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中山美穂さんのデビュー作『毎度おさわがせします』が“伝説のドラマ”と言われる理由

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中山美穂さん(写真:Getty Imagesより)

 歌手で俳優の中山美穂さんが12月6日、東京・渋谷区の自宅マンションで亡くなった。54歳での突然の早すぎる別れに、多くのファンや関係者が深い悲しみに包まれている。

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 1985年放送の俳優デビュー作『毎度おさわがせします』(TBS系)で共演した俳優・木村一八は訃報を受けて、「中山美穂さんの突然のご逝去を知り、言葉にならないほどの悲しみに包まれています。慣れないドラマの撮影をみんなで励まし合いながら乗り越えた思い出が昨日のことのように思い出されます。どうか安らかにお休みください」と故人を悼んだ。

 また、同作には今年9月にNetflixで配信されて話題を呼んだ『極悪女王』のモデルであるダンプ松本も出演していた。ダンプは同作の撮影中、休憩時間になると中山さんが自身の控え室に来て「かくれんぼしよう」と言われて、自分のことを「全然怖くないよ」と慕ってくれた思い出を明かしてその人柄を偲んだ。

 アイドル、歌手、俳優として一時代を築いた中山さんだが、同作は今では伝説のドラマとして語り継がれている。テレビ誌ライターは振り返る。

「物語はニュータウンを舞台に、思春期の中高生たちとその家族が繰り広げるドタバタ劇。80年代のゴールデンタイムでは『性』に関するテーマはほとんど取り上げられませんでしたが、そのタブーに挑み、思春期特有の悩みや葛藤をコミカルかつ大胆に描きました。中山さん演じるヒロイン・森のどかは一人称が『オレ』で男言葉を使い、学校では問題児。トラブルメーカーで破天荒な性格ではあるが、木村演じる徹に好意を持っているという役どころでした。作中では、中山さんが身体を張ったシーンも。まだ放送倫理がおおらかだった時代だったとはいえ、その演出は賛否両論を呼びました。再放送時にはかなりカットされていましたからね」

 同作は、人気バンドC-C-Bによる主題歌「Romanticが止まらない」のヒットと相まって大きな反響を呼び、中山さんも一躍トップアイドルの仲間入り。同年放送の『夏・体験物語』(TBS系)でも主演を務め、主題歌「C」で歌手デビューも果たした。

 その後、中山さんは女優としてさまざまな映画やドラマに出演する一方、歌手としても多数のヒット曲を世に放つが、芸能ジャーナリストの平田昇二氏はこう語る。

「中山さんはミリオンセールスを記録した『ただ泣きたくなるの』をはじめ、『遠い街のどこかで…』や『You’re My Only Shinin’ Star』、『人魚姫』など数々のヒット曲を世に放ち、88年から7年連続で『NHK紅白歌合戦』にも出場。俳優としては89年放送のフジテレビ系“月9”ドラマ『君の瞳に恋してる!』、90年放送のドラマ『すてきな片想い』(同)、98年に放送されて木村拓哉さんとのW主演で高視聴率を記録したドラマ『眠れる森』(同)、85年公開の映画初出演作『ビー・バップ・ハイスクール』や91年公開の『波の数だけ抱きしめて』、95年公開の『Love Letter』、97年公開の『東京日和』、10年公開の『サヨナライツカ』などに出演しています。アイドル、歌手、俳優として携わった数々の作品をヒットに導いた功績の大きさもさることながら、1980年代からここまで長期間にわたり浮き沈みの激しい芸能界の最前線で活躍し続けたという点においても稀有な存在と言えるでしょう」

 その訃報を受けてWANDSとの「世界中の誰よりきっと」や「ツイてるねノッてるね」などのヒット曲がストリーミングランキングで急上昇しているが、中山さんのデビュー当時を知る中高年世代にとって『毎度おさわがせします』は、名曲の数々と同じように青春時代を彩った忘れられない作品となっていることだろう。

(取材・文=編集部)

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サイゾーオンライン編集部 

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最終更新:2025/01/17 10:34