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沖田臥竜の直言一撃!

大炎上中の小学館・マンガワン編集部の体質と離反する作家たちの思い

小学館『マンガワン』のサイトと、著者が原作を務めたマンガ『インフォーマ -INFORMA-』(単行本第1巻)
小学館『マンガワン』のサイトと、著者が原作を務めたマンガ『インフォーマ -INFORMA-』(単行本第1巻)

 ドラえもんが泣いるぞ。

 小学館といえば、ドラえもんである。同社屋の入口にはドラえもんが飾られてある。小学館の社員は誰しも「ドラえもんの会社」で働いていることを誇りに思っているはずだ。少なくとも私は小学館で初めて仕事をしたとき、そのことを思い、自分自身が誇らしく思った。そして、小学館では、生涯の友とも呼べる友人と出会うことができた。友人は小学館創立来最年少で週刊誌の編集長になるほどの逸材で、誰しもがこれからの出版業界、メディア業界を背負っていくといわれた人物だった。

 その友人が私の代表作の一つである『インフォーマ』を小学館でマンガ化するためのメディアミックスをセットアップしてくれたのだ。『ムショぼけ』もそうだった。その友人が担当してくれ、小学館から小説を出版してくれた。少なくともそこに対する恩義があった。私はその恩義に報わなければならないと思い、全力でマンガ『インフォーマ』という作品を作り続けた。たとえその媒体が今、大炎上しているマンガワンであり、当時から同編集部の対応に複雑な思いを抱かされてきたとしてもだ。

 特に去年、その友人が急逝してから、とにかく最後まで完結しきることが私の責任だと一生懸命になった。それだけにマンガワン編集部がどれだけええ加減なものか知っている。それは今に始まったことではない。はっきりと言う。色々なことを知っているし、それに対して何度も嫌な思いをさせられてきた。

実体のない「京都支局」騒動

 マンガワンの編集者が、共に伴走してくれることなんてなかった。原作者という立場から、さまざまなことを指摘してきたが、改善されることはなかった。それでも私はたった一人でも完走するために、色々なところに頭を下げて走り回った。

 単刀直入にいうが、『常人仮面』問題で謝罪文を出すならば、ほかにも心当たりがあることはあるはずである。そのことを編集部自らが開示して、釈明・謝罪するべきではないだろうか。『常人仮面』のときと同じようなことをしていないだろうか。少なくとも私は知っている。そして、「マンガワン京都支局設立」騒動。

 マンガワンの編集部を京都にもつくり、事業拡大するとさまざまなマンガ家に声をかけておきながら、実は会社としてそんな話はなく、その後は梨のつぶて。この話を吹聴し回っていた当時の編集長から、「マンガワン京都支局設立」を一大プロジェクトとして信じていたマンガ家に何らかの説明がなかったようなのだ。

「沖田さん。昨日、よその出版社からマンガワンの京都支局ができるんですねって言われて、『そんなのできませんよ』って答えたんですが、何か聞かれていますか?」

 小学館の人間からも、そんな問い合わせが私にあったので、知っていることを話したことがある。

 マンガワンは去年、編集長が不在な時期があった。以前、マンガワンの編集長を務めた人物の投稿が話題になったが、その編集長はひっそりと交代している。そこに「マンガワン京都支局設立」騒動が関係しているとの見方は強い。今回の問題も踏まえて、過去のそうした騒動にも自ら言及し、検証する必要があるはずだ。マンガワンの周りには、多くのマンガ家や彼らの作品を楽しみにしている読者がいるのだ。そんな想いを全てなかったことで片付けられるのだろうか。

削り取られた作り手の心

 マンガ『インフォーマ -INFORMA-』という作品に関していえば、マンガワンの担当編集者は、作画を担当してくれたマンガ家が心を折るような言動を繰り返していた。何度も何度も描き直させておきながら、それに対するケアが十分でなかったので、メンタル的に描けなくなったんだと私は思っている。その当事者が、小学館の作家が集まる懇親会では一言の謝罪もなく、編集者としての夢や希望を語り熱弁していたのだ。

 そんなスタッフが担当であろうと、私には友人がセットアップしてくれた作品を最後までやり抜くという責任があった。マンガ家が不在で作画が進まないのであれば、一時は決して安くない機材を揃えて、自分が描いてでも残りを仕上げようとも考えたし、実際に友人のマンガ家の先生たちに作画のレクチャーをお願いしに行ったり、ひとりで走り回った。ちなみに、それで1円たりとも原作料をもらっていない。原作料は、ドラマ『インフォーマ』の制作費が足りないと聞いて、そこに充当すべく、直接テレビ局に払ってもらっていたのだ。それなのに、編集部の誰からもねぎらいの言葉をかけてもらったことはない。

 まぁ、そんなところまで期待していないが、せめて、やめてもらえないだろうか。『インフォーマ -INFORMA-』の最終巻が4月にマンガワンから発売されるというのに、こんな騒動を起こすのは。小学館やマンガワンを信頼して、その名の下で仕事をしてきた人間にとっては、迷惑でしかない。編集部同士で気を遣いあったり、庇いあったりする前に、そもそも編集部からマンガワンの作家陣に何か説明でもあったか。

 私のことでいえば、最終巻の発売を前にして、こんな騒動が起こっても、編集部からも何の説明もなければ、担当編集者は電話にすら出ない。今は騒動に対応に追われていたとしても「あらためて説明をします」の一言があっていいはずだ。

 そんな編集部に、私はとうの昔に愛想を尽かしていた。だから去年行われたマンガワンの10周年祭の出席や作品の出展も断ったのだ。だが、「断る作品はありませんよ〜」と言われ、いつ開始されたかも知らされないまま出展され、自分はネットで知った始末だった。

 私は小説も映画もマンガも大好きだ。それを作るためにさまざまな犠牲だって当たり前に払ってきている。それは私だけではない。作品の作り手は、みんなそうだ。何かしら犠牲にしながら、寝る間を惜しんで作品を作っているのだ。それに対して問いたい。

 物語を生み出す人間に対してのリスペクトや心遣いが本当にあったと言えるのか。今回に限ったことではない。日頃の怠慢が今の現象を生み出しているのではないのか。だからこそ、続々とマンガワンで連載していた作家が、作品の掲載を断り出している側面もあるのではないのか。

 私だって、私ひとりで決められるならば、すぐにでも掲載を取りやめてもらいたい。しかし『インフォーマ -INFORMA-』という作品は私ひとりで作ってきたものではない。小説ならば版元や編集者の方々、映像ならば携わってくれたスタッフにキャスト。テレビ局や配信会社の人々がいてくれたからこそ、『インフォーマ』という作品を読者や視聴者に愛してもらえるのだ。

 簡単に自分の意志だけで、決めることなどできない。それぞれの作家が作品を作るために身を削っているのだ。これ以上、その作品を傷つけないでほしい。せめて編集部には作家ひとりひとりを大事にしてほしい。

 マンガワン編集部の裏側を少しでも知る者として、同編集部でやっているYouTubeチャンネル『ウラ漫ー漫画の裏側密着ー』なんて、私には見ることができない。

(文=沖田臥竜/作家・小説家・クリエイター)


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沖田臥竜

作家・小説家・クリエイター・ドラマ『インフォーマ』シリーズの原作・監修者。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』シリーズ(サイゾー文芸部)がドラマ化もされ話題に。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

X:@pinlkiai

最終更新:2026/03/02 15:02