CYZO ONLINE > カルチャーの記事一覧 > 「自公あわせて46議席」の衝撃  > 2ページ目
週刊誌スクープ大賞

文春は夏の参院選をどう読んだ? 「自公あわせて46議席」の衝撃

〈旧ジャニーズ事務所の性加害問題で批判を一身に浴びた、藤島ジュリー景子とはどんな人物なのか? 叔父・ジャニー喜多川との、母・メリー喜多川との関係は? 当時の所属タレントに何を感じているのか? 二人三脚で歩んできた「嵐」に対する思いとは? 何よりも一連の「出来事」を彼女はどう捉えているのか──。

 これまで語られてこなかった事実を、ファンや読者に伝えられるのではないか。それが今回、40時間を超えるインタビューに臨んだ一番の理由です。〉

 新潮社のHPには、この本のさわりが載っている。大概こういう内容だ。

「ジャニー喜多川とは生まれてから二人で食事したことがない」「文春との裁判でジャニー喜多川が負けたのは、母親のメリー喜多川がいうには、『本人も最後まで無罪だといい切っていた。負けたのは弁護士のせい』」「ジャニー喜多川とはほとんど会っていないので、今回被害を訴えてきた中で私が知っているのは9人だけ」「私が100%株主として残るのは、他の株主が入った場合、被害者の方々に法を超えた救済が事実上できなくなるから」

 これだけ読んでも、この本が藤島氏の「言い訳」に終始していることは容易に想像できる。

 だが、ジャニー喜多川の被害者救済がまだすべて終わらないのに、旧ジャニーズ事務所が動き出しているように感じるのは私だけだろうか。

 さて、お次はまたまたまた秋篠宮家のお話である。

 小室圭と眞子さん夫妻は、待望の子どもも授かり、夫のビジネスも順調で、幸福を絵に描いたような生活をしているらしいが、本家の秋篠宮家は、一向に逆風が吹き止まないと新潮が報じている。

 最近は、眞子さんに生まれた子供のことを話題に取り上げることも憚られるというのである。

 さる宮内庁関係者がこう明かす。

「日々、ご一家のお側でお世話にあたっている皇嗣職の職員らは、産まれたお子さんの性別や誕生日をいまだに知らされていません。それどころか、宮邸内で大っぴらにこの話題に触れるのはご法度となっている。せっかく初孫が誕生したというのに、秋篠宮さまや紀子さまへお祝いの言葉を述べることすら、はばかられる雰囲気にあるのです」

 これは異様である。

 秋篠宮家の事情に通じる人物もこう話している。

「宮邸で秋篠宮ご夫妻に接している人たちは、誰も『おめでとうございます』とのお声がけができていません」

 さらにこう続けるのだ。

「そのムードを形づくっているのは、他ならぬ紀子さまです。もちろん秋篠宮ご夫妻から私たちに『この件については触れないように』といった仰せがあったわけではありません。ただ、最初に出産が報じられて以降、紀子さまがその話題に決して触れようとなさらないご様子は、はっきりうかがえました。例えば宮邸を訪ねてきたお客様とお話しなさる時、相手が何かを切り出す前に『ところであの方はお元気でしょうか』などと、機先を制するかのように紀子さまが別の話題を持ち出される場面も、しばしば見受けられました」

 今年の秋には慶事が控えている。9月6日には悠仁さんの「成年式」が行われ、11月には秋篠宮が還暦を迎える。

 何もなかったなら、長女に子どもが生まれ、初孫を抱いて微笑む紀子おばあちゃんの姿が、女性誌の表紙を飾るはずなのに、残念なことである。

 お次は、コメの値段も下がり始め、「ようやった」と万雷の拍手で迎えられるはずの小泉進次郎農相だが、農家やJAからは反発の声がしきりで、石破内閣の支持率も一向に上向かない。

 何か、小泉進次郎という人間には“欠点”があるのではないかと思っていたが、文春が、Yahoo!との癒着があると報じたのである。

 小泉が6月20日にXにポストした。そこにはLINEヤフーが提供するネットショッピングモール「Yahoo!ショッピング」のリリースのリンクが貼られていた。こんな文言である。

