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週刊誌スクープ大賞

360万円を盗んだ宮内庁職員「報道の遅れ」と「刑事告発」の謎に迫る

 文春に関係がバレると、2人は口裏合わせを始めているが、それもすべて公開されてしまっている。

 これを読んでいて、携帯やメール、LINEなどがあるから、現代は不倫する男女には絶好の環境だと思っていたが、そうではないらしい。

《「この機能は、LINE上でやり取りしている相手とのトーク画面から『設定』を開くと選択できるのですが、今まで相手と会話した履歴がテキストファイル化され、転送できる仕組みになっています。ものの数秒で、別の人に内容を転送できたり、メモや、ファイルとして保存もできる便利な機能なんです」(芸能ジャーナリスト)週刊女性PRIME2025/5/9)》

《さらにこの機能を使うことができるのは、2人にかなり近しい人物でないと難しいと指摘するのは、前出・芸能ジャーナリストだ。「この機能を使うためには2人のトークルームに入る必要があります。そのため、ケータイの中を見ることができる人でないと難しいでしょう。さらに転送先も、連絡先が登録されている人でないと送れません。
もし今回の流出が本当に“トーク履歴送信”を使ったとするならば、永野さんや田中さんが第三者に内容を送るとは考えにくいので、永野さんか田中さんのごくごく近しい人物、ということになります」(同)》

 ということは、田中の奥さんからの情報提供か? どちらにしても、田中圭はこのまま結婚生活を続けることは難しいのではないか。

 いつもながら、不倫の代償は大きい。

 娘が他人の男と結婚する。男親にとっては、自分の結婚する時以上の人生最大の難問であり、これほど悩むときはない。

 自分の娘・趣里(34)が、週刊誌で「結婚詐欺男」と報じられた三山凌輝(26)、しかも8歳も下の若い男と結婚すると決まった、水谷豊の心境はいかばかりであろう。

 これを読むと、私は俳優・梅宮辰夫(故人)のことを思い出す。

 娘の梅宮アンナが、自称「誠意大将軍」といっていたタレントの羽賀研二と交際している時、父親の梅宮がこれに反対の意思を表明し、羽賀への叱責や批判を繰り返した。

 2人は結局破局するのだが、羽賀はその後、未公開株詐欺事件で逮捕され、刑務所に入った。

 父親の“慧眼”が娘を救った(?)のだが、父親というのは難しいものである。

 趣里と三山が結婚することは既に決まっていて、近々発表する予定だったが、文春報道があったためだろう、7月に延期されたそうだ。

 趣里と三山には海外での生活体験があり、それで親しくなったのではないかといわれる。趣里のほうが“お熱”らしい。

 水谷は、自分が娘の年の時に何をやっていたんだろうと思うと、娘に何かいえたもんじゃないなと、かつて語っていたが、相手に「結婚詐欺疑惑」があるとなると、心穏やかではあるまい。

 水谷から今回、文春に対して「本人の言葉で回答が寄せられた」という。

「娘の結婚に干渉しないという考えは、今も変わっていません。娘の人生ですから何事も自分で決めるべきだと思いますし、恋愛もしかり、相手がどなたであろうと娘の決めたことは尊重します。色々な経験をしながら豊かになって欲しいと願うことはしますが、親に出来ることは困ったときの相談相手になる、それに尽きるのではないでしょうか」

 文春は、相手がどなたであろうと、困ったときには相談相手になる、そういった言葉の中に「父の苦悩が滲む」という。

 水谷豊は、彼の人生で最大の決断を迫られているのは間違いないだろう。

 ところで、川崎市の岡崎彩咲陽(あさひ・20)が元交際相手の自宅で遺体となって見つかった事件で、神奈川県警は白井秀征容疑者(27)を死体遺棄容疑で逮捕した。

 しかし、警察が彼女の訴えを真剣に聞き、対処していれば救えた命だったことは間違いない。

 私も経験したことがあったが、神奈川県警というのは昔から、被害者に寄り添わない警察である。

 被害者の父親は、「警察の捜査の方法が間違っているので、娘は死んだと思っている。絶対許さない」と怒りをあらわにしているというが、当然だろう。

 この白川という容疑者は、どんな育ち方をしてきたのか?

 父親は実業家で、アメリカに滞在中に秀征(三男)が生まれたという。兄2人と、姉がいるそうだ。

 帰国してから2000年に両親は離婚したという。その実の父親が文春の電話取材に対して、白井について初めて口を開いた。

 離婚して以来、秀征が小学校2年生の頃にやっと会えたそうだが、元妻は父親と息子が会うのを快く思っていなかったという。

 中学の頃に悪い仲間と付き合うようになったが、秀征を溺愛していた母親は注意しなかったそうだ。

 20年以上、会うことがなかった父が息子に再会したのは昨年夏頃のことだったという。

「『秀征が自殺未遂をした』との連絡を家族からもらい、驚いて病院に駆け付けたんです。(病院で)話をすると子どものころと変わらない、優しい感じだった。だけど、顔に刺青が入っていました」

 事件を知ったのは?

