KinKi Kids・堂本光一、福田淳氏は「言葉足らず」と苦言の一方でSTARTOは「優しい会社」――その言葉の真意とは?


KinKi Kids(以下、キンキ)の堂本光一が、4人組ユニット・ふぉ~ゆ~のYouTubeチャンネル「ふぉ~ゆ~ちゅ~ぶ」に登場。動画内でSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下、STARTO)の社長・福田淳氏に物申す一幕があり、話題になっている。
KinKi Kids・堂本光一、ジュニアの育成めぐる福田淳氏の発言は「言葉足らず」と苦言
STARTO所属のふぉ~ゆ~は、キンキのコンサートでバックを務めた経験があるほか、昨年11月に惜しまれながらも終幕した堂本主演ミュージカル『Endless SHOCK』にも出演するなど、堂本とはかねてより親交が深い間柄だ。
そんな彼らは今回、YouTube上で共演。3月11日と15日には「ふぉ~ゆ~【素の光一君公開動画】焼肉前編」「ふぉ~ゆ~【素の光一君公開動画】焼肉後半」として、5人で焼肉を食べながらトークを行う動画が配信された。
過去の思い出などに触れる中、2本目の動画では「光一が伝えたいこと」という話題に。すると、堂本は「現社長(福田氏)のコメントでさ、『今はジュニアのオーディションもやってない』って。で、『今後やるにあたっては、いろんな各セクション、ダンスとかボーカルとかいろんな目を入れた上で然るべき評価の上で今後は採用していく』っていう言い方をしている記事が出たのよ」と切り出した。
周知の通り、旧ジャニーズ事務所は創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題を受けて解体的出直しを図り、タレントの受け皿となる新会社・STARTO ENTERTAINMENTが誕生。代表取締役CEOに就任した福田氏のもと、昨年4月10日より本格的な業務を開始し、現在に至っている。
堂本が動画内で触れたのは、1月22日にウェブサイト「リクルートワークス研究所」が公開した福田氏のインタビューでの発言を指しているのだろう。記事内には、STARTO社はジュニアの新規加入を見合わせていたものの、近く再開する予定だといい、「新規加入者の審査や『ジュニア』の育成にあたっても、今後はダンスや歌唱などの評価基準を明示するとしている」(原文ママ、以下同)と書かれていたほか、福田氏自身も「選考・評価のプロセスを透明化することが重要だと考えています」と語っていたのだ。
前述の動画内で、堂本は「それって、俺は『ファンが誤解を生むな』と思って見てたんだけど。歌がうまけりゃいいわけじゃないじゃん。踊りがうまけりゃいいわけじゃないじゃん。我々はダンサーでもないし、シンガーになるために頑張らないといけないんだけど。でも、それだけじゃないじゃん」と熱弁。
ジュニアのCDデビューにあたって、会社側が評価基準を持って進めていくのは「必要なこと」だというが、「すごい言葉足らずだなって。すごく上手じゃなくたって、光る子ってたくさんいるじゃん。この世界でやっていく上で」「我々プラスアルファ、『新しい子たちも一緒に応援しよう』って思ってる人もいるわけじゃん。そういう人たちに誤解を招くコメントだなと俺は思って。そうじゃないんだよ~っていうところは、伝わるといいな」と、福田社長のコメントに苦言を呈した。
さらに、「そんなこと言ったら、俺だって別に(最初からダンスが)うまかったわけじゃないし」「踊りながら、首すわってなかったんだから」とも自虐。あらためて、「誤解してほしくないな。俺もこの会社に残ったのであれば、そこは『勘違いしちゃいけないよ』って(伝えていきたい)。会社にも思ってほしいし」と胸中を明かし、ふぉ~ゆ~の面々も共感している様子だった。
「光一くんの言う通り」「さすが」とファンから称賛の声
ちなみに堂本は、今回のYouTube動画だけでなく、3月4日発売の「日経エンタテインメント!」25年4月号(日経BP、以下『日経エンタ』)内の連載コラム「エンタテイナーの条件」でも福田社長のインタビューについて言及している。
