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TKO木下隆行、元女子アナの性被害告発で見せた最悪対応…識者「もう表舞台には戻れない」

TKO木下の画像1
TKO木下隆行(写真:サイゾー)

 お笑いコンビ・TKOの木下隆行が、木下による性的被害を訴えていた元女子アナでYouTuberの青木歌音に謝罪。事実上の「反論」となっていた謝罪動画についても配慮が足りなかったとして反省を示したが、ネット上では厳しい視線が集まっている。

 木下は「ペットボトル騒動」でメディア露出が激減したが、最近は徐々に地上波への出演を増やしていた。しかし、今回の一件で再び「地上波NG」になる可能性が高まり、コンビとしての活動にも大きな影響が出そうだ。木下やTKOの今後について、お笑い事情に詳しい芸能ライターの田辺ユウキ氏が厳しい視点で解説する。

TKO木下、炎上騒動をYouTubeの「燃料」にするも…

反論から一転の「全面謝罪」

 騒動の発端は、青木が1月25日にSNSで「芸人さんと食事後、断ったのに腕を掴まれホテルに強制連行。最後の手前で本気で抵抗したら不機嫌になり『帰るわ』って言われ解放された」などと告発。それを受けて、木下は同30日に投稿したYouTube動画で「2015年5月に番組で出会いまして、DMを送り、食事に誘った。その流れでホテルに誘ったのも事実です」と認め、当時の自身について「仕事があって調子に乗っていた」として謝罪。しかし、青木が「強制連行」と表現したことについては「強引なつもりはなかった」「1人の人間として好意を持って誘った」と反論した。

 すぐに青木は「私は無理ですと断ったのに腕を掴んで店外にあらかじめ準備されてた? であろうタクシーに乗せられました」などと木下の反論を否定し、「ホテルで抵抗してセーターの首元が破けた」「行為を断ったら性奉仕を指示してきた」などと当時の生々しい経緯を告白した。

 青木の一連の告発により、木下は2月2日放送の日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』から出演シーンがカットされることに。出演予定だった舞台からも上演直前に降板した。

 そうした状況を受けてか、木下は5日付のSNSで「先日、青木さんが出されたポストの内容を見て、私の記憶と違う部分を何とか訂正したいと考え、弁護士の先生に相談しました」と切り出し、「しかし『あの時は嫌だったけど断れなかったということであれば、木下さんの行動は性加害にあたる』『YouTubeでの謝罪動画も相手方に対する配慮を著しく欠くものである』など厳しく指摘されました」と報告。

 続けて「先生から指摘されるまで何が問題かさえ理解できていなかった事は本当に恥ずかしいことだと今は思っています」「今までは性加害への理解が浅かった事で相手側の気持ちに寄り添えてなく、自分勝手な行動が今回の事態を招いたのだと深く反省しております」とし、青木に向けて「あの時は嫌な思いをさせた事、また配慮を欠く謝罪動画を公開してしまった事、深く反省しております。YouTubeの動画は速やかに削除させていただきます。心からお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした」と全面謝罪した。

 最初に反論してから結局は全面謝罪となったことで余計に印象が悪くなった感があり、考え得る中で最悪レベルの対応になってしまったといえる。

識者が指摘「もう表舞台には戻れない」

 木下といえば、ペットボトルを後輩に投げつけた騒動がきっかけとなって2020年に所属していた松竹芸能を離れ、一時は地上波から消えていた。相方の木本武宏も巨額の投資トラブルに関係していたとして2022年に松竹を退社し、2人そろって崖っぷちの状態で2023年にコンビを再始動させた。

