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『あんぱん』第3回 松嶋菜々子のドチャクソな美貌にブン殴られた 映像で押し切られる小さな不満

今田美桜(写真:GettyImagesより)
今田美桜(写真:GettyImagesより)

 昨日は、「いろいろ心配事はあるけど、物語でブン殴ってくれ」と書きましたが、今日は美貌にブン殴られましたねえ。いやー松嶋菜々子。いくつだ。51か、すげえー顔面、すげえーたたずまい。

『あんぱん』オリジナル要素が不安です

 その松嶋菜々子演じる母・登美子が嵩くん(木村優来)と千尋ちゃんを置いて去っていく畦道のシーンをはじめとして、俳優も撮影も画面がたいへんリッチなので、まずは見ていて楽しいです。受信料ペイしてる感じ。

 お話としてはどうなんだろう。まだちょっとわからないですね、とりあえず今日泣いたかといえば、全然泣いてない。

 第3回、振り返りましょう。

ロボトミーとかサイコとかマッドとか

 冒頭、過去に嵩くん一家4人が銀座でアンパンを食べている回想があって、その様子を描いた自作の絵を眺めている嵩くん。

 この回想、前回もあったんだけど、千尋の子役が同じなんですよね。同じ子役で、登美子さんを「母ちゃま」と呼んでいて、母子や兄弟のコミュニケーションが成立してる。

 一方で、今(昭和2年)の千尋は登美子さんのことも嵩くんのことも一切覚えていないという。

 今のところ「幼かったから」ということで処理されていますが、「記憶喪失かな?」という予断が入ってしまうんだよな。さらに引き取られた家が医者なもんだから「千尋、ロボトミー手術されたかな?」「竹野内豊はマッドサイエンティストかな?」とか思っちゃって、どうにも物語に入り込めないということが起こっている。

 こういう邪まな勘違いが生まれてしまうのには、登美子の持ってる情報量が多すぎて物語に理解が追い付かないというのもあるんだと思うんですよね。「かもしれない」という要素が多すぎる。

 この人はたぶん都会の女だから、主人の親戚の家に次男を養子に出すことに大きな躊躇いがあったのかもしれないし、意外にすんなりだったかもしれない。千尋との親子関係を遮断したような振る舞いをしているのも、そうして毅然と接することで切ない思いを断ち切ろうとしているのかもしれないし、そういう時代だから当たり前にそうしているのかもしれない。前回、家を出る匂いをぷんぷんさせていたけれど、それはやむにやまれずなのかもしれないし、あのおっさんの言う通り「やっかい払い」かもしれない。

 考えてるうちにお話が進むもんだから、今日のところはこのシーンで登美子さんに「次男を捨てた、長男も捨てる人」というイメージで見始めてしまうことになってしまった。そのイメージに美貌が相まって、必要以上にミステリアスに見えてしまっていたんですね。

 そしたらキッズ3人が楽しくシーソー遊びしているところにやってきて、次男坊を「大切なお坊ちゃん」とか呼んでるし、嵩くんに目もくれず千尋だけを連れて帰るのも超怖く見えてくる。ちょっとサイコみさえ感じ始める。

 だから、嵩くんの銀座の絵を寛と2人で見ているシーンで、恐怖が最高潮に来てしまった。スケッチブックを奪い取って破り捨てるんじゃないかと思ったんです。そうじゃなくても「この絵は寛さんには二度と見せるな」とか「千尋には絶対見せるな」くらいは言うのかもしれないと思ってしまった。

「嵩、母さんもこの絵、好きよ」

 そうなのか、よかった。

「でももう、前を向かなきゃね」

 あ、全然よくなかった。嵩、やっぱり捨てられるの確定だった。

 そうして登美子が嵩の髪を切るというおざなりな「別れの儀式」があって登美子は畦道のランウェイを華麗に闊歩して姿を消すわけですが、結局ここまで登美子という人が感情を剥き出しにするシーンは一度もないんですよね。「つらい」はもちろん「優しい」という印象すら残ってない。

