2024年、松本人志のいなかったお笑い界を振り返ろう!【新越谷ノリヲトーク】
今年あったお笑い界隈の話題をピックアップ! ライター・新越谷ノリヲと担当編集Sが勝手にしゃべります。お聞き流しのほどを~。
松本人志のいないお笑い界
編集S さて、今年は有史以来初めて、松本人志のいないお笑い界ということになりましたが。
新越谷 有史以来ってことはないけど、私たちのリアルタイムでは確かに初めてですね。松ちゃんがいない。
編集S 年末にはYahoo!ニュースに単独インタビュー記事が出て話題を呼んでましたけど、見ました?
新越谷 見たけど……。
編集S どうでしょう? 来年はオリジナルでチャンネル作って活動するとか。
新越谷 見ると思いますけど、正直あんまりもう出役としてのお笑いには期待してない感じです。『MHK』もそんなだったしなぁ。
編集S 『松本人志のコントMHK』いつの話ですか。
新越谷 2010年とか11年とか。あの感じだったら、もういいかなと思う。インタビューで「ギャラが入ってないのが傷つく」とか言ってんのも、ちょっと何なんだよって感じだし。
編集S 嫌いになっちゃった?
新越谷 そういう話でもないし、松ちゃんも私も年を取ったという、それだけのことです。
編集S なんだかしんみりしてしまいましたね。それはそうと張り切って振り返りましょう。
新越谷 わかりました、張り切ります。
MVPを決めるなら
編集S お笑い的にMVPを決めるなら、ねえ。
新越谷 粗品ですかね。
編集S あら、令和ロマンでなく?
新越谷 『27時間テレビ』で世間の評価をひっくり返したのは、やっぱりすごかったと思うんです。あれだけの大番組で、ひとりで無双してしまった。あんなことをできるのは粗品しかいないと思うんですよね。見せつけたというか、野田クリスタル的にいうなら「わからせた」と。
編集S 確かに、今年前半はずっとネットニュースを騒がせてネガティブな評判も多かったですが、逆転した感じはありましたよね。
新越谷 宮迫さんにかみついてたのも『27時間』に引っ張り出すためだったと言ってたし、終わってみれば全部『27時間』に向けてのフリだったようにも見える。それだけ、今年の粗品は『27時間』に賭けてた。で、結果も出した。『27時間』本番も、年上が見たらヒールだし、若い人が見たらヒーローだったと思うんですよ。なかなか、そういうキャラクターまでたどり着ける人はいないですよね。
編集S 『27時間』の後も打ち上げにも参加せずYouTubeに。
新越谷 異常ですよね。反省動画だけかと思ったらユビッジャ・ポポポーと謎の対決してたりとか。
編集S そのYouTubeも、今年は話題になった動画が多かったですね、粗品。
新越谷 新年から競馬で2,400万ブチ当てたと思ったら、すぐ寄付しちゃったり。そもそも「しもふりチューブ」で週7、「粗品Official」で週7、「ロケ」で週3って、物量からして半端じゃないですし。
編集S 印象的だった動画ってあります?
新越谷 韓国カジノかなー。みんなやってる企画だけど、段違いに濃密だった。「持ってる」を感じさせましたね。2時間ワンシチュエーション、『カイジ』の映画みたいだった。あと、いちばんは「泣声夜」ですかね。あのPV、あまりの良さに泣いちゃったもん。解説とメイキングも含めて、めちゃくちゃいいコンテンツだった。再生数はそんなに回ってないようですが。
編集S 今年は体壊してた時期もあったみたいですし、気を付けてほしいですね。
新越谷 ホントにね、ほどほどにやってほしい。
でも令和ロマンも
編集S 令和ロマンもMVPクラスですよね。『M-1』連覇って。
新越谷 ちょっと更新してしまった感じがありますよね。
編集S 連覇って初ですからね。
新越谷 それもそうなんだけど、権威として『M-1』がもうテレビを超えて最上位の概念みたいなところがあったじゃないですか。それがひとりの若者に完全に攻略されてしまったという印象がある。単なるゲームと化した、というか。
編集S ああ、なるほど。
新越谷 例えば歴代王者を揃えてグランドチャンピオン大会をやったら、審査方法にもよるけど令和ロマンが大本命ってわけじゃないと思うんですよ。逆に、そういうコンビが攻略してしまったことで「剥がされた」感じはありますよね。来年以降、ちょっと位置づけが変わってくる気がする。
編集S それはよくないことなんですかね?
