中居正広ファンが「明らかな人権侵害」と憤怒――JR東日本グループ会社が会員サイトの記事内容を謝罪


フジテレビのアナウンサーだった女性との間に起きたトラブルがきっかけとなり、今年1月23日に芸能界を引退した元SMAP・中居正広。当人が表舞台から去って半年以上が過ぎる中、中居に関する記事を公開したJR東日本グループの人材サービス会社が、その内容をめぐり謝罪文を出す事態に発展した。
中居正広、芸能界引退も……フジ第三者委員会の「性暴力認定」に反論
中居をめぐる一連の騒動の発端は、昨年12月19日発売の「女性セブン」(小学館)や同26日発売の「週刊文春」(文藝春秋)の報道。第一報の「セブン」は「独占スクープ 中居正広 巨額解決金 乗り越えた女性深刻トラブル」(原文ママ、以下同)と題し、問題のトラブルにフジテレビの編成幹部・A氏が関与していることを伝えた。
さらに、「文春」では女性側の知人が「結局、密室で二人きりにさせられ、意に沿わない性的行為を受けた」と告発。この出来事をきっかけに女性は精神疾患を患って入院を余儀なくされたといい、のちに中居との間で示談交渉が進められた経緯などを詳報した。
「実際に何があったのかは不明のまま、中居は今年1月23日に芸能界を引退。その後、フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会は、3月31日に調査報告書を公表しました。その中で、同委員会は今回の事案について『業務の延長線上』における“性暴力”だったと認定。世界保健機構(WHO)が公表している『World Report on Violence and Health』(2002年)の『性暴力(Sexual Violence)』に関する定義などを用いて解説しています」(芸能ライター・阿部ベア氏)
報告書の発表から1カ月以上が経った5月12日、中居の代理人弁護士5名が「受任通知兼資料開示請求及び釈明要求のご連絡」と題する文書を報道各社に送付。当初、中居は守秘義務解除を提案していたが、第三者委員会から「2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではない」との回答があったことや、本人が6時間にわたり、誠実に同委員会のヒアリングに応じたものの、「本調査報告書には当該発言要旨がほとんど反映されていません」と指摘。報告書は「中立性・公平性」に欠けているなどと反論した。
以降も中居サイドは再三にわたって第三者委員会に意義を申し立てている状況で、7月5日には「貴委員会からは真摯な回答もないまま現在に至っております。このような結果については、強い憤りを禁じ得ません」と苛立ちをあらわに。ヒアリング内容の情報流出、委員の1人である五味祐子氏の利害関係などの疑問点をぶつけ、同14日にも同委員会に対して問題行為を指摘する文書を送ったことが明らかになっている。
「中居氏による卑劣な行為は明白」――JR東日本パーソネルサービスが会員向けサイトで記事配信
そんな中、中居ファンは、JR東日本グループの人材サービス会社「JR東日本パーソネルサービス(JEPS)」が会員向けの「Personnel Info Web」にて5月28日に公開した記事「人権情報NOW『中居・フジ問題』について考察してみましょう」に注目。
同記事は「JEPS総務部」(人権啓発担当)名義によるもので、読者や同社自体にとっても「他山の石」として学ぶ価値があると思い、紹介する流れになったと説明。
筆者は「第三者委員会による調査の結果、本件が中居氏による深刻な人権侵害(性暴力)と認定されたことに加え、フジの企業としての人権問題対応や危機管理の点で稀にみる『失敗事案』と認識しています」と一刀両断した。
そして、中居と女性との間のトラブルの詳細は「両者の示談契約に基づく守秘義務もあり、今なお明らかにされていません」としながらも、中居側が第三者委員会に反論した点に触れた上で、「第三者委員会により公表されたトラブルの前後に関する諸々の調査結果からも中居氏による卑劣な行為は明白であり、筆者としては断罪されて然るべきと考えます」と私見を述べた。
さらに「フジにとって、中居氏のように『視聴率=カネ(広告宣伝収入)』をコンスタントに獲得できる有力出演者はまさに上得意先とはいえ、そうした関係性が常日頃からの中居氏のわがままや増長を許した結果、今回の悪質な人権侵害行為につながってしまったように思います」などと、筆者独自の見解を示す記事となっていた。
7月下旬頃からSNS上の中居ファンの間でこの内容が広まると、「人権に関わる記事なのに断罪、人権侵害をしている」「明らかな人権侵害。中居さんの弁護団に知らせて、適切に対処してもらいたい」「人材サービス会社が中立、公平じゃない人権侵害をしている。メールで意見を送った」などと憤怒。JEPSはグループ会社であるため、中には「JR東日本自体に問い合わせたほうがいい」と、協力を呼びかけるポストもあった。
中居正広、FCサイトの“完全クローズ”迫る中……「FCの会費返金対応」開始へ
こうした抗議を重くみたのか、JEPSサイドは同25日に「このたび、弊社の『人権情報 NOW(2025年5月号)』において、一部行き過ぎた表現があったことをお詫び申し上げます」と短い謝罪文を掲載。
29日には同社が「人権情報NOW 2025年5月号の掲載内容についてのお詫び及びPersonnel Info Webの廃止について」のお知らせをHPにアップ。「『中居・フジ問題』について考察してみましょう」の記事に関して、「人権を取扱っている内容にも関わらず、事実の確認を十分に行うことなく、一方に偏った断定的な主張を行った公平性に欠ける不適切な内容及び表現があり、関係者の皆様および読者の皆様にご迷惑とご不快の念を与えることになりましたこと、深くお詫び申し上げます」と、陳謝した。
加えて、「弊社では本件を重く受け止め、『Personnel Info Web』を廃止するとともに、当社の編集体制の抜本的な見直しと再発防止策を講じてまいります」「改めまして、関係者の皆様および読者の皆様に深くお詫び申し上げます」と、問題となった会員サービスの廃止を発表。実際の記事や25日付の謝罪文はいずれも閲覧不可となった。
「今はまだ中居と代理人弁護士側が第三者委員会に不服を申し立てている段階です。今回の事態に決着がついていない中で、本件とは直接的に関係のないJEPSが『中居氏による卑劣な行為は明白であり、筆者としては断罪されて然るべき』『中居氏のわがままや増長を許した結果、今回の悪質な人権侵害行為につながってしまった』などと“糾弾”したことは、中居ファンにとって到底納得できるものではなかったのでしょう」(前出・同)
一方、その中居は、引退に伴って2月19日に公式ファンクラブ「中居ヅラ あの子たちに・・・、」を閉鎖。すでに預かっている会費は会員ごとに算出した後、郵送で返金すると案内し、サイトの完全クローズは中居の53歳の誕生日である8月18日の午後11時59分になると発表していた。
「7月25日には、会員サイト内に『追記』の文章が更新され、『会費の返金対応につきまして、現在、少しずつではございますが、一部の会員様から順次発送を開始しております』と報告。ネット上のファンの書き込みを見ると、確かに『返金対応事務局』から定額小為替証書が届いた、というポストが複数見受けられます。返金通知に加えて8月18日のサイト終了が迫り、多くのファンはあらためて寂しさを感じているようです」(前出・同)
果たして、一連の問題は年内に決着するのだろうか?
(取材・文=サイゾーウーマン編集部)