声優・古谷徹、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』最終話にサプライズ出演――制作側が「簡単に切り捨てられない」ワケ


6月24日深夜に放送されたテレビアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(日本テレビ系)最終話に、声優・古谷徹がサプライズ出演した。昨年、女性スキャンダルが明るみになり、世間に大きな衝撃を与えた古谷だが、業界関係者によると「簡単に切り捨てられない」という。
声優・古谷徹、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』最終話にサプライズ登場でファンから驚き&喜びの声
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(以下、『ジークアクス』)は、『機動戦士ガンダム』シリーズを制作してきたサンライズと、『エヴァンゲリオン』シリーズを手がけたスタジオカラーがタッグを組み、「ファーストガンダム」と呼ばれる第1作目(1979年4月~80年1月)のパラレルワールドという位置付けで描かれた作品。
ジオン公国軍と地球連邦軍の激しい戦いが繰り広げられた「一年戦争」でジオン公国軍が勝利した世界線として物語が構築され、主人公の女子高生、アマテ・ユズリハ(マチュ)が戦争難民の少女・ニャアンと出会い、謎のモビルスーツ「GQuuuuuuX」を起動させたことで、ジオンを巡るさまざまな騒動に巻き込まれていく様子が描かれている。
4月からのテレビ放送を控える中、今年1月に劇場公開された前日譚『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』は、公開から66日間で興行収入32億9649万円を記録する大ヒットとなった。
「『ガンダム』シリーズ最新作として、制作が発表された時点で往年のファンから高い注目を集め期待の声も多かったものの、テレビ版は劇場版とは構成が異なることや、新解釈によって作り変えられた物語でありながら、ファーストガンダムのオマージュも多く、ネット上では『ポップな感じで見やすかった』『オリジナル部分が物足りない』『情報量が多すぎて理解が追いつかない』などと賛否が分かれている印象です」(声優ライター・勅使河原みなみ)
そんな『ジークアクス』の最終話に、ファーストガンダムで主人公のアムロ・レイを演じた古谷がサプライズ出演。劇中に登場したAI装置「エンディミオンユニット」の声を担当した。
「古谷さんといえば、昨年5月発売の『週刊文春』(文藝春秋)で37歳年下のファン女性との不倫や相手女性への暴力行為、妊娠した際に堕胎を迫っていたことを報じられ、『名探偵コナン』(日本テレビ系)安室透、『ONE PIECE』(フジテレビ)サボ役を降板。以降は活動休止状態にありましたが、今年2月にテレビ番組『テリー土屋のくるまの話』(TOKYO MX)のラジオ・YouTube版でひっそり復帰しています。しかし、『ジークアクス』への出演は意外だったようで、視聴者からは『古谷さんの声がしてびっくりした』『ガンダム作品で古谷さんの声を聞けたのは素直にうれしかった』と驚きや喜びの声が続出しました」(同)
声優・古谷徹は「声の衰えを感じさせない」――『ガンダム』制作側が「簡単に切り捨てられない」ワケ
なお、古谷は4月に開幕した大阪・関西万博の『GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION』で体験できる巨大宇宙ステーション「スタージャブロー」見学ツアー内に登場する“アムロAI”の声を担当しており、起用が発表された際ネット上では、賛成・反対の声が交錯していた。
こうした経緯をみても、『ガンダム』シリーズにとって古谷は非常に大きな存在であることがうかがえるだろう。制作会社関係者は以下のように話す。
「古谷は、長年にわたり声優業界を牽引してきた第一人者。所属する青二プロダクションは業界最大手ですが、中でも古谷は長く看板声優として活躍してきました。そうした立場もあり、業界内では一つの“柱”のような人物的として見られていることから、制作側が簡単に切り捨てられない存在であることは確かです」
現在71歳の古谷だが、「声の衰えを感じさせない」そう。「長年にわたって体調管理に努め、酒やタバコを控えるなど、プロとしての自覚を持ち続けてきたことが、声優としての安定した演技力に結びついていると考えられます。そしてそうした姿勢が、スタッフや共演者からの信頼にもつながっているのでしょう」とも分析する。
とはいえ、今回報じられた不倫および暴力をめぐるスキャンダルは、明らかに本人の過失であり、批判の声が上がるのも当然だろう。キャリアに大きな傷がついたことも否めないが、一方でネット上の一部ファンからは「ハニートラップ的な側面もあるのでは」と擁護する声も少なからず見受けられる。
「彼にしか演じられないアムロ・レイというキャラクターが象徴するように、『古谷徹』という声優は簡単に代替できるような存在ではありません。そのため、彼の処遇には慎重な判断が求められてきました。『名探偵コナン』や『ONE PIECE』から降板したことは、“禊”として業界内でも受け止められている部分もあります」
功績と過ちの両方を抱える今の古谷がこれからどう歩んでいくのか――今後の動向に注目だ。
(取材・文=サイゾーウーマン編集部)