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渦中のフジテレビ、系列局はCM復活の兆しも“本体”はいまだに苦境続きか

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フジテレビ会見の様子(写真:サイゾー)
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 元タレントの中居正広氏と当時局員だった女性アナウンサーとのトラブルに端を発した問題で揺れるフジテレビの親会社の「フジ・メディア・ホールディングス(HD)」。周知の通り、3月末に第三者委員会による調査報告書が公表されたのを受けて新社長の清水賢治氏を中心に再生・改革プランを公表して信頼回復に努めているが、いまだに復活とは程遠い状況が続いている。

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 6月25日に東京・有明アリーナで定時株主総会を行い、会社提案の取締役が採用され、再出発を図ろうとしているものの、シビアな反応を見せているのがCMに出稿する広告主たちだ。

 同局の関係者は語る。

「顕著になったのは今年2月以降、キー局のフジテレビを筆頭に系列各局のCMが次々とACジャパンに差し替えられ、4月からは出稿されなくなったことで番宣で穴埋めする状況がずっと続いています」

 もっとも、ここに来て風向きが変わりつつある部分もあるという。

「これまで系列局も同様の扱いを受けていましたが、5月頃から『全国ネットの番組にはスポンサードしないが、系列局のローカル番組ならCMを出稿してもいい』という広告主が徐々に現れはじめているんです。全国展開する大手企業の中にもフジ以外の系列局に関しては出稿を再開するところもありました」(前出の同局関係者)

 株主総会に続き、同局は7月6日に全国ネットで今回の一連の問題についての検証番組『検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~』を放送したが、芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。

「番組内では、同局で当時の一部経営幹部主導のもと女性の若手社員が参加する“不適切会合”の存在も取り上げられ、過去の参加者という同局の女性アナウンサーが素性を隠してその実態について証言する中、元同局専務の大多亮氏が『女性アナウンサーは上質なキャバ嬢』や『ホステスで売れるアナウンサーが良いアナウンサー』といった発言を過去にしていたことが明らかになり物議を醸しましたね。もっとも、過去のフジの番組を振り返れば自局の女性アナに番組制作サイドがわざと艶っぽく聞こえる発言を口にさせたり、番組内のコントでお笑い芸人から抱きつかれたりもしていましたし、当時の視聴者からすると今回話題となっている証言にもさしたる驚きはないでしょう」

 それ以外の部分も含めて、系列局のスタッフの間でも今回の検証番組の内容は総じて評判が芳しくないという。

「港浩一前社長、大多亮元専務だけがすべての罪を被るような番組構成でしたが、中居氏への取材はなく、長らくフジテレビのドンとして君臨した日枝久元取締役相談役には“3度も取材を拒否された”とだけ報告。最後は残された若手社員がそれぞれの現場で頑張っていることをアピールしていましたが、あれでは問題の検証というよりは広告主へのPR番組になってしまっていますからね。実際、広告主からは『本当に反省しているのか』との問い合わせが水面下で届くなど、かえって逆効果になってしまっている印象です」(フジの系列局の関係者)

 そうした中、7月に入りテレビ業界では各局が10月改編に向けたCMセールスの本格シーズンを迎えるが、経済誌の記者は明かす。

「フジ以外の民放局はタイムCM、スポットCMともに前年同月比でプラスに推移しているところが多いです。しかし、フジに関しては代理店サイドも今もって『企業イメージの問題がありフジにはまだ出稿できない』や『トヨタ自動車などグローバル企業は今後もフジを見放すだろう』とかなり辛辣な見通しをみせています」

 現状においてはフジ以外の民放局のCM売り上げは悪くないが、それでもインターネットやYouTube、SNSなどの普及によりテレビの地上波CMを取り巻く環境は厳しい。

「フジは最近アプリ系CMが多いですが、値引きしてCM枠を埋めているとの情報も流れていますからね。こんな調子で本当に立ち直れるのでしょうか」(同経済誌記者)

 フジの茨の道はまだまだ続きそうである。

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(取材・文=サイゾーオンライン編集部)

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最終更新:2025/07/17 12:00