〈Yahoo!ショッピング、対象のお米が最大20%OFFになるクーポンを配布。6月27日より令和6年産の銘柄米を5kgあたり実質価格3,000円台から販売開始〉

 閲覧総数は瞬く間に1億回を突破したが、これを目ざとく見つけ、Xで、〈中立・公平な立場の大臣が、個別の民間企業の広告宣伝などしてはならない。あからさまな利益誘導になる〉と批判したのである。

 小泉とLINEヤフーの代表取締役会長の川邊健太郎(50)とは“昵懇”の間柄だと文春はいう。

 2023年2月、川邊の千葉館山にある「迎賓館」で、仲間5人を呼んで、川邊がジビエ料理を振る舞ったという。そこに飛び入り参加したのが小泉進次郎だったというのだ。

 LINEヤフーの元幹部にいわせると、川邊は小泉の「経済政策のブレーンと言ってもいいでしょう」。

 企業人と親しく付き合うのは非難されることではないが、親しい企業の宣伝とも思えるものを、自身のSNSに載せ、拡散するというのは、いささか政治家としての資質を疑わせるものがある。

 文春によれば、川邊は総裁選で小泉が敗れた時も、こうXに投稿していたという。

〈小泉進次郎さんの総裁選の出馬演説を見ました。正直、政治家の演説ではじめて涙が出ました〉

「総裁選投開票日前日の26日には、選択的夫婦別姓の主張を唱える小泉氏の“ブレない姿勢”を評価。〈衆議院選挙では(略)ブレない党首がいるのはとても良い事だと私は思います〉と礼賛していました。最終的に3位に終わったものの、以降も親密な関係は変わらず続いています」(川邊の知人)

 政治家にとって、優秀なブレーンは絶対必要だ。川邊とは、私がオーマイニュースの編集長をしていた時に1度だけ会ったことがある。

 彼がまだ20代の後半ぐらいの時ではなかったか。非常に優秀で、理路整然と話す彼に、新しい時代のリーダーの姿を見た。その後も順調に出世して、今やLINEヤフーを手中に収める大企業家になったのは、ご同慶の至りである。

 だが、ITの世界は若者たちの世界だが、政治の世界は大ボス、小ボスたちが跋扈している偏狭な老人社会である。

 小泉進次郎がもし、この国のリーダーになろうと思うのなら、老人たちも取り込まなくては大願を成就できはしない。

 まだまだ進次郎は甘いといわざるを得ないだろう。

 ところで、最近これほど呆れ、怒ったことはなかった。エロ教師たちの変態ぶりである。

 連中は10人で、全員小中学校の教職員。男たちはグループチャットで、自らが持ち寄った女児の性的な画像や動画を投稿して、「これはいいですね~」「見入っちゃいます」などと品評していたというのだ。

 もちろん投稿はすべて仮名で、職場の名前や地域さえもお互い明かしていなかったという。

 だが、バカは思わぬところで本性を現し、逮捕されてしまうのだ。

 文春によれば、「6月24日、愛知県警少年課が性的姿態撮影処罰法違反の容疑で、名古屋市立小坂小学校の教員・森山勇二容疑者(42)と、横浜市立本郷台小学校の教員・小瀬村史也容疑者(37)を逮捕した」

 社会部記者がこう解説する。

「森山は昨年9月頃、愛知県内の施設で女児のショートパンツ内の下着をデジタルカメラで撮影。同月27日に秘匿性の高いSNSのグループチャットに送信したとされています。小瀬村も今年1月、神奈川県内の施設で女児の下着をスマホで撮影し、動画を2月、森山と同じチャットに送信した疑いが持たれています」

