サナエ劇場の裏で“この国のかたち”はどこへ向かうのか ~週刊誌を読み解き見えてきた、日本政治と世相の“危険水域”~

<今週の注目記事>
1:サナエ劇場で自民党圧勝 衆院当落予想(「週刊文春」11月20日号)
2:スッパ抜き 高市はやる気だ! 12・26『靖国神社参拝』極秘プラン(「週刊ポスト」11月28・12月8日号)
3:高市首相は日本医師会を切れるか(「週刊文春」11月20日号)
4:急進左派のマムダニを当選させた「聞く力」(「ニューズウイーク日本版」11月18日号)
5:林総務相“買収”支部長たちの爆弾証言(「週刊文春」11月20日号)
6:紀子妃に疎まれた皇嗣職トップ(「週刊新潮」11月20日号)
7:三菱商事を騙した疑惑の中国人を直撃(「週刊文春」11月20日号)
8:名古屋・主婦殺人事件 高羽悟さんインタビュー105分「裁判は争わず刑に服してほしい」(「サンデー毎日」11月23日号)
9:大谷翔平「無断使用は許さない」ブチ切れ法廷闘争!(「FLASH」11月25日号)
10:永久保存版 山本由伸独占告白60分(「週刊文春」11月20日号)
11:名古屋の日枝久 セクハラ写真で露呈した『東海テレビ会長(66)』のフジTV的体質(「週刊新潮」11月20日号)
12:「生活保護」申請増加で年金生活者がバカを見る(「週刊新潮」11月20日号)
13:「ジャパンモビリティショー」で見えた“激変する車の未来”(「FRIDAY」11月28日・12月5日号)
今井照容責任編集【文徒】2025年(令和7年)11月17日(第13巻213号・通巻3078号)に【ABC公査部数】2025年1月~6月期 部数ランキングが掲載されているので紹介しておこう。
順位/雑誌名/当期部数/前期比(%)/前年同期比(%)
1/ハルメク/462,415/99.0%/97.5%
2/家の光/295,429/89.4%/90.8%
3/週刊文春/180,353/106.4%/94.6%
4/月刊ザテレビジョン/141,686/90.0%/91.7%
5/致知/121,711/99.1%/98.3%
6/文藝春秋/120,264/91.7%/79.5%
7/女性セブン/120,232/97.8%/92.1%
8/日経ビジネス/115,271/95.1%/92.9%
9/女性自身/112,515/94.9%/96.9%
10/レタスクラブ/99,958/68.9%/92.5%
11/週刊新潮/96,120/96.8%/91.0%
12/週刊ポスト/92,787/94.7%/89.2%
13/プレジデント/91,905/101.0%/93.6%
14/ESSE/89,877/75.0%/89.3%
15/婦人公論/86,045/99.7%/93.5%
16/VOCE/82,375/106.4%/108.3%
17/週刊現代/72,776/85.9%/72.4%
18/InRed/64,761/169.6%/180.0%
19/リンネル/62,069/83.2%/81.6%
20/MonoMax/61,805/112.0%/111.2%
21/LEE/60,420/62.4%/89.4%
22/美的/60,370/85.7%/94.7%
23/週刊プレイボーイ/55,189/90.8%/91.5%
24/家庭画報/54,412/96.9%/105.7%
25/STORY/53,582/93.2%/88.9%
26/週刊大衆/52,926/85.7%/85.6%
27/週刊女性/51,686/100.1%/100.0%
28/MAQUIA/51,358/114.8%/129.9%
29/Casa BRUTUS/50,007/164.1%/157.4%
30/スポーツ・グラフィック・ナンバー/49,755/105.4%/100.9%
31/クロワッサン/49,102/104.5%/102.4%
32/ベビーブック/46,272/100.3%/77.2%
33/Disney FAN(ディズニーファン)/45,075/85.1%/82.2%
34/sweet/44,903/84.6%/83.1%
35/FRIDAY/43,811/89.3%/90.6%