同誌ではtimeleszの新メンバーオーディションの話から発展し、“表現の世界は実力だけで物が測れるものではない”との私見を示した。その上で、堂本は前述の福田氏の発言について「あのコメントだけでは言葉足らずと言わざるを得ません」とピシャリ。アイドルは何よりも「人に愛されるのが仕事」であり、ダンスや歌の評価以外の部分で“光る子”が「絶対にいる」と断言した。
とはいえ、福田社長の発言自体に否定的ではないようで、「前会社ではトップの一存ですべてが決まる極度の権力集中があり、それが問題視されたことを踏まえれば、新社長の立場としてはああ説明せざるを得ない」と、理解を寄せていたことも記されていた。
「ふぉ~ゆ~ちゅ~ぶ」を受けて、SNS上のファンからは「光一くんの言う通り」「光一くんは今の社長に納得いってないんだろうな……」「これは光一さんにしか言えない。さすが我らが光一さん」と、堂本を称える声が多く上がっている。
さらには、「社長を批判しているわけじゃなくて、『日経エンタ』では『新社長の立場としてはああ説明せざるを得ない』とフォローしてる。光一さんはただ批判するだけの人ではない」「光一くんは決して社長批判をしてるわけではない。現社長がコメントした意味は理解した上で“ファンに対しては誤解を生むよね”って補足をしてる」といったコメントも見受けられた。
KinKi Kids・堂本光一、福田淳氏に物申したのは「今回が初めてではない」!?
そんな堂本のスタンスについて、芸能ライター・阿部ベア氏が解説する。
「福田社長の置かれている立場や思いを汲み取りながらも、堂本なりに厳しい目線で新会社を見守っているのでしょう。そもそも彼は事務所のタレントの中でもデビュー・年齢的にかなり上の立場になっていますが、だからこそSTARTOとの契約は慎重に進めていました。『日経エンタ』24年5月号のインタビュー内で、自分がうやむやな契約を結んでしまうと、後輩たちにも良くない影響が出てしまうのではないかと懸念していたんです。会社に対して『おかしい』と感じたことは訴えているそうなのですが、その理由は『これからの世代の人たち』のためだと打ち明けていました」
なお、堂本がSTARTOや福田社長に物申したのは「今回が初めてではない」(同)という。
「同じく『日経エンタ』24年5月号のインタビューで、『福田社長に求めること』を問われた際は『もっとコンサートや舞台の現場を見に来てほしい』と要望を出していました。加えて、『僕が新会社に対して勘違いしてほしくないなと思っているのは、KinKi Kidsにせよ誰にせよ、各タレントが作り上げてきた歴史は前の会社で作り上げたものであって、新会社のものでは決してないということ』との意見を述べていたんです」
KinKi Kids・堂本光一、「こんな優しい会社ない」――STARTOに感謝のワケ
ただ、堂本はSTARTO側への感謝の言葉も口にしている。彼は「日経エンタ」などでSTARTOとの契約が済んでいないことを公表してきたが、今年1月29日に行われた中山優馬(1月31日付で退所)のコンサート『YUMA NAKAYAMA LIVE TOUR 2025 Wings For The GOOD VIBES』にサプライズ出演した際に、「こんなところで話していいかわからないけど」「新会社にサインした」などと宣言し、ファンを驚かせた。
3月11日配信の「ふぉ~ゆ~【素の光一君公開動画】焼肉前編」では、自身の契約問題に関して「ここまで会社のほうも真剣に内容についてお話し合いして、契約は結べてない状態だけど、面倒を見てくれてたの。それって、俺からするとすごい感謝すべきこと」だとしみじみコメント。
続けて、「これだけ長く(契約を)してなかった。だけど活動はしてたよね。もちろん(契約を)しようってことは動いてたし。あとは中身、本当に細かいところをどう決めるかっていうところだから。(その期間もSTARTOは自分の)面倒は見てくれてたわけじゃない。それって、こんな優しい会社ないよ! そういった意味では」とその言葉の真意を明かしつつ、STARTO側の配慮にありがたみを感じていたのだった。
堂本としては、単にSTARTOや福田社長に嫌悪や抵抗感があるわけではなく、ベテランタレントのポジションから会社サイドを冷静に注視しているのかもしれない。堂本のような存在は大変貴重であり、今のSTARTOには必要不可欠といえるだろう。
(取材・文=サイゾーウーマン編集部)