フジテレビ会見、テレビ局関係者もフリー記者の質の悪さに憤り「取材の基本すらできていない」
中居正広氏をめぐる一連の問題に関するフジテレビの「やり直し会見」は、27日午後4時に時間無制限で始まり、10時間超で日付をまたぐという異例の「オールナイト会見」となった。
フジ経営陣がほぼ休憩なしで記者からの質問に答え続ける形になったが、人権保護の観点などから事件の核心に触れる部分には言及できず、同じような質問がループすることになった。
「フジが気の毒」の声も上がった記者の質の悪さ
質問した記者はのべ100名を超えたが、冒頭から激昂する記者が現れ、以降も声を荒らげて高圧的に経営陣に迫る者が続出。さらに、自分語りや「お気持ち表明」をしたり、ダラダラと要領を得ない質問をしたり、他者が質問しているときに割り込んだりと、フリー記者を中心に「質の悪さ」が目立ち、ネット上で大きな批判が寄せられた。
近年まれに見るカオスぶりだった今回の会見について、在京テレビ局の関係者はこのように語る。
「フリーを中心にしたジャーナリストが会見で息巻いていましたが、すべてとは言いませんがレベルが低すぎて話になりませんでした。会見取材の基本中の基本ですが、質問はストレートに短くですよ。その基本すらできていない。厳しい言い方ですが、まったくこの仕事に向いていないとしか言いようがないお粗末さでした。言葉をまとめる力がないんですから。
フジテレビさんをかばうわけではありませんが、あんな記者たちの相手を長時間させられた経営陣が気の毒すぎます。経営陣に対して『使い走りに話したってしょうがない』と言い放った記者もいましたが、さすがにあれはないと思いました」
フリー記者を入れなければ「2時間で終わる」
世間と同様に業界内でも、会見の内容以上に「一部記者の質の悪さ」が問題視されているようだ。前出の関係者はこう続ける。
「ただ逆に言えば、フジテレビさんはある意味で“罰を受けた”と見ることもできますから、ガス抜きの効果はあったでしょう。しっかりしないと、このような低レベルな記者の相手をしなくてはいけなくなるということで。今回で世の中も分かったんじゃないですかね。ジャーナリストを名乗っているだけで仕事のできない方々が思った以上に多いことを。記者の程度が低いせいで、フジテレビさんの会見の内容がどこかに飛んでいってしまった。
フジテレビ側も不明瞭な回答が目立ちましたが、テレビ局の会見なんてどこもあんな程度のものです。スピード重視で準備もそんなにできていなかったでしょう。日枝久相談役の出欠を騒いだところで、なんだかんだ上層部メンバーがそろって登壇したわけですし、あとは第三者委員会の調査報告を待つしかない。
第三者委員会の報告についての会見もおそらくあるでしょうが、今回の件でもうすべての記者を入れなくてもいいという大義名分ができたと思います。フルオープンで『自称記者』のような輩まで入れても、会見が荒れるだけで意味がない。いつもどおりのテレビ、新聞、雑誌、通信社くらいで十分で、それなら10時間なんて必要ない。2時間で会見は終わりますよ。そうなれば今回と違い、実のある質疑応答ができますから、今度こそフジテレビさんの本当の姿勢が見えてくるでしょう」
CM再開の判断は調査報告待ち
今回の会見を受けて、各メディアの追及やCMの見合わせをしているスポンサーの動きはどうなるのか。前出の関係者はこう指摘する。
「フジテレビへの批判は多少弱まるかと思われます。今回の会見で一旦ガス抜きされましたから。ただCMの再開に関しては、あの会見だけではまだまだ難しいでしょう。残念ながら評価に値する会見ではなかったように思うからです。程度の低い記者のせいで、質疑応答の質が下がってしまったことによる影響も大きかった。
『週刊文春』が問題の記事内容を一部訂正するなど、フジへの追い風になりそうな新たな動きもありますが、今回の会見はレベルの低い記者たちが台無しにしてしまったので、スポンサーの判断は第三者委員会の報告を待ってからになるでしょう」