FLASHは当期部数が26,895で、前期比88.9%、前年同期比が93.4%。文春が20万部を切り、すべての週刊誌が「危険水域」に入ってきた。
もはや文春は昔の文春ならず、といったところか。特集記事にも飛びついて読んでみたいと思う記事が少ないのは、編集部の悩みを反映しているのかもしれない。
さて、今週の1番バッターはFRIDAY。先日行われた東京ビッグサイトでの「ジャパンモビリティーショー」で、トヨタのブースに現れた豊田章男会長はこう高らかに宣言したようだ。
「日本から『次の100年』を作る挑戦、それこそがこの車なのだと思います」
写真には、自動車のようなヘリコプターのようなものが映り、「トヨタ 空飛ぶレクサス『Joby S4』とある。実用化は未定だというが、こんなものが空を飛んだら怖いな~。
市場が二分化していく中で、トヨタはあらゆる価格帯をカバーしていく「ワイドチャレンジ戦略を貫いている」というのは自動車評論家の国沢光宏。
日本とは真逆の戦略を取っているのがEV先進国・中国のBYDだという。今回のショーでも一番人気を集めたのが、1回の充電で推定航続距離は約180キロ。100kWの急速充電にも対応していて、販売推定価格は200万円半ばになるという。
BYDに市場シェアを奪われ、ついに今年は、2位に甘んじたテスラが苦境を脱しようと投入したのが自動運転ロボタクシーだそうだ。
それも地方都市をターゲットにし、販売価格は推定で450万円と格安だという。
私は自動車には全く興味はないが、予想通り、地上だけではなく、空を飛ぶ自動車の時代が確実に来つつあるのがわかる。
そうなると、また「こんな狭いニッポン、そんなに急いでどこへ行く」という標語が復活するのだろうか。
お次は新潮から。年金だけでは苦しいからと、生活保護を申請する人たちが増えていることに、苦言を呈しているが、いつもながらの新潮の論調で、私には目新しいところのない記事である。
新潮は、生活保護費の受給者は全国に約200万人いて、支給総額は4兆円に迫る、5年連続で増え続けているというが、それは、物価高や家賃の高騰、電気ガス料金の負担など、この国の経済が大きく停滞しているから、年金だけでは生活できない人たちが増えているからであろう。
新潮は、都内の炊き出しに、かつてはあんなにいたホームレスの姿をあまり見なくなり、比較的身ぎれいななりをして生活保護をもらっている人たちの姿が目立つとしているが、当然ではないのか。
今の物価高を生き抜いていくには、外聞も何にもかなぐり捨てなければ飢え死にしてしまう。
新潮は、各自治体で生活保護の支給額は違うというが、東京23区に住み国民年金で月5万円前後の収入(これを収入というのか?)がある人の年金支給額は8万円前後だそうだ。
生活保護をもらうと、一番大きいのは医療費がタダになることだろう。これで年間2兆円規模の財政支出になるというが、この程度の金額で人間の命が助かれば安いものではないか。
たしかに、新潮のような「考え」を持っている人はいるのだろう。特に、SNSなどでは働かないで生活保護をもらっている高齢者たちを「人間のクズ」のように言いたてる輩もいるようだ。
もうずいぶん昔、スウェーデン型の社会福祉こそ日本が目指すものではないかという議論が日本中であった。
スウェーデンやノルウェー、フィンランドなど、北欧3国は、消費税もバカ高いが、外国観光客への「観光税」も高く、それらの国を旅すると、日本の税金は安くていいなと思ったことが度々あった。
しかし、かの国の労働者は、40代でリタイアし、あとは森の中に家を建て、老後を自分の気ままに暮らすという自分にあったスタイルを選んで生きていくという。
今では遅いだろうが、いっそのこと、消費税を40%に上げて、若いうちは苦しいが、50代、60代でリタイアした人は国が十分に老後の生活を見てあげるという「福祉国家」を目指したらどうだろう。
もはや手遅れと嘆いていても仕方がない。我々も若い時は苦しかった。だが、歯を食いしばって刻苦勉励すれば、ユートピアのようなリタイア生活が待っているとしたら、その苦労を乗り越えられるのではないか。
今のように、ガソリンが高いから値を少し下げましょう。物価高だから食料品の消費税をなくしましょうという場当たり的な「弥縫策(びほうさく)」では、そのうち立ち行かなくなってくるのは目に見えている。
