『輝く!日本レコード大賞』あの大物アーティスト出演で『紅白』登場も
12月30日にTBS系で放送される『第66回輝く!日本レコード大賞』の出演アーティストが今月19日に発表された。
レコ大といえば、昨年は午後5時半からの1部が平均世帯視聴率6.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)、午後7時からの2部が9.6%と史上初の1ケタおよびワースト視聴率を更新するなど、近年は視聴率が低迷して番組打ち切りも取り沙汰されている。
スポーツ紙の芸能担当記者はこう明かす。
「レコードやCDが主流で音楽業界に大きなお金が動いていた昭和や平成の頃には各レコード会社による票獲り合戦も熾烈を極めて、“音楽業界最大の賞レース”と呼ばれるだけのことはあり、審査員を務める一般紙やスポーツ紙、夕刊スポーツ紙の音楽担当記者への飲食店や銀座、六本木、赤坂の高級クラブなどでの接待、年数回の付け届けもそれは豪勢なものでしたよ。ただ、音楽業界が不景気の近年は多くのレコード会社が経営に苦しんでおり、もはやそうした接待ができる余力もなく、“レコ大に付き合っている余裕ははない”というのが本音のところ。審査員への派手な接待もほとんど行われなくなり、数年前にはついに審査員への謝礼の額まで半分近く下がりましたからね」
番組視聴率だけでなく、現場の士気もだいぶ下がっているようだが、昨年のワースト視聴率更新に危機感を抱いたのか、今年は「優秀作品賞」や「最優秀歌唱賞」、「新人賞」といった“メインどころ”以外のところで大物アーティストの出場が追加発表されて話題となっている。
芸能ライターの橘武志氏は語る。
「『特別賞』の受賞者としてGLAYと浜崎あゆみさんの出演が決定。他にも、『特別国際音楽賞』の受賞者として新しい学校のリーダーズとK-POPガールグループ・LE SSERAFIM、『企画賞』の受賞者としてB’zの松本孝弘さんの追加出演も発表されました。GLAYは今年デビュー30周年、浜崎さんは16年ぶりに行ったアジアツアーが盛り上がりを見せたことが評価されての『特別賞』受賞ということはまだ理解できますが、他のアーティストに関しては何とも唐突な印象です。明らかに視聴率アップを狙っての表彰でしょう」
確かにGLAYや浜崎が出演するとなれば、普段レコ大を見ない40代や50代の視聴者が番組に関心を持つ可能性もあり、他方、新しい学校のリーダーズやLE SSERAFIMはZ世代を中心に若い世代から支持があり、そうした視聴者層の興味を惹くこともできそうだ。
もっとも、音楽業界内で最も耳目を集めているのが松本のレコ大初出演という。
松本は同番組で今年8月にリリースした邦楽カバーアルバム『THE HIT PARADE II』の中からLiSAと「六本木心中」を披露するようだが、レコード会社の社員は語る。
「松本さんのレコ大出演の一報には正直驚きました。レコ大といえば“芸能界のドン”として知られる人物が大きな影響力を持っていることは有名ですが、そもそも松本さんの所属レコード会社とは“かなり距離がある”ことで知られていましたからね。実際、B’zはレコ大に出たことがありませんからね」
さらに、今回松本がレコ大に出演することが明らかになったことで、別の番組の動向にも多くの目が向けられているという。
「『NHK紅白歌合戦』です。今年は放送中の朝ドラ『おむすび』の主題歌を担当していることからB’zの出演が一部で取り沙汰されています。NHKサイドが以前からB’zにラブコールを送っているのは間違いありませんが、その一方で業界内ではB’zの2人が毎年、年末年始は米国でオフを過ごすのがお決まりのパターンとなっていることや35周年のアニバーサリーイヤーだった去年も結局出場しなかったこともあり、『今年も紅白出場はないだろう』という見方が大半でした。ところが、松本さんが年末も日本にいてレコ大に出演するとなれば話は変わってきますからね。さすがにLiSAさんとのステージを海外から中継ということはなさそうですし……」(同レコード会社社員)
一部ではB’z紅白初出演の報道もあったが……松本のレコ大での初パフォーマンス、そして大みそかの動向にも注目があつまりそうである。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)