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『102回目のプロポーズ』放送内定報道で蒸し返されるフジの“迷走リメイク”史

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霜降り明星のせいや(写真:サイゾー)

 伝説の月9ドラマがまさかの“再プロポーズ”に踏み切るのか?

「バブル期のストーカー物語」?

 1991年にフジテレビの月9枠で放送され、社会現象を巻き起こした連続ドラマ『101回目のプロポーズ』の続編企画が進行中であることが5月22日配信の「女性セブンプラス」で報じられて話題となっている。

 記事によれば、フジの動画配信サービス「FOD」にて2025年秋にクランクイン予定とされ、仮タイトルは『102回目のプロポーズ』。

 主演はお笑いコンビ霜降り明星のせいや、ヒロインにはNetflixドラマ『極悪女王』で東出昌大との不倫騒動からの復活を印象づけた女優・唐田えりかが内定しているという。

「『101回目のプロポーズ』といえば、武田鉄矢と浅野温子による異色のラブストーリーで、平均世帯視聴率は23.6%、最終回は驚異の36.7%(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。CHAGE&ASKAによる主題歌『SAY YES』は280万枚を超えるセールスを達成し、武田演じる主人公の名ゼリフ『僕は死にましぇん!』は流行語大賞を受賞するなど、名実ともに“伝説”となりました。その続編ということで、当然ながらSNS上では期待と不安の声が交錯。『今さら?』『もう新しいものを作る力がないんだな』などと冷ややかな声も飛び交っています」(テレビ誌ライター)

 そんな中、せいやの起用には武田の後押しがあったとも言われている。

 芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。

「せいやさんによる武田さんのものまねネタはYouTube企画などでもたびたび披露されており、あまりの完成度の高さに後輩芸人が本物と信じ込む場面もあったほど。その内容は“性格の終わっている武田鉄矢”などかなりウイットに富んだもので、初めてネタを見た人は『武田さん本人が見たら激怒するのでは!?』と不安を抱いてもおかしくないくらい過激なものもあります。ただ、実際のところはせいやさんは以前から武田さんの大ファンを公言しており、リスペクトもしています。そのうえで、あくまで芸人として面白おかしくネタにしていることは武田さん本人も十分理解しているようです。ネタに対しても“お墨付き”を与えているほか、2人はプライベートでも親交があるようですね」

 せいやといえば、2020年の日曜劇場『テセウスの船』(TBS系)では犯人役を巧みに演じて演じて役者としての才能も業界内では高く評価されている。

『102回目のプロポーズ』で尊敬する武田を彷彿とさせる主人公を演じるとなればかなり気合も入るだろうし、それなりに期待が持てそうだが、他方、気になるのが近年のフジの苦境ぶりである。

 かねてから取り沙汰されていた中居正広氏と元女性社員を巡るトラブルの影響でスポンサーが次々と撤退し、2024年度の決算では300億円超の赤字が予測されている。

「そうした事情もあり、ここに来てドラマや出資する映画などに関してはある程度の勝算が見込める過去のヒット作に頼る方針が明白になっています。最近話題となったドラマといえば、11年ぶりのシリーズ第3期が現在放送されている『続・続・最後から二番目の恋』くらいのもの。映画についても昨年10月には『踊る大捜査線』シリーズのスピンオフ作品『室井慎次 敗れざる者』、『同・生き続ける者』の2本が立て続けに劇場で公開されましたし、来年には織田裕二主演の『踊る大捜査線 N.E.W.』の公開も控えていますからね」(前出のテレビ誌ライター)

 とはいえ、これまでのテレビ史を振り返ると過去の遺産を活用した“保守路線”が必ずしも結果を残しているとは言えないのが実状だ。

 スポーツ紙の放送担当記者はこう振り返る。

「2011年には、堀北真希さん主演でヒットした『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』を前田敦子主演でリメイクした、いわば『イケパラ2011』が放送されましたが、ヒットには結びつきませんでした。また、『GTO』に関しても”反町隆史版”の圧倒的な人気に比べてEXILEの“AKIRA版”はいまいち物足りなかったのも事実です。2019年放送の『ストロベリーナイト・サーガ』も、二階堂ふみと亀梨和也のW主演で注目を集めましたが、かつての“竹内結子版”のイメージを超えることはできず、全話平均視聴率6.6%という結果に終わっています。こうした傾向は配信ドラマも同様で、2020年にFODとAmazon Prime Videoで配信された令和版『東京ラブストーリー』では伊藤健太郎がカンチ役、石橋静河がリカ役を演じたものの、鳴かず飛ばずで終わってしまいました」

 こうした背景もあり、『102回目のプロポーズ』も“残念なリメイク”の仲間入りを果たしてしまうのではないかとの懸念も業界内外で広がっているというが、果たしてせいやはドラマを成功させてフジの救世主となれるのだろうか。

「せいやの深刻症状」と『だましうち!』神回

(取材・文=サイゾーオンライン編集部)

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最終更新:2025/06/09 12:00