もはやこの国の構造自体を大きく変換するときに来ているはずだ。貧乏人がさらなる貧乏人を非難するようなチマチマした報道ではなく、この国の全体像をガラッと変える。その時期に来ていると、私は考えている。
高市早苗にそれができるとは思わないが、ここで一辺立ち止まって、「この国の形」を根底から変える議論を始めようではないか。
さて、世にセクハラの種は尽きまじ。今度は名古屋の“日枝久”といわれている東海テレビ会長(66)がセクハラ写真で大騒動だと文春が報じている。
「被害女性を退職に追いやったフジのコンプライアンスや人権意識の低さが問題視されました。そんなフジ的体質をいまも受け継ぐ系列トップとして、グループ社員の間では“小島さん”の名前がこれまで幾度となく挙がっていました」(フジテレビ局員)
それが、フジ系列の準キー局「東海テレビ放送」(本社・愛知県名古屋市)会長の小島浩資(ひろし・66)のことだというのである。
東海テレビでは、日枝久が長く社外取締役を務めていた。そんな日枝を小島は尊敬していたようだ。
今年1月、東海テレビは自局アナウンサーを対象にハラスメント調査を実施したという。
その結果、「上司の指示でアナウンサーが会合に出席する」といった事案はなかったと公表したが、同社OBによれば、
「得意先の要望には何でも応えることから、小島さんは“営業マンの鑑(かがみ)”とも評されていました。そんな彼だから、社長就任以降も自ら音頭を取って、取引先などとの会食を年に数回、開いていた。ただし、中には“不適切だ”と指摘されたものもありました」
スポンサー筋から「あの女性アナいいね」といわれると、小島会長の号令下、「女性社員の交流」を名目とする東海テレビとA社の飲み会がセッティングされ、そこにいいねの女子アナも呼び出されたという。
だがこんなことは序の口だそうだ。
当時、終業後に社内の女性を連れて飲みに出かける小島会長の姿が頻繁に目撃されてもいたという。
「22年前後のことです。平日の18時過ぎから、小島氏は派遣社員の女性2名らを連れて、名古屋市内の飲食店で私的な懇親会を開きました」
こう話すのは、その会に出席した関係者。派遣社員の女性二人はどちらも既婚者で、年齢はそれぞれ20代と30代だという。
「1次会の後、近くのカラオケボックスに移って2次会が始まりました。酔いも手伝ってか、小島氏は終始、上機嫌だった。ところが会が中盤に差しかかった頃、彼が突然、20代の女性に“キスしてよ”と迫り、自らの頬にチューさせたのです。さらに妊娠中だった30代女性のおなかに頬を寄せ、“俺の子か?”と喜々とした表情で軽口までたたきました」(同)
小島会長はその後も、彼女たちに抱きつくなど大ハッスル。すっかりご満悦の様子で帰路に就いたというのである。
それ以外にも、小島会長は元フジテレビ社員だった女性と名古屋市にあるマンションで暮らしているようだ。これは新潮の直撃に認めているが、「妻とは離婚している」と話しているが、真偽のほどはわからない。
豪放磊落で巨悪とも対峙できる腹の座った人間が、メディア界には昔多かったような気がする。
だが今は、自社の立場の弱い女性社員を連れまわし、接待に、自分の私的な遊びに侍らせ、セクハラ行為をやる人間ばかりになってしまったのだろうか。
テレビだけではないのかもしれないが。
ところで、未だにドジャース・ロスが続いている。
朝起きて、ああ、今日もドジャースはないのかと思うと、起きる気力が萎えてしまう。困ったものだ。
文春の山本由伸インタビューは、あのワールドシリーズの“死闘”の余韻を感じさせてくれる楽しい読み物である。
さわりだけ紹介しよう。インタビューは熱戦からわずか3日後に行われたという。
山本は第2戦で完投勝利を挙げ、第6戦でも先発で6回を投げて勝利投手になった。そして迎えた第7戦、同点の9回裏で訪れた1死1・2塁の大ピンチに「中0日」ながら救援登板して、3イニングを見事に抑えて勝ち投手になった。WSの4勝中実に3勝を挙げ、文句なしのMVPに輝いたのである。
――第六戦で勝ち投手となり三勝三敗のタイに持ち込んだ。その夜から翌日の“奇跡の登板”にかけて、何があったのですか?
