『R-1グランプリ2025』準々決勝に122名、注目は元王者・田津原理音と50歳のふかわりょう
今年も激しい予選が繰り広げられているピン芸人日本一決定戦『R-1グランプリ2025』(フジテレビ系)。7日には3回戦の追加合格6名が発表され、準々決勝に進出する122名が出そろった。
今年は史上最多の5,511人がエントリーし、新たに3回戦が追加された同大会。予選時期が『M-1グランプリ2024』(テレビ朝日系)と重なるためダブルエントリーを控えた芸人も少なくなかったが、準々決勝には豪華な名前が並ぶことになった。
注目は元王者とレジェンド芸人
今年の注目株は、なんといっても2023年『R-1』王者の田津原理音。優勝後にマネジメントトラブルもあって特需の恩恵を受けることはできなかったが、捲土重来で2度目の王座を狙う。
過去に『R-1』で2度の優勝を果たしているのは07年・08年を連覇しているなだぎ武のみ。田津原が優勝した23年は「芸歴10年以内」の制限下の大会であり、田津原にとっては真価を問われる戦いになりそうだ。
もうひとり、忘れてはいけないのがピン芸人界のレジェンド・ふかわりょうの存在だろう。
芸歴30年、デビューから瞬く間にテレビスターの座をつかみ、「一言ネタ」というジャンルを切り拓いたふかわは今回の出場について「誰に言われるでもなく、自然と挑戦したくなりました。ひとりだからこそ表現できることを信じて、今、私が面白いと思うネタで戦います。チャレンジできる場所に感謝します」と語っている。『R-1』が始まった02年にはすでに『笑っていいとも!』(フジテレビ系)をはじめ数々のテレビバラエティでレギュラーを経験していたベテランだけに、若手に混じってどこまで爪あとを残すことができるだろうか。
虎視眈々のファイナリスト経験組
昨年のファイナリストからは、どくさいスイッチ企画、真輝志、吉住、ルシファー吉岡、サツマカワRPG、寺田寛明、kento fukaya、トンツカタンお抹茶の8名が準々決勝に進出。つまり、優勝した街裏ぴんく以外のファイナリスト全員がここまでコマを進めたことになる。
ルシファー吉岡は過去6度のファイナルを経験しており、今回7度目となれば『R-1』史上最多記録を達成。寺田寛明は昨年まで4年連続でファイナルに進出しており、今年5年連続となれば、これも友近らと並に史上最多記録となる。
また、過去に準優勝を経験しているZAZY、レイザーラモンRG、大谷健太、トニーフランク(元・馬と魚)らが順当に勝ち上がっているほか、ルシファーと並んで過去6回ファイナル出場を果たしているヒューマン中村とマツモトクラブも顔をそろえており、準々決勝は大激戦となりそうだ。
「コンビの片割れ」は躍進するか
普段はコンビ活動をしている片割れがファイナルに進むことは珍しくない『R-1』だが、過去にコンビの両方が決勝に残ったのは2018年の霜降り明星のみ。粗品、せいやともファーストステージで敗退しているが、同年末の『M-1』で最年少優勝を勝ち取っている。
今年、コンビ同時ファイナルの可能性を残しているのは、昨年の『M-1』ファイナリストであるママタルトと、『キングオブコント』(TBS系)で2度のファイナル進出を果たしているかが屋、それに『THE SECOND』(フジテレビ系)グランプリファイナルに出場したななまがりの3組だ。コンビ同時ファイナルとなれば、本来の彼らの主戦場である『M-1』『KOC』『THE SECOND』に向けて弾みをつけることになるだろう。
また『M-1』とのダブルタイトルを目指すのがウエストランド井口とトレンディエンジェルたかしの2人。『M-1』『R-1』の2冠は過去に霜降り明星・粗品とマヂカルラブリー・野田クリスタルの2人のみ。井口、たかしが2人のカリスマに肩を並べることができるか。
そのほか『R-1』予選と並行して昨年の『M-1』で準決勝まで進んでいる家族チャーハン大石、トンデコルテ渡辺、中野なかるてぃん(ナイチンゲールダンス)にも注目したい。
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ほかにも、昨年2月にプラス・マイナスを解散した兼光タカシや『UNDER5 AWARD 2024』で各界に衝撃を与えた清川雄司、『M-1』で披露した見せ算の記憶も新しいさや香・新山などバラエティに富んだメンバーが揃った『R-1』の準々決勝。15日に大阪・朝日生命ホール、16・17日に東京・ルミネtheよしもとで決戦の火ぶたが切られることになる。
(文=新越谷ノリヲ)