KAT-TUN解散発表「なぜこの日に…」、スポーツ新聞の禁忌に触れたSTARTO社と記者が抱く“不信感”

男性3人組アイドルグループKAT-TUNが、3月31日をもって解散し、メンバーの亀梨和也が同日の契約満了をもって退所すると発表された。
今月12日に所属するSTARTO ENTERTAINMENT社(STARTO社)が公式サイトで発表した。
同社は《およそ1年にわたりメンバーと協議を重ねた結果、2025年4月1日からの2年目の契約にあたりましては、KAT-TUNの看板を下ろし、それぞれの道を選ぶ形の方が今後のメンバーにとってより良いと会社として判断いたしました》と説明。
亀梨以外のメンバーである上田竜也と中丸雄一については、《個人として当社との契約を継続させていただきます》とした。
「KAT-TUNの解散と亀梨の退所についてはすでに一部メディアで報じられており、いつ発表するのかが注目されていた。とはいえ、マスコミ業界内は『まさか、この日に?』とザワついている。というのも、旧ジャニーズ事務所(現・SMALE-UP.)だったら、絶対にやらなかったある意味での“掟破り”をSTARTO社がやってしまったからです」(スポーツ紙の芸能担当記者)
一体どういうことだろうか。実はKAT-TUNの解散が発表された2月12日は、在京スポーツ紙7紙で構成する東京映画記者会が主催する映画賞『第67回ブルーリボン賞』の授賞式が開催されていたのだ。各スポーツ紙は主催者として同賞の授賞式に関するニュースを、翌日の紙面で大々的に報じるのが毎年のお決まりとなっている。
だが、今年はKAT-TUNが解散を発表したことでそのニュースに紙面を割くことに。
おまけにSTARTO社が12日の夜に公式サイトで発表したため、同日夜からはネットニュースの芸能ネタの中心も、解散一色になってしまった。
映画業界関係者は語る。
「そもそも、旧ジャニーズ時代は同社の所属タレントに関する大きな発表がある場合、“J担”と呼ばれる各スポーツ紙の担当記者が集められてレクチャーが行われ、最初の発信は各紙の紙面で行われていたものですが、今回はそれもなかった。しかも、旧ジャニーズ勢は『ブルーリボン賞』の主演男優賞を第64回が岡田准一、第65回が嵐の二宮和也と連続で受賞しているのですが、二宮は独立してもかつての所属事務所による後押しがあるのか、その背景には旧ジャニーズ側からの“工作”があったと業界内ではもっぱらです。本来、旧ジャニーズ勢にとって同賞には恩義しかないはず。しかし、STARTO社に体制が変わったことでそうした過去の“お付き合い”の歴史もなかったことになり、同賞の授賞式の日に重大発表をぶつけることになったのでしょう」
一部報道によると、亀梨脱退の決め手は今年1月末に「FRIDAYデジタル」が報じたSTART社の福田淳社長と年下美女との不倫疑惑にあきれ果ててのものだったという。福田社長によると、この交際を認め、婚姻関係者とは10年近くも会っておらず離婚の合意もあるというが……。
「STARTO社体制になっても、各スポーツ紙は所属タレントの記事を大々的に扱うことが多いにもかかわらず、福田社長は担当記者との顔合わせもしていないと聞く。見限った所属タレントは続々と退所しているが、この先、各スポーツ紙のSTARTO社のタレントの扱いもどんどん小さくなるのではないでしょうか」(同映画業界関係者)
旧ジャニーズ事務所といえば、スポーツ紙や女性誌などのマスコミを味方につけることで長きにわたり栄華を築いたが、芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。
「STARTO社サイドにもそれなりの事情があるんでしょうし、『ブルーリボン賞』の存在にそこまで気を遣う必要はないでしょうけど、『一言あってしかるべき』と感じた同賞に携わるスポーツ紙の映画担当記者がいたとしても不思議ではないですよね。START社に限らず、芸能事務所と一次情報メディアであるスポーツ紙は日頃から取引のあるお得意様同士でもあるわけですし。所属タレントも参加する食事会などでスポーツ紙の“J担”記者を接待したり、“カレンダー利権”を分配することで女性誌を発行する複数の大手出版社を味方につけるといった旧ジャニーズ事務所のマスコミ支配のやり口を肯定する気はさらさらありませんが、他方、STARTO社に関してはマスコミあしらいが下手すぎるきらいはありますよね」
思えば中居正広問題に関するフジテレビ港浩一社長(当時)の会見日は、ニュース番組が特別企画を放映する“阪神淡路大震災が起こった1月17日”であり翌日は企業の動きが止まる“金曜日”でもあった。
両者とも偶然だとは思われるが、ともあれ、KAT-TUNの解散発表のタイミングによりSTARTO社と各スポーツ紙との間に思わぬ隙間風が吹いてしまったようである。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)