咲村良子プロレス挑戦記01「ヴィランの花道 ~咲き乱れ 散りゆくままに~」
咲村良子連載コラム第1回
「ヴィランの花道 ~咲き乱れ 散りゆくままに~」
咲村良子、プロレスはじめました。
フッ軽ハッピー女を極めて来るとこまで来たなと思います。
簡単に咲村良子の自己紹介を少し。
29歳グラドル11年目、アイドル9年目、社長1年目。
18歳でグラビアでデビューして、撮影会、雑誌撮影、アイドルライブ、バラエティ、ドラマ、ラジオ、モデル業、イベントのスタッフとかの裏方までなんでもやれることは“YES or 喜んで”のイエスマン主義でやってます。
去年は個人事務所を立ち上げて社長デビューも果たしました。
そんなフットワークは最軽量の女が、いま辿り着いたのがプロレスです!
まさかここに来てプロレス始めるなんて我ながらびっくり!
なんで始めたかって?おもろそうやから! 以上!
大層なことではなく、子どものころ見ていた女の戦いがかっこよくて憧れていた姿を今こそ実現させたい。ハリウッドならチャーリーズエンジェルやバットマンのキャットウーマン、それに私はちょうど初代プリキュア世代! 女が戦う時代の最前線なんですよ。
でも本当に理由なんかどっちでもよくて重く始めても軽く始めてもやることは同じ、練習!!!
毎日、痛い痛い。痛くないのか聞くやつアホすぎ。受け身、ロープワーク、ドロップキック、関節技、投げ技、全部見たまま痛いですよ。
それが不思議なことにどハマり中。プロレス超楽しい!
痛い中に正解を見つけられると嬉しい。痛いけど辛くない。ここだっていうぶつけどころ?当たりどころがあるんですよ。何回も繰り返して一個一個新しいことをやれるようになっていくのが今は楽しい。
始めてみてもう一つびっくり。プロレスって私にピッタリ過ぎる。
いつだって私は真正面からぶつかってきた。不器用でぶっきらぼうにぶつかることしかできなくてうまくいかないことだらけ。
でもプロレスは全部ぶつかっていいもんね。技は全部受けてやられても立ち上がればよし!
プロレスは私のためにあるんじゃないかって思える。楽しくリングの上を転がり、転がされる毎日で最高!
もちろんしんどいのよ。息上がるし、筋肉痛いし、ぶつけて青あざだらけ。受け身下手すぎて膝ぶつけまくってたら一ヶ月くらい水溜まって腫れてたし。
でもプロレスに限らず仕事は楽しいからって「楽(らく)」じゃないでしょ。なんなら楽しい程にしんどい、苦しい。でもそれが仕事のやり甲斐に繋がることはもう知ってる。
だからこのままハッピーにプロレス界を登り詰める。私のベルトがもう見えてる。赤よりもっと綺麗な色のベルト。小さなお花畑は私のプロレス人生のチュートリアルになる。私が耕して黄金の花園の時代をつくる。
プロレスで咲村良子は海を越えてやる! みとけ!
(文=咲村良子)
咲村良子マリーゴールド戦記I
2024年4月15日、日本の女子プロレス界に新たな団体が誕生した。それが「MARIGOLD(マリーゴールド)」である。
旗揚げを宣言したのは、現在の女子プロレス団体の盟主といえる「スターダム」の創業者であるロッシー小川氏。同年2月にスターダムから離れた彼が、「最後のチャレンジ」と仕掛けたのだ。
5月20日の旗揚げ戦は後楽園ホールで開催。マリーゴールド所属の選手のほか、元WWE所属で現在はフリーでリングを渡り歩くSareeeが参戦し、激しく華やかな全6試合で観客を熱狂させた。
咲村良子もまた、リングに熱い眼差しを向け、魂を震わせたひとりだった。
このときすでにマリーゴールドの練習生でもあった咲村は、セコンドとしてサポート役に徹しながらかつてないほど鋭い視線でリングを見つめていた。
それから咲村は、自ら身体を痛めつけるようにさらに練習に没頭。グラビアアイドルにとって最大の武器である身体つきを変形させながら、毎日のように限界を超えた。
二の腕が太く逞しくなり太ももがはち切れんばかりに膨れ上がり、持ち前の負けん気が沸騰しかけた11月、咲村はプロテストに合格した。
いままさに黄金のリングに上がるときを待つ咲村良子。この連載「ヴィランの花道 ~咲き乱れ 散りゆくままに~」では、ヒールも厭わない覚悟で女子プロレスに挑む彼女を全力で追っていく。