 モデルのやなせさんが幼少期に母親に捨てられたというのは史実だそうですが、母親からの愛情は感じつつも、その印象を「なんだかよくわからない、正体不明の女」ととらえていたのなら、このやり方はドンピシャなんだと思う。

 と、お話としてはあんまりしっくりこない「母の旅立ち」ではありましたが、そのシーンと俳優の美しさで押し切られました。

ボーイとガールはどうなのよ

 嵩と千尋がシーソーで遊んでいるところにあらわれたのぶちゃん(永瀬ゆずな)。千尋の体重が軽すぎてシーソーが動かないところに加勢するわけですが、「千尋、下がれ。物理だ」と言いたくなるのはまあいいとして、あと嵩くんが「朝田のぶさん」とフルネームで呼ぶたびに、遠くで「ヨネダユイ……」という謎の呪詛が響くのもいいとして、「あんなちんまい子とシーソー遊びするらーて、アホか」という言い草はどうなんだ。

 そんな乱暴なことを言う子は嫌いです、という話ではなく、面倒なことが起こってるなと感じるんです。

 嵩くんは東京から来たばかりで、当然、人生初の土佐弁と接していることになる。そのわりに、その強めの方言の言葉尻やニュアンスを正確に汲み取れすぎている感じがする。このときののぶちゃんの「アホか」には悪意がなくて、単にあのちんまいのが弟であることを知らないから習慣的に悪態をついただけだ、と即座に理解して状況説明に入っている。ちょっと聡明すぎるんだよな。可愛げというか、人間味がない。

 と思ったんだけど、登美子が出て行ったあとの同じシーソーでは「たっすい」を知らなかったし、のぶちゃんの「しゃーない、嵩はうちが守っちゃる」がもう問答無用でかわゆすぎたので、ボーイとガールは今んとこオールオッケーと相成りました。

 そんな感じで、いい加減に見ていきましょう。

オープニング「合ってない」問題

 現状、『あんぱん』に寄せられているもっとも大きな批判というのは「主題歌が合ってない」「映像も合ってない」ということのようですね。

 おっしゃる通り、合ってないと思うし、ぼやーっと見てたら歌詞はほとんど聞き取れないし、戦中戦後はこの今田美桜が演じるんだよな、大丈夫なのか、とも思うけど、まあ見なきゃいっか、くらいに捉えております。おそらく映像を作った人には「朝ドラらしくない」というオーダーが入ってただろうし、クリエイターは仕事したと思うよ。選んでGO出した人の責任を問うのは、まあ最終回が終わってからでいいと思います。

 では、また明日。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

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どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子。1977年3月生、埼玉県出身。

幼少期に姉が見ていた大映ドラマ『不良少女と呼ばれて』の集団リンチシーンに衝撃を受け、以降『スケバン刑事』シリーズや『スクール・ウォーズ』、映画『ビー・バップ・ハイスクール』などで実生活とはかけ離れた暴力にさらされながらドラマの魅力を知る。
その後、『やっぱり猫が好き』をきっかけに日常系コメディというジャンルと出会い、東京サンシャインボーイズと三谷幸喜に傾倒。
『きらきらひかる』で同僚に焼き殺されたと思われていた焼死体が、わきの下に「ジコ(事故)」の文字を刃物で切り付けていたシーンを見てミステリーに興味を抱き、映画『洗濯機は俺にまかせろ』で小林薫がギョウザに酢だけをつけて食べているシーンに魅了されて単館系やサブカル系に守備範囲を広げる。
以降、雑食的にさまざまな映像作品を楽しみながら、「一般視聴者の立場から素直に感想を言う」をモットーに執筆活動中。
好きな『古畑』は部屋のドアを閉めなかった沢口靖子の回。

X:@dorama_child

どらまっ子AKIちゃん
最終更新:2025/04/02 14:00