浜田雅功の休養で“ダウンタウン不在”のお笑い界、代役候補に「粗品」が浮上、そして吉本現体制への積極的な世代交代の声

吉本興業は3月10日、ダウンタウンの浜田雅功が体調不良のため一時休養すると発表した。浜田は昨年末から体の不調を覚えるようになり、医師から当面の間静養することが望ましいと助言されたことから、今回の休業に至ったという。
「吉本興業の関係者いわく、重病でもなければ、一部でささやかれているオンラインカジノに関与したわけでもないとのこと。ただ、休養期間はいつまでとは決まっておらず、復帰時期は未定だそうです」(週刊誌記者)
浜田の相方である松本人志は、自身の性加害疑惑を報じた「週刊文春」(文藝春秋)との裁判に専念したいとの理由で、2024年1月から芸能活動を休止中。同12月にはインタビューにて、新たなコンテンツを発信するプラットフォームを立ち上げる予定だと話していた。まさにダウンタウンとしての活動再開が近づいた矢先での浜田の休養となり、いよいよお笑い界は本当に“ダウンタウン不在”となってしまったわけだ。
浜田は現在、ダウンタウンとしてのレギュラーを含めて、地上波テレビで8本のレギュラー番組を持っているが、当然注目は浜田の休養中に誰が代役を務めるかということ。真っ先に名前が挙がるのは、“ポストダウンタウン”との呼び声も高い千鳥だろう。
昨年1月に松本が活動休止に入った際、松本のレギュラー番組である『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)のメインMCを引き継いだのが、千鳥の大悟だ。となれば、相方のノブが浜田の代役になってもおかしくはない。エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。
「浜田さんはソロで出演するレギュラー番組が多く、誰か1人がその番組をすべて引き継ぐというのは難しいでしょう。ノブさんは自身のレギュラー番組も多く、すぐさま代役になるのは難しいかと思いますが、浜田さんの番組のどれかを任されるといった展開は十分にありうると思います。たとえば、『ジャンクSPORTS』(フジテレビ)は、それこそ千鳥がフジテレビのスポーツ番組『すぽると!』にレギュラー出演していますし、ノブさんがMCをしている姿はしっくりきます」
一方で、MC経験が豊富な中堅~ベテラン芸人が、浜田の代役となる可能性もある。
「若手時代からダウンタウンとともに仕事をしてきている今田耕司さんや東野幸治さんが代役となるのは、自然なことでしょう。特に東野さんは、この3月いっぱいで『ワイドナショー』『行列のできる相談所』『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい…』の3番組が終了し、スケジュール的にも余裕があるため、何らかの形で浜田さん不在の番組をサポートしてもおかしくない。また、吉本には、ナインティナインやロンドンブーツ1号2号の田村淳さんなど、経験豊富なMCクラスの芸人さんがたくさんいるので、サポート役には困らないでしょう」(同)
比較的若い世代の芸人としては、かまいたちもお笑い界を支える存在だ。ダウンタウンが出演していた『リンカーン』の後継番組『ジョンソン』で、ダウンタウンと同じ役割を担っていたのが、かまいたち。残念ながら『ジョンソン』はなかなか結果が出ず、1年で終了してしまった経緯もあり、ダウンタウン不在のいまこそ、『ジョンソン』のリベンジを果たすタイミングとも言える。
さらには、YouTubeでの歯に衣着せぬ“1人賛否”で物議を醸すことも多い、霜降り明星の粗品の抜擢を願う声も多い。3月2日に放送された『第14回ytv漫才新人賞決定戦』で初めてお笑い賞レースの審査員を務めた粗品は、ネタの気になったところを具体的に指摘するとともに改善点を示すなど、その完璧な審査が話題になった。
「かまいたちや粗品さんは、若い世代に刺さりやすい芸人さん。中堅~ベテランの安定感でダウンタウンの不在を補うという保守的な方法もありますが、ここで一気に次の世代へとつなげていくというのもひとつの方法だと思います。特に粗品さんは、お笑い賞レースの審査員としての期待もあり、松本さんの立ち位置に近づいてきている空気も漂い始めている。将来の吉本興業を見据えて、粗品さんのカリスマ性が強まればおもしろいですね」(同)
長らく吉本興業の実質的なトップとしてダウンタウンが君臨しているが、その背景には“ダウンタウンの育ての親”とも言われる、吉本興業ホールディングス元社長・大崎洋氏の存在があった。2009年に社長に就任した大崎氏は、2019年に会長に就任。しかし、2023年4月に大阪・関西万博催事検討会議の共同座長に就任するため、吉本興業の会長から退任した。現在、吉本興業ホールディングスの社長は、岡本昭彦氏が務めている。
「大崎氏はダウンタウンをスターに育て上げた張本人。だからこそ、大崎氏がダウンタウンを上手くコントロールして、吉本を大きくしていったわけです。一方の岡本氏はダウンタウンのマネージャー経験者ではありますが、“社歴”としてはダウンタウンのほうが長く、ダウンタウンには頭が上がらないと言われています。つまり、社長よりダウンタウンのほうが偉く、だからこそ岡本社長は自由に決断できないことも少なくない。岡本社長体制で今後の吉本を推し進めていくのであれば、どこかで“脱ダウンタウン”をしなければならないのも事実。そういう意味では、今回のダウンタウン不在の状況は世代交代の好機でもあります」(前出・週刊誌記者)
吉本興業の未来を占うこととなりそうなダウンタウンの代役探し。お笑い界の歴史のターニングポイントが、すぐそこにきているのかもしれない。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)