『ラストインタビュー』娘の幸せよりもファミリービジネスにこだわり続けて逝った故・メリー喜多川氏

旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の前社長である藤島ジュリー景子氏へのロングインタビューをベストセラー作家の早見和真氏がまとめた書籍『ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』(新潮社)が先ごろ発売された。
同書でジュリー氏は、ビジネスでも伯父にあたる旧ジャニーズの創業者の故・ジャニー喜多川氏と関わることはほぼなく、そのために2023年に騒動になり結果、旧ジャニーズ事務所が社名変更に至ったジャニー氏の性加害問題について「知らなかった」と繰り返している。
その一方、ジャニー氏の姉で自身の母である故・メリー喜多川氏に関しては、旧ジャニーズ事務所時代にその実務を取り仕切っていたこともあり、通常の母と娘の間柄としては考えられないようないびつな関係だったと語っている。
そうした中、ジュリー氏は04年に娘を授かってから結婚し、夫との離婚に至った過程についても同書の中で初めて赤裸々に告白している。
「ジュリー氏が極秘でデキ婚した際や離婚した時には一部メディアが報じました。とはいえ、今振り返ってみるといずれもメリー氏が懇意にしていたメディアでした。離婚の際、その原因に関しては『元夫の浪費癖が原因』とされていましたが、今回のジュリー氏のインタビューによると、母親のメリー氏がメディアにリークした情報がそのまま伝えられていたそうです」(週刊誌のベテラン芸能記者)
ジュリー氏によると、元夫とは以前から面識があり2~3年の交際を経て娘を授かったことから結婚を決意。
結婚当初、母親のメリー氏は元夫に対して旧ジャニーズ事務所が当時は盤石ではなかったWEB系の新会社設立を持ちかけ、それなりのポストも用意していたというから、傍から見ると後継者として期待しているようだったとか。
「ジュリー氏の元夫がそのままメリー氏の“操り人形”のままなら良かったと思いますが、元夫は自分で会社を経営していたことから、メリー氏が牛耳る当時のジャニーズ事務所のずさんな財務や労務状況に対して改革を提案。その結果、メリー氏は娘の元夫に対して『会社を乗っ取ろうとしているのでは……』との疑念が芽生え始め、とんでもないことを仕掛けるのです」(同週刊誌の芸能記者)
ジュリー氏の証言によると、メリー氏はなんと探偵を雇い、ジュリー氏と元夫を尾行させて素行を調査。
ジュリー氏は元夫が自身と別居後に他の女性と会っている報告書と写真をメリー氏から見せられたという。
結局、ジュリー氏は元夫と離婚しない限り、2人に対する嫌がらせは止まないと考えて離婚を決断したというのだ。
テレビ局関係者は語る。
「ジュリー氏から見ても旧ジャニーズ事務所はジャニー氏が亡くなったら相続税すら払えないと思われるほどずさんな経営だったそうです。にもかかわらず、メリー氏は娘の幸せよりも弟とのファミリービジネスにこだわり続け、ジャニー氏は19年7月に、メリー氏は21年8月にそれぞれ亡くなりました。当時ジュリー氏の元夫の提言を聞いていたら、その後の会社を取り巻く混乱は多少なりも防げたかもしれませんよね」
芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。
「同書に関してはあくまで“ジュリー氏目線”での告白本となりますが、それでも昭和、平成、令和と数多くの人気男性グループを世に放ち、長きにわたって芸能界に一大勢力を築き上げた“ジャニーズ帝国”の歴史や内幕が綴られているということで大きな反響を呼んでいます。母親であるメリー氏との親子の確執のほか、世間を騒がせた『SMAP』の解散騒動、ジュリー氏の目に映った所属タレントの“素顔”などにも触れられていて、元『SMAP』の木村拓哉さんや元『TOKIO』の松岡昌宏さんなんかは書中に綴られているエピソードにより結果的に株を上げている印象です」
ジャニーズファンならずとも、一読の価値はあるだろう。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)