 木下は先述したように徐々に地上波での露出が増えていたのだが、再びトラブルが起きたことで、ピンとしてもコンビとしても、表舞台からまた消えかねない状況だ。

 木下およびTKOの今後はどうなるのか。芸能ライターの田辺ユウキ氏はこう指摘する。

「世間からの拒否反応は間違いなく増えるはずですが、木下さんが『ペットボトル事件』について謝罪したYouTube動画(2020年4月)の低評価が50万超えを記録するなど、そもそもの印象が良くないうえ、相方の木本さんも投資トラブルで多くの反感を買うなど、そもそもアンチばかりいるコンビですから、いくら騒動でダメージを受けても『悪い印象の現状維持』になるのではないでしょうか。

 とは言っても、木下さんは出演舞台からの降板やラジオのレギュラー番組への出演見合わせが決まるなどし、おそらくそういった表舞台にはもう戻れないでしょう。2024年にはコンビで『キングオブコント』にも挑戦していましたが、それも次回は大会側からお断りされるのではないでしょうか」

 かなり深刻な影響が出そうだが、なぜここまでイメージを悪化させることになったのか。田辺氏はこのように解説する。

「木下さんの場合、青木さんの告発を受けての対応があまりにひどかったと思います。確かに『かつての調子に乗っていた時期』と『現在』とでは、考え方などが変わっているかもしれません。実際に木下さんはペットボトル事件後、テレビ番組などに出演する際は常に『反省の態度』を見せていました。そして、そういったなんでもかんでも猛省に持っていく流れで笑いを集めてもいました。

 青木さんへの謝罪動画は、これまで見せていた反省の態度が『やっぱりバラエティ向けのフェイクだったのか』と思わせるような、そんな不誠実なものでした。木下さん自身、青木さんに大きな負担を与えたという『事実』は認めています。また、告発内容から加害性はかなりあると感じられます。にもかかわらず、2月1日に生出演したラジオ番組で『どうも、問題児です』と自ら茶化すような発言をしました。これはさすがに誰が聞いてもアウト。

 なにより、弁護士の話を聞いて『自分のなにが悪かったのか初めて気づいた』というのは、今の芸能界で生きていくにはあまりに勘が鈍すぎる。そういった方をメディアが使うとは考えづらい。ただ、勘が鈍いからこそ、どんなに世間から拒否反応を示されても、そしてメディアからお呼びが一切かからなくなっても『お笑い活動』は続けていくようにも思えます」

今後はSNSと俳優業に活路か

 いばらの道となるのは必至だが、木下やTKOが復活する道はあるのだろうか。田辺氏は言う。

「先ほど述べたように木下さんは勘が鈍いように思えますので、誰になんと言われても芸能活動は続けていくのではないでしょか。表舞台から声がかかる確率はゼロに近いと思いますが……。復帰の可能性という部分であり得るのは、SNSのインフルエンサーの道ではないでしょうか。そこで数少ない信者を集めて『自分たちだけの国』を作って商売をするしかないと思います。

 ただ、木下さんも木本さんも演技はすごく上手い。お互い、近年はバラエティ番組で『反省』を前面に押し出した笑いを武器にしていました。後輩芸人にいじられて苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべながらも、それも押し殺して『反省芸』に持っていくのは、演技力がないとできないこと。

 実際に2人は映画、ドラマにも出演していましたし、木下さんは縦型ショートドラマアプリで公開された実写ドラマ『ぬらりひょんの棲む家』で見せた悪玉感が圧倒的でした。ですので、あくまで可能性という部分では、そういったジャンルに活動の軸足を移していく気がします。『嫌な人間』や『こらしめられる人間』を演じれば、現実とのシンクロもあって、視聴者が感情移入しやすい。

 世の中は結局、不祥事を起こした人を拒否する人と、それでも受け入れる人の二つに分かれる。クリエイターも一緒。TKOのネタはおもしろいですし、2人とも演技力はありますから、炎上で数字を稼ぐことを目的として、彼らを起用するクリエイターがいてもおかしくはありません」

(文=佐藤勇馬)

協力=田辺ユウキ
大阪を拠点に芸能ライターとして活動。映画、アイドル、テレビ、お笑いなど地上から地下まで幅広く考察。

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/02/10 09:00