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大河ドラマ『べらぼう』、視聴率浮上の鍵は政治パートの解説と”江戸ダジャレ”

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『べらぼう』の主人公・蔦重を演じる横浜流星(写真:Getty Imagesより)

 俳優・横浜流星が主演を務めるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の第6話が2月9日に放送され、世帯平均視聴率が10.2%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)し、前回から0.4ポイントのダウンとなった。

『べらぼう』江戸城の人間関係

 本作は江戸中期を舞台に、浮世絵師の喜多川歌麿や東洲斎写楽らを世に送り出した“江戸の出版王”こと蔦屋重三郎(横浜)の生涯を描く物語。

 初回は12.6%でスタートするも、第2話以降、数字は右肩下がりとなっている。

「初回は、NHKプラスでこれまで配信した全ドラマの中での最多視聴数を記録しましたが、視聴率は歴代ワースト2位だった前作の『光る君へ』を下回る出足となっています。“ビジネス大河”という新たな試みは評価したいところですが、視聴率としては今一つ盛り上がりにかけている印象。第6話では、片岡愛之助演じる鱗形屋孫兵衛をフィーチャーした回で、片岡は前日にフジテレビで放送された『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』での怪演が話題となっていたため、相乗効果が期待されていました。また、孫兵衛の長男役でサッカー元日本代表の三浦知良選手とモデルの三浦りさ子の長男の三浦獠太がサプライズ登場しましたが、いずれも数字には結びつきませんでした」(テレビ誌ライター)

 そんな『べらぼう』は、吉原を盛り上げようと奔走する「蔦重パート」と、渡辺謙、石坂浩二、生田斗真、寺田心が江戸城で権力闘争を繰り広げる「政治パート」に分かれているが、とりわけ後者に関しては放送後に「政治パートの補足が欲しい」や「政治パートは誰が誰なんだか」、「政治パートに自分の知識が追いつかない」と視聴者から悲鳴があがっている。

「3話では、後の松平定信となる田安賢丸を演じる寺田が子役時代の面影を残しつつも、渡辺演じる田沼意次に憤怒する熱い演技を見せています。ただ、頻繁に飛び交う『田安家』や『一橋家』、『清水家』、『御三卿』、『御三家』といったワードは、徳川家康の時代まで遡って歴史的背景を理解していなければついていくのはかなり難しい。『セピアのゼロから歴史塾』など歴史系YouTuberの動画で勉強しておくのがオススメですが、NHKも解説番組を用意しないと政治パートでの脱落者が増えていきそうです」(エンタメ誌編集者)

 そうした中、前出のテレビ誌ライターは視聴率回復の鍵として、登場人物が口にするセリフの「地口(じぐち)」に期待しているという。

「地口とは、江戸市中に住む庶民(江戸っ子)が日常的に使っていた言葉遊びの一種です。毎話登場する『かたじけ茄子』や『そんなこた心得タヌキ』『、そううまくは烏賊(いか)の嘴(くちばし)』といった洒落っ気のあるセリフは、声に出すと楽しくなってきます。1話のタイトルにもなった『ありがた山の寒(かん)がらす』はインパクト十分でしたが、2話では『ありがた山のトンビがらす』と別バージョンになっていたのが残念。同じワードをゴリ押ししていれば『流行語大賞』も狙えて、ドラマへの注目度が上がっていたように思います。改めて『ありがた山の寒がらす』を連発していくか、これを超える強ワードの登場に期待したいですね」

 他方、芸能ジャーナリストの竹下光氏は女性キャスト陣の“艶技”に期待する。

「大河や朝ドラの視聴率に関しては視聴習慣の関係から前作の出来不出来の影響を受けやすく、前作の『光る君へ』が歴代ワースト2位だったことを考えると、NHKサイドもある程度の苦戦は想定の範囲内だったのではないでしょうか。もっとも、今作も『光る君へ』もNHKプラスでの配信についてはそれなりの結果を出しているので、悲観するほどの状況ではないでしょう。そのうえで、普段大河にあまりなじみのない視聴者の関心を惹くという意味でも、“伝説”の花魁の花の井を演じる小芝風花さんや当代一の花魁の誰袖役を演じる福原遥さんら女性キャスト陣の華やかな艶姿や演技に期待したいところです。実際、2月9日に小芝さんが自身のSNSで花魁姿のオフショットを公開した際にはインターネット上でもそれなりの反響がありましたからね」

 横浜のかつら姿も様になってきた『べらぼう』だが、視聴率の推移を見てNHKがどうテコ入れしていくのか見物だ――とはいっても視聴率では測れない面白さ、そして高い評価もあるのだが……。

鬼平も沼った吉原独特ルール

(取材・文=サイゾーオンライン編集部)

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最終更新:2025/02/15 18:00