元AKB48田野優花とかれしちゃん、映画『ぼくらのふしだら』公開記念インタビュー
美女ふたりが妖しく絡み合うファンタジー系ホラー映画『ぼくらのふしだら』が、1月3日(金)より劇場公開された。
さまざまな映画や舞台で活躍する元AKB48の田野優花と、フェチ系コスプレイヤーとして人気急上昇中のかれしちゃんが初共演。
エロティックな描写だけでなく、若い世代が感じる生きづらさ、親ガチャなどの社会問題も内包し、美菜実が次第に追い詰められていく様子を田野が繊細に演じている。かれしちゃん扮するササヤキは、ジェンダーレスな魅力的なキャラクターとなっている。
新感覚のエロティックホラーで初共演を果たした2人に撮影現場での裏話をはじめ、大きな代償を伴っても欲しい能力や2025年の豊富を語ってもらった。
田野優花とかれしちゃん、Wインタビュー
『ぼくらのふしだら』は大見武士の同名コミックを原作に、ホラー映画『青鬼』(2014年)をヒットさせた小林大介監督が完全実写化した衝撃作だ。
田野 脚本を読ませてもらい、それから原作コミックも読みました。これは覚悟がいる作品だなと思いましたね。中途半端な気持ちではできないし、やるからには小林監督の演出にしっかり応える自分でいようと決めました。
かれしちゃん ぼくは原作が先でした。オファーをいただく前に、ごく普通に読んでいたんです。脚本を読ませていただき、原作への愛がしっかり込められた作品だなと感じました。
一見すると優等生だが、多くのコンプレックスを抱える女子高生の美菜実(田野優花)。種族や性別が謎で魅力的なキャラクターのササヤキ(かれしちゃん)。演じる上で苦労はあったのだろうか?
かれしちゃん 映画は初めての出演です。演じたササヤキは人間ではないので、普段から人間らしさを感じさせないよう、抑揚のないしゃべり方をするようにしました。『DEATH NOTE』などのコミックやアニメを見返したり、マネージャーの意見も聞きながら、役づくりしました。
田野 私が演じた美菜実は人間味のある、率直な女の子なんですが、私自身は感情を表に出さないかな。私とは違うキャラクターだったから、演じやすかった部分はあったかもしれません。でも、人間は誰しも、表の顔とは異なる裏の顔も持っているんじゃないでしょうか(笑)。
かれしちゃん「初めてのキスシーンでした」
人間の表の顔と真逆な裏の顔を描き分ける本作のクランクイン前、小林監督はナタリー・ポートマン主演のサイコサスペンス『ブラック・スワン』(2010年)を観るよう、2人に勧めたそうだ。
かれしちゃん 初めて『ブラック・スワン』を観ました。人間のドス黒い内面を覗くのが、ササヤキは好きなんだなと思いました。役づくりのヒントになりましたね。
田野 私も『ブラック・スワン』観ました。人間の嫌な面を描きながらも、映像としては美しい作品なので、そういう部分は意識しました。恐れ多いのですが、ナタリー・ポートマンの演技を参考にさせていただきました(笑)。
映画の序盤から、美菜実とササヤキがキスを交わし、そのままベッドで戯れるシーンが用意されている。どんな気持ちで演じたのだろうか?
かれしちゃん 撮影の前に、男性の助監督さん2人が絡んで演じてくれたんです。助監督さんたちの動きを確認してから、撮影に入りました。ササヤキはぐいぐい攻めるタイプだったんですが、気持ちが焦ってしまいがちでした。「もっとねっとり、もっとしっとり演じて」と小林監督からは言われました。初めてのキスシーンも難しかったです。
田野 えっ、私が初キスシーンの相手だったの? ごめん(笑)。トラウマにならなければいいけど。
かれしちゃん いえ、初めての相手が田野さんでよかったです。撮影の2日目にキスシーンやベッドシーンがあって大変でしたが、撮影序盤にいちばんの山場をクリアできてよかった。これを乗り切れば、あとの山場も乗り切れると思えましたから。
田野 男性とのキスシーンは、また違う体験になると思うよ(笑)。最近、ネット向けのショートドラマ『愛の掛け惨』でもベッドシーンに挑戦したんですが、今回はもっと生々しかった。相手との距離感やタイミングもあるし、芝居として成立させないといけないから簡単じゃないですね。
田野優花の叶えたい夢とは?
過激な演技に果敢に挑んでみせた2人だが、大きな代償を伴っても欲しい能力はなんだろう?
田野 欲しいものを求めるよりも先に、「自分にはやらなきゃいけないことがある」と考えてしまうタイプなんです。あまり強い欲望はないのかも。でも、叶えたい夢はあります。ミュージカルの『RENT』に出演すること。ジャンキーのミミを演じたいんです。
かれしちゃん ぼくは他人の記憶をコピーする能力が欲しい。ゲームがうまい人の記憶をコピーできれば、どんなゲームもクリアできちゃう。人気漫画家の頭の中も覗いてみたい。他の人が頭の中で何を考えているのか、すごく興味があるんです。
映画の現場は朝が早い。かれしちゃんは大好きなゲームを撮影期間中は封印し、睡眠時間をちゃんと確保した上で早朝からの撮影に臨んだという。そんなかれしちゃんには、意外な趣味があるようだ。
かれしちゃん 基本的に自宅にいるのが好きなんです。ゲームや漫画だけでなく動画も見たりします。グラビアの仕事では見てる人の心に刺さるようなポーズが求められるので、漫画や動画を見て研究しています。
『ぼくらのふしだら』は正月映画ということで、新年の抱負を最後に語ってもらおう。
田野 27歳になりましたが、自分でゴールは決めずに、いろんな作品に挑戦していきたいです。そのひとつが本作です。まだまだ制服もの、やれます(笑)。ぜひ、映画館に足を運んでください。
かれしちゃん ぼくもチャレンジできる場所を、もっと増やしていきたいです。自分の好きな趣味とお仕事がつながっていけばいいなと思っています。
映画『ぼくらのふしだら』
原作/大見武士 監督/小林大介 出演/田野優花、かれしちゃん、植村颯太ほか
配給/フルモテルモ PG12 2025年1月3日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開
(C)大見武士・少年画報社/映画『ぼくらのふしだら』製作委員会
●田野優花(たの・ゆうか)
東京都出身。金子修介監督の映画『リンキング・ラブ』(17年)に初主演。2018年にAKB48を卒業後も、新感覚時代劇『近江商人、走る!』(22年)やミュージカル『ROCK MUSICAL BLEACH』、鈴木おさむ原作のショートドラマ『愛の掛け惨』など多彩な作品に出演。
●かれしちゃん
愛知県出身。可愛すぎるフェチ系人気コスプレイヤーとして、SNS総フォロワー数は45万人を超える。多くのグラビアに登場し、「かれしちゃんカレンダー2025」が現在発売中。