「第六戦の試合が終わってベンチ裏の通路のところで、いつも身体を見てもらっている矢田先生(トレーナーの矢田修氏)と会ったので、『一年間ずっとサポートしてもらって本当にありがとうございました』とお伝えしたんです。そしたら、『明日も一応、ブルペンで投げられるところまでは持っていこうか』と言われて。聞いた瞬間は『ウソだろ?』と思いましたけど、まあ確かに何があるか分からないし、と思い直して。夜、食事を終えた後、もう一度、明日のための治療をお願いしました」
それには伏線があったという。山本が完投勝利を挙げた第2戦の後、移動日を挟んで迎えた第3戦は延長までもつれた。ドジャースは投手10人をつぎ込み、ブルペンが払底する緊急事態。そこで山本は自ら志願して肩を作ってチームを鼓舞した。結果的には、18回裏にフリーマンが劇的なサヨナラ本塁打を放ったことで登板には至らず。フリーマンは「この男に投げさせてはいけないと思った」と“山本効果”で奮い立ったことを明かしていたそうだ。
この山本の「男気」がブルージェイズに押し込まれようとしていたドジャースのチームメイトを鼓舞したのだ。
試合は先発の大谷翔平が3ランを浴びて、0対3に。ドジャースが2点返したかと思えば1点取られて2対4となる苦しい展開。地元の大歓声にも後押しされ、終始ブルージェイズが有利に試合を運んでいった。
「最初に三点取られましたけど、三ランホームラン一本で追いつけるし、これまでもドジャースは一イニングで5点取ったりしていましたから、まだまだ分からないぞと。でも二対三となって背中が見えたと思ったら、四点目を取られて突き放される。やっぱり甘くない。ブルージェイズは本当に強いな、と」
8回にマンシーがホームランを打って3対4。そして8回裏の途中から先発4本柱の一人、初戦と第5戦に先発したスネル投手が救援登板した。
9回。ロハスがレフトに同点ホームランを打って追いついた。
だが、9回裏、スネル選手がヒットと四球を与え、1死一・二塁となった大ピンチでピッチャー交代。山本の登板だ。
しかし、カークにデッドボールを与え、1死満塁。絶体絶命のピンチ。
――まず七番のバーショをセカンドゴロに打ち取り、本塁でフォースアウト。
「マウンドから見ていると、タイミング的には余裕でアウトだろ、という感覚。でもリクエストが出て。いざ映像で見たら、あんなにギリギリのタイミングだったのかと驚きました。セカンドのロハスが少しでも体勢を崩したり、送球がちょっとでも緩かったらあそこで終わり。僕は最後に出てきてデッドボールを当てて、サヨナラを打たれただけの投手で終わっていた」
奇跡は続く。
――その直後。八番クレメントがすくい上げるように打った打球がレフトに飛びました。
「外野がバックホームに備えて前進守備のなかでレフトに飛んで。ボールがバットに当たった瞬間は、もっとちゃんと打ち取れたと思ったんですが、思ったよりも高く上がって、どんどん深いところまで伸びて行って、その瞬間、何も考えられなくなりました」
――左中間への大飛球にセンターのパヘス選手が猛ダッシュで向かっていき、レフトのキケ選手とぶつかりながらもナイスキャッチ。
「あの瞬間、もう何が起きたのか分からなかったんですよ。え、アウト? アウトだよな? と。思考が回っていなくて、捕手のウィル・スミスのほうを見たらガッツポーズしていたんで、そうだよな、アウトだよな、と。ほんっとうに心臓に悪いですよ(笑)。後で映像を見ると、弾き飛ばされたキケのぶつかり方も上手かったんだと思います。あそこで身体に力が入っていたら、衝撃を受けたパヘスのグラブもボールに届かなくて落ちていたと思う。パヘスのダッシュも、キャッチも、キケの飛ばされ方も、すべてが奇跡的なプレーで、本当に紙一重でした」
またあの感動が甦ってきた。
連覇に貢献した大谷翔平は、4度目、3年連続となるMVPに輝き、来年はいよいよ本格的な二刀流が見られるはずだ。
大谷は順風満帆かと思えば、FLASHによると、例のハワイの別荘の件が泥沼になっているというのだ。
「『何から何まで異例です』
