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名門大学柔道部に大麻汚染疑惑で思い起こされるOBの不祥事

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(写真:Getty Imagesより)

 国士舘大学の男子柔道部の複数の部員が大麻を使用した疑いが強まったとして、警視庁町田署が6月16日に麻薬取締法違反(使用)容疑で、東京・町田市のキャンパス内にある学生寮を捜索したことを各メディアが報じた。

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 同大柔道部といえば、これまで1984年のロス五輪と88年のソウル五輪で連覇を果たした故・斉藤仁氏、柔道男子日本代表チームの現監督でアテネ五輪金メダリストの鈴木桂治氏ら8人の五輪選手を輩出した大学柔道界の名門として知られている。

 報道によると町田署に同月14日、同大から「柔道部員6人が大麻の使用を認め、このうち数人から大麻所持の申告があった」と相談があったことを受けて学生寮を家宅捜査。

 部員6人は1~2年生で、同署の事情聴取にいずれも寮内の自室などで大麻を使用したことを認めたという。

 一部の部員は「高校時代の同級生から買った」と話しているほか、尿から大麻由来の違法成分が検出された部員も数人おり、同署は同法違反容疑での立件を視野に調べている。

 その後、家宅捜索で大麻のような植物片や大麻リキッドのようなものに加え、吸引器具も見つかったという。

 全国紙の社会部記者は語る。

「寮内に部外者は立ち入れないし、寮から繁華街までは遠く娯楽はない。男子柔道部は部員が93人いたというが、部内で薬物が蔓延していたと見る向きもある。徹底的な取り調べが行われることになりそうで、複数の逮捕者が出るかもしれません」

 警察庁の統計で2024年に大麻で摘発された中学生が過去最多となったことが明らかになるなど、若い世代への違法薬物の蔓延が社会問題になっている昨今だが、有名人の薬物問題にも明るい芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。

「一昨年の夏には何度も日本一に輝くなど名門として知られていた日本大学のアメフト部の寮から大麻と覚せい剤が見つかり、複数の部員とOBが立件されて、昨年12月には廃部となりました(今秋から公式戦に復帰)。にもかかわらず、再び名門と呼ばれる大学の運動部でこうした騒動が再び起こるわけですから学生たちの危機感のなさに驚くと同時に、違法薬物の蔓延の深刻さも痛感させられますよね。今回の捜査に関しては大学側からの相談を受けてのものという話ですが、芸能人の違法薬物関連の逮捕に関しては啓蒙的な意味合いから夏休みや年末年始など比較的世間の風紀が乱れやすいタイミングで見せしめ的に行われることもあります。そうした観点からも今回の件についても徹底的な捜査が行われることになりそうですね」

 今回の騒動を受けて同大は同月14日付で同部を活動停止処分に。

 同月16日には学内に対策本部を設置し、田原淳子学長名で《警察の捜査に全面的に協力するとともに、学内調査を実施し、厳正に対処します》とのコメントを発表した。

 そして同大の体育会の公式サイトでは、柔道部は目標の1つに《全日本学生柔道優勝大会》と掲げていた。

 同大会は団体戦の大学日本一を競う大会で、今年は6月末に東京・日本武道館で開催され、同大は2年ぶり8回目の優勝を目指していたが、部の活動停止により直前で出場できなくなってしまった。

「部の伝統を汚してしまっただけに、現在の監督や主将は今後重すぎる十字架を背負い続けることになるだろう。今後の処分だが、とりあえず、活動停止処分中は部の寮は閉鎖されることになるようです」(スポーツライター)

 今回、逮捕や処分を受けた部員たちは部の看板に泥を塗ってしまうことになるが、今回の騒動により同大柔道部が輩出した五輪選手8人のうち、過去に2人が逮捕、起訴された件が巷では再びクローズアップされているという。

「04年のアテネ五輪、08年の北京五輪を連覇した内柴正人氏は11年にコーチをしていた九州の大学の女子柔道部の部員への準強姦罪で逮捕・起訴され、懲役5年の実刑判決を受けて服役。その後、温浴施設の責任者を務めながら、プロ格闘技の試合に出場するなど社会復帰を果たしています。また、92年のバルセロナ五輪代表の丸山顕志被告は18年に暗号資産の共同購入を持ちかけて70代女性から現金4000万円をだまし取ったとして詐欺罪で逮捕・起訴され、今年3月に懲役4年の実刑判決を受けました。丸山被告の息子2人は柔道家で、次男で先ごろ引退した城志郎氏は21年の東京五輪代表の座をかけて阿部一二三選手と24分にも及ぶ激闘を繰り広げて日本の柔道史にその名を刻みました。しかし、父親とは絶縁状態。元々距離を置いていたのか、父親の母校である国士館大ではなく、天理大に進学していました」(同スポーツライター)

 有名大学でこうした騒動が起こると“OB”の不祥事が再び注目を集めるのはよくあるケースだが、今回逮捕された現役柔道部員たちにはこれ以上大きく道を踏み外さないように更生してもらいたいものである。

“鉄板・元カレネタ”

(取材・文=サイゾーオンライン編集部)

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最終更新:2025/06/23 22:00