上白石萌歌、25歳記念写真集発売と橋本環奈&長澤まさみの二の舞いの懸念、そして売り上げ以上の価値

俳優・上白石萌歌が5月下旬に写真集『charm charm』(講談社刊)を発売することが明らかになった。
カメラ好きでファンでもあった写真家の松岡一哲氏からの「25歳のメモリアルに」との提案から刊行が決定。
2024年9月に上白石本人が選んだ地であるスリランカで撮影し、同国の名建築家・ジェフリー・バワ氏の手掛けた建築物を訪れる姿やモダニズム建築の様式に彩られたプールで泳ぐ姿、美しい部屋の中で子どものようにはしゃぐ姿などが収められているという。
衣装やタイトルをはじめ、構成会議にも参加するなどこだわり抜いた一冊に、上白石本人も「スリランカという場所で息をし、全身で感じたこと、考えたことのすべてがこの一冊に焼き付いていると思います」と力強くアピールしている。
本人の熱意が込められた作品ではあるが、その一方で「売り上げに懸念もある」と語るのは出版関係者だ。
「上白石といえば、東宝芸能所属の清楚系俳優であり、演技や歌の実力は高く評価されている。インスタグラムのフォロワー数も約83万人います。しかし、色気とは真逆のキャラクターからかファンの男女比が掴みづらく、宣伝するにも誰に対して何を前面に押し出せばいいのか難しい面がある。ヒロインを演じて公開中の映画『366日』は口コミで後伸びし、最終的に大ヒットとなりましたが、初動の興行成績は振るいませんでした。つまるところ最初から上白石目当てで観に行く層が多くないと見る向きもある。それに、上白石は20年にも20歳記念の写真集『まばたき』(宝島社刊)を発売していますが、田中みな実の写真集『Sincerely yours…』(同社刊)や坂道シリーズの人気メンバーの写真集と比べるとセールスの点では……」
そもそも出版業界では、女性タレントの写真集においては、水着や下着カットといった露出がなければ“ガッカリ写真集”と呼ばれ、売り上げが低迷する傾向がある。
「昨年の橋本環奈の写真集がその典型でした。紅白で司会を務めた国民的俳優でありながら、写真集『カレイドスコープ』(講談社刊)の初週売上は5000部程度、同時期に発売した有村架純の写真集『sou.』(マガジンハウス刊)の数字にはおよばなかったそうです。有村の写真集には、肌の露出を意識したカットも含まれており、ファンの期待に応えた内容であったことが売上に繋がりましたが、橋本の写真集は“意識高い系”のカットが多く、ファンの購買意欲を削いでしまった。また、上白石の事務所の先輩である長澤まさみも20年にデビュー20周年記念写真集『ビューティフルマインド』(マガジンハウス刊)を発売しましたが、露出が少なく“ガッカリ写真集”だと認定されてしまった。上白石の今回の写真集は“素の姿”を売りにしているものの、果たしてそれがどの層に刺さるのか……」(エンタメ誌ライター)
女性タレントの写真集は、戦略を誤ると売上不振を招くリスクが高まる。
主演俳優として高い評価を得ている上白石にとって、写真集の苦戦は今後の活動になんらかの影響があるかもしれないが、芸能ジャーリストの竹下光氏は次のように語る。
「上白石さんは姉の萌音さんや浜辺美波さんも参加し、過去には沢口靖子さんや長澤まさみさんらを輩出している『東宝シンデレラオーディション』で史上最年少(当時)の10歳にして4万4120人の中からグランプリに選ばれた、いわば“逸材”です。年齢的なことや学業優先のスタンスなどもあり、萌音さんや浜辺さんの方が先にブレークした観もありますが、ここに来てドラマや映画、CMなどで存在感を放っています。今作の『charm charm』に関しては“25歳のメモリアル”というコンセプトにも示されているように、清純派俳優としての今の上白石さんの素の表情や魅力を伝えようという作品で、ファンからすれば過去の作品と比べてその成長ぶりに目を細めたり、逆に上白石さんが俳優としてさらに大成した将来に見返したりと“点”ではなく“線”で楽しむこともできる写真集だと思います。制作サイドは上白石さんの25歳の記念碑的な作品として、発売直後の売り上げ以外にも価値を見出しているのではないでしょうか」
そんな上白石といえば、4月25日には出演映画『パリピ孔明 THE MOVIE』の公開も控えているが前出の出版関係者はこう話す。
「今回の写真集の発売もその宣伝になれば良いと考えているのかもしれませんね。とはいえ、版元である講談社からすれば、スリランカでの海外ロケということもあり、制作費はグラビアアイドルの写真集とは比べ物にならないほどかかっているはず。せめて大赤字は避けたいところでしょう」
いずれにせよ写真集の売り上げが注目されるのも人気俳優の証しといったところか。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)