「秀征の事件を知ったのは、報道が出る直前のことでした。長男(白井の兄)から連絡があって『お父さん、驚かないでね。実は……』と。私は、息子と3歳までしか暮らしていません。だから今回の事件のことも何もわからない」

 だが、「多感な時期に、父親がいなかったことが影響したのかどうか。子どもは寂しかったのでしょうね……」と付け加えたという。

 母親は、秀征に潤沢に金を与え、事件が起きてからも、息子が遺体を隠しているのを知っていたという話もある。

 母親の聴取もやっているのだろう。だが、失われた命は帰ってこない。警察の怠慢は許されるはずはない。

 さて、今週の第2位は石破茂首相の「闇献金問題」だ。

 党内野党の時、石破という政治家は金にはキレイだと思われていた。だが、他の自民党議員同様、一皮むけば石破も金の亡者だったというお話。

 石破茂首相(68)の元側近で、政治団体「石破茂政経懇話会」の代表も一時期務めた下根正宏(66=下の名前は仮名)が文春の単独取材に応じた。下根は、長年にわたって石破首相側に現金を渡し続けたと証言。「私は闇献金をしてきました」などと述べたというのである。

 以下は文春オンライン(2025/05/07)からの引用。

《下根氏は、石破首相が 2008年に自民党総裁選に初出馬した際、随行係を務めたという人物。石破首相と同じ鳥取県出身で実業家の父・下根弘氏(91)と共に、2010年代まで石破首相を支援してきた。
下根正宏氏によると、2003~2014年ごろまでの約10年間、石破氏の2万円の政治資金パーティー券を「100枚単位で毎年、購入していた」という。多い年は300枚ほど購入。代金数百万円を封筒に入れて現金で秘書らに支払い、金額が空欄の領収書の束を受け取っていた、としている。
また別途、「陣中見舞いなどとして、現金100万円を5回渡した」とも証言。約10年間でパーティー券購入とあわせて石破首相側に支払った総額は「少なくとも 3000万円は優に超える」と述べている。
 一方、「週刊文春」は前出「政経懇話会」など石破氏に絡む主な政治団体について、当該時期の政治資金収支報告書を確認したが、下根氏の氏名や、経営していた社名は記載されていなかった。政治資金規正法では20万円を超えるパーティー券購入者を記載するよう定めており、当時、同法違反の「不記載」となっていた疑いがある。
石破事務所に質問すると、「政治資金については、法令に従い、適正に処理し、その収支を報告しているところです」と回答した。》

 政治家、それも首相を目指そうという人間にはいわゆる「タニマチ」というのが必ずいる。

 田中角栄と小佐野賢治、福田赳夫と宝石商の大谷貴義などが有名である。

 そして、タニマチは、自分が資金的に応援してきた人物が首相になれば、その人間の威を借りて自分の野望を遂げようとする。

 今回告発した下根の父親の弘は、元々紳士服の行商から始め、50年ほど前からは無登録の高利貸しもしていて暴力団との付き合いもあり、警察の厄介にもなったことがあるそうだ。小池百合子都知事や太田昭宏公明党議員のタニマチとしても知られていた人物だそうだ。

 下根正宏はこうもいっている。

 下根親子は、石破事務所から毎年パーティー券を百枚単位で購入するようになったという。

「でも、段々と買ってくれる人が減り、結局私が毎年自腹で大量のパー券を買い取ることになった。特に記憶に残っているのは、東日本大震災がおきた一一年の三月十一日のこと。あの日も石破さんの秘書が池袋のウチの自社ビルに来ていて、その年に開催する政治資金パーティーについて打ち合わせをしていた。そこで大きな揺れに襲われたのです」

 その時、彼とやり取りをしていたのは、現在は総理秘書官の吉村麻央と、今は辞めてしまった会計責任者の男性秘書だったという。

 話は個別具体的だが、石破茂首相は「そんなことはまったくない」と全否定している。

 父親の下根弘も文春に対して、「もう昔のことですから」と答えなかった。

 この問題、どこまで広がるのだろうか。しんぶん赤旗に期待しようか。

 今週の第1位は、新潮がスクープした、天皇一家の「生活費」を盗んでクビになった男の話だ。

 新聞、テレビはこの話題を絶対追いかけないが、新潮は取材力を活かしてその人間の名前を突き止め、育ての祖母に話を聞いている。週刊誌ならではのスクープである。

 宮内庁職員が天皇家の生活費である内廷費を窃取した。これは前代未聞の事件であろう。宮内庁は事件の矮小化に躍起で問題職員の性別すら明かさないが、新潮は独自に職員を特定した。

 祖母が沈鬱な表情で語った、孫の人生と天皇ご一家との特別な関わりとはどんなものなのか?

