井ノ原快彦が『特捜9』終了後に背負うSTARTO社取締役としての重要ミッション

テレビ朝日が4月期の番組改編説明会を3月6日、東京・六本木の同局で行い、俳優・井ノ原快彦主演の刑事ドラマ『特捜9』が4月から放送されるファイナルシーズンで終了することを明かした。
ゼネラルプロデューサーの大川武宏氏は終了理由について「いつか終わりが来る話なので20作目での終わりをイメージとして持っていました」や「(井ノ原演じる)浅輪直樹が警部になったのが良いゴールラインかな、と。良い花道にしたいと思います」と説明。
同ドラマは、前身の故・渡瀬恒彦さん主演の『警視庁捜査一課9係』から数えて20作目でのフィナーレを迎えることが決定した。
長年続いた人気シリーズが終了することに寂しさを感じるファンも多いだろうが、業界内で注目されているのが井ノ原の今後の動向という。
別の芸能事務所のマネージャーは明かす。
「『特捜9』の終了をもって井ノ原さんは俳優としての活動をセーブし、『STARTO ENTERTAINMENT』の取締役CMOとしての業務に専念すると予想されています。STARTO社が抱える最大の課題の一つがNHKとの関係修復です。故ジャニー喜多川氏の性加害問題が明るみになったことで、NHKは長らく旧ジャニーズ事務所のタレントの起用を見送ってきました。
そうした中、昨年10月に出演解禁を決めた際にはSnow Manの『NHK紅白歌合戦』出演を打診しましたが、STARTO社サイドはYouTubeでのコンサートを優先。配信開始10分で視聴者115万人を記録し、収益は10億円以上となる大成功を収めました。しかし、『紅白』を袖にされたNHKの上層部は怒りをおぼえて、結果的にSTARTO社所属アーティストの『紅白』出場はゼロになりました。他方、King & Princeの元メンバーが結成したNumber_iが『紅白』に初出場して話題を呼び、STARTO社内にも焦りがあったといいます」
かつては蜜月だった両者の関係にもすっかり隙間風が吹いてしまっている状況のようだが、芸能ジャーナリストの竹下光氏もこう語る。
「かつてのジャニーズ事務所は『紅白』以外にも東山紀之さんや香取慎吾さん、滝沢秀明さん、岡田准一さん、松本潤さんをNHK大河ドラマの主演に据えたり、ジャニーズJr.が出演する『ザ少年倶楽部』をはじめとした数多くの番組に所属アーティストを出演させていました。それが故ジャニー喜多川氏の性加害問題が発覚したことによって関係性に変化が起きたことは間違いありませんが、それに加えて昨年10月20日に『NHKスペシャル』でオンエアされた『ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像』の放送内容も、会社として新たなスタートを切ったSTARTO社サイドにとっては納得し難いものだったのではないでしょうか。実際、同番組が放送される以前の段階では、昨年の『紅白』に関して複数のグループの出場“内定”がさまざまなメディアで報じられていたものの、番組オンエア後にはそうした状況が変わったことが伝えられて、結果的にSTARTO社勢の出演はゼロとなりましからね」
もっとも、STARTO社にとっては「紅白」案件以外にもNHKとの関係を修復したい理由があるという。
「旧ジャニーズ事務所時代からSTARTO社の3大資金源となっているのがファンクラブ、CD販売、コンサートですが、最近は地方のファンクラブ会員離れが加速していると聞きます。未成年のファンの会費を支払っている親たちの信用が得られていないというのがその理由との分析もある。そんな中、地方ではNHKは絶大なブランド力を誇示しており、親世代にとっては子供たちが応援しているグループがNHKの番組に出演していることで安心感が得られる部分もあるようです」(前出の芸能事務所マネージャー)
こうした背景もあり、STARTO社にとってNHKとの関係修復は急務とも言え、その重要な役割を担うのが取締役CMOの井ノ原というわけだ。
「井ノ原は2010年から2018年まで『あさイチ』の司会を務めていました。さらに、21年から毎年、震災復興特番『ありがとうを3.11に伝えよう委員会』に出演し続けるなど、個人的にNHKとのパイプが太い。実際、NHKサイドも井ノ原のために『あさイチ』のような帯番組を用意しようという動きもあるようです。『紅白』への所属アーティストの“復帰”はもちろんのこと、NHKの番組に所属タレントを出演させることができれば、おのずとファンクラブの収益回復にも繋がるはずです」(同芸能事務所マネージャー)
今年2月25日に放送された音楽番組『うたコン』に「Aぇ!group」が出演したことで、STARTO社とNHKとの関係も一歩前進したようにも見えるが、果たして井ノ原は両者の関係をさらに改善し、旧ジャニーズ時代のようにSTARTO社所属アーティストを『紅白』に大挙出演させることができるのだろうか。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)