 しかし、事件発覚のきっかけはもっと前の3月10日。名古屋市立御劔小学校の教員だった水藤(すいとう)翔太被告(34)が器物損壊容疑で逮捕されたことだったという。

「今年1月、名古屋市熱田区の駅のホームで当時15歳だった少女に男が後ろから近づき、背負っていたリュックサックに精液を付着させた。防犯カメラを調べたところ水藤の存在が浮上し、逮捕に至ったのです」(捜査関係者)

 小学校の教員だよ。その彼が、昨年夏から今年1月にかけて、駅のホームや路上で繰り返し「陰茎を露出」していたというのだ。自分のイチモツを出してウロウロしていたというのだから、あきれてものがいえない。

「水藤は給食の時間中、瓶に溜めていた自身の精液をスープに混ぜて児童に飲ませようとしたり、複数の児童のリコーダーの吹口に学内で手淫して射精した精液を付着させ、咥えさせたりしていたこと等も次々と露見。これらの悪事もすべて起訴されています」(捜査関係者)

 捜査の過程で警察が水藤の携帯電話を解析したところ、変態教師グループによる動画等の投稿・共有が発覚したというのである。

 3人には面識はなかったようだが、チャットには多くの証拠が残されていた。

「女児の着替え中の動画やスカート内の画像など、約70点がメンバー内で共有されており、なかには生成AIで作ったとみられる児童の顔に別人の身体を合成した“ディープフェイク”もありました」(捜査関係者)

 モロ出しに盗撮、給食に自分の精液を入れ、子どもたちの飲ませる。こんな奴らに教育された子どものその後が心配である。どんな教師だったのか?

「グループの『開設者』であり『管理者』だった森山は、新潟県で青春時代を過ごしている。新潟南高校の同級生が回想する。

『彼は住宅金融公庫(当時)の融資住宅に母親と住んでいて、あまり多くの人とは付き合わないタイプの人間だった。高校を卒業後、愛知教育大学に進学。学生時代に知り合った同級生の女性と大学卒業後に結婚し、婿養子に入った。だから昔は名字が違ったんです』

 カミさんも小学校の教員で子どもも3人いるという。森山を知る学校関係者がこう話す。

「現在の学校では、4月から校長や教頭を補佐するナンバー3の主幹教諭を務めていました。算数、図工、生活科の授業を担当しており、勤務態度はいたって真面目。子ども達からも慕われており、同僚からの信頼も厚かった」

 こういう輩に限って、学校や職場では「イイ人」なんだ。

 森山と同じに逮捕された小瀬村の実家は神奈川県横浜市中区にあるという。本郷台小学校は、私の親類の家と近い。小さな娘がいるが心配だな。

「小瀬村は高校を卒業後、東京学芸大学の教育学部に入学。理科系のゼミに所属し、卒業論文では琵琶湖周辺の地層における淡水貝の化石等の変遷について研究し、発表した。フットサルが趣味で、社会人のチームに所属。週末はよくスクーターに乗ってチームの練習に顔を出していたという。

 元チームメイトが述懐する。

『小瀬村は皆から「コセ」とか「コセくん」と呼ばれていて親しまれていました。身長が160センチくらいで小柄なんだけど、人より多く走ってアグレッシブに守っていくプレイスタイル。怪我をしたチームメイトを気遣ったり、練習に遅刻してきたチームメイトを茶化していじったり、コミュニケーション能力がすごく高い“陽キャ”でした」

 そして水藤は、近隣では有名な「教育家庭」で、両親が学校の先生。ともに校長まで務めていたというのだ。

 そんな水藤は、高校の時に少林寺拳法に没頭し、高校1年と高校2年の時に、「型の部門」で県予選で優勝しているという。

 当時を知る少林寺拳法仲間がこう語る。

「あの頃、俺らが通っていた道場には地元の素行が悪い奴らが集まっていた。でも、水藤はそういうタイプじゃない。運動も出来て、頭も良くて、人当たりも丁寧。好青年って言葉がピッタリな奴だったんです」

 その後、森山と同じ愛知教育大に進み、小学校での評判も上々のようである。

「明るくて元気で、とにかくいい先生に見えていましたよ。男の人なのに学芸会でピアノを弾いて、子ども達から『すごいね!』って言われていて。当時は若くて子ども達とも年齢が近いから『喋りやすいお兄ちゃん』みたいな感じでした」(小学校の保護者)