 宮内庁がこの重大な事案を公表したのは今月1日のことだった。

「宮内庁は天皇ご一家の日常の生活費にあたる内廷費を盗んだとして、20代の係員級の侍従職を1日付で懲戒免職にしたと公表しました。侍従職の40代の課長補佐級職員も、適切な管理を怠ったとして減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと併せて発表したのです」(宮内庁担当記者)

「1日の午後3時に秘書課長がレクを行い、事案が明るみに出たのですが各社、完全に寝耳に水の状態でした。“御手元金”とも呼称される内廷費の窃盗事件は、宮内庁発足以来、初めてのことです」(同)

 新潮は、「宮内庁は問題職員の性別すら明らかにしていないが、ことは国民の血税に関わり、隠蔽など許されるはずもなかろう。本誌は今回、問題職員の特定に至った。その人物は25歳の男性の侍従職である。宮中では『内舎人(うどねり)』という役職にあった。本稿では以下、山崎永太(仮名)と呼称する」と報じている。

 以下は、デイリー新潮(5/7日)からの引用。

「永太は私の孫です。優しい子で、息子のように育てた自慢の孫でした。テレビで事件を報じていますよね。本当に私は悪い夢でも見ているような感じで。まだ、私自身、受け止められないというか……」

 そう声を振り絞るのは、東京郊外の一軒家に一人で暮らす山崎の祖母である。

「4月18日、突然、永太から電話がかかってきて、“おばあちゃん、休みが取れたから行くね”と。翌19日の昼ごろかな。永太が、一人でリュックサックを背負って家に来たんです」(同)

 ほどなくして、祖母は孫の様子がおかしいことに気が付く。

「私が家の中を動き回ると、私にべったりくっ付いて歩いて回るんですね。子供の時から一緒だから、“なんか言いたいことがあるのかな”とは感じました。でも、なかなか言わなかった」(同)

 しかし、山崎は帰り際に突然、かしこまって座り直し、

「“僕、宮内庁から出向になる”と言うんです。“出向先で働きたくないから、仕事を変える”と。“IT系の仕事を探している”とも言っていました。私は、“せっかく周りからもよくしてもらっているのだから、出向と言われたのなら、そこでしっかり働きなさい”と伝えたんです」(同)

 彼がその場で真実を伝えることはなかった。代わりに、祖母には次のように説明していたのだという。

「永太は“350万円の借金がある”と言っていました。だからこそ“仕事を変えて返す”とも。しまいには“借金を返すためにバイトしたい”なんて言ったり。“バイトで返せる金額じゃない”と諭したのですが、“おばあちゃんには関係ないよ。大丈夫だから、心配しないでね”と。350万円なんて借金、どうやって作ったのだろうと思ったのですが……」

 山崎の仕事ぶりと天皇ご一家との関わりについてはこう振り返る。

「永太は天皇陛下の間近でお仕えして、本当にかわいがってもらっていました。これは何年か前の新嘗祭(にいなめさい)の時の写真です。儀式のために天皇陛下が会場に入って来られる前に、こんな格好をして、灯明をつける役目を任されたんです。天皇ご一家が那須の御用邸で静養された際も随行していたという話で、愛子さまと花火をしている写真も携帯で見せてくれたことがあります」》

 優しい子はなぜ道を踏み外したのだろうか。新潮は本人に電話で質した。だが、「すいません、報道の通りでございます。お話しできることはございません」と、繰り返すのみだったという。

 盗んだ金の使途が気になるが、この点について祖母は、

「恋人の話なんて聞いたことがないし、趣味といえば、アイドルの“追っかけ”と言うのかしら。イベントがあると、休みを取って行っていたみたい。乃木坂とか何とかっていう。コップやのれんなど、たくさんグッズも買っていたようです。ただ、最近は『忙しくてそんな(追っかけする)余裕ないよ』と言っていましたし、さすがに、アイドルに使うために役所の金に手を付けたはずはないと思うのですが……」

 この事件には2つの不可解な点があると、新潮はいう。一つは、3月に宮内庁は皇宮警察本部に刑事告発しているが、発表がなぜこんなに遅れたのか?

 今一つは、職員は360万円をすでに返済し、宮内庁側との示談も成立しているのに、なぜ、刑事告発したのか?

 私は、そうした謎を解明する何の情報も持ってはいないが、推測するに、360万円もくすねられていたのになぜ気付かなかったのかという管理体制が問題になるのを恐れたのではないか。

 それと、この問題が公になり、天皇家への内定費は「プライベートマネー」(皇室解説者の山下晋司)で、余剰金が発生しても返還する必要はないそうだから、それに対する国民の関心を引きたくないという思惑があるのではないか。

 360万円も盗まれていて知らなかったのは、そんなはした金はどうでもいいと思っているのではないか。しかし、それだって国民の税金だろう。

 そうした“雑音”を避けたかったのではないか。私の様なゲスは、そう邪推してしまうのだが……。(文中一部敬称略)

(文=元木昌彦)

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元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/05/13 18:00