新越谷 いいことだと思いますよ。『M-1』至上主義って、やっぱりプラマイとか和牛のキャリアに影を落としたことは間違いないと思うし、評価軸は多彩なほうがいい。その意味で、令和ロマンが今回壊したものは大きいし、いい影響を与えると思います。あと、ABCと「ゴールデンコンビ」勝ってるのもエグいよね。
テレビはやっぱり『水ダウ』
編集S バラエティでは『水ダウ』ですかね。
新越谷 それこそ松ちゃんがいなくなって影響が出るかと思ったけど、パワーアップした感すらありますよね。
編集S 印象に残ってるのは?
新越谷 直近では「名探偵津田」ですけど、いちばん笑ったのは津田が赤いジャージでイスから跳ねて怒ってたやつ。なんだっけ。
編集S 2月の「白状ドッキリ」ですね。ヘンダーソンの中村フーをイスごと落とし穴に落としたい津田がスイッチを押すけど、中村が落とし穴のあるイスに座ってくれなくてブチ切れるという。
新越谷 あの津田のマンガみたいな怒り方、笑いすぎて死ぬかと思いました。あとは以前物議をかもしたインタレスティングたけしの出演問題に落とし前をつけた回もよかったし、しんいちのハニートラップもよく覚えてます。最後のデンキナマズのくだりのシュールさ、痺れました。
編集S デンキナマズだけに痺れた。
新越谷 うるさ。
編集S 『水ダウ』ドッキリではジャンボというニュースターも誕生しました。
新越谷 タクシーで着ぐるみに追いかけられたり、人食い村に潜入させられたり、結果「死ぬ」というドッキリですからね。陽キャで屈強なジャンボだからこそ耐容してる。
編集S 『水ダウ』以外ではどうですかね。
新越谷 『ランジャタイのがんばれ地上波!』最終回の「終王ノブ」でしょう。やりきった国崎もすごいし、やらせてあげたスタッフもすごい。
編集S 国崎の完全プロデュースだったそうですね。脚本演出、編集まで立ち会ったって。
新越谷 伊藤の離脱もあんまり影響ないようですし、来年も国崎は注目したいです。食レポしないという鉄の掟を破って「堤下食堂」だけはバクバク食ってたのもおもしろかった。
編集S ほかには?
新越谷 濱田祐太郎の『ブラリモウドク』もよかったなー。盲目の芸人が街ブラしたらこうなるという実験番組。最初は視覚障碍者の日常を垣間見るみたいな啓蒙的な雰囲気もありましたが、バッテリィズのエースがゲストに来たときは、射的させたりクライミングさせたり、濱田が「目が見えない」ことそのものをイジリ倒すという、見たことのない番組になってた。
編集S また見たいですね。
オードリーと平子の飛躍
編集S 今年飛躍したと言えば、平子ですかね。
新越谷 番組出演本数ランキング4位だって。春日より平子が上にくる世界線。感慨深いとしか言いようがない。
編集S 『ANN』時代からは考えられないですよね。今思い出しても、あの打ち切りはなんだったのか。
新越谷 なんか、正しくおじさんになったという感じがするんですよね。有吉との関係性があるから天狗になりようもないし、売れたからといってリスナーが置いてけぼりになっている感じもしない。いい歳の取り方をしてると思います。あとやっぱ、顔がいいですよねえ。
編集S オードリーは東京ドーム大成功で、またひとつ格を上げた感じがします。
新越谷 配信含めて16万人ですからね。若ちゃんは『M-1』審査員も引き受けたし、オードリーも大人になっていってるなぁと感じます。
編集S 次にこのへんに上がってくるのって、誰あたりなんでしょうね。
新越谷 オードリーと平子って、なんだかんだ言って清潔感があるじゃないですか。
編集S ありますね。
新越谷 時代は繰り返すというか、振り子の理論というか、次は逆のイメージの芸人が来ると思うんですよね。
編集S 清潔感の逆。
新越谷 井口と森田。
編集S ああ……。
ベストコンテンツを決めよう
編集S それでは最後に、今年のベストコンテンツをジャンル別に決めてきましょう。
新越谷 いいですね。
編集S まずはネタから。賞レースでもネタ番組でもいいですけど。
新越谷 シンプルにいちばん笑ったのは『KOC』のニッ社の野球部かなー。あと、これがアリなら『ゴールデンコンビ』決勝のくるまと野田。木村カエラと中村倫也のやつ。
編集S ではバラエティ番組では?
新越谷 『テレビ千鳥』の大悟の算数と『ラヴィット!』の通訳さん。あと、さっきも出たけど「終王ノブ」。
編集S YouTube。
新越谷 「高野さんを怒らせたい」の水平思考クイズ。
編集S ほかに何か言いたいことは?
新越谷 『極悪女王』のゆりやんすごかった!
編集S では、今年もおつかれさまでした。
新越谷 よいお年を~。
(文=新越谷ノリヲ)