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今週の映画ランキング

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』2位スタートも賛否両論のワケ――映画興行収入ランキングトップ10

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写真ACより
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 最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、8月8~10日)で、アニメーション作品『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(7月18日公開、以下『無限城編 第一章』)がV4を達成した。

『「鬼滅の刃」無限城編』、興行220億円突破で歴代映画ランキング6位に

 8月12日発表の全国週末興行成績ランキングでも首位をキープした『無限城編 第一章』は、漫画家・吾峠呼世晴氏が「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載した『鬼滅の刃』の劇場版アニメ最新作。上映開始から4週目の週末3日間も観客動員130万9500人、興行収入19億1900万円をあげて堂々の1位となっている。

 祝日だった8月11日までを含む累計興収は220億円を突破したと伝えられ、先週10位だった国内上映の歴代映画ランキングでは『ハウルの動く城』(2004年公開/最終興収196億円)、『もののけ姫』(1997年公開/最終興収201.8億円)、『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年公開/最終興収203億円)、『ONE PIECE FILM RED』(22年公開/最終興収203.4億円)を追い抜いて6位に上昇した。

初登場2位『ジュラシック・ワールド/復活の大地』、「楽しめた」「物足りない」と賛否両論

 一方、今回の全国週末興行成績ランキングでは、2位にスティーヴン・スピルバーグ氏が製作総指揮を務める『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(以下『復活の大地』)、4位にアニメ作品『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』(以下『灼熱のカスカベダンサーズ』)、6位に菅野美穂と赤楚衛二のダブル主演作『近畿地方のある場所について』が初登場(いずれも8月8日公開)。

 スピルバーグ氏が生み出した『ジュラシック・パーク』(93年公開)から続く「ジュラシック」シリーズ通算7作目となった『復活の大地』は、前作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(22年公開)から5年後の世界が舞台。

 脚本は『ジュラシック・パーク』や『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(97年公開)のデヴィッド・コープ氏が28年ぶりに復帰し、シリーズ初の女性主人公となるゾーラ・ベネット役にはスカーレット・ヨハンソン(日本語吹き替え:松本若菜)が起用されている。

 全国384スクリーンで封切られ、初日から3日間の動員は71万5000人、興収は11億3300万円を記録。祝日を含む4日間の累計興収は15億3700万円をあげた。

 そんな同作について、映画ライターのヒナタカ氏は以下のように語る。

「全米でも5日間で興行収入約1億4700万ドル(約213億円)のロケットスタートでした。日本では、22年公開の前作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の公開3日間の興収(12億9500万円/最終63億2000万円)との比較では87%とやや下回っていますが、それでも今年公開の洋画作品では最速で10億円を突破しました。93年の1作目『ジュラシック・パーク』から続くブランド力、鉄板のファミリー向け娯楽大作として信頼は厚かったといえます」

 なお、鑑賞済みのネットユーザーからは「過去作未見でも楽しめる」「オマージュも多くてシリーズを見返したくなった」「シリーズを追ってるファンとしては物足りなくて残念」などと、賛否両論が寄せられている。

「恐竜との攻防はバラエティー豊かで観客を飽きさせませんし、1作目へのリスペクトは評価されている一方で、キャラクター描写がやや中途半端であることや、終盤に登場する恐竜の設定、大小さまざまなツッコミどころへの批判が多くあります。前作でシリーズが終了したと思われてからわずか3年での復活ということもあってか、『無理やり続けた続編』といった厳しい意見もあるのも事実。でも、ある種のマンネリズムも含めて楽しんでいる映画ファンもいますし、恐竜好きの子どもが映画も好きになるきっかけにもなり得るシリーズではあるので、今後も続いてほしいですね」(同)

初登場4位『映画クレヨンしんちゃん』新作、シリーズ最高興収26.9億円の前作の初動と同ペース

 続いて、ランキング4位は「映画クレヨンしんちゃん」シリーズ第32作目となった『灼熱のカスカベダンサーズ』で、主人公・野原しんのすけ(声優:小林由美子)らカスカベ防衛隊の子どもたちがダンス大会で優勝してインドに招待されるが、怪しげな雑貨店に立ち寄ったボーちゃん(声優:佐藤智恵)が「暴君(ボーくん)」となってしまい……というストーリー。

 全国372スクリーンで上映を開始し、週末3日間での動員は36万3000人、興収は4億5000万円、祝日を含む4日間の累計興収は6億3300万円をマークした。なお、昨年公開の『クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』は、シリーズ最高興収26.9億円をあげていたが、その初動は4日間で興収6億3600万円と、今作と同程度だっただけに、今後の伸びにも期待がかかる。

初登場6位『近畿地方のある場所について』は「好き嫌いが分かれる」?

 6位の『近畿地方のある場所について』は、ホラー作家・背筋氏の同題小説(KADOKAWA)を実写映画化。オカルトライターの瀬野千紘(菅野)と、行方不明になったオカルト雑誌編集者の同僚・小沢悠生(赤楚)が謎を追っていく中で“近畿地方のある場所”に導かれる……という内容で、監督は『貞子VS伽椰子』(16年公開)や『サユリ』(24年公開)を手がけた白石晃士氏だ。

「05年公開の『ノロイ』に近い、“VHSの荒い質感”やバラエティ番組『笑ってコラえて!』(日本テレビ系)を彷彿とさせるリアルな映像で構成された“フェイクドキュメンタリー”部分は『本当に怖い』と大評判ですが、一方でクライマックスの『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズを思わせる勢いのある展開は、激しく賛否両論を巻き起こしています。『原作小説を読んでいるか』『白石監督のクセを知っているか』で好き嫌いが分かれるという意見もありますが、『観客への派手なサービス』と取るか『今までとのトーンと違いすぎ』と感じるかも評価の分かれ目な気がしますね。そのひとクセある特徴も含めて、劇場で多くのお客さんと一緒に観てこそ楽しめる点も大きいでしょう」(前出・同)

 そんな同作は、祝日を含む4日間で31万8000人を動員し、累計興収は4億4000万円をマークしている。

「今年公開の邦画ホラーのヒット作と比較すると、3日間で2億4200万円を記録した『ドールハウス』(6月13日)や、3日間で2億7700万円の『事故物件ゾク 恐い間取り』(7月25日)を上回るスタートとなり、最終20億円も目指せる好成績です。最終50億7000万円と特大ヒットした『変な家』(24年)と同様、やはり若者の認知度が高いコンテンツが原作であることが何よりも強みで、かつお化け屋敷のようなアトラクション感覚で劇場にホラー映画を見に行く層にリーチしたのでしょう。8月29日には実況プレイ動画の人気も高いゲームを原作とした『8番出口』も公開されるので、ますます和ホラーが勢いづきそうですね」(同)

 そのほか、今週5位の『国宝』(6月6日公開)は、8月11日までに累計興収95.3億円をあげ、歴代映画ランキングでは『ジュラシック・ワールド』(15年公開)とタイ記録の55位に。100億円達成もすでに射程圏内に入っており、実現すれば実写邦画としては、03年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』以来22年ぶりの快挙となる。

全国映画動員ランキングトップ10(8月8~10日、興行通信社調べ)

1位:『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
2位:『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(初)
3位:『劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」』
4位:『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』(初)
5位:『国宝』
6位:『近畿地方のある場所について』(初)
7位:『星つなぎのエリオ』
8位:『事故物件ゾク 恐い間取り』
9位:『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』
10位:『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』

サイゾーウーマン編集部

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最終更新:2025/08/14 13:47