros!!!のリーダー・山田一郎役の木村は、国民的アニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)のジャイアンの声でおなじみの人気声優。平日朝の子ども向け番組『おはスタ』(テレビ東京系)でメインMCを務めているほか、昼の情報バラエティ『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に木曜レギュラーとして出演しており、その活躍ぶりは一般層にも届いていることでしょう」(芸能ライター)
また、シンジュク・ディビジョン/麻天狼のリーダー・神宮寺寂雷役の速水は現在66歳とキャスト陣の中で唯一のベテランで、『BLEACH』(テレビ東京系)の藍染惣右介役や『戦国BASARA』シリーズ(TBS系)の明智光秀役で知られている。
声優業界に詳しいライター・勅使河原みなみ氏は、速水について以下のように話す。
「唯一無二の声質の持ち主で、ひと声聞いただけで『速水』だとわかる。こういう強烈な声の個性の持ち主は、若い世代ではあまり見かけません。声優としての技術は傑出して高いわけではありませんが、彼にしか出せない独特の艶のある声質は、業界では何よりの強みです。あの声が入ることで作品にグッと深みが出ます」
“アプリゲーム声優”にとって、『ヒプマイ』出演は「良い機会」のワケ
一方で、そのほかの声優陣は「アニメの現場ではあまり馴染みのないメンバー」とのこと。
「彼らは、いわゆる“アプリゲーム声優”世代。『アイドルマスター SideM』や『A3!』など、人気タイトルのアプリゲームのキャストに選ばれると、1本でそれなりに稼ぐことができます。というのも、ゲームのギャラは、アニメのように1本単位ではなく、セリフの数でギャラが決まるんです。アプリゲームはセリフが多いので、アニメに多数出演するよりもずっと稼げます。それに、人気ゲームの場合は関連イベントも頻繁に行われるため、コンスタントにギャラが入ります」(同)
しかし、アプリゲームの場合、声優として致命的な欠点があるとか。
「それは、演技力が伸びないこと。ゲームの収録は1人でブースに入って多数のセリフを淡々とこなすため、アニメのようにほかの人の芝居を見ることができません。ですので『ヒプマイ』に起用されたことは、彼らにとって成長につながる良い機会になっているのでは」(同)
映画のヒットとともに、出演声優たちの今後の活躍にも期待したいところだ。
(取材・文=サイゾーウーマン編集部)