日曜劇場『御上先生』が好発進 松坂桃李のミステリアスな演技に絶賛の嵐、俳優界での天下獲りも間近?
松坂桃李が主演を務めるTBS系日曜劇場『御上先生』が1月19日にスタートし、初回の平均世帯視聴率は12.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。同じく松坂が出演した日曜劇場『VIVANT』の11.5%を超える好発進となった。
今回日曜劇場初主演となった松坂が演じるのは、左遷人事として私立高校に派遣されたエリート文科省官僚の御上孝。3年2組の担任教師となった御上が、腐った日本の教育制度をぶっ壊すというストーリーだ。
冷静沈着ながらも、初めて教壇に立った時には、将来有望な生徒たちに“本当のエリート”とは――とマウントを取るなど、何やら一筋縄では行かなそうな御上。純粋そうな若かりし時代の回想シーンもあれば、文科省の同期・槙野(岡田将生)への激しい敵意を剥き出しにする場面もあり、さまざまな顔を持った人物だ。
SNS上ではそんな御上を演じる松坂について、〈淡々とした演技の中に何か情とか熱い物がある〉、〈ミステリアスな部分が良く出ていて、これから事が大きくなっていく感じがワクワクする〉、〈論理派なのに屁理屈っぽくなくて人の温かみも感じられる演技〉など、絶賛が続出している。
松坂は、現場でのプロ意識の高さも評価されている。松坂の主演作品の撮影現場に密着したことがある週刊誌記者はこう話す。
「誰に対しても物腰柔らかで、真面目という印象でした。演技プランについて監督に相談する場面も多く、細かいディテールにまでこだわって撮影に臨んでいました。
私が取材をしたのは冬の寒い時期で、野外でたくさんのエキストラと一緒に撮影する日でした。いろんな準備に時間がかかっている時、松坂さんは30分以上寒空の下で自分の立ち位置から動かずにカメラが回るのをずっと待ちながら、エキストラの方たちとも談笑して場を和ませてもいたのが印象的です。寒い中で待つことが冬のシーンのリアリティーにつながるということだったのかもしれませんが、細やかな気遣いがあることをうかがわせました。そういった部分が制作サイドから信頼を得ている理由の一つでもあるかな、と思ったのを覚えています」
コラムニストでドラマ評も行う吉田潮さんは、『御上先生』での松坂の演技について、「感情を押し殺したなかでの“鋭さ”が魅力」だと評する。
「松坂さんは最近悪徳刑事、中身が空っぽの元アナウンサーなど、さまざまな役で演技の幅を広げていて、今回は真逆の賢いエリートという役どころ。しかも、選ばれし者たちを選ばれし者が育てる学園モノということで、その賢さを表現するには、表情の豊かさよりも、物言いの鋭さで説得力を持たせられるかどうかがカギになってきます。
いわゆる学園モノの教師というと、熱血、剛腕など、何かエネルギーをもっているパターンが多くて、そうしたキャラクターを赤い炎だとするなら、今回の『御上先生』はエリートである自分自身がエリートの心根に疑問をもっている“青い炎”。陰がある整った顔立ちで、威圧感を与えない松坂さんにははまり役と言えるのでは」
2020年には『新聞記者』(19年)で第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞し、近年は『流浪の月』(22年)、『ラーゲリより愛を込めて』(堂)など数々の話題作に出演。1月24日公開の映画『雪の花 —ともに在りて—』でも主演を務めるなど、すでに輝かしい実績を多数残している松坂桃李だが、今回の『御上先生』もまた、松坂を高みに押し上げる人気作品となりそうだ。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)