驚きを隠さずこう口にするのは、ハワイ州弁護士資格を持ち、アメリカで活躍する国際弁護士・吉田大氏だ。彼が語るのは、偉業を成し遂げたばかりの大谷翔平(31)について。ただし、吉田氏が驚くのは大谷の選手としての実力ではなく、プライベートで進行する“泥沼裁判”の実情だった。
『現地弁護士の視点からこの裁判の資料を紐解くと、大谷選手の“本気度”がさまざまな形で窺えるのです』(同前)」
ハワイの別荘の問題が、大変なことになっているというのである。
「ことの発端は2022年に遡ります。ハワイ州ハワイ島で計画された2億4000万ドル(約350億円)規模の高級別荘地の開発プロジェクト。現地の不動産デベロッパー2人が、大手不動産開発会社『キングスバーン・リアルティ・キャピタル(以下、キングスバーン社)』と共同でこの計画を進めていました。大谷選手はこの年、同開発の広告契約を締結しており、昨年には自らこの別荘の最初の購入者となりました」(社会部記者)
しかし今年になって、状況は一変したというのだ。
「8月、現地デベロッパーらが原告になり、『大谷選手の代理人バレロ氏が、不当な圧力をかけて私たちをプロジェクトから排除した』として、大谷選手本人とバレロ氏を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こしたのです」(同前)
原告と大谷選手の間では、写真の使用についてトラブルが起きていたという。
今年2月、この別荘の公式サイト上で、リゾートの着工式の様子が公開された。そこには、笑顔で式典に臨む大谷と妻の真美子さん、そして愛犬のデコピンの家族写真が掲載されていたのだが……。
『大谷夫妻はオレンジ色を基調としたハワイらしいレイを首から下げており、和やかな様子でした。ところが写真公開の翌日から、次々とその写真が削除されたのです。これは、妊娠中の真美子さんの様子を無断で公開されたことに大谷選手が激怒したことが原因だ、といわれています』(同前)
事実、今回の裁判で大谷側は、『大谷の名前や写真などを不動産のプロモーション契約から逸脱して、不正使用された』と主張している。
『これに対し原告は「事前に写真使用の承諾を得ていた。大谷氏側は後から不正使用と主張した」と反論しており、これが裁判の発端になったとみてよさそうです。原告らは、こうしたトラブルの後に同開発から外されたと主張。『バレロ氏がキングスバーン社に対し、原告をプロジェクトから外さなければ、大谷氏の名前で報復訴訟を起こすと警告した』というのです』(同前)」
原告はハワイ別荘の開発プロジェクトからの「排除」の責任を大谷らに求め、訴訟を起こしたというわけ。提訴から3カ月。この裁判の行方は、現在さらに泥沼化しているという。
吉田が“異例”の内幕を解説する。
「たとえば、代理人弁護士の陣容です。双方がハワイ州の弁護士に加えて、原告はニューヨークの弁護士を2人、大谷選手側はロサンゼルスとシアトルから1人ずつ、弁護士を呼んでいるのです」
州外から訴訟に参加している弁護士らは、たんなる“アドバイザー”ではないという。
「むしろ、現地の弁護士だけでは手に負えない大型案件だとして、この訴訟の大戦力として委任されている可能性があります。というのも、今回担当している州外の弁護士は、双方とも1時間の稼働に対して20万円近くの費用がかかるエリートたち。ハワイでもっとも高いとされる弁護士でも10万円もしません。大谷選手側が出す裁判費用は、1時間当たり50万円程度になるでしょう。原告・被告共にかなり攻撃的になっており、半端に和解するつもりはないと見えます」
考えられないほどの書面がやり取りされているという。
「大谷選手がここまでするのは、今後のビジネス契約で同じことが起きないようにするために、『出来得る対策はなんでもする』という姿勢の表われに見えます」
裁判は長期化するようだが、大谷はなぜ、これほどまでに肖像権についてこだわるのか? 彼の場合、「金持ち喧嘩せず」は当てはまらないようだが、早いこと決着をつけた方が大谷のためにも、小さな子どものためにもいいとは思うのだが。
