芸能人タトゥー騒動 最大の炎上ケース、長濱ねるは“確信犯”の可能性?

歌手のあいみょんの「タトゥー写真」が物議を醸している。近年は芸能人のタトゥーにまつわる騒動が続発しているが、なぜこれほどの抵抗感が生まれてしまうのか。その一方、賛否を呼ぶことを承知で、タトゥー写真をタレントとしての「進化」に利用したのではないかとみられるケースもあるようだ。
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あいみょん、優里、Ayaseらのタトゥーに賛否…最大の炎上ケースは長濱ねる
あいみょんのタトゥーが話題になったきっかけは、発売中の女性ファッション誌「GINZA」9月号(マガジンハウス)。あいみょんがガラリとイメチェンした姿で表紙を飾っているのだが、左腕に入ったタトゥーがチラリとのぞいており、これにネット上で注目が集まった。
人が歩いているような形のかわいらしいデザインのタトゥーなのだが、これに対して、SNSなどで「あいみょんは大好きだけどタトゥーは受け入れられない」「私が古いのかもしれないけどタトゥーはやめてほしかった」「がっかり……NHKに出られなくなるよ?」といった否定的な声が続出。
その一方で「今どきタトゥーくらいで騒ぎすぎ」「ミュージシャンがタトゥー入れるのなんて普通では」「タトゥーくらいで文句言われてかわいそう」などと同情の声もあり、賛否両論となっている。
熱心なファンは以前からタトゥーがあることを知っていたようだが、今回はメジャーな雑誌で表紙カットにタトゥーが写り込んでいたため、ライト層のファンにも認知されたことで騒ぎになったようだ。
この件に限らず、近年はシンガー・ソングライターの優里やYOASOBIのAyase、週刊誌にタトゥーを入れたと報じられた嵐の大野智など、タトゥー絡みで賛否を呼ぶケースが増加。そのなかでも、もっとも大きな騒動になったのが元欅坂46で女優の長濱ねるだ。
7月にリリースした8年ぶりの写真集『長濱ねる』(講談社)の中で、左の胸の横あたりに小さなハートのタトゥーが見えるカットがあり、ファンが騒然となったのだ。
SNS上では「かわいい」という意見が少なくなかったのだが、写真集を購入したファンは受け入れられない人が多かったらしく、大手通販サイトでは同作のレビューで「低評価」をつけるユーザーが続出。作品自体は推定累積売り上げ部数が5万部を突破するヒット作となっているが、それに反してレビューは異常な低評価で、その最大の原因が「タトゥー問題」だと指摘されている。
爽やか・清純イメージとのギャップが拒絶反応の理由か
なぜ長濱はここまで炎上状態になってしまったのか。アイドル事情に詳しい芸能記者はこう解説する。
「まだ本物のタトゥーだという公式発表がないので、ファンの間では『シールではないか』『中学時代にマダニに刺された跡ではないか』などと議論されているが、いずれにしても否定的な意見が多いのは、長濱の清純派イメージが根強いから。グループ卒業から6年が経った今でも、アイドルとして見るファンが多いのだろう。ただこれに関しては、長濱は大型アイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL』(TIF)のチェアマンを昨年まで4年連続で務めるなどアイドルとの共演が多いので、そう見られてしまうのも仕方ない部分はある。
AKB48グループや坂道グループ、ハロプロやスタプラなど、大手事務所が手掛ける正統派アイドルグループを応援するファンは、タトゥーはおろか、髪を染めることや濃いメイク、ピアス、派手な装飾品などを身に付けることすら嫌う。最近は『KAWAII LAB.』や代アニ系アイドルグループの台頭により、派手なメイクや髪色のアイドルも支持を得るようになったが、それらは若い女性を主なターゲットにしているので、そもそもファン層が違う。長濱に古き良きアイドル像を求めるファンは、たとえワンポイントの目立たないタトゥーでも許せないのだろう」
アイドル時代の長濱は「坂道グループきっての清純派」だったが、当時のイメージが今も根強く残っており、そのギャップが騒動の拡大に影響したようだ。
前述したあいみょん、優里なども優しく爽やかな楽曲のイメージが強く、YOASOBIのAyaseについてもヒット曲の「アイドル」や「夜に駆ける」などはポップな作品。嵐の大野についてはバリバリの王道アイドル。ヒップホップ系やハードロック系などであれば問題になることはまずないが、爽やかイメージのあるアーティストやアイドルがタトゥーを入れるとギャップがあり、賛否を呼びやすいようだ。
長濱のタトゥー写真は「脱アイドル宣言」の可能性
長濱へのファンの反応については別の要素もあったようだ。前出の記者が続ける。
「今回の写真集は長濱たっての希望で、撮影にフォトグラファーの高橋ヨーコ氏を起用している。高橋氏は国内外で高く評価されているが、アーティスティックな作風で、写真の質感や構図は従来のアイドルファンが求めているものとは異なる。長濱がグループ時代に発売してベストセラーとなった1st写真集『ここから』(講談社)は、坂道グループの写真集を数多く手掛ける細居幸次郎氏が撮影を担当し、アイドル写真集の名作として高い評価を獲得した。どうしても『ここから』と比較してしまうので、『アイドル長濱ねる』を応援している層は今回の2nd写真集に違和感があり、そうしたマイナス要素も相まって、タトゥーへの拒絶反応が強くなったのではないか」
タトゥーが写ったカットを写真集に使用したのは、長濱に「ある狙い」があった可能性もあるという。前出の記者が言う。
「タトゥーはレタッチで簡単に消せる程度の大きさだったので、あえてそれを残したことに長濱の強い意志を感じる。先日、長濱は多くの人気女優を擁する芸能事務所『フラーム』へ移籍したが、女優としての飛躍を目指す彼女にとって、今回の写真集は脱アイドル宣言を意味している可能性がある。それがタトゥーのカットを入れた理由ではないか。心機一転、新たな一歩を踏み出すために旧来のファンを切り捨てる覚悟なのかもしれない」
(文=佐藤勇馬)