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松村沙友理、逆境からの大逆転! あざといキャラ武器につかんだ躍進と好感度の理由

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イメージ画像(写真:Getty Imagesより)

 元乃木坂46でタレントの「さゆりんご」こと松村沙友理が、あざといキャラを武器にバラエティで大活躍している。放送中の主演ドラマ『やぶさかではございません』(テレビ東京系)などで女優としても活躍し、絶好調の気配だ。

 グループ時代に「不倫疑惑スキャンダル」を起こして猛バッシングを浴び、卒業後もあざといキャラへの批判が少なくなかったが、いつの間にか男女双方から支持される好感度キャラに転換。女優業でも存在感を強めていきそうな彼女の躍進の理由について、アイドル事情に詳しい芸能記者が解説する。

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田中みな実のように好感度が「逆転」

 松村は両こぶしを頬に当てる「さゆりんごポーズ」に代表される、あざといキャラがバラエティなどで浸透。当初は「うざい」「イラつく」といった批判が目立ったが、それを貫き続けたことで女性層からの支持が次第に高まり、かつての田中みな実のような「好感度逆転」現象が発生。番組での芸人らとの絡みもうまくこなし、バラエティ需要が高騰している。

 松村といえば、乃木坂46の選抜メンバー常連として活躍していた2014年に大手出版社の妻子ある編集者との路上キスやハグが報じられ、清純派アイドルとしてのイメージが一度は崩壊。そこから這い上がって人気メンバーに返り咲き、2021年のグループ卒業後は先述のあざといキャラで独自の地位を築いていった。

 その経歴を見ると、意外にも苦労人である。一方、2022年にYouTuberのヒカルとの交際が発覚して一時批判が増えるなど、男性関係で物議を醸しがちという顔もある。

陰の努力と自己プロデュースの徹底が「さゆりんご」を生んだ

 そんな松村の現在の躍進ぶりについて、アイドル事情に詳しい芸能記者はこう分析する。

「今ではあざといキャラが浸透している松村だが、学生時代は根っからの体育会系。幼稚園から小学6年生まで続けた水泳は大会で1位になったことがあり、中学から高校までの6年間所属したバレーボール部ではセンターとキャプテンを務めたほど。もともとアイドルを目指していたわけではなかった松村は、歌もダンスもあまり経験がないまま、乃木坂46の1期生オーディションに合格。しかし、学生時代に培ったコミュニケーション力や努力を惜しまない姿勢、大好きなアニメから学んだであろう表現力、自身のキャラクターを深掘りする能力などが早くから開花し、すぐにグループの中心的存在となった。

 デビュー3年目の2014年に『週刊文春』(文藝春秋)で路上キスなどが報じられたときは、乃木坂46がパーソナリティーを務めるラジオ番組に生出演し、涙ながらに謝罪。報道の一部を否定しつつも、騒動に至るまでの経緯を正直に語ったことが結果的に功を奏し、翌年には『CanCam』(小学館)の専属モデルに起用され、新たな女性ファン層を開拓していった。このときにスキャンダル報道から逃げも隠れもしなかったからこそ、ヒカルとの交際&破局が報じられたときも、ファンからの支持をそれほど失うことはなかった」

 松村の陰の努力や現在のキャラクターを確立させた過程について、前出の記者は言う。

「松村のすごいところは、スタッフにアイデアを積極的に出すところ。乃木坂46時代の生田絵梨花とのユニット『からあげ姉妹』は、自ら生田と組みたいと企画書を提出して実現させた。また自分でメンバーを集め、自身を中心としたユニット『さゆりんご軍団』を結成し、後に同ユニットでの単独ライブも敢行。雑誌の連載やバラエティ番組でも自身をフィーチャーする企画を出すなど、自己プロデュースを徹底していた。小さいころは引っ込み思案で人前に出るのも苦手なタイプだったと事あるごとに語っている松村だが、だからこそあざといキャラを演じることで、現在の『松村沙友理』を完成させていったのだろう。

 ドラマや映画の現場でも、松村はバラエティで見せる印象そのままと語る共演者は多いが、それが嫌みにならないのは、どんな状況でもキャラクターをブレさせないプロ意識と、出るところは出る、引くところは引くという場を読む力に長けているから。ここ数年は大食いキャラも浸透したが、美味しく見せるための食べ方や表情、コメントが計算され尽くしているのはもちろん、お米ソムリエ&白米ソムリエの資格を取得するなど陰の努力も怠らないところが人気と需要高騰の理由だろう」

女優業での飛躍のカギは?

 今後は女優業でも飛躍が期待される松村。前出の記者は「女優・松村沙友理」の評価や今後の展望についてこう解説する。

「グループ時代から映画、ドラマに出演していた松村だが、女優としての実力を遺憾なく発揮したのは卒業後の2022年に主演したドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)だろう。松村が演じたのは女性アイドル好きの女ヲタ『えりぴよ』。そもそも自分が応援されるアイドル側だったから、長きにわたって女ヲタの生態を近距離で見ているし、自身がアニメオタクということもあり、推しへの愛がどういうものかを知悉しているから、リアリティたっぷりに演じられた。その演技力はアイドルファン以外にも認められ、同ドラマは深夜帯にも関わらず話題を呼び、映画化までされた。

 その後も、会社では“しごでき”だが実は恋愛経験が少なく処女というキャリアウーマンを演じたFODオリジナルドラマ『ショジョ恋。』、恋愛に奥手でマッチングアプリで知り合った男性と交際期間ほぼゼロのまま夫婦となる女性デザイナーを演じた『焼いてるふたり〜交際0日 結婚から恋をはじめよう〜』(読売テレビ、中京テレビ)、現在放映中の『やぶさかではございません』など、女性から支持の高い人気コミックを原作にした連続ドラマで主人公を好演。その背景にはアイドル時代に培った表現力に加えて、アニメをこよなく愛するオタク性が根底にあるのは間違いないだろう。

 ただ『恋愛下手な女性が、恋を通して成長する』という、似たようなドラマへの出演が多いため、演技の幅は未知数。一方、各シーンのセリフがほぼアドリブで行われる劇場版『マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』(2024)では、劇団ひとり、八嶋智人、高橋克典ら個性的な俳優に混じって見事なアドリブ力を見せ、女優としての新たな可能性を垣間見せた。まだまだ世間的にはバラエティの印象が強いだけに、幅広い世代にアピールできる作品と出会えるかどうかが今後のカギになるだろう」

(文=佐藤勇馬)

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/04/23 09:00