 そんな奴がエロ教師だったなんて、子どもたちにどういえばいいのだろう。

 今後の捜査はこうなると社会部デスクがいう。

「目下、愛知県警はグループチャットのログの復元、解析を更に進めており、画像や動画を投稿した残りの教員たちの特定を進めています。うまく証拠が収集できれば、新たな逮捕者が続出することになるでしょう」

 まだ事件は終わらない。

 さて、今週の最後の記事は、文春の参院選完全予測。

 毎度おなじみの政治広報システム研究所の久保田正志代表と文春の取材班が予測しているが、結果はどうか?

 ちなみに朝日新聞は「危機感募る与党、攻勢強める野党 『過半数微妙』の序盤情勢調査」(朝日新聞Digital7月5日 20時45分)

 毎日新聞ネット版(7/7 05:00)は「複数区、参政擁立で混戦に 与党伸び悩む 毎日新聞参院選序盤調査」

 サンデー毎日でジャーナリストの鈴木哲夫は「都議選のような傾向が出ると、自公で50議席を割ることもあり得る」という自民党元選対幹部の話を紹介している。

 文春は、「政治広報システム研究所代表の久保田正志氏とともに、全選挙区の情勢分析を実施した。その結果、自民党は現有(改選数)から17議席減の35議席。公明党も現有から3議席減の11議席となる。自公あわせて46議席と、参院でも自公が過半数を割る衝撃の結果となった」というのである。

 久保田代表はこう分析する。

「都議選の結果を見ても、自民、公明といった既存政党に国民が失望しているのは明らか。今の国民が求めているのは刷新感ですが、与党の候補者にはそれが全くない。また、従来の自民は岩盤支持層に加え、無党派の保守層からも支持されていたのが強みだった。その層は今、参政党や日本保守党といった新興政党に流れ、自民が得票数を減らす要因となっています」

 では野党はどうか。

「対する野党は、立憲民主党が8議席増の30議席。国民民主党は15議席増の19議席という結果に。国民民主については、山尾志桜里氏の擁立調整をめぐる“山尾ショック”で支持率を落としていたが、それでも現有から約5倍の議席を獲得する予測となった」

 久保田代表はこう分析する。

「国民民主は都議選で9議席を獲得しています。確かに、山尾氏の擁立問題で国民民主の支持率は下落しました。しかし、私が入手した政党支持率に関する調査結果をそのまま都議選に当てはめると、国民民主は実際のほぼ半数の4議席しか獲得できない計算だった。つまり、支持率には表れていないものの、いまだに国民民主には根強い人気があると言えます」

 国民民主ほどではないが、躍進が見込まれるのが神谷宗幣代表が率いる日本保守党だ。4議席増やして合計5議席になるとみている。

 参政党のスローガンは「日本人ファースト」というものだが、これはあのトランプ大統領の「Make America Great Again」と、国粋主義的なところが似ていると思うのは、私だけだろうか。

 久保田代表は参政党の躍進をこうみている。

「参政党が有権者からの支持を集める理由は2つあります。党の打ち出す政策が明確で、しかもブレないこと。そして候補者が、税理士や弁護士などの士業や元公務員など、社会的信用度が高い人たちであることです。加えて参政党は全国に287の支部を持ち、140人超の地方議員を擁する。全国に組織が根付いているのです。今回は選挙区、比例区あわせて4議席獲得と予測しましたが、比例であと2~3議席を積み増す可能性もあります」

 日本保守党も1議席を取るとみている。どっちつかずの石破自民党に飽き足らず、安倍晋三のようにもっと保守的であれという政党が力を増してくるのは、私も理解できるが、これ以上はな~、と思うのだが。(文中一部敬称略)

(文=元木昌彦)

錦織圭ユニクロ不倫の代償

コメ問題のJAマネーの闇

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/07/08 18:00