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『光る君へ』武士の世を予感させるラストであの“低視聴率大河”がにわかに注目

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吉高由里子(写真:サイゾー)

 俳優・吉高由里子が主演を務めたNHK大河ドラマ『光る君へ』が12月15日に最終回を迎え、インターネット上では早くも“ロス”になっている人が続出している。

 同ドラマは吉高演じる(まひろ/紫式部)を主人公に、平安時代の雅な貴族文化とスリリングな朝廷内の権力闘争、そして俳優・柄本佑扮する藤原道長との切ないラブストーリーを描いた作品だ。

 映画ライターはこう語る。

「放送期間の平均視聴率は歴代ワースト2位の10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)にとどまりましたが、配信では歴代最高視聴数を記録するなど大きな反響を呼びました。“女性による女性のための大河”で新たなファン層獲得を目指した制作サイドの狙いが見事に成功した印象です。2025年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』も江戸時代が舞台で合戦はなく、イケメン俳優の横浜流星が主演ですから良い形でバトンが繋がったのではないでしょうか」

 最終回のラストでは、伊藤健太郎が演じたオリジナルキャラの武者・双寿丸が登場。

 すれ違ったまひろが「道長さま、嵐がくるわ」とつぶやいて幕を閉じた。

にわかに注目を集める『平清盛』

 平安末期の武士の台頭を予感させる演出に感銘を受けた人も多かったようで、ネット上では視聴者による「迫りくる武士の力が描写されていてめちゃくちゃ良かった。このまま平清盛に突入すれば最高」や「今めっちゃ平清盛が見たい」などといったコメントが多数書き込まれている。

「道長の死後、息子の頼通は50年近くの長い間、政治の実権を握ります。頼通も父にならい娘を天皇に嫁がせますが、男子が誕生しませんでした。そして、藤原氏を外戚にしない後三条天皇が即位したことで藤原家の栄華は終焉を迎え、大河ドラマ『平清盛』の時代へと繋がっていきます。そういえば『平清盛』はやたらと風吹き荒れる埃っぽい映像でしたが、“嵐がくる”のセリフがそこまで意識していたとしたらある意味でスゴいですね(笑)」(同映画ライター)

『光る君へ』のラストの印象的な演出により、ここに来て2012年に放送された松山ケンイチ主演の大河ドラマ『平清盛』が、にわかに注目を集めている格好だ。

 芸能ジャーナリストの平田昇二氏は振り返る。

「『平清盛』は放送前からかなり注目を集めましたが、全話の世帯平均視聴率は12.0%と当時のワースト視聴率を更新するなど“数字”面では苦戦を強いられました。『画面が汚くて見にくい』や『登場人物が多すぎてストーリーを把握しにくい』などといった厳しい意見もあった一方、登場人物の心情描写の細かさや主人公の清盛の“闇落ち”や男色まで描いた攻めた演出、当時は斬新だったツイッター(現X)を活用した企画などは大河マニアからは高い評価を受けました」

 平安末期から鎌倉時代への歴史的流れをより深く理解するために、これまで放送された大河ドラマを時系列で観るのも面白いかもしれない。

「より正確に『光る君へ』以降を追うのであれば、『炎立つ』(93年)→『平清盛』→『鎌倉殿の13人』(22年)の順で観るのがオススメですね」(前出の映画ライター)

『光る君へ』の最終回が残した壮大な余韻により、過去の大河作品を楽しむブームが今後到来するかもしれない。

(サイゾーオンライン編集部)

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最終更新:2024/12/24 14:41