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『R-1グランプリ』いよいよ今週末! 見どころは「粗品の前で審査」する審査員か

イメージ(写真AC)
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 今年もピン芸人日本一を決める『R-1グランプリ』(フジテレビ系)の開催が迫ってきた。本番は今週末、8日。過去最多、5,511人がエントリーした予選を勝ち抜いた9名のピン芸人が、賞金500万円と「もっとも面白い1人」の座を争うことになる。

『R-1』は「時間の無駄」と井口は吠えた

 昨年に引き続き「芸歴制限なし」「4分ネタ」「3人による最終決戦」というレギュレーションで行われる今回、ファイナルを勝ち取ったのは以下の9名だ。

ヒロ・オクムラ
チャンス大城
田津原理音
ハギノリザードマン
ルシファー吉岡
吉住
さや香・新山
友田オレ
マツモトクラブ
(決勝ネタ順)

 ヒロ・オクムラ、チャンス大城、ハギノリザードマン、さや香・新山、友田オレという5名の初出場を、ルシファー吉岡、吉住、マツモトクラブという常連組と2023年王者の田津原理音が迎え撃つという構図だが、初出場組とはいえチャンス大城は芸歴35年目の大ベテラン。その話術は松本人志や千原ジュニアといった歴々も認めており、中年芸人の戴冠に大きな期待がかかるところだ。

 また、コント師・ローズヒップファニーファニーとして局地的な人気を誇ったハギノリザードマンと、いわずとしれた『M-1』戦士・さや香の新山も実績は十分。ヒロ・オクムラと友田オレもそれぞれ『M-1』敗者復活、『ABCお笑いグランプリ』ファイナル進出で名を売っており、例年にもましてハイレベルな戦いが予想されるところだ。

審査員は7名

 昨年は陣内智則、バカリズム、小籔千豊、マヂカルラブリー・野田クリスタル、ハリウッドザコシショウの5人だった審査員は、今年は2名増えて7名になることが発表されている。その顔ぶれは当日発表になるが、いずれにしろ今年の審査員には例年以上のプレッシャーがかかることになりそうだ。

 MCは広瀬アリスと霜降り明星、その粗品の前で審査をさせられることになるのである。

 2日に放送された『ytv漫才新人賞決定戦』(読売テレビ)で初の審査員を務めた粗品の振る舞いは圧巻だった。確固とした採点基準、明快な論旨と説得力、それは「審査員の話芸」という価値基準を一夜にして確立してしまうほどの大事件だった。

 たった1週間後、今回の『R-1』審査員たちはその粗品に審査コメントを振られることになるのである。

 もとより、『R-1』の審査は審査員泣かせと言われている。漫談、コント、歌ネタなどさまざまなジャンルが混在するため『M-1』や『キングオブコント』に比べて審査員の審査基準が視聴者に伝わりづらい一面があり、審査結果には常に批判がつきまとうのが毎年の恒例となっている。

 それに加えて今回は、視聴者の中に「粗品の審査との比較」という新たな評価基準が生まれてしまっているのだ。「粗品は90点台を出さなかった」「粗品は具体的にここを指摘した」という比較論が出るのは、もはや避けようのないところだろう。

 無論、そんな状況にビビるわけもない面々ではあるが、少なくとも「困ったな」というポーズすら取りにくくなっているのは窮屈なところだろう。未発表の2名の審査員にいたっては、そのプレッシャーに拍車がかかるに違いない。

 注目は、三顧の礼で迎えられ、すべてのピン芸人のリスペクトを集めるバカリズムと、『ytv』で粗品と席を並べていたザコシショウ、まずは2人の「話芸」に期待したい。

2年連続「ノートラブル」となるか?

 そのほか、『R-1』といえば避けて通れない話題が「進行トラブル」である。田津原が優勝した23年にはリハーサルで使用した「田津原理音470点」のデータが本番で誤って表示されてしまい、偶然、その後に登場した田津原が470点を獲得して優勝したことから“出来レース”疑惑が取りざたされたし、過去にはTwitter投票が表示されなかったり、ゆりやんレトリィバァの優勝ネタが2回放送されたり、審査員コメントの一切ない回があったり、運営側の不手際は枚挙にいとまがないところだった。昨年はトラブルらしいトラブルはなかったが、今年もつつがない進行をお願いしたいところだ。

 いずれにしろ、先日の『ytv』での粗品の大立ち回りによって、例年より注目を集めていることは間違いない今年の『R-1グランプリ』。その状況でネタを爆発させれば、おのずとブレイクへの道も開かれるはずだ。

 そして、その栄誉はもちろん「独り占め」である。

(文=新越谷ノリヲ)

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粗品が水浸しに……

新越谷ノリヲ

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。1977生。

n.shinkoshigaya@gmail.com

新越谷ノリヲ
最終更新:2025/03/04 18:00