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『科捜研の女』打ち切り報道の裏でテレ朝が狙う松たか子主演ドラマのシリーズ化

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沢口靖子(写真:Getty Imagesより)
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 テレビ朝日を代表する人気長寿ドラマ『科捜研の女』が、昨シーズンで打ち切り──。

沢口靖子の「特別待遇」

「WEB版女性自身」が7月14日に報じ、同シリーズの長年のファンや業界関係者に大きな衝撃を与えた。

 記事によれば、昨夏に放送された「season24」が連続ドラマとしての最終シリーズとなり、以降の制作予定はないという。

 1999年から続いてきた本作は、女優・沢口靖子が演じる法医研究員の榊マリコが、科学捜査を駆使して数々の難事件を解決していく姿を描いたサスペンスドラマ。

 高い専門性と芯の強い女性主人公の奮闘ぶりが受け、幅広い年代から長年支持を集めてきた。

「しかし、視聴率は2021年頃から1桁台に転落し、最新シリーズとなった24年放送の『season24』は全話平均世帯視聴率が7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と厳しい数字に。近年は視聴者層の高齢化や若い世代の“テレビ離れ”も進んでおり、テレビ各局が番組制作や番組編成に苦労する中、同作に関しても22年には木曜から火曜に放送枠を移すなど編成サイドが苦心していたことがうかがえました。それでも、『連ドラはなくとも特番や単発ドラマとしては続く』と見る向きも多かっただけに、今回の報道には驚かされましたね」(テレビ誌ライター)

 さらに、「WEB女性自身」は沢口が10月期のフジテレビ系の新ドラマに出演予定であるとも伝えている。

 しかも、そのドラマの舞台は科学捜査を扱う警察組織だというのだからこちらも驚きだが、テレビ局関係者はこう明かす。

「フジの新ドラマに関しては沢口さんは主演ではないようですが、それでも彼女が演じるのは『科捜研の女』の榊マリコを彷彿とさせる科学捜査の専門家とか。これは“役被り”を嫌うテレビ界では基本的にタブー。それに、沢口さんにとって『科捜研の女』は自身のヒット作であり、愛着も強いでしょうし、他局のドラマであえて似たような役をみずから積極的に引き受けたとは考え難い。おそらくは水面下でテレ朝サイドから“シリーズ終了”の意向を伝えられ、引導を渡された形だったのではないでしょうか」

 テレ朝が25年間続いた“功労ドラマ”に区切りをつけた背景には、戦略的な予算再編もあるという。

「今夏スタートのテレ朝ドラマでは、松たか子さんと阿部サダヲさんの実力派コンビを主演に迎え、大石静氏が脚本を手掛ける『しあわせな結婚』が話題を集めており、テレ朝内ではすでに“シリーズ化前提”の動きが進んでいるようです。ただし、主演陣も脚本家もギャラは相当高額。そうした中、京都の東映撮影所を拠点に地方ロケを敢行しており、制作費を圧迫している『科捜研の女』の予算を“次の柱”となる新シリーズに振り分ける決断が下されたと見る向きもあります」(同テレビ局関係者)

 とはいえ、「科捜研の女」はテレ朝ドラマ史に名を刻んだレジェンド的存在だ。

 毎年の“風物詩”のように放送を楽しみにしていた視聴者も多いだけに突然の打ち切りとなればハレーションを起こすことにもなりそうだが、芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。

「『科捜研の女』については過去にも打ち切り報道がありましたが、それでもシリーズは継続してきました。長年テレ朝が誇る優良コンテンツの一つとして多くの視聴者を魅了してきましたし、さすがにこのまま何事もなくシリーズが終了するとは思えませんけどね。仮にシリーズが完結したとしても、単発のスペシャルドラマなどは今後も放送されるのではないでしょうか。同じテレ朝の人気ドラマシリーズ『Doctor-X 外科医・大門未知子』は昨年12月に公開された映画『劇場版ドクターX FINAL』で有終の美を飾りましたし、今年6月にシリーズファイナルを迎えた同局の『特捜9』も最終回放送というきちんとした形で幕を閉じましたからね」
 
 22年4月に放送された「season21」の最終回での“マリコ、最後の事件”をはじめ、これまでもシリーズ完結を思わせる事前の“匂わせ”がありながらも放送が続いてきた同ドラマだが、沢口扮する榊マリコの雄姿を再びテレビ画面で目にすることはできるのだろうか。

『相棒』『科捜研の女』にも危機感

(取材・文=サイゾーオンライン編集部)

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最終更新